IBMがCloud FoundryとRed HatのOpenShiftを合体へ

ハーグで行われているCloud Foundry SummitでIBMは米国時間9月11日、Red HatのOpenShiftコンテナプラットホーム上のCloud Foundry Enterprise Environmentを披露した。

これまでは、オープンソースのPaaS(Platform-as-a-Service)であるCloud Foundryのエコシステムと、Red HatのKubernetesを軸とするOpenShiftは、互いにずっと競合と見なされていた。そしてどちらのツールも、アプリケーションの開発とデリバリを現代化したいと願うエンタープライズの顧客を奪い合ってきた。しかし最近では、いろんなものが変わった。技術面では、Cloud Foundryはアプリケーションデプロイメントのオプションとして、またアプリケーションのコンテナ化およびCloud Foundryそのものを動かす方法としてKubernetesを採用し始めた

またビジネス面では、IBMがRed Hatを買収したため変化が起きた。IBMは長年、ファウンデーションのトップレベルのメンバーとしてCloud Foundryを支援し、Red Hatは独自のプラットホームを支えてきた。しかし買収が完了した今では、IBMがCloud FoundryをRed Hatのプラットホームに持ち込もうとしているのも不思議ではない。

現状でそれはまだ技術的実験にすぎないが、IBMはこれを同社が完全にサポートするプロジェクトに変えて、Cloud FoundryのユーザーにアプリケーションをOpenShiftにデプロイするオプションを与える。一方OpenShiftの顧客は、自分たちのデベロッパーにCloud Foundry体験を与えるかたちになると考えるのが妥当だろう。

本日のこの発表の前にCloud Foundry FoundationのCTOであるChip Childers(チップ・チルダース)氏は私にこう言った: 「これもまた、両者が良好に協働できることの証明だ。Cloud Foundryのコミュニティが持参するのはデベロッパー体験であり、一方IBMはその偉大なる商業化の履歴が物を言う」。

Cloud Foundryにはその初期ほどの賑やかさはないが、今でも依然として大企業で最も多く使われている開発プラットホームだ。Cloud Foundry Foundationが最近行ったユーザー調査によると、すでにそれを使っている企業は、さらに継続して、今後もっと多くの開発ワークをこのプラットホームへ移したい意向だ。そしてsource{d}のコード分析によると、プロジェクトは毎月5万コミットあまりというペースで継続している。

image024

コミットの推移

Cloud Foundry Foundationの理事長であるAbby Kearns(アビー・カーンズ)氏は「企業がデジタル化へと突き進み、デベロッパーがクラウドネイティブの環境でイノベーションを起こそうとしているときには、ある1つのことが極めて明快だ。それは、彼らがCloud Foundryに、未来を築くための立証済みでアジャイルで柔軟性に富みもちろん快速のプラットホームとして向き合うということだ。この調査では、Cloud Foundryがエンタープライズの全体にわたって提供するアンカーが、デベロッパーによる新興技術の構築とサポートと最大化を可能にしていることも、あらためて強調された」と語る。

なお今週のSummitでは、VMwareに買収されるPivotalがPivotal Application Service (PAS) on Kubernetesを、初期のCloud Foundry支援者であるSwisscomがそのCloud FoundryベースのApplication Cloudの大型アップデートを、それぞれローンチした。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VMwareがかつて同社をスピンアウトしたPivotalを買収か

米国時間8月14日、VMwareがソフトウェア開発プラットホームPivotal Softwareを買収する話し合いに入っていることを確認した。Pivotalは、オープンソースのCloