MozillaがAndroid版Firefox FocusとiOS版Firefoxに新機能を導入、ピクサー映画の壁紙も

Mozilla(モジラ)は米国時間3月8日、Android版「Firefox Focus」とiOS版「Firefox」に新機能を導入すると発表した。Android向けのプライバシーを重視したモバイルブラウザであるFirefox Focusには「HTTPSオンリーモード」が追加される。このモードでは、訪問するすべてのウェブサイトで、アプリが自動的にHTTPSによる安全で暗号化された接続を確立するようになる。

「シンプルでプライバシーをデフォルトで重視するコンパニオンアプリとして、私たちはFirefox Focusをユーザーにとってより安全にするためにもっとできることはないかと考え、HTTPS専用モードを思いつきました」と、Mozillaはこの発表についてのブログ記事で述べている。「これは、Firefox Focusに自然にフィットするように感じられました。Android版Firefox Focusは現在、利用できる最高のセキュリティとプライバシーのために、自動的にHTTPSを選んで接続し、気が散ったり心配したりすることなく、あなたが迅速な検索を行いたいと思う瞬間をサポートします」。

今回の発表から2カ月ほど前、MozillaはAndroid版Firefox Focusに「Total Cookie Protection(トータル・クッキー・プロテクション)」と呼ばれるプライバシー保護機能も導入している。その目的は、毎日訪れるサイトや検索している製品など、複数のサイトでクッキーを共有して企業がユーザーに関する情報を収集するクロスサイトトラッキングを制限することだ。

iOS版Firefoxアプリの方は、画面の上部だけでなく下部にも配置できる新しい調整可能な検索バーが追加された。このわずかな変更により、ユーザーがオンラインで訪問したい場所にすばやくアクセスできるようになると、Mozillaでは述べている。この新しいオプションは、Apple(アップル)が「Safari(サファリ)」ブラウザに採用した調整可能な検索バーと似ている。

なお、Mozillaは今回の発表に合わせて、Disney(ディズニー)とPixar(ピクサー)の映画「私ときどきレッサーパンダ(原題:Turning Red)」にちなんだモバイル壁紙を、米国内の全ユーザーに展開することも発表した。この壁紙は、Firefoxモバイルアプリを開き、ホームページのFirefoxロゴをダブルクリックするか「ホームページをカスタマイズ」から見つけることができ、さまざまな壁紙の中から好きなものを選んで設定できる。Mozillaによると、今後数カ月のうちには新しい壁紙も用意され、グローバルにも展開する予定だという。

画像クレジット:Mozilla

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

MozillaがVRウェブブラウザ「Firefox Reality」の公開終了を発表

人気のVRウェブブラウザが終了する。米国時間2月3日、MozillaはVR環境で使用するために開発し、4年にわたって公開していたFirefox Realityブラウザを終了すると発表した。このブラウザを利用するとVRヘッドセットでウェブにアクセスし、マウスではなくVR用ハンドコントローラを操作して、URLへのジャンプ、検索、2Dと3Dのインターネットのブラウズなどができる。

関連記事:MozillaのVR用ブラウザーFirefox Realityが完成、VRがWebのふつうのコンテンツになる日も近い?

Firefox Realityは2018年秋に初めて公開され、Viveport、Oculus、Pico、Hololensのプラットフォームでアプリストアから入手することができた。2Dのウェブを閲覧できる一方、この新しいテクノロジーを使ってウェブの3Dコンテンツ、例えば360度パノラマ画像やビデオ、3Dモデル、WebVRゲームなどのブラウズや操作ができると期待された。しかし米国時間2月3日の発表で、Mozillaはこれまでダウンロード可能だったアプリストアから「数週間」以内にブラウザが削除されると述べた。

Mozillaはその代わりとして、今後もVRでウェブブラウザを利用したいユーザーは、Firefox Realityのソースコードに基づいてIgaliaが公開するオープンソースのブラウザ「Wolvic」を使うように案内している。Wolvicは2月7日の週にダウンロードできるようになるので、ユーザーにとってはブラウザがなくなってしまうわけではないが、乗り換えが必要となる。

IgaliaはXR分野への取り組みを全面に押し出している。XRとは、VRやAR、そしてこれに類するテクノロジーの総称として使われる言葉だ。Igaliaは同社の発表の中で、この分野に対するMozillaの取り組みが行き詰まっていると感じていたことを示唆し、実験を引き継いで「この取り組みを継続してプロジェクトを完成させる」ことに意欲を示している。

