グーグル、ロシアでPlayストア課金とYouTubeの決済を停止

Google(グーグル)は、ロシアの銀行に対する西側の制裁措置に関連した「決済システムの混乱」を理由に、ロシアでのモバイルアプリストアPlayでの課金を停止し、YouTube(ユーチューブ)ユーザー向けの決済サービスを一時停止している。

ロイター通信が先に報じたこの事態は、ロシアのウクライナ侵攻と、それに続くロシアの銀行に対する制裁をきっかけに、欧米がプーチン大統領の欧州での戦争に対する経済的対応を選択したことに起因している。

Android開発者向けウェブサイトのサポートノートで、GoogleはPlayの課金停止を認め、こう書いている。

「決済システムの混乱のため、当社は数日内にロシアのユーザーのためのGoogle Playの課金システムを一時停止する予定です。これにより、ユーザーはロシアでGoogle Playを使用してアプリやゲームの購入、サブスクリプションの支払い、デジタル商品のアプリ内購入を行うことができなくなります。無料アプリは引き続きPlayストアで利用できます」

別のノートでは「最近制定されたPlay開発者に対する国際制裁」に関して、Googleは次のように述べている。

「当社は、適用されるすべての制裁および貿易コンプライアンス法を遵守することを約束し、最新のガイダンスを引き続き監視しています。影響を受ける地域のユーザーは、無料アプリのダウンロードを含め、引き続きGoogle Playを利用することができますが、購入することはできません」

また、FAQ(よくある質問とその回答)では、制裁を受けた地域の既存のサブスクリプションは、請求サイクルの終了時にキャンセルされることをPlayの開発者に警告している。

「状況は急速に進展しているため、このページに戻ってきて最新情報をチェックすることをお勧めします」と付け加えている。

YouTubeの広報担当者は、ロシア国内での支払いベースのサービスの「一時停止」を認め、以下の声明をTechCrunchに送ってきた。

「当社は最近、ロシアですべてのGoogleとYouTubeの広告を一時停止しました。追加措置として今この一時停止を、ロシアの視聴者向けのYouTubeプレミアム、チャンネルメンバーシップ、スーパーチャット、商品販売を含むすべての収益化機能に拡大しています」

支払いベースのYouTubeサービスの停止が米国太平洋標準時3月9日午後1時時点でロシアで実施されたとTechCrunchは理解している。YouTubeプレミアム会員、チャンネル会員、スーパーチャット、スーパーステッカー、商品販売に影響を及ぼしている。

今回の措置は、以前発表されたロシア国内でのGoogleのサービスに対する制限を拡大するものだ。

同社は3月4日、同国における自社の広告販売の停止を発表した。ただし、ロシア人向けの広告販売を完全に打ち切ったわけではなく、その時点では、同国の事業者がロシア国外で配信される広告を購入することは引き続き許可すると述べている。

現在、PlayとYouTubeでの決済を妨害している銀行制裁によって、Googleがロシアでの残りの広告販売を停止せざるを得ないかどうかは確認されていない。ロイター通信によると、ロシアのYouTubeチャンネルは、広告や有料機能を通じて国外の視聴者から収入を得ることができるため、完全に遮断されるわけではないとのことだ。しかし、西側の制裁が厳しくなるにつれ、ロシア人が外国企業との間で決済を行ったり、支払いを受け取ったりすることはますます難しくなっているようだ。

ここ数日でApple(アップル)、Airbnb(エアビーアンドビー)、Microsoft(マイクロソフト)といった他のハイテク大手も、ロシアでの販売や事業を停止する同様の措置を取っており、プーチン大統領のウクライナでの戦争に対する抗議としてロシアを事実上ボイコットしたり同国から撤退したりする多国籍企業の増えつつあるリストに加わっている。

また、ロシア政府が支援する国営メディアのRussia TodayとSputnikに対するEUの制裁に対応して、Googleなどが2社のYouTubeチャンネルアプリのジオブロックを発表するなど、テックプラットフォームはロシアの偽情報への対応を調整する措置も取っている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

医療機関向け治療用アプリを手がけるCureAppの「高血圧症向け治療用アプリ」が薬事承認取得、ソフトウェア単体で日本初

医療機関向け治療用アプリを手がけるCureAppの「高血圧症向け治療用アプリ」が薬事承認取得、ソフトウェア単体では日本初

医療機関向けの治療用アプリを開発するメドテック企業CureApp(キュア・アップ)は3月9日、本態性高血圧症のための治療用アプリの薬事承認を取得したと発表した。薬だけに頼らず、アプリで生活習慣を修正するデジタル療法を実現する「高血圧症治療用アプリ」誕生の第1歩になるとのこと。ソフトウェア単体での薬事承認は国内初であり、高血圧領域における治療用アプリの薬事承認了承は世界初だという。これは、自治医科大学内科学講座循環器内科学部門との共同研究によるもの。

原因がはっきりしない本態性高血圧症の治療には生活習慣の修正が重要となるが、患者の価値観や意欲、生活環境に左右されるため継続が難しく、医療機関は介入しにくい。そのため、患者の70%は降圧目標が未達成もしくは未治療の状態だという。

このアプリは、そうした課題に対処するべく、患者ごとに個別化された治療ガイダンスを提供する。血圧と生活習慣の記録から、その人に合わせた食事、運動、睡眠などに関する情報を示すことで行動変容や継続的な生活習慣の修正を促し、正しい生活習慣の獲得をサポートすることで治療効果をもたらすことを目指している。患者の生活習慣の修正状況は、医師用アプリで医師が確認できるため、診療の質の向上も期待できる。

CureAppは、「アプリが病気を治療する効果を持つ」と考え、「治療アプリ」の開発を行っている。2020年8月には、ニコチン依存症治療アプリとCOチェッカー「CureApp SC」が薬事承認を取得し、保険適用になっている。現在は、非アルコール性脂肪肝炎向け、アルコール依存症向け、がん患者支援、慢性心不全向けの各治療アプリの開発に取り組んでいる。

Instagram、投稿に貢献したクリエイターのクレジットを表示できる拡張タグを導入

Instagram(インスタグラム)は、クリエイターが自分の作品に対する評価を受けやすくするために、新たな拡張タグを導入する。同社によると、この拡張タグによって、ユーザーは閲覧した写真や動画の投稿の中で、クリエイターによる特定の貢献を認知・共有できるようになるという。このタグの中には、クリエイターが自ら指定した役割を示すプロフィールカテゴリーが表示される。クリエイターは自分の投稿に、他のクリエイターのタグを付けることが可能になり、より多くの人に各自の作品を知ってもらうことができる。

この新しい拡張タグを使用するには、投稿を作成する際に「Tag People」をタップし、そこから「Select Add Tag(追加するタグを選択)」をタップして、作品に寄与したクリエイターを検索・選択する。そして「Show Profile Category(プロフィールカテゴリを表示)」をタップすると「スタイリスト」や「フォトグラファー」などのクリエイターカテゴリが表示されるので、そこから相応しいものを選べばよい。

「創作に対する適切な評価と認識は、発見、新たな機会、そして経済的エンパワーメントの出発点です」と、Instagramはこの発表に関するブログ記事で述べている。「多くの黒人や過小評価されたクリエイターにとって、クレジット表記はクリエイターとして持続可能なキャリアを築くための入り口であると同時に、文化的盗用を防止し、誰が文化を牽引しているかを世界に確実に伝えるものです。簡単にいうと、もしあなたが、メイクアップアーティストやソングライターなど、その作品における重要な協力者であるなら、投稿の中であなたの貢献が、よりはっきりと目で見てわかるようになるということです」。

この新しい拡張タグは、オンライン上で自分の作品に対する評価を受け取っていないという黒人クリエイターたちによるコンテンツストライキを受けて、導入されたものだ。Instagramは、この新しいタグについてのブログ記事で、適切なクレジット表記が「裏方として貢献することが多い、主流から追いやられた、過小評価されたクリエイターや協力者にとって、特に重要である」と認めている。Instagramは、新しいタグを通じてこのような懸念に対処し、より多くのクリエイターが自分の作品に対する評価を受け取れるようになることを期待している。

今回の新しいタグの導入は、Instagramが2つの古いアプリをアプリストアから削除したことを認めたのと同じ日に行われた。この2つのアプリとは、2014年に初めて登場したタイムラプス動画アプリ「Hyperlapse(ハイパーラプス)」と、2015年にリリースされたループ動画アプリ「Boomerang(ブーメラン)」だ。とはいえ、Instagramがこれらのアプリを廃止したことに驚きはない。どちらも元々は、Instagramの旗艦アプリを停頓させることなく、Instagramユーザーに新たなクリエイティブツールを提供するためのものだった。しかし、そのメインアプリに、あまりにも多くの機能を詰め込みすぎることに対する同社の懸念は、すでに過去のものとなっており、現在のInstagramは、メインアプリ本体で、短い動画コンテンツの「Reels(リール)」、オンラインショッピング、ライブ動画など、数多くのツールや機能を提供している。

この2つのアプリの削除が確認される数日前には、Instagramは独立した動画アプリ「IGTV」のサポート終了を発表している。同社は今後、すべての動画をInstagramのメインアプリに統合することに注力し、これから数カ月かけてメインアプリ内における動画の平易化と改善を続けていくとしている。

画像クレジット:Instagram

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

MozillaがAndroid版Firefox FocusとiOS版Firefoxに新機能を導入、ピクサー映画の壁紙も

Mozilla(モジラ)は米国時間3月8日、Android版「Firefox Focus」とiOS版「Firefox」に新機能を導入すると発表した。Android向けのプライバシーを重視したモバイルブラウザであるFirefox Focusには「HTTPSオンリーモード」が追加される。このモードでは、訪問するすべてのウェブサイトで、アプリが自動的にHTTPSによる安全で暗号化された接続を確立するようになる。

「シンプルでプライバシーをデフォルトで重視するコンパニオンアプリとして、私たちはFirefox Focusをユーザーにとってより安全にするためにもっとできることはないかと考え、HTTPS専用モードを思いつきました」と、Mozillaはこの発表についてのブログ記事で述べている。「これは、Firefox Focusに自然にフィットするように感じられました。Android版Firefox Focusは現在、利用できる最高のセキュリティとプライバシーのために、自動的にHTTPSを選んで接続し、気が散ったり心配したりすることなく、あなたが迅速な検索を行いたいと思う瞬間をサポートします」。

今回の発表から2カ月ほど前、MozillaはAndroid版Firefox Focusに「Total Cookie Protection(トータル・クッキー・プロテクション)」と呼ばれるプライバシー保護機能も導入している。その目的は、毎日訪れるサイトや検索している製品など、複数のサイトでクッキーを共有して企業がユーザーに関する情報を収集するクロスサイトトラッキングを制限することだ。

iOS版Firefoxアプリの方は、画面の上部だけでなく下部にも配置できる新しい調整可能な検索バーが追加された。このわずかな変更により、ユーザーがオンラインで訪問したい場所にすばやくアクセスできるようになると、Mozillaでは述べている。この新しいオプションは、Apple(アップル)が「Safari(サファリ)」ブラウザに採用した調整可能な検索バーと似ている。

なお、Mozillaは今回の発表に合わせて、Disney(ディズニー)とPixar(ピクサー)の映画「私ときどきレッサーパンダ(原題:Turning Red)」にちなんだモバイル壁紙を、米国内の全ユーザーに展開することも発表した。この壁紙は、Firefoxモバイルアプリを開き、ホームページのFirefoxロゴをダブルクリックするか「ホームページをカスタマイズ」から見つけることができ、さまざまな壁紙の中から好きなものを選んで設定できる。Mozillaによると、今後数カ月のうちには新しい壁紙も用意され、グローバルにも展開する予定だという。

画像クレジット:Mozilla

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Metaの社内研究開発グループNPE TeamがグループのためのToDoアプリ「Move」を発表

Metaの社内的な研究開発グループ「NPE Team」が、「Move」という新しいソーシャルアプリをローンチした。これは個人とグループ両用のToDoリストで、ユーザーはこのアプリで、個人でもグループでも何かしらのプロジェクトのために集まり、ToDoリストを作成し、まだ終わってない作業に関する注意や催促などすることができる。従来のToDoアプリと異なるのは、全体がゲーム化されている点で、終わった作業に対してユーザーがポイントを得たり、またアルパカで表現されるアバターに帽子や服、サングラスなどを着せてカスタマイズすることもできる。

その狙いはどうやら、グループへの参加を促すことにありそうだ。たとえばアバターのカスタム化では、グループのどのメンバーが生産性が高かったかを表現できる。たとえばアバターが何もアクセサリーを付けていなかったら、その人はグループのプロジェクトにまだ参加していないといった感じで。それを軽いプレッシャーにして、参加を促すこともできそうだ。

Metaによると、Moveは同社のNew Product Experimentation(NPE)の、まだ小規模の初期テスト段階であり、完成したらコミュニティの事業やクラスのプロジェクトで使われるだろうと考えている。彼らによると、これは一種の「ソーシャルタスキング」ツールであり、グループのToDoがアクセスしやすく、より透明になる。アプリはローンチの前に、コミュニティのリーダーたちにテストしてもらい、フィードバックを得ている。

Moveは、学生のグループプロジェクトや婦人会 / 女子会、同好会、ルームメートたちのToDoリスト、地区会、コミュニティのプロジェクト、あるいは個人のToDoリストや家族の雑用にも使えると同社は提案している。

MetaのNPE Teamは最近フォーカスを変えて、次世代の新しいソーシャル体験を作るよりも、もっとグローバルな視野を持っている。Metaがこれまで投資してきたのは、AIでバーチャルキャラクターを作るデベロッパープラットフォームInworld AIや、元服役者の社会復帰やこれから親になるLGBTQの家族を助ける、特にソーシャルではないアプリだ。同社によると、このようなNPEの方針変更には、小規模な起業家チームへの投資も含まれるという。

Moveの立ち上げは、このグループがソーシャルのプロジェクトを完全に放棄したのではないことを示しているようだ。しかしこのアプリは、12月からのNPEの方針転換よりも前に開発されていた。

アプリは現在、米国のApple App Storeで無料でダウンロードできる。アプリ内支払いやサブスクリプションはない。Metaによると、このファーストリリースからより多くを学びたいという。

画像クレジット:Meta

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(文:Sarah Perez、加筆:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Amazon Musicの楽曲とおしゃべりでDJになれるライブラジオアプリ「Amp」

Amazon(アマゾン)のClubhouse(クラブハウス)対抗馬が登場した。同社が米国時間3月8日に発表したモバイルアプリAmp(アンプ)は、クラシックから最新の音楽までの幅広いAmazon Music(アマゾンミュージック)が保有する数千万曲の中からDJとして楽曲を流すことができる「ラジオ番組」を作成することができるものである。このアプリは、米国で限定的にベータ版が提供されているとAmazonは述べている。

「自分の声やお気に入りの曲を、Ampで簡単に世界中に発信できます」と、App Storeのアプリの説明には書かれている。「番組タイトルを決め、プレイリストを作成すれば、自分のラジオ番組のストリーミング配信までもうすぐです」。

画像クレジット:Amazon

この新しいアプリは、Project Micという名前で開発されていた時にThe Vergeが以前報じたもので、Amazonがやや遅れてライブオーディオ市場に参入したことを表している。Clubhouse というアプリが、ライブオーディオのソーシャルインタラクションの新しい形式を確立して先導したが、このアイデアはその後、Twitter(ツイッター) の Spaces(スペース)、Facebook(フェイスブック)の Live Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルーム)、Spotify(スポティファイ) の Greenroom(グリーンルーム)、そして Mark Cuban(マーク・キューバン)氏 が支援する Fireside (ファイアーサイド)や David Sacks (デイヴィッド・サックス)が支援する Callin(コーリン) などの小さなスタートアップのものなど、それぞれ独自の切り口を持った多数の競合の場となっている。

しかし、これらのClubhouseのライバルは、ほとんどの場合、ライブポッドキャストのようなトークに焦点を合わせている。AmazonのAmpは、Amazon Musicの幅広いカタログへのアクセスを提供することで、他社との差別化を図っている。つまり、Ampのユーザーは、自分の好きな曲やアーティストについてストリーミングやチャットでDJプレイをし、クリエイターとしての地位を確立することができるということだ。また、リスナーのために選曲し、生電話を受けながら、スポーツやポップカルチャーなど、他の話題についてはなすためにアプリを使うことができる。

AmpのApp Storeの説明によると、クリエイターは、番組の事前計画やスケジュール管理、リスナーへの番組予告、生電話を受ける際の発言者のコントロールなどもできるようになるそうだ。また、番組で使用する楽曲を入手する際に、レーベルへの支払いが不要であることも、アプリの説明文に記載されている。

ユーザーは、Amazonの認証情報を使ってサインインするか、新たにAmazonのアカウントを作成してAmpを使用する。また、Amazonは24時間365日体制でモデレーションチームを提供し、リアルタイムでレポートを確認し、対処する。

画像クレジット:Amazon

この記事の公開後、数千万曲のライセンス楽曲のカタログには、Universal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ)、Sony Music Entertainment(ソニーミュージックエンタテインメント)、Warner Music Group(ワーナーミュージックグループ)の他、Beggars Group(ベガーズグループ)、Believe(ビリーブ)、CD Babyや、PIASなどのインデペンデント系音楽会社のものが含まれ、さらに追加されていることに触れるブログ記事を通じて、Amazonは、Amp登場のニュースを公表した。

ベータ版の一環として、Ampは、まもなく彼女の番組「Queen Radio」の復活をAmpにもたらすNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の番組を含む、今後の一連の番組も発表している。その他、Pusha T(プシャ・T)、シンガーソングライターのTinashe(ティナーシェ)、電子アーティストでバイオリニストのLindsey Stirling(リンジー・スターリング)、Travis Barker(トラヴィス・バーカー)、Lil Yachty(リル・ヨッティ)、Big Boi(ビッグ・ボーイ)、著名なパーソナリティのTefi Pessoa(テフィ・ペソア)とNikita Dragun(ニキータ・ドラグン)、人気ラジオホストのZach Sang(ザック・サン)、Kat Corbett(キャット・コーベット)、Christian James Hand(クリスチャン・ジェームズ・ハンド)、Guy Raz(ガイ・ラズ)、音楽・カルチャー出版社のThe FADERからのライターが番組を担当していると、Amazonは発表した。

画像クレジット:Amazon

「ラジオは常に音楽と文化に関するものです」と、Ampの副社長であるJohn Ciancutti(ジョン・シアンクッティ)氏は、この立ち上げに関する声明で述べている。「しかし、もしあなたが今日、初めてこのメディアを発明したとしたらどうでしょう。人々が愛するラジオ、すなわち自然な語り口、新しい音楽の発見、多様なパーソナリティ、幅広い番組編成を、今日のテクノロジーによって可能になったものと組み合わせることができるのです。電話機と声と音楽への愛があれば、誰でも自分の番組を作ることができるようになるのです。それこそ、私たちがやっていることです。Ampは、あなたがマイクを握り、電波を操ることを可能にします。私たちは、番組のダイヤルが無限にあるような、新しいバージョンのラジオを作っているのです」と付け加えた。

Ampのアプリは現在、アクセスコードがないと利用できない、とAmazonは述べている

今朝方、Ampのウェブサイトはまだパスワードで保護されていたが、その後、公開された

米国時間3月8日より、米国のiOS App StoreからAmpのアプリをダウンロードし、ウェイトリストに登録し、Ampのニュースレターを購読することができる。また、Instagram(インスタグラム)、TwitterTikTok(ティックトック)の@onamp_ social accountsをフォローすることができ、Amazonは定期的にアプリに参加するためのコードをドロップすると述べている。

編集部注:本記事は東部時間3月8日9時15分に、当記事掲載後にAmazonから共有された情報をもとに更新された。

画像クレジット:Jasper Cole / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Instagramのアプリ「Boomerang」と「Hyperlapse」がアプリストアから姿を消す

Instagram(インスタグラム)が「Reels(リール)」などの新しい取り組みに注力するため、独立した動画アプリ「IGTV」を終了する計画を明らかにしてから1週間後、同社がさらに2つの古いアプリをアプリストアから引き上げたことが確認された。2014年に初めて登場したタイムラプス動画アプリ「Hyperlapse(ハイパーラプス)」と、2015年にリリースされたループ動画アプリ「Boomerang(ブーメラン)」だ。

Apptopia(アップトピア)からTechCrunchに提供されたデータによると、HyperlapseとBoomerangが削除される前のアプリストアにおける最後の日付は、2022年3月1日だったという。

この2本のアプリのうち、インストール数が多かったのはBoomerangの方だ。Apptopiaのデータによると、Boomerangの通算グローバルダウンロード数が3億100万であるのに対し、Hyperlapseはわずか2300万に留まっている。さらに、Boomerangは削除された時点においても1日平均2万6000件のダウンロードがあったと、Apptopiaは言及している。しかし、BoomerangはApple(アップル)のApp Store(アップ・ストア)とGoogle Play(グーグル・プレイ)の両方で提供されていたが、HyperlapseはiOSでのみ利用可能だった。

