スタートアップが資金を得るクラウドファンディングRepublicがゲーム開発のクラファンFigを買収

スタートアップのためのクラウドファンディングRepublicが、ゲームのためのクラウドファンディングFigを買収して、両者の力を合わせてクリエイターたちが自分のアイデアを実現できるようにしたい、と考えている。各サービスの既存のユーザーは、そのままの状態を今後も維持できる。

誰もがアクセスできるこのようなマイクロエクイティ(小規模なプライベート投資)は、効果を実証されているので両プラットホームとも近年では成功している。いろんなスタートアップが、Republicで数百から数千ドルを調達しており、一方Figは昨年、Outer WildsWhat the Golf?が大好評だった。

KickstarterやIndiegogoほど大きなサイトではないが、プロジェクトはより注意深く精査され、クラウドファンディングではあるけれどもRepublic/Figは独自のやり方で、出資者に製品ではなくエクイティ(非公開株)を与える。あるいは、エクイティに加えて製品もくれる場合でも、たとえばIntellivisionのその奇妙なゲーム機の魅力に抵抗できる人はいないだろう。

Figの買収の価額などは公表されていないが、誰でも考えるのはこれは両者の同格合併であり、どちらかが傷つくことはない、ということだ。そしてそれによって、オーディエンスとプロジェクトが増えてくれれば御の字だ。ゲームへの投資は増えているし、とくにニッチのゲームに今後のビッグヒットの期待が集まる。だからRepublicにとってFigは、同社の既存のプラットホームの自然な拡張だ。

Republic Funding PortalのCEO Chuck Pettid氏は、TechCrunchに送ってきた声明でこう述べている: 「Figの良いところは、すでに投資家たちにかなりのリターンがあることだ。調達した資金でゲームを作り、そのゲームを売り、収益を投資家と共有する。プライベートな(市場を介さない)投資は、まともなリターンを得るまで7年から10年はかかることが多い。Figはそれを加速して、2017年からの3年間連続で投資家にリターンしている。そんなクラウドファンディングプラットホームは、ほかにない」。

FigのCEO Justin Bailey氏はRepublicの取締役会に残り、両社のインテリジェントな統合をガイドする。

そのBailey氏は曰く、「Figは前と変わらないが、徐々にRepublicの一部になるだろう。RepublicはFigの、コミュニティにパブリッシングしていくプラットホームの中核部分を維持し、それに同社独自の材料、たとえばダイバーシティへのコミットメントなどを加えていく。それによって、インディーのゲームデベロッパーのためのより強力なプラットホームが築かれる。結局のところ、Figのミッションはインディーのデベロッパーをサポートすることであり、彼らのゲーム制作を可能にすることだ。Figがなければできない、と言えるぐらいに」。

両CEOはともに、彼らのサイトが不遇な人たちの価値を認め、彼らの唯一の資金獲得方法としてクラウドファンディングを提供していくことを強調する。Pettid氏によると、「サイト上の資金募集キャンペーンの半分以上がいわゆる、影の薄い名も無き創業者からだ。これまでの数年間、テクノロジーもビデオゲームの業界もダイバーシティのメッセージを広めてきたが、実際に実現したことはまだ少ない」、という。

Bailey氏によると、パンデミックで投資の方法が大きく変わった。クラウドファンディングはすでに成功しているが、コロナウイルス以後の変化した世界ではさらにもっと重要になる、と彼は言う。

彼曰く、「デベロッパーは、資金調達の方法がワンパターンであってはいけない。効果的なクラウドファンディングキャンペーンには、イノベーションとクリエイティブな思考が必要であり、われわれはそのためのアシストができる」。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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