Igaliaのウェブサイトに掲載された発表には、以下のように書かれている。「Igaliaは、XR分野にとってウェブは多くの点で重要であると確信しています。没入型OSを提供するXRシステムには、その一部としてウェブブラウザが必要です。ウェブ上にすでに存在するものに一切アクセスせずに『リアリティ』に入っていくことは、かなり難しいでしょう。そしてWebXRはブラウザ自体から得られる情報をたどり、共有し、体験するための新しい手段となります。没入型OS向けブラウザの再考は新しい領域であり、なぜ新しいかといえばブラウザの選択が現在は限られているからです」。

公開時点では、WolvicブラウザはOculus、HTC Vive Focus、Pico Interactive、Daydream、HuaweiのARメガネ、オープンソースのLynxデバイスで動作する。ただし2月7日の週に公開されるブラウザはMozillaがこれまでのブラウザで提供していた機能の一部を移行中であるため、まだベータ版だ。

Igaliaは今後2年間ブラウザのプロジェクトに取り組む資金の一部を確保したが、健全なエコシステムを構築するにはさらにパートナーを見つける必要があると述べ、関心のある人はメールで連絡して欲しいと呼びかけている。

Firefox Realityの終了を決めた理由について、MozillaはWebVRやWebARといった新しいテクノロジーの開発は支援するが、そうしたテクノロジーのホストやインキュベートを長期にわたって継続するとは限らないと説明している。WebAssembly、Rust、Servoのように、プロジェクトを継続できる他の組織を見つける場合もある。もちろん、かつてたいへんな人気を誇ったウェブブラウザのFirefoxで一般ユーザーに今でもよく知られている組織として、最新のブラウザ技術の将来は別の組織に引き継いでいる。

画像クレジット:Mozilla

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Mozilla、モバイルおよびデスクトップのVPNに新プライバシー機能を展開

Mozilla(モジラ)は、モバイルとデスクトップVPNサービスの新しいアップデートを展開すると、米国時間2月1日に発表した。Mozilla VPN 2.7では、Firefoxの人気アドオンの1つであるマルチアカウントコンテナーをデスクトッププラットフォームに導入し、AndroidとiOS版のVPNサービスにもマルチホップ機能を導入している。

Firefoxのマルチアカウントコンテナーにより、ユーザーは仕事、ショッピング、バンキングなど、オンライン活動の異なる部分を分離することができる。仕事のメールをチェックするために新しいウィンドウや別のブラウザを開く必要がなく、その活動をコンテナータブに分離することができ、他のサイトがウェブ上の活動を追跡するのを防ぐことができる。同社は、このアドオンとMozillaのVPNを組み合わせることで、ユーザーの区分されたブラウジング活動にさらなる保護層を追加し、ユーザーの位置情報にもさらなる保護を追加することができると述べている。

「例えば、仕事で出張中、フランスのパリで仕事のメールをチェックするためにコンピュータを使用しているが、ニューヨークの個人の銀行口座もチェックしたいとします。そこで、マルチアカウントコンテナーに加え、Mozilla VPNの追加プライバシーと30カ国の400以上のサーバーから選択することで、仕事と個人の財務のオンライン活動を分離することができます」と、Mozillaは新しい発表についてブログ投稿に書いた。

2021年、Mozillaは、1つのVPNサービスではなく、2つのVPNサーバを使用することができるマルチホップ機能をデスクトップで発表したが、今回、それがモバイル上でも展開されることになった。この機能は、最初にエントリのVPNサーバー、そして出口のVPNサーバーを介してあなたのオンラインアクティビティをルーティングすることによって動作する。Mozillaは、VPNサービスのAndroidとiOSバージョンにこの機能をもたらすことは、ブラウジング時にユーザーにさらなるプライバシーを与えると言っている。同社は、この機能は、プライバシーについて特に注意したい人々に有用であり、政治活動家や敏感なトピックについて書いているジャーナリストにも有用であることを指摘している。