Instagramはブログで削除を正式に発表してはいないものの、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏や、Twitter(ツイッター)ユーザーの@KenSchillinger氏、@WFBrother氏など数名が、アプリが削除されたことについてツイートしている。

この2つのアプリが廃止されても驚きはない。どちらも元々は、Instagramの旗艦アプリを停頓させることなく、Instagramユーザーに新たなクリエイティブツールを提供するためのものだった。しかし、そのメインアプリに、あまりにも多くの機能を詰め込みすぎることに対する同社の懸念は、すでに過去のものとなっている。現在、Instagramでは、写真や動画の投稿、Stories(ストーリーズ)、TikTokのような短い動画コンテンツ(Reelsのことだ)、ライブ動画オンラインショッピング限定商品を紹介するDrops(ドロップ)などさまざまな機能が提供されている。実際、現在はInstagram内で多くのことが行われており、同社がメインの投稿作成ツールである「コンポーズ」ボタンを、画面中央下から右上の届きにくい場所に移設したほどだ。

一方、Instagramにとって、クリエイティブエフェクト用アプリの必要性も、もはや意味がない。もうかなり前に、クリエイティブツール一式がInstagramカメラに統合されてしまっているからだ。例えば、Instagramが数年前にBoomerangに新しいエフェクトを追加した際には、SloMo(スローモ)やEcho(エコー)、Duo(デュオ)のように、直接Instagram自体に導入された。そして今、Instagramがユーザーにクリエイティブな動画作成を望む場合、同社はそのような機能をReelsに追加する。

さらに、IGTVの停止を確認した際にInstagramが言ったように、今はメインアプリの中から、できるだけシンプルに、動画を発見したり作成したりできるようにしたいと、同社では考えているのだ。

また、「Phhhoto(フォート)」というアプリで知られるかつてのInstagramのライバルが、2021年11月にMeta(メタ)を訴えたことも注目に値するだろう。Phhhotoは、当時のFacebook(フェイスブック、現在のMeta)が、PhhhotoをInstagramのソーシャルグラフから切り離し、その上、Phhhotoの中核機能であるループ動画をコピーしてBoomerangを展開したとして、反トラスト法違反の疑いで訴えている。

HyperlapseとBoomerangがアプリストアから消された一方で、写真からコラージュを作成できるInstagramの「Layout(レイアウト)」アプリは、当分の間、利用可能のままになるようだ。InstagramはLayoutを削除しないことを認め、Boomerangの機能は引き続きアプリでサポートするとしている。

「私たちはメインアプリにより力を注ぐため、スタンドアロンのBoomerangとHyperlapseアプリのサポートを廃止しました」と、広報担当者は述べている。「私たちは、Instagramで人々が創造的になり、楽しむことができる新しい方法に、引き続き取り組んで参ります」と、彼らは続けた。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サムスン 、アプリのスロットリング問題に対処するアップデートをリリースへ

Samsung(サムスン)は同社のAndroidスマートフォンの一部で、何千ものアプリのパフォーマンスを制限しているという苦情に対応した。TechCrunch宛の声明で同社の広報担当者は、Samsungはソフトウェアをアップデートして、ユーザーがスロットリングをよりコントロールできるようにするという。ただし、このアップデートが配信されるスケジュールは明らかになれていない。

「私たちの優先事項は、消費者に最高のモバイル体験を提供することです。製品について寄せられるフィードバックを大切にし、慎重に検討した結果、ユーザーがゲームアプリの実行中にパフォーマンスを制御できるように、近日中にソフトウェアアップデートを展開する予定です」と、Samsungの広報担当者は電子メールで述べている。

Samsungのこの約束は、同社のスマートフォンがおよそ1万のアプリのパフォーマンスを制限しているという報告に応じたものだ。その報告は最初Android Authorityに掲載され、Twitter上の苦情にもなり、さらにSamsungの韓国のコミュニティフォーラムにも載った。同社のGame Optimizing Service(GOS)ソフトウェアはCPUとGPUのパフォーマンスを最適化してゲームを長時間プレイしたときの過熱を防ぐが、それがこの問題の核心のようだが、影響が及んだアプリはゲームだけではない。

しかしながらSamsungは、GOSがゲーム以外のアプリの制限をしているという苦情を否定している。

「GOSはデバイスの温度を有効に管理しながらゲームアプリがすばらしいパフォーマンスを達成できるように設計されています。GOSはゲーム以外のアプリのパフォーマンスを管理しません」という。

ユーザーの報告によると、Samsungは、TikTokやInstagramのようなゲームでないアプリを、ゲームアプリと同じように帯域制限していたというが、Samsungはそれを断固否定している。ただし、それ以上の詳しい説明はない。報告によると、影響が及んだのがベンチマークアプリだけではないことを、ユーザーが目撃している。それによると、テスト時にはパフォーマンスが実際よりも良かったようなこともある。しかしこれに関してもSamsungの説明はない。

アプリの制限が発覚したメーカーはSamsungだけではない。2021年はOnePlusが、OnePlus 9と9 Proで、バッテリー寿命を改善するために多くの人気アプリを制限した認めた。Samsungと同様に最適化機能をユーザーがもっと強力にコントロールできるようにするという。

画像クレジット:georgeclerk/Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ボクシングフィットネスLiteboxerがVRに参入、Quest 2用アプリを発表

バーチャルリアリティの社交場が苦手だという人を責めるつもりはない。しかし、没入型ヘッドセットを装着して物を殴るというのは、なんだか楽しそうな感じがすることを否定できない。

2017年の創業以来、Liteboxer(ライトボクサー)はPeloton(ペロトン)のボクシング版のようものだった。自宅で専用の機器を使い、コーチの助けを借りながら音楽に合わせてユニークなワークアウトを行う。ただし、価格は1495ドル(約17万円)からと、決して安くはない。しかし、Liteboxerは今回発表された「Liteboxer VR(ライトボクサーVR)」で、その製品をより手頃なものにしようとしている。このVR版Liteboxerは、VRヘッドセット「Meta Quest 2(メタ・クエスト2)」用アプリとして、まずは米国、カナダ、メキシコ、英国のユーザーに向けて発売される。

「当社では2年以上前からVR製品に取り組んできました。だから『Facebook(フェイスブック)がMeta(メタ)に社名を変えたから飛び込んでみようか』というようなことではありません」と、CEO兼共同設立者のJeff Morin(ジェフ・モーリン)氏は語っている。「VRを使えば、本当に新しいことを試し、新しいユーザーにリーチできるようになると思います」。

画像クレジット:Liteboxer

サブスクリプション形式で展開されるLiteboxer VR(ライトボクサーVR)の月額料金は、18.99ドル(約2200円)だ(まだ持っていなければVRヘッドセット代としてさら数万円ほど必要だが)。それでも一部の消費者にとっては金額的な壁となるかもしれない。だが、1495ドル(約17万円)のマシンを購入したり、あるいは自宅でフィットネスする代わりにジムの会員になるのに比べたら、簡単に踏み出せることは間違いない。初めてログインすると、すぐにコーチの1人から安全にボクシングする方法について概要が説明される。数分の間に教われることは限られているが、10分から45分までのトレーナー主導のクラスでは、コーチが適切に技術を披露するのを見ながら、一緒にボクシングすることができる。

インターフェイスは物理フィットネスマシンのLiteboxerに似ている。つまり、6つの異なるターゲットに移動する光に合わせて、パンチを繰り出すという形だ。今のところ、Liteboxer VRには500以上のワークアウトが用意されており、その中にはトレーナー主導のクラスが400と、100種類のPunch Track(パンチトラック)と呼ばれる、Universal Music(ユニバーサルミュージック)のカタログから、ビートに合わせてパンチするためのパターンがあらかじめプログラムされたオンデマンドの楽曲が含まれる。Olivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)の「Brutal」に合わせてボクシングをするのは、何か特別な感じがする。そしてオリビア・ロドリゴのトラックに興奮しているのは、明らかに我々だけではなかった。ある Liteboxerユーザーは「Good for You」に合わせてパンチし、TikTok(ティックトック)で注目を集めた。Liteboxerによると、ユーザーが作成した3つのLiteboxer動画が同じ週に注目された時には、同社の売上が209%増加したという。現在、Liteboxerには24万5000人のTikTokフォロワーがいて、これが40%の売上増と20倍のサイトトラフィック増につながったと、同社はTechCrunchに語った。Liteboxerは1年近く前にシリーズAラウンドで2000万ドル(約23億円)の資金を調達しているが、具体的な売上高は公表していない。

「サーバー側、音楽側、Punch Trackのプログラミング…これらはすべて、VR版とフィットネスマシンとで共有しています」と、モーリン氏は述べている。「ですから、私たちは、そこですべての努力を重複させる必要がなく、良いやり方で設定することができたという意味では幸運でした」。

VRフィットネスは成長市場である。2021年10月にはMetaが、VRフィットネスアプリ「Supernatural(スーパーナチュラル)」を開発したWithin(ウィズイン)を4億ドル(約460億円)以上で買収した(ただし、まだ米連邦取引委員会が反トラスト法違反の可能性を調査中)。SupernaturalはMeta Quest 2の代表的なVRフィットネスアプリの1つで、月額料金は19.99ドル(約2300円)と、Liteboxer VRとほぼ同じ。Supernaturalでは、ダンスのような「フロー」ワークアウト、ストレッチ、瞑想などと一緒に、ボクシングのワークアウトも提供されているが、ボクシング愛好家にとっては、Liteboxer VRの方がさまざまなボクシングのワークアウトが楽しめるので長く楽しめるだろう。

画像クレジット:Liteboxer

Liteboxer VRとSupernaturalの小さな、しかし重要な違いの1つは、Liteboxer VRでは消費したカロリーが表示されることだ。このデータを追跡したいと思う消費者もいるかもしれないが、減量が暗に強調されることによって、楽しみが削がれてしまうと感じる人もいるだろう(そして本当に、2分間のオリビア・ロドリゴの曲に合わせてボクシングしながら消費したカロリーを知る必要があるだろうか?)。

すでにLiteboxer VRは、新機能の追加を計画しており、競合他社との差別化をさらに促進させる予定だ。

「フィットネスマシンの方には、ヘッド・トゥ・ヘッドのチャレンジがあるので、ユーザーを探して直接対戦することができます。それがVRにも追加される予定です」と、モーリン氏はTechCrunchに明かした。さらにLiteboxer VRでは、トレーナーと一緒にグリーンバックのコンテンツを録画しており、トレーナーがあなたと一緒にボクシングをしているように見えるようになると、同氏は付け加えた。「トレーナーと一緒に立っているように見えます。目の前に立っているトレーナーの掛け声に合わせて、パンチを繰り出すのです」。

モーリン氏によると、これらの機能は今後数週間のうちにLiteboxer VRに搭載される予定だという。

ボストンを拠点とするLiteboxerは現在、約40人の正社員に加え、15~20人の契約社員が、主にLiteboxerの映像制作に取り組んでいる。モーリン氏は、同社を「ぜい肉を落とした競争力のあるチーム」と呼んでいるが、シリーズBを調達した後はスタッフを増やしたいと考えているという。

画像クレジット:Liteboxer

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

単純なセキュリティバグが大学キャンパスの「マスターキー」になっている

Erik Johnson(エリック・ジョンソン)氏は、大学のモバイル学生IDアプリがまともに使えなかったとき、何か回避方法はないかと探した。

そのアプリはかなり重要で、彼の通っている大学の学生は、これを使って食事代を払ったり、イベントに参加したり、さらには寮の部屋や研究室を始めキャンパスのさまざまな施設の鍵を開けることもできる。GET Mobile(ゲット・モービル)と呼ばれるそのアプリを作ったのはCBORD(シーボード)というテクノロジー企業で、病院や大学にアクセス制御や決済のシステムを提供している。しかしジョンソン氏(およびアプリのレビューに不満の星1つをつけた多くの人たち)は、アプリは動きが遅くロードに時間がかかりすぎると言っていた。もっといい方法があるはずだ。

そして彼は、寮室の鍵を開けた瞬間のアプリのネットワークデータを解析することで、ネットワークリクエストを再現することに成功し、iPhoneのショートカットボタンを1タップするだけでドアを解錠できるようになった。ただしこのショートカットが動作するためには、自分の正確な位置情報をアンロックリクエストと一緒に送る必要があり、それがないと鍵は開かない。ジョンソン氏は、セキュリティの観点からこのアプリを使ってドアを解錠する際に学生は物理的にドアの近くにいなくてはならないようになっていると語った。キャンパス内のあちこちで誤ってドアが開いてしまうことを防ぐための措置だ。

まずはうまくいったが、ここでやめる必要はある?アプリを使わずにドアをアンロックできるとしたら、他にどんな動作を再現できるだろうか?

ジョンソン氏は広く助けを求める必要がなかった。CBORDは、APIを通じて使えるコマンドの一覧表を公開しており、APIは学生の識別情報(例えば彼自身の)を使って制御することができた(各APIでは、インターネットを通じて2つの実体がやり取りすることが可能で、この場合はモバイルアプリと大学の学生データが保存されているサーバー)。

しかし、すぐに彼はある問題を見つけた。APIは学生の識別情報が有効であるかどうかをチェックしていなかった。つまりこれはジョンソン氏、あるいはインターネット上の誰でもが、このAPIを使って他のあらゆる学生のアカウントを、パスワードを知る必要なく乗っとることができるを意味している。ジョンソン氏によると、APIは学生のユニークIDだけをチェックしていたが、ときとしてそのIDは大学が発行した学生のユーザー名あるいは学生ID番号であり、大学によってはオンライン学生名簿で公開しているため秘密とはいえないと同氏は警告した。

ジョンソン氏はこのパスワードバグを、大学の「マスターキー」と評した、少なくともCBORDで制御されているドアに対しての。解錠するためにドアの近くにいなくてはならないという要件についても、バグのおかげで物理的にそこにいるとAPIを思い込ませることができたとジョンソン氏は言った。鍵そのもののおおよその座標を送るだけでよかった。

バグはAPI自身にあることから、他の大学にも影響を与えている可能性があるとジョンソン氏はいうが、アカウントのアクセス境界を超えることを恐れて、チェックはしていない。代わりに彼は、バグをCBORDに報告する手段を探したが、同社のウェブサイトで安全な専用メール窓口を見つけることはできなかった。彼は電話サポートにつないで脆弱性を報告したが、サポート担当者は、会社にセキュリティ窓口はないと答え、バグは大学を通じて報告するように言われた。

このバグは容易に悪用が可能(すでに実行されているかもしれない)であることを踏まえ、ジョンソン氏はTechCrunchに、脆弱性の詳細をCBORDに伝えるよう依頼した。

脆弱性はTechCrunchが2月12日に会社に連絡を取ってからまもなく解決した。CBORDの最高情報責任者、Josh Elder(ジョシュ・エルダー)氏はメールで、問題の脆弱性は解決済みであり、セッションキーは無効化されため、残存していた可能性のあるAPIへの不正アクセスも遮断されたことを確認した。エルダー氏は、CBORDの顧客に通知を送ったと言ったが、メール内容をTechCrunchに知らせることは拒んだ。CBORDを使用している別の組織のセキュリティ担当幹部は、CBORDからその脆弱性に関する通知を受けていない、とTechCrunchに話した。果たしてCBORDが、ユーザーやアカウント保有者、例えばジョンソン氏のような学生に通知するつもりがあるのかどうか、わかっていない。

エルダー氏はジョンソン氏の発見に異議を唱えなかったが、会社がログを保存しているか、あるいはAPIの悪用を検知する仕組みがあるのかという質問に対してそれ以上の回答を拒んだ。TechCrunchは同社広報担当者に追加質問への回答を要求したが、その後連絡を受けていない。

遠隔からドアを解錠できる脆弱性をCBORDが修正しなくてはならなかったのはこれが初めてではない。Wiredは2009年に、ドアの解錠コマンドを傍聴することで次のシーケンス番号を予測し、IDカードの要求を回避できることを報じた。

画像クレジット:Olena Ruban / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Playで発見されたデータ窃盗アプリ、数千回ダウンロードされる

パスワードやテキストメッセージなどのユーザーデータを盗むよう設計された悪名高いAndroidバンキングトロージャンがGoogle Playで発見され、すでに数千回ダウンロードされた。

AnatsaやToddlerとしても知られるTeaBotバンキングトロージャンは、2021年5月に初めて発見され、テキストメッセージで送られた2要素認証コードを盗み出すことで欧州の銀行をターゲットにしている。オンライン詐欺の管理および防止ソリューションを提供するCleafyの新しいレポートによると、現在、このマルウェアは第2段階の悪意のあるペイロードを介して配布されるように進化しており、ロシア、香港、米国のユーザーを標的にしているとのことだ。

Cleafyによると、以前はTeaTV、VLC Media Player、DHLやUPSといった配送アプリなど、一般的なアプリを餌にしたSMSベースのフィッシングでマルウェアが配布されていたが、アプリ内の偽アップデートという方法でTeaBotを配布するためにGoogle Playの不正アプリが「ドロッパー」として機能していた、と同社の研究者は指摘する。ドロッパーは、正規のアプリに見えるが、実際には第2段階の悪意のあるペイロードを配信するアプリだ。

アプリ「QR Code & Barcode – Scanner」は削除されたが、発見されるまでに1万回超ダウンロードされた。しかし、このアプリは約束された機能を提供しているため、アプリのほぼすべてのレビューが肯定的な評価だ。

このアプリは正規のものに見えるが、すぐに2つ目のアプリ「QR Code Scanner: Add-On」のダウンロード許可を要求してくる。アドオンは、複数のTeaBotのサンプルを含んでいる。インストールされると、TeaBotはログイン情報、SMSメッセージ、2要素コードなどの機密情報を取得するために、デバイスの画面を表示し、制御する許可を求める。また、他の悪意のあるAndroidアプリと同様、Androidのアクセシビリティサービスを悪用して、マルウェアがキーボード入力を記録できるよう権限を要求する。

「公式Google Playストアで配布されるドロッパーアプリは、いくつかの許可を要求するだけで、悪意のあるアプリは後からダウンロードされるため正規のアプリに紛れてしまい、一般のウイルス対策ソリューションではほとんど検出できません」とCleafyは警告している。

TechCrunchはGoogleにコメントを求めたが回答は得られなかった。しかし、このアプリはGoogle Playから削除されたようだ。

Cleafyによると、TeaBotは現在、ホームバンキングアプリ、保険アプリ、暗号資産ウォレット、暗号資産取引所など400以上のアプリを標的にしていて、1年未満で500%以上増加している。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがPlayストアからロシア国営メディアアプリを削除、EU禁止措置が迫るなか

Reuters(ロイター)によると、Google(グーグル)はApple(アップル)に続き、同社のPlayモバイルアプリストアからRT(旧ロシア・トゥデイ)とSputnik(スプートニク)のアプリを削除した。

クレムリンとつながりのあるこれら2つのメディアは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、欧州連合(EU)で制裁を受けていた。

ロシア国営メディアのアプリに対するPlayストア禁止措置がEUに限定されたものかどうかは、すぐには明らかでない。両社に対する禁止措置は、本日(米国時間3月2日)から施行される予定だ。

Googleはこれ以前に、ウクライナ政府の要請により、同国ではRT Newsアプリを禁止していた。

【更新】グーグルの広報担当者は、今回のブロックは「ヨーロッパ」に限定されているとしている。

声明の中で、Googleは次のように述べた。

我々がこれまでに説明していた、レコメンデーションを減らし、収益化を一時停止し、ロシア国営メディアのリーチを制限する取り組みと一貫して、ロシアのニュースチャンネルRTとSputnikのモバイルアプリは、ヨーロッパ全域のPlayストアで利用できなくなりました。当社のチームは迅速な行動を取るために、24時間体制で状況を監視し続けます。

Googleは、EU加盟国および英国、ウクライナ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスで、これらのアプリがブロックされていることを確認した。

Apptopiaのデータによると、Android版のRT Newsアプリはこれまでに全世界で750万回インストールされており、iOS版の250万インストールよりもはるかにフットプリントが大きい。Android版のSputnik Newsアプリは全世界で289万ダウンロードと、これもiOS版のインストール数96万を上回る数字である。

関連記事:アップル、ロシア国営メディアアプリを世界のApp Storeで入手不可能に

先に報じたように、EUによるRTとSputnikの法的禁止は、オンラインプラットフォームを含む全配信経路を対象とするものだ。そして、RT、Sputnikおよびその子会社に対して、プラットフォーム大手が行動を起こすための厳しい期限を設定している。

EU加盟国の中には、3月初めにドイツ語版RTの放送を禁止したドイツのように、自国内でロシア国営メディアを一足先に禁止しているところもあるが、汎EU制裁の導入により、まもなく地域全体でより広範な包括的禁止が行われることになる。

EUの制裁措置の発効に先立ち、米国時間3月1日、GoogleはRTとSputnikのYouTubeチャンネルをブロックすることを発表した。

ただし、その措置においては、同社は全世界で両社のアカウントを停止するのではなく、法的制裁が適用されるEU域内でそれらYouTubeチャンネルへのアクセスをジオブロックしているのみだ。

そのため、Googleはロシアのプロパガンダを部分的にしかブロックしていないという批判にさらされている。

また、Googleは他のプラットフォームと比較して、ウクライナ危機への対応がやや遅かったように見受けられる。

Appleは1日、ロシア以外のすべての市場において、iOSのApp StoreからRTとSputnik Newsアプリを削除することを確認した。

一方、Microsoft(マイクロソフト)もすでにWindowsアプリストアからRTを排除し、同社の検索エンジンBing(ビング)で両ニュースソースをランキングから外したという一連の措置を2月28日に発表している。

他のテック企業もウクライナ侵攻を受け、必死にロシア国営メディアに対する規制を打ち出そうとしている。Twitter(ツイッター)は今週初め、ロシア政府系メディアのコンテンツへのリンクを含むツイートにフラグを立て、コンテンツ自体の可視性を下げるラベリングポリシーを拡大した。

Twitterは、欧州の指導者たちから、アカウント自体をブロックしていないことに対する批判を受けていた。しかし同社は1日、Reutersに対し、EUの制裁措置が発効した際にはそれに従うと述べ、次のように付け加えた。「欧州連合の制裁によりおそらく、EU加盟国において特定のコンテンツを表示制限することが法的に要求されることになるでしょう」。

今週初めに発表されたさらなる限定的措置として、Facebook(フェイスブック)は、TikTok(ティックトック)と同様に、EU域内でRTとSputnikをジオブロックしていると発表した。

先週木曜日に始まったロシアのウクライナ侵攻以来、欧州の政治指導者と欧州委員会の議員たちは、欧州委員長が日曜日にロシアの「有毒なメディアマシン」と表現したものに対処するため、主流のテックプラットフォームに対して高レベルの圧力をかけており、同委員長はそれをRTとSputnikに対する「未曾有の」制裁とも表現している。

欧州委員会の評価では、クレムリンとつながりのある2つのメディアは、プーチンの戦争マシンの重要な戦略的要素であるとされている。

【編集部注】この記事は、Googleからのコメントを追加して更新された。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Den Nakano)

アップル、ロシア国営メディアアプリを世界のApp Storeで入手不可能に

ウクライナへの侵攻を受けたロシアに対し、さらなる措置を取るようテック企業に対する圧力が高まっているが、Apple(アップル)は米国時間3月1日、ロシア以外のすべての市場において、クレムリンに拠点を置くメディア、RT News(ロシア・トゥデイ)とSputnik NewsをApp Storeから削除することを確認した。この変更は、EUや世界各地でこの2つの国営メディアに対して取られた他の措置に続くものだ。

Microsoft(マイクロソフト)はここ数日、WindowsのアプリストアでRT Newsを禁止し、検索エンジンBingの両ニュースソースのランクを下げた。Google(グーグル)は、キエフの政府による要請により、ウクライナでRT Newsアプリを禁止した。Rokuは同社のストリーミングプラットフォームでRT Newsを禁止。Twitterは、両メディアのツイートに警告のフラグを立て、ランク付けを解除した。Facebookは、TikTokと同様に、EU圏内ではサイトへのアクセスを制限し、利用できないようにしている。そしてGoogleもYouTubeからそれらを削除した。

AppleがRT NewsとSputnik NewsをグローバルのApp Storeから引き上げたのは、ウクライナのMykhailo Fedorov(ミハイロ・フョードロフ)副首相からの要請を受けたもので、同副首相はAppleのTim Cook(ティム・クック)CEOにロシアでのデバイス販売の停止とApp Storeへのアクセスの完全遮断を求める書簡を書いている

アプリ情報企業Sensor TowerとApptopiaのデータによると、ロシアの2つのメディアアプリは昨日の時点で、全世界において数百万回もダウンロードされていた。

Sensor Towerによると、米国のApp Storeでは、2月28日の時点で、RT NewsはNewsカテゴリで42位、Sputnikは85位にランクインしていたとのこと。また、iOS向けRT Newsの全世界でのインストール数は、直近の7日間で7日前と比較して241%増加した。そして、iOS向けSputnikのインストールは同期間に163%増加したと同社は指摘している。

しかし、2つのアプリストアの情報会社は、ロシアのアプリの足跡について異なる推定値を報告している。

Sensor Towerは、RT Newsが2013年5月の発売以来、世界中で570万回インストールされ、そのうち170万回はiOSのApp Storeでインストールされたと報告している。Sputnikは2015年3月のリリース以来、全世界で200万インストールされ、そのうち約47万がiOSでのものとなる。

一方、Apptopiaのデータでは、アプリがより広い範囲に及んでいたことを示しています。RT Newsは全世界で総インストール数1000万、そのうちiOSは250万だった。また、Sputnik Newsは385万ダウンロードされ、そのうち96万ダウンロードがiOSだった。

両社ともApp Storeのデータに直接アクセスできないため、正確な数字は不明だ(本当のインストール数はAppleとアプリのパブリッシャーだけが知っている)。その代わり、両社は統計モデルを用いて推定値を算出している。

ロシア・ウクライナ戦争に関連するアプリで影響を受けたのは、ニュースサイトだけではない。Googleの同様の措置を受けて、Appleはウクライナ国民に対する安全対策および予防措置として、ウクライナの「マップ」でのトラフィックとライブインシデントの両方を無効にしたとのこと。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ファッションデザインと制作の合理化を目指すCalaの新しいモバイルアプリ

ニューヨークを拠点とするCala(カラ)は、ファッションデザインと制作のための新しいCalaモバイルアプリのローンチを発表した。企業やインフルエンサーにデジタルファッションデザインのインターフェースを提供する同社は、新しいアプリは製品制作とサプライチェーン管理のプロセスを合理化するために設計されたものだという。

2016年に立ち上げられたCalaは、コラボレーション、デザイン、製造などを可能にしながら、ファッションブランドや小売業者に、ファッションデザインとサプライチェーンのプロセスの各ステップを助けるオールインワンプラットフォームを提供することを目指している。Calaのパートナーネットワークには13カ国60以上の工場が含まれており、顧客はニーズにあうメーカーと繋がることができる。

Cala の CEO で共同設立者のAndrew Wyatt(アンドリュー・ワイアット)氏は TechCrunch のインタビューで、ファッション業界の製品作成プロセスはスケッチから始まることが多いが、このステップ以降は、開発と生産に関わるすべてがモバイルで行われると語っている。同社は、開発・生産プロセスをより迅速かつ容易にすることを目的として、新しいアプリをリリースするとのことだ。Calaの新しいアプリでは、ユーザーがデザインやコレクションを見たり作成したりできる他、デザインのインスピレーションをアップロードして文脈に応じたコメントを追加できるツールも含まれている。また、コメント、写真、ファイルの添付により、チーム間でアプリを通じてコミュニケーションをとることができる。また、アプリには通知センターがあり、重要な情報のみを表示し、ユーザーに多数の通知を浴びせないように設計されている。

「このアプリのターゲット層は、ファッションブランドで働く人たちです」と、ワイアット氏は語った。「年間10万ドル(約1148万円)以上の商品を扱っているブランドにフォーカスしています。私たちは、3-5人のチームでも、50人のチームでも、サプライチェーンをより効果的に運営する手助けができます」。

この新しいアプリケーションは、Apple App Storeでダウンロードできる。ワイアット氏は、Cala のモバイルウェブユーザーの80%以上がAppleデバイスを使用していると指摘し、それが iOSの発売を優先させた理由であると述べた。同社は、Androidでもこのアプリを提供する予定だが、現時点では、そのスケジュールは未定であると述べている。

画像クレジット:Cala

米国時間3月1日の発表の中で、Calaはデザインプロセスに3Dプロトタイピング機能を追加することも明らかにした。この新機能により、ユーザーはデザインの3D画像をリクエストすることで、フィット感や素材感をリアルに確認することができるようになる。Calaによると、この機能はサンプルを注文するよりも時間的に効率的な代替案として機能し、またデザインの最終決定にも役立つという。

「世界は間違いなく、3Dデザインとオンデマンド生産の世界に向かっており、我々はその最前線に立つことができると思っています」と、ワイアット氏は語った。「また、私たちには、物理的な製品を購入すると、metaverse(メタバース)で使用できるデジタルツインが手に入るという明確な未来が見えています。これが、私たちが3Dデザインを学んでいるもう1つの理由です。現在、3Dデザインは時間の節約になり、ブランドが開発面でより持続可能なものになるのに役立っています」。

Calaは、発売当初、オンデマンドのカスタムフィット3Dボディスキャンシステムで市場への進出を果たした。ワイアット氏によると、それ以来、Calaはファッションブランドの中核的なサプライチェーンパートナーであることに重点を置くようになり、ここ数年、小規模なファッションブランドやインフルエンサーと協力して、テクノロジーを使って物理的な製品を作り、顧客に販売するプロセスを合理化するソリューションを作り始めた。

Calaの直近の資金調達ラウンドは2020年7月で、Maersk Growth(マースク・グロース)とReal Ventures(リアル・ベンチャーズ)の共同主導で300万ドル(約3億4400万円)のシードラウンド拡張を実施した。同社は2018年にReal Venturesが主導する最初のシードを行った。この2つのラウンドにより、同社の資金調達総額は700万ドル(約8億400万円)に達した。

画像クレジット:Cala

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

ロシア侵攻でウクライナ市民は暗号化メッセンジャー、オフライン地図、ツイッターを積極利用

ウクライナの人々はロシアによる侵攻を受けて、オフラインで使える地図アプリや暗号化されている通信アプリに目を向けている。侵攻により、数百万の人々が家を離れ、抗戦するか近隣諸国に逃れている。アプリストア分析企業Apptopiaのデータによると、ここ数日、ウクライナの人々はTwitterやストリーミングラジオアプリなど、最新のニュースや情報を入手できるさまざまなコミュニケーションアプリやオフライン地図などをダウンロードしている。

