2022年、Amazon Fire TVがもっと多くのクルマに搭載される

Amazon(アマゾン)のストリーミングプラットフォーム「Fire TV」が、今後より多くの自動車に搭載されることになることが、米国時間1月5日にCESで発表された。2021年第4四半期、Stellantis(ステランティス)は自動車メーカーとして初めて、新型WagoneerとGrand Wagoneerに車内エンターテインメント用のFire TVを統合し、現在、Jeep Grand CherokeeとChrysler Pacificaにもエンターテインメント体験を提供している。さらに、Fire TVはFord ExplorerとLincoln Navigatorの2022年モデルにも内蔵される予定だとAmazonは述べている。

自動車メーカーは、クルマのオーディオシステムや快適な操作系と統合するなどしてFire TVの使用体験をカスタマイズし、その車のために設計された独自の機能を提供することができる。

自動車向けFire TVは、Alexaのハンズフリー機能を活用する。同乗者、あるいは後部座席の子どもたちのために番組を流したい親は、音声コマンドを通して簡単にコンテンツを再生することができる。また、親は前席でコンテンツを選択して、後席の乗客向けに再生することもできる。さらに、後席に複数のスクリーンがある場合は、そのコンテンツを同時にミラーリングすることも可能だ。しかし、もし子どもたちが見たい番組で合意できない場合、Fire TVを使えば、後席の人たちがそれぞれのディスプレイで個別のコンテンツを見ることもできる。視聴者は、必要に応じて、Bluetoothまたは有線のヘッドフォンを使って、あるいは車のスピーカーから番組や映画を聴くことが可能だ。

また、Fire TVのAlexaに「Alexa、フロントドアの様子を見せて」などの音声コマンドを送ることで、Ringのドアベルによる映像を表示させることもできる。

米国では、Fire TVのユーザーは、Prime Videoを含む100万本以上のテレビ番組や映画にアクセスすることができる。また、移動中は携帯電話の電波が不安定になるため、車載用Fire TVはダウンロードに対応し、オフラインでの視聴も可能だ。

また、独自のレコメンデーションを含むパーソナライズされたプロファイルのサポートと、ホーム画面のユーザーエクスペリエンスの更新を展開した家庭用Fire TVの消費者体験に追いつくために、同システムもまもなくアップデートされる。このアップデートにより、Fire TVのユーザーは、自宅で番組を一時停止した後、クルマの中でも中断したところから視聴を再開することができるようになるとAmazonは述べている。

Amazonは以前から、Fire TVをより多くの自動車に搭載することに取り組んできた。2020年には、BMWおよびFiat Chrysler Automobiles(FCA)と提携し、ハンズフリーAlexaと車内でのFire TVストリーミング機能を提供するとともに「Alex、ガソリン代を支払って」のように自動車に特化した新しいAlexa音声コマンドを追加し、1万1500のExxon(エクソン)とMobil(モービル)のガソリンスタンドでガス代が払えるようにした。同年、Rivian(リヴィアン)のEVなどにAlexaとFire TVの両方を搭載する計画を発表している。

本日のCESでFire TVのさらなる計画を詳述したAmazonは、最新のFire TVのマイルストーンも紹介し、2021年第4四半期時点で世界中でFire TVデバイスを1億5000万台以上販売したことを発表した。もちろん、実際にこのプラットフォームを定期的に利用する人は少ない。以前、同社は、2020年12月時点でFire TVの月間アクティブユーザー数が5000万人であると発表していた。Amazonは、2021年のブラックフライデーの週に買い物客が過去最多のFire TVスマートTVを購入し、Fire TV Stickがブラックフライデー自体で最も売れた製品だったと報告しているので、おそらくこの数字はその後、上昇したはずである。

画像クレジット:Amazon

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

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TechCrunch Japan

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