これらの新しいアップデートは、Mozilla が最近、Android 版 Firefox Focus にクロスサイトトラッキングに対抗するために使用する Total Cooke Protection (トータルクッキープロテクション)の提供を開始したことに続くものだ。Total Cookie Protection の目的は、毎日訪れるサイトや検索している製品などの情報を企業が収集するクロスサイト・トラッキングを緩和することだ。Mozillaは2021年、Firefox Relayを発表した。これは、ユーザーのアイデンティティを保護するために、ユーザーの実際の電子メールアドレスを隠すための製品だ。

画像クレジット:David Tran / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Firefoxモバイルブラウザーがアップデート、最近のタスクにすばやくアクセス可能に

モバイルブラウザーFirefox(ファイヤーフォックス)は現地時間11月2日、iOSおよびAndroid向けの最新版をリリースし、開いているタブの数が多すぎることによる煩雑さや、前回アプリを閉じたときに中断した場所に戻る必要があることなど、よくある問題への対応を目的としたアップデートを行った。今回の変更は、モバイルウェブへの再アクセスポイントとして機能するようになる新しいホームページを導入したFirefox Betaの一環として行われたものだと、ブラウザの製造元であるMozilla(モジラ)は述べた。

この変更により、Firefox は、Apple(アップル)のSafari(サファリ)や Google(グーグル)のChrome(クローム)のようなモバイルデバイスのデフォルトオプションとの競争力を高めることができる。他のApple アプリから送られてきたものを共有するSafariの新しい「あなたと共有」や、Chrome の最近のタブや検索履歴に簡単にアクセスできるボタンのように、Firefoxの「新しいタブ」ページは、ブックマークやリーディングリストなどのアイテムをユーザーに提供している。

しかし、Firefoxの場合は、単なるボタンではなく、ホームページ上で直接スクロールできるリストとして表示されるので、読んでいた記事や最近の検索結果などの項目により簡単に戻ることができる。

例えば「Jump back in(ジャンプバックイン)」セクションでは、タブの混乱の原因になりがちなユーザーが読みかけの記事をすぐに見つけることができるようになる。これらは、ホームページに直接表示される最新のヘッドラインの隣に「すべて表示」リンクをクリックするとリストで表示される。

最近保存したブックマークは、デスクトップのFirefoxから同期したものも含めて、ホームページ上に表示されるようになった。また、最近の検索結果は、トピックごとにグループ化されてホームページに表示される。Mozillaによると、これらの検索結果は最大14日間保存されるので、検索履歴を調べなくても、オンラインリサーチに簡単に戻ることができる。

大きな変更点の1つは、モバイルブラウザを使用する際の最も一般的な問題の1つであるタブの乱立に対処することだ。ユーザーは、参照する必要のあるタブや読み終える必要のあるタブを閉じずに開いたままにすることがよくある。しかし、これでは多くのタブが開いたままになり、実際に開いているタブを移動させる必要が生じたときに、混乱することになる。

Firefoxはこの問題に対処するため、14日間再訪していない非アクティブなタブを保存し、開いているタブが多すぎることによる視覚的な混乱やストレスを軽減するために、これらのタブを表示から削除する新機能を導入した。残念ながら、この機能は発売時にはAndroidベータ版でしか利用できない。

また、同社は「あとで読む」のためのアプリPocket(ポケット)との提携を拡大し、ユーザーが自分の興味に合ったストーリーでホームページをカスタマイズできるようにする。これまでもFirefoxでは、新着記事をPocketからAndroidユーザーに提供していたが、ユーザーからのどのような記事を表示するか、もっとカスタマイズしたいという声が寄せられていた。この機能も当面はAndroidのみの提供となる。

その他の変更点としては、新たに18種類以上のテーマを選択できるようになったこと、Site Isolation(サイトアイソレーション)と呼ばれるセキュリティアーキテクチャの導入によりサイドチャネル攻撃への対応が強化されたことなどが挙げられる。

今回の変更は、5月に導入された大規模なデザイン変更にさらに磨きをかけたものだ。このデザイン変更は、ごちゃごちゃしたメニューをなくし、ナビゲーションを簡素化し、新しいタブデザイン、iOSアプリの更新、プライバシー機能の強化など、ブラウジング体験をシンプルにすることを目的としている。その際、Mozillaは、年内にさらなるアップデートを行うことを約束した。

また、Mozillaは2021年10月、プライバシーを重視したブラウザFirefox Focus(ファイヤーフォックスフォーカス)を刷新し、ユーザーが頻繁にアクセスするサイトにすばやくアクセスできる方法を盛り込んだ。

新しいブラウザのアップデート版であるFirefox 94は、現在、Google Playストアで「Firefox Beta」と検索することで入手でき、Android 5.0以上で動作する。iOSでは、ユーザーはTestFlightを通じてベータ版をダウンロードする必要があり、iOS 13以上に対応している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

プライバシー重視のモバイルブラウザー「Firefox Focus」アップデート、新ロゴ、ショートカット機能などなど追加

Mozillaは、プライバシーを重視したモバイルブラウザー「Firefox Focus」をアップデートし、外観やショートカットを一新するとともに、プライバシーコントロールを強化した。Firefox Focusは2016年に初めて登場し、基本的にデフォルトでプライベートブラウジングモードを提供する。このブラウザーは、ニューカラー、新しいロゴ、ダークテーマを採用している。また、Mozillaは、ユーザーが頻繁に訪れるサイトにすばやくアクセスできるように、新しいショートカット機能を追加した。

最新のアップデートには、個々のトラッカーの有効 / 無効をすばやく切り替えられるシールドアイコン(盾型アイコン)がある。また、現在、グローバルにブロックしているトラッカーの数がわかるカウンターがある。Mozillaによると、これらによりユーザーは、自分がトラック(追跡)されているか気にせずに検索をすばやく完了できる。

Cybersecurity Awareness Monthの一環としてMozillaは、Android上のFirefoxに新しい機能を加えた。アプリのアカウントをこれから作るユーザーは、新しいパスワードを直接ブラウザーに保存可能で、モバイルとデスクトップの両方で、アカウントに簡単にログインできるようになる。

またブラウザーに保存したパスワードを自動入力して、そのアカウントにログインできる。Firefoxのアカウントを作ったユーザーは、すべてのパスワードをデスクトップとモバイルデバイスの両方で同期できる。さらにパスワードなどを使わずにユーザーの顔や指紋でアカウントのロックを解くこともできる。

Mozillaの発表によると、Firefoxは年内にWindowsのMicrosoft Storeで入手できるようになるという。Microsoftが、ストアにおけるサードパーティー製ブラウザーの制限を緩めたからだ。

「Firefoxのような独立したブラウザーを含む企業やアプリケーションに対して、Microsoft Storeがよりオープンになったというニュースを歓迎します。より健全なインターネットとは、人々が多様なブラウザーやブラウザエンジンから選択する機会を持つことだと考えています」とMozillaは声明で述べている。

画像クレジット:Mozilla

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ウェブ関連技術の標準化推進団体「W3C」がブラウザー拡張機能の共通化に向け「WECG」コミュニティ立ち上げ

ウェブ関連技術の標準化推進団体「W3C」がブラウザー拡張機能の共通化に向け「WECG」コミュニティ立ち上げ

NurPhoto via Getty Images

ウェブ関連技術の標準化推進団体W3C(World Wide Web Consortium)は6月4日(現地時間)、各社ウェブブラウザの拡張機能に関して「共通のビジョンを持ち、将来の標準化に向けて活動することを目的」としたコミュニティグループ WebExtensions Community Group (WECG) の立ち上げを発表しました。

立ち上げに関わったのはApple、Google、Microsoft、Mozillaの主要ブラウザメーカーで、他のメーカーや拡張機能の開発者らの参加を呼び掛けています。

まずは、Chrome、Microsoft Edge、Firefox、Safari でサポートされている既存の拡張機能モデルとAPIを基盤とし、仕様を作成することから始めます。

なお、コミュニティグループでは、ブラウザ拡張機能のすべてについて標準化を行うつもりはないともしています。つまり、1つの拡張機能を作れば、すべてのブラウザで利用可能になるようなものを目指しているわけではありません。拡張機能が利用するAPIやアクセス許可などの共通コアの標準化をすすめることで、開発者が各ブラウザ向けに簡単に拡張機能をリリースできるようにするほか、安全で悪用されにくいアーキテクチャの概要を示していくとのことです。

また、各ブラウザが拡張機能プラットフォームをさらに改善するために、APIを革新しリリースし続けることを望んでいるともしています。

WebExtensionsコミュニティグループの憲章は、Githubで確認が可能となっています。

(Source: W3CEngadget日本版より転載)

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