現在、同国のiOS App Storeでは、プライベートメッセンジャーのSignal、メッセージングアプリのTelegram、Twitter、オフラインメッセンジャーのZelloやBridgefyがトップ5にランクインしている。その他トップ10にはWhatsApp、そしてオフライン地図アプリのMaps.Meが入っている。Maps.MeはGoogle Mapsよりも6つ上にランクインしていて、Google Mapsは現在、リアルタイムの交通状況(セキュリティリスクとされる情報)の提供を停止している。そしてSpaceXのStarlinkアプリが入っていて、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が衛星インターネットサービスが現在ウクライナで利用できるようになっていると発表してから39ランクアップした(もちろん、このサービスが必要とされる場所で実際にどの程度利用可能であるかは、今後のアプリの順位に反映されるかもしれない)。

関連記事:グーグル、ウクライナでGoogleマップのリアルタイム交通状況ツールを無効に

メッセージングアプリの上位に入っているものの中で、より多く採用されたアプリがいくつかある。

2022年2月24日のロシアの侵攻開始から2月27日までの間、Telegramの新規インストール数はApp StoreとGoogle Play合計で5万4200回とトップで、1月の同時期から25%増加した。一方、オフラインメッセージングアプリのBridgefyは、新規インストール数の増加率が最も高く、1月同時期にわずか591回だったダウンロードが、ここ数日で2万8550回と、前月比で4730.8%増という大幅な伸びを記録した。

同じくトランシーバーアプリのZelloは、1月24~27日のダウンロード1万2540回から、2月24~27日は2万4990回へと99.3%増加した。Signalの増加率は20.6%と控えめだが、1月の同期間のインストールは3万9780回、ここ数日では4万7990回とかなり強力な採用を誇っている。

もちろん、セキュリティに関しては、すべてのメッセージングアプリが同じように作られているわけではない。

Signalは最も安全なアプリで、エンド・ツー・エンドの暗号化を提供し、アカウント作成日以降のデータは収集されない。一方、Telegramはデフォルトではエンド・ツー・エンドの暗号化を提供していないが、ユーザーが暗号化された「秘密のチャット」機能を手動で有効にすることができる。ただし、TelegramはSignalの創業者Moxie Marlinspike(モクシー・マーリンスパイク)氏から、主張するほど安全ではないとの批判を受けており、その主張は長年にわたり他のセキュリティ研究者や暗号技術者などによっても支持されている

マーリンスパイク氏は最近Twitterで、Telegramが安全でないことをウクライナの人々に再び注意喚起し、Telegramはデフォルトで、誰もがこれまでに送受信したすべてのメッセージのプレーンテキストのコピーを持つクラウドデータベースになっているとツイートしている。

トランシーバーアプリのZelloは、1対1およびグループでの会話をエンド・ツー・エンドで暗号化しているとされているが、同社が2020年にセキュリティ侵害に直面していたことは注目に値する。Bluetoothとメッシュネットワークのルーティングに依存する人気の抗議アプリBridgefyも、過去数年にわたり数々のセキュリティ問題に直面してきた。このアプリは香港、インド、イラン、レバノン、ジンバブエ、米国での抗議活動の際に利用者が急増したが、2020年には深刻な脆弱性が見つかり、「プライバシー災害」と呼ばれることになった。

その後、エンド・ツー・エンドの暗号化のサポートを展開したものの、2021年にアプリを分析した暗号技術者は、それらの修正が不十分であることを発見した

メッセンジャー以外のアプリで、ここ数日ウクライナで急増しているのは、ストリーミングラジオとTwitterのアプリだ。

通常、TwitterはiOSのNewsカテゴリで1位だが、総合順位は90位から130位程度に落ち着いている。しかし、2月27日時点で、ウクライナのiOS App Store総合チャートでは前日から2ランクアップして4位、Google Playでは15ランクアップして28位となった。2月27日にTwitterはiOSとAndroidで約7000回ダウンロードされ、これは1日のダウンロード数としては過去最多だ。

画像クレジット:Apptopia ウクライナのアプリストア 2022年2月27日

ストリーミングラジオアプリのRadios UkraineとSimple RadioはApp Storeでも順位を上げ、現在それぞれ19位と21位につけている(Facebookが20位で、その間に入っている)。

Google Playのウクライナのトップチャートは、少し様子が違う。

Signal、Bridgefy、Telegram、Zelloもトップ5に入っているが、エンド・ツー・エンドの暗号化を提供するAndroid専用のピア・ツー・ピアメッセンジャーBriarもランクインしている。オフライン地図アプリのMaps.Meは11位、Two Wayとシンプルな名前の別の双方向トランシーバーアプリは15位で、WhatsAppがそれに続く。

ウクライナのGoogle Playストア、2022年2月27日(画像クレジット:Apptopia)

両アプリストアとも、多くのゲームがトップチャートにランクインしている。家族が急場しのぎの防空壕に隠れたり、安全な場所まで長距離移動する間に、子どもたちを楽しませるためにダウンロードされたようだ。

世界の他の場所では、ロシア・ウクライナ戦争が他のアプリをチャート上位に押し上げている、とApptopiaは指摘する。

米国では、ニュースアプリのCNNとFox Newsがここ数日で急上昇し、ワシントンポストでは、国家間の緊張が高まる中、2月19日の侵攻に先立って1日のインストール数が過去最高(1万5000回)を記録した。

画像クレジット:Apptopia 米国ユーザーのニュースアプリダウンロード数

そして今、ロシアがニュースやソーシャルメディアへのアクセスを遮断したことで、VPNアプリの需要が高まっている。Apptopiaの調べによると、ロシアが国内でFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアアプリへのアクセスを制限し始めた後、VPNアプリのトップ5は1日のダウンロード数が大幅に増加し、ユーザーは通常よりも1日に数万回多くVPNアプリをダウンロードした。しかし、ロシアの人々は、VPNが必ずしもセキュリティに優れているわけではないことに注意する必要がある。VPNプロバイダーは、インターネットトラフィックをISP(インターネットサービスプロバイダー)以外の誰かにルーティングするだけなので、セキュリティは、VPNプロバイダーをどれだけ信頼できるかに左右される。

急増するVPNアプリのダウンロード(画像クレジット:Apptopia)

画像クレジット:Anna Fedorenko / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

フランスのFinaryは新たな創業理念でプライベートバンクの構築を目指す

フランスのスタートアップ企業であるFinary(フィナリー)が、800万ユーロ(約10億300万円)のシリーズA資金調達ラウンドを実施した。この会社は、富裕層が資産をトラッキングする際に全体像を把握できる包括的なアグリゲータを構築している。そしてそれは、Finaryが銀行口座に限定されないことを意味する。つまり、不動産から暗号資産や株式まで、多くの資産をトラッキングすることができるということだ。

そして、このスタートアップのビジョンは、筆者が初めてこの会社について記事を書いたときからあまり変わっていない。データの集約は、同社にとって最初の一歩に過ぎない。Finaryは、これまでと異なる創業理念でゼロからプライベートバンクを作りたいと考えている。

現在のプライベートバンキング業界について考えてみると、顧客と銀行の間にズレがあることがわかる。銀行は顧客から直接収益を得るのではなく、金融商品を販売し、その商品から収益を得ようとする。彼らはファイナンシャルアドバイスと称しているが、それは単なる胡散臭いセールスだ。

「当社は独立企業だから、何でも話せます。既存の業者は、自分たちに手数料が発生するようなソリューションしか提案しません」と、共同創業者でCEOのMounir Laggoune(ムーニエ・ラグーン)氏は筆者に語った。

次世代の富裕層はこれまでとは異なる体験を求めると、Finaryは確信している。彼らは情報を直接見て、自分自身で十分な知識を得た上で意思決定をしたいと思うだろう。つまり、もはや家族に送金するために銀行員に電話しなくても済むようになったように、Finaryは富裕層に適切なツールと情報を提供したいと考えているのだ。

Finaryの今回の資金調達ラウンドは、既存投資家のSpeedinvest(スピードインベスト)とY Combinator(Yコンビネーター)が主導した。また、Qonto(コント)の創業者であるSteve Anavi(スティーヴ・アナヴィ)氏や、Alexandre Prot(アレクサンドル・プロット)氏、Bitpanda(ビットパンダ)のEric Demuth(エリック・デムス)氏などのエンジェル投資家も参加した。

しかし、それですべてではない。Finaryは、新しいプライベートバンクを作るということは、最も活動的な顧客が同社の株式を所有できるようにすることだとも考えている。このスタートアップ企業は、まもなく株式のクラウドファンディングキャンペーンを開始する予定だ。

具体的には、フランスで近々立ち上げられるエクイティクラウドファンディング(株式投資型クラウドファンディング)プラットフォームを通じて、人々は10ユーロ(約1300円)から投資して株式や端株を購入することができるようになる予定だ。

「私たちは50万ユーロ(約6400万円)を割り当てましたが、多少のオーバーファンディングはOKです」と、ラグーン氏は言っている。

筆者が前回の記事を書いた以降、FinaryはiOSとAndroidの両方でモバイルアプリの提供を開始した。このアプリは現在、同社のサービスにアクセスするための一般的な方法となっており、ユーザーは平均して週に9回、つまり1日に1回以上、Finaryの口座をチェックする傾向があるという。

その後も同社はさらに統合機能を追加し、フランス、米国、カナダ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグで1万種類の資産をトラッキングできるようになった。例えば、ユーザーは複数の銀行口座、株式取引口座を接続し、不動産、金、暗号資産ウォレットの公開アドレスなどを追加することができる。

Finaryは、Plaid(プレイド)やBudget Insight(バジェット・インサイト)など、いくつかのAPIベースのアグリゲータを使って口座をトラッキングしており、また、bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)のノードを動かしてウォレットアドレスをトラッキングしている。

このスタートアップ企業は、全体で3万人のユーザーを集め、100億ユーロ(1兆3000億円)相当の資産をトラッキングしている。つまり、同社のユーザーは平均するとそれぞれが30万ユーロ(約3900万円)以上の資産をトラッキングしていることになる。同社は現在、月額10ユーロ(約1300円)のサブスクリプション料金で収益を上げている。

そして、これがこの製品の興味深いところなのだが、Finaryはデータを集約するだけでなく、レコメンデーション(推薦)もできる。例えば、投資信託の隠れた手数料を明らかにしたりする。ユーザーはパフォーマンスレポートを生成し、異なる地理的配分、セクター、リスクプロファイルなど、どのように投資を分散させることができるかを学べる。

今回調達した資金を使って、同社は英国、ドイツ、スイスの金融機関を完全にカバーすることを計画している。同社は他に、新たな追加機能の開発にも取り組んでいる。今後はファミリーモードや、より効率よくRSU(譲渡制限付株式ユニット、フランスではBSPCE)をトラッキングする方法、個人資産と職業資産を分離する機能などが加わる見込みだ。

Finaryはさらに25人の新規雇用も予定している。この先、多くの製品拡張も計画されており、例えばこのプラットフォームから、暗号資産を直接購入できるようになることもあり得るだろう。税務申告を支援するサービスも考えられる。Finaryは2022年末までにユーザーベースを10倍に拡大し、30万人のユーザーに到達することを目指している。

画像クレジット:Finary

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ウクライナ発の顔交換アプリ「Reface」が反戦プッシュ通知を追加

a16zが出資するウクライナ発の合成メディアアプリReface(リフェイス)は、世界中に抱える約2億人ものユーザーにロシアのウクライナ侵攻を知らせるプッシュ通知を追加し、アプリで作成した顔交換動画に透かしを入れるなど、人々に#StandWithUkraineを呼びかけている。

アプリで作成されたすべての動画には現在、ウクライナ国旗と#StandWithUkraineのハッシュタグの透かしが入る。

また、今回のアップデート後にアプリを開くと、キエフで避難する市民の画像が表示され、画像はロシアがウクライナを攻撃した「証拠」だとするキャプションが表示される。

メッセージはまた「戦争を止める」ために、ロシアを国際銀行決済システムSWIFTから排除するよう求めている。

Refaceによると、アプリの別の次期アップデートでは、すべてのユーザーに「ウクライナでの戦争に反対する声明を出す」よう促すという。

Refaceはまた、ウクライナをサポートできるリソースをユーザーに案内している。

画像クレジット:Reface

Refaceは2月最後の週末から反戦キャンペーンを開始し、これまでに900万通のメッセージが送信され、そのうち200万通はロシアのユーザーに届けられたという。

ユーザーの自撮り写真を有名人のビデオクリップにマッピングすることで、現実をファンタジーに変え、消費者に数秒間の想像上の楽しみを与えてきたこのアプリにとって、これは超現実的な展開だ。

しかし、Refaceの従業員がロシアの侵攻を直接体験していることから、チームは、この状況に対する世界的な認識を高め、人々に抗議を促すために何かする必要があると判断した。

画像クレジット:Reface

ウクライナからTechCrunchにメッセージを寄せたRefaceのCEOで共同創業者のDima Shvets(ディマ・シュヴェッツ)氏は、次のように語っている。「Refaceは大規模な情報キャンペーンを開始し、すべてのロシア人ユーザーにプッシュ通知を送り、我々の都市におけるロシアの攻撃の証拠を示し、ウクライナとともに立ち上がり、抗議行動に出るよう人々に呼びかけました。さらに、世界中のユーザーに対して、ウクライナを支援するためのアプリ内メッセージを追加し、現在、当社のアプリで作られたすべてのビデオには、#standwithukraineとウクライナ国旗の透かしが入っています」。

「我々はこのキャンペーンがいかに危険なものであるかを理解し、すべてのリスクを負っています。すでに多くの星1つのレビューや、真実を見る準備ができていなかった人たちからの報告を受けています」とも付け加えた。

Refaceは、ロシアにいる550万人のユーザーを対象に、抗議を促すプッシュ通知と、ウクライナ国内の戦争映像のスライドショー(焼け落ちた建物や爆撃を受けた建物、避難しようとする市民の写真など)へのリンクを送信する。

ロシアで展開されているスライドショーに添えられたキャプションには、次のように書かれている。「ロシアの顔に泥を塗れ」「一緒に戦争を止められる」「通りを埋め尽くせ」「我々が反対していることを世界に示せ」。

Refaceの広報担当者は「最初の目標は、ロシア人に本当の情報を広め、独立したメディアや信頼に値する情報源にアクセスできないロシアの人々に抗議を促すことです」と語った。

「リスクを理解し、そのすべてを負っていますが、それは我々の自由のために支払う小さな代償です。そして、App StoreとGoogle Playが我々をサポートすることを願っています」。

ロシア政府がロシアの主要メディアを支配しているため、ロシア国民は日常的に国家のプロパガンダにさらされている。例えば、ウクライナへの侵攻は「特別軍事作戦」であり、戦争行為や理不尽な侵略ではない、というプーチン大統領の主張などだ。

つまり、プーチン大統領の軍が隣国ウクライナを陸・空・海から砲撃し始めて以来、多くの一般ロシア人はウクライナ国内の映像を見たことがないことを意味する。

ロシア政府はまた、外国の主要ソーシャルメディアプラットフォームによって、プロパガンダの発信が制限されるのを防ごうと動いている。

同政府は2月25日、Facebook(フェイスブック)へのアクセスを一部制限すると発表した。明らかに、ソーシャルメディアプラットフォームがロシア政府とつながりのあるメディアに対して事実確認のラベルを貼ったことに対する報復だ。

関連記事:ロシア、国内でのフェイスブックへのアクセスを部分的に制限すると発表

ロシアのウクライナ侵攻を非難する立場を取ることで、Refaceはロシアのインターネット規制機関Roskomnadzorから同様の措置を受ける危険性がある。Roskomnadzorは、例えば、Apple(アップル)や Google(グーグル)のモバイルストアからRefaceアプリを排除するよう働きかけるかもしれない。

地下鉄に避難しているウクライナに残ったRefaceのスタッフ(画像クレジット:Reface)

ハイテク大手2社は9月、ロシア国家からの圧力に屈し、獄中のロシア政府批判者Alexei Navalny(アレクセイ・ナヴァルニー)氏の組織が作成した戦術的投票アプリをストアから削除した。

Roskomnadzorは、Smart Votingアプリを削除しないなら罰金を科すと脅した。

Roskomnadzorは以前にも、ロシア国民がローカルのアクセス制限を回避することを困難にしようと、VPNアプリを標的にしたことがある。

しかし、ロシアの情報形成のためのサイバー活動は、アクセス制限をはるかに超えて広がっている。Refaceに反戦メッセージが追加されて以来、突然星1つのレビューが殺到したのは、ロシア政府の支援を受けた偽情報屋が、反ウクライナ政策の一環として、アプリの評判を落として利用意欲を低下させようとする協調行動である可能性が少なくともある。

また、このほど新たな制裁を発表したEUは、悪名高いロシアのトロール工場(別名:インターネットリサーチ機関)とロシアの独裁者の出資者であるYevgeny Prigozhin(エフゲニー・プリゴジン)を、制裁対象の団体と個人の拡大リストに追加したことも注目される。

しかしRefaceは、反戦メッセージを公開して以来、同社のアプリに対する否定的なレビューが、ロシア政府への協調行動かどうかを判断するのは難しいと述べた(もちろん、もともと純粋な娯楽アプリであるRefaceが、反戦メッセージを送るという決定を下して、一部のユーザーを単に困らせたということは十分にあり得るし、おそらくかなりあり得ることだ)。

否定的な反応を受け、Refaceは「ウクライナの現状について世界に情報を提供し続ける」ことができるよう、人々に「App StoreとGoogle Play Storeでの評価を高く保つ」ことへの協力を呼びかけている。

つまり、アプリの評価さえも、サイバー戦争のプロパガンダの戦場として流用することができるようだ。

Refaceのチームが直面している現場の状況について尋ねると、チームのスタッフの多くは現在紛争地帯で仕事をしており、スタッフのほとんどがまだウクライナにいる、とRefaceは話した。ただし、12月以降、出国したり、海外でリモートワークをしている人もいるという。

男性の社員は、侵攻以来、政府の規制により国外に出ることができない。

Refaceの広報担当者はウクライナにいるスタッフについて、多くのスタッフはより安全な場所を求めてウクライナ西部に移動し、他のスタッフはキエフに留まって「防空壕から情報的・技術的に支援」していると話した。

また、自主的に国防軍に参加した人もいるという。

「チームは分裂を余儀なくされたものの、これほどまでに団結したことはありません」と広報担当者は語り、こう付け加えた。「私たちは勇敢で強く、ロシアの侵略者に滅ぼされることはないでしょう。しかし、世界からの全面的な支援なしには、この戦争を止めることはできません」。

ウクライナでの戦争中の別のReface従業員の仕事場(画像クレジット:Reface)

Refaceは世界の指導者たちに対して、ロシアに対してより厳しい制裁を科すとともに、ウクライナへの支援(武器など)を強化するよう求めている。

SWIFTに関しては、EUの首脳は禁止措置をめぐって揺れているように見えたが、2月25日、EUは他の多くの措置とともに、ロシアの銀行市場の70%を排除する制裁措置に合意した(ロイターより)。

EU委員長は週末に、ロシアの国営メディアであるロシア・トゥデイ(RT)とスプートニク(およびその子会社)に対し「前例のない」さらなる措置を講じると発表した

声明の中でEUのUrsula von der Leyen(ウルズラ・フォン・デア・ライエン)委員長は、ロシア政府の「メディア・マシンは…プーチンの戦争を正当化し、我々の連合に分裂をもたらすために、もはや嘘を流すことはできないだろう」と述べ、EUは「欧州におけるロシアの有害な情報操作を禁止するツールを開発中」だと付け加えた。

EUが何を意図しているのか、禁止令が実際にどのように機能するのか、テレビ局だけでなく、そのコンテンツをホストしているオンラインプラットフォーム(YouTubeなど)にも適用されるのか、あるいは、穴だらけの(誤)情報時代にロシアのプロパガンダマシンを阻止するという話に本当に意味があるのか、正確にはわからないが、EUが試みたいと言っているという事実は注目される。

デジタル政策の立案において、EUの議員たちは往々にして言論統制と非難される可能性のある措置を提案することに非常に慎重だ。しかし、プーチンはEUの議員たちにその一線を越えさせてしまったようだ。

画像クレジット:Alain Pitton / NurPhoto / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグル、ウクライナでGoogleマップのリアルタイム交通状況ツールを無効に

Alphabet(アルファベット)は米国時間2月28日、取材に対し、ウクライナでGoogleマップのライブ交通状況ツールの一部を無効にしたことを明らかにした。Reuters(ロイター)が報じたこのニュースは、同国がロシア軍からの攻撃に直面している中で、同社が地元当局と協議した後に発表された。該当する機能に関して、広範なグローバルアクセスは無効になるものの、現地ドライバーのためのローカルターンバイターンナビゲーションは有効になっているとのこと。

人気の高い同社のマッピング技術は、ウクライナ侵攻の当初から意外な役割を担ってきた。カリフォルニア州のある研究施設では、ロシアの「特別軍事作戦」が公式に宣言される数時間前に、Googleマップの交通データと衛星画像を組み合わせて交通渋滞を発見し、ウクライナ国境に向かうロシア軍の接近を察知することができたという。

研究者のJeffrey Lewis(ジェフリー・ルイス)博士は、The Washington Post(ワシントン・ポスト)にこう語っている。「昔なら、現場で起きていることを教えてくれる記者に頼ったところですが、今日ではGoogleマップを開くと、キエフから逃げる人々を見ることができてしまいます」。

Alphabetの動きは、ロシア軍がウクライナ軍の動きを追跡するために、同様に情報を悪用する可能性があるという懸念からきているようだ。この件に関してAlphabetは、いつスイッチをオフにしたのか、他の世界的な紛争で同様の行動をとったことがあるのか、など具体的なことは何も述べていない。

現地では、ウクライナの人々はこの問題に対して、もっとはるかにオールドスクールなアプローチを取っている。同国の道路局であるUkravtodor(ウクライナ道路公団)は、ロシア軍を混乱させるため、道路標識を撤去し始めた

Ukravtodorは26日にソーシャルメディアに「やつらの地獄直行を手伝おう」と書き込んだ。「Ukravtodorは、すべての道路組織、領域共同体、地方自治体に、近くの道路標識の撤去を直ちに開始するよう呼びかけています」。

GoogleはTechCrunchの取材に対し、先週始まった侵攻に関しては直接のコメントを控えた

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

上位100のサブスクアプリの2021年売上は前年比41%増の約2.1兆円

モバイルパブリッシャーが、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)のようなプラットフォームの手からサブスクリプション収入をより多く手にするために戦っているのは不思議ではない。新しいレポートによると、ゲーム以外のサブスクアプリトップ100の消費者支出額は、2020年の130億ドル(約1兆5000億円)から2021年には41%増加して183億ドル(約2兆1000億円)になった。

そしてこれは、アプリ分析会社Sensor Towerの最新データによると、2021年に総額1316億ドル(約15億2000億円)に上る、アプリとゲームの両方におけるアプリ内課金の全体収益のほんの一部(14%)だ。

しかし、ゲーム以外のサブスクアプリが占める割合は拡大している。ちなみに2020年、ゲーム以外のアプリのサブスク収入は、その年の消費者支出総額のわずか11.7%にすぎなかった。

画像クレジット:Sensor Tower

また、2021年のアプリ内課金売上高の前年比41%増は、2019年から2020年にかけての34%増より強い伸びを示していることもレポートで明らかになっている。

もちろん、ここには世界的な新型コロナウイルスの大流行が影響しているのかもしれない。2020年以降、世の中がロックダウン対策やバーチャルでの仕事や学校に適応し、買い物やイベントなど、これまで対面で行っていたことをオンラインで行うようになったため、消費者は買い物、エンターテインメント、ヘルス&フィットネス、仕事、教育などのためにますますアプリを利用するようになった。

サブスクにかかるモバイル支出に関しては、米国の数字が世界的な傾向を反映していることがデータで示されている。米国の消費者は2021年、トップ100のゲーム以外のサブスクアプリに85億ドル(約9800億円)使い、2020年の59億ドル(約6800億円)から44%増えた。前年の28%増を大幅に上回る成長だ。2021年の米消費者のアプリ内課金への支出は、合計で407億ドル(約4兆7000億円)に上った。

画像クレジット:Sensor Tower

サブスクはまた、アプリストアの収益を増やす主流手段でもある。第4四半期には、米国で売上高上位100のアプリのうち、90がサブスクを展開していた。この数字は、2020年第4四半期の91、2019年第4四半期の93からわずかに減少している。

サブスクの売上高に関しては、AppleのApp StoreがGoogle Playを引き続き上回っている。App Storeのゲーム以外のサブスクアプリのトップ100の2021年の売上高は135億ドル(約1兆5580億円)で、Google Playの48億ドル(約5540億円)の3倍近くだった。App Storeは2020年の103億ドル(約1兆1880億円)から31%増、Google Playは27億ドル(約3115億円)から78%増えている。

米国でも、やはり同様の傾向が見られた。App Storeの上位100のサブスクアプリの売上高は、2020年の45億ドル(約5190億円)から前年比で33%成長し、2021年には60億ドル(約6920億円)となった。一方、Google Playのサブスクアプリの売上高は、2020年の14億ドル(約1615億円)から79%増え、2021年には25億ドル(約2880億円)に達した。

画像クレジット:Sensor Tower

消費者支出に関しては、他のストリーミングや出会い系アプリと並んで、Googleのアプリが上位を占めている。Googleの定額制サービスGoogle Oneは2021年に、アプリを通じて世界で11億ドル(約1270億円)を売り上げ、そのうち6億9800万ドル(約805億円)は米国でのものだった。また、GoogleのYouTubeアプリは同年に12億ドル(約1380億円)を売り上げ、そのうち5億6650万ドル(約650億円)が米国でのものだった。

その他の米国で売上高上位のアプリには、Disney+、HBO Max、Tinderなどがある。世界的にはPiccomaがそのリストに加わる。

画像クレジット:Sensor Tower

2021年にアプリストアのビジネスモデルに対する規制当局の監視が強化されたことを考えると、このようなサブスク市場の分析は興味深いものだ。

韓国のように、AppleとGoogleのアプリ内課金に対する支配力を制限するための新しい法律まで成立した市場もある。現在、オランダの規制当局は、出会い系アプリの決済でAppleが独占禁止法に違反しているとして、同社と行き詰まった状態になっている。また、このデータはゲーム以外の動向を調べたものにすぎないが、アプリストアがゲーム会社から得る額も巨額だ。そのため、たとえばEpic Gamesは、自社の独占禁止法に関する裁判の判決を不服として控訴している

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Redditアプリが刷新、コミュニティを見つけるための「発見」タブと新しいナビを追加

Reddit(レディット)は米国時間2月24日、モバイルアプリに2年以上ぶりの大きな変更を加え、パーソナライズされたレコメンデーションを提供する新しい「発見」タブと、ユーザーがすばやくアクセスしてサブスクを整理したり、プロフィール設定にアクセスしたりできる新しいコミュニティおよびプロフィールメニューを含む刷新されたナビゲーションシステムの提供を開始した。

同社は、興味を探求するためのより良い方法が欲しいというユーザーの声を聞き、発見タブの導入を決定したという。

Redditには現在、10万を超える活発なコミュニティが存在するが、その多くはまだ十分に知られていない、と同社は指摘している。

「当社がここで解決しようとしているのは、深く関わりたいと思うサブレディットやコミュニティを見つけるのが難しいという大きな問題です」と同社のProduct for Content and Communities担当ディレクターのJason Costa(ジェイソン・コスタ)氏は説明する。「Reddit検索やGoogle検索で何か出てくるかもしれませんが.……それには作業が必要なのです。なかなか難しいことです。我々はそれを認めます。ですので、あまり知られていないコミュニティの発見をしやすくするために、新しい表面領域を作りたかったのです」とコスタ氏は説明した。

新しい発見タブは、iOSとAndroid用のRedditモバイルアプリのホームボタンのすぐ右側にくる。このセクションには、サブレディット(コミュニティ)のレコメンデーションが視覚的に魅力的な縦型フィードで表示され、新規Redditユーザーの場合は人気度に基づき、既存ユーザーの場合はエンゲージメントパターンに基づいて表示される。

具体的にはRedditは、ユーザーのサブスクリプションや最も長い時間を過ごす場所などを考慮して、レコメンデーションを作成する。例えば、あなたが野球のサブレディットをたくさん購読していて、サッカーのサブレディットでも少し時間を過ごしている場合、アプリは他のスポーツコミュニティを勧めるかもしれない。新規ユーザーの場合、Redditはその人の興味についてもう少し情報を得るまで、人気のあるコミュニティを勧める。

しかし、Redditはレコメンデーションのために、年齢、位置情報、性別など、ユーザーの属性を活用することはない。

発見タブをスクロールすると、写真、GIF、ビデオが小さな四角いボックスに入っていて、それらが代表しているコミュニティの名前が重なっている。豊富なマルチメディアを使用するというこの選択は、テキストが多くなりがちなRedditアプリに、より「視覚、聴覚、動作」をもたらすことを意図していると、コスタ氏は話す。新機能では、タイルを長押しして「このコンテンツをもっと表示する」「このコンテンツを少なくする」「このコンテンツを隠す」といったオプションを選択することで、表示される候補を絞り込むことも可能だ。

新しいセクションの上部には、テクノロジー、動物、スポーツ、歴史、趣味などのハイレベルなカテゴリがあり、ユーザーは今持っている興味以外の分野を直接探索できる。

ただし、すべてのコミュニティが発見ページで紹介されるわけではない。

コミュニティのコンテンツタグの評価システムに基づいて、NSFW(ノット・セーフ・フォー・ワーク)なコミュニティは推奨されない、とコスタ氏はTechCrunchに語った。また、禁止されたり隔離されたりしているコミュニティは推奨しない。そのような広範なレコメンデーションに適さないかもしれない、というシグナルだ。

この決定により、Redditの物議を醸すコミュニティは、トランプ支持のコミュニティ「The Donald」や「r/donaldtrump」に以前出されたような禁止措置にたとえ至らなくても、さらなる支持を得ることができなくなる。

最終的にRedditは、この新しい発見タブによって、ユーザーが購読したいコミュニティをより多く見つけ、Redditアプリをより頻繁に起動し、より多くのコンテンツと関わるようになることを期待している。これは、ひいてはRedditの収益を押し上げることにつながるかもしれない。一部のユーザーを対象にこのところ行われていたテストでは、5人に1人が発見タブを使用した後に少なくとも1つの新しいコミュニティに参加したことをRedditは確認した。

Redditは、モバイルアプリ(iOS 55% 、Android 45%)またはモバイルウェブでサービスを利用する70%のユーザーに焦点を当てるため、この新しいタブは現時点ではウェブでは利用できない(デスクトップでRedditを利用するユーザーの割合は30%だ)。

このタブは、これまでナビゲーションバー下部にあったサブスクリプションタブを置き換えるもので、今回の追加によりRedditはナビゲーションも見直す必要があった。現在、サブスクリプションは左側の新しいコミュニティメニューに収納され、そこで分類やカスタマイズができるようになっている。このコミュニティの引き出しには、「モデレーティング・エントリー・ポイント」、サブスクのための「あなたのコミュニティ」、あなたがフォローするユーザーのための「フォロー」「r/all」エントリーポイントの4 つのセクションがある。

また、右側には、自分のプロフィールにアクセスし、カスタマイズすることができる「プロフィール引き出し」が新たに追加される。

新機能は、5400万人のデイリーアクティブユーザーを抱えるiOSとAndroidのグローバルユーザーに現在提供されている。

画像クレジット:Reddit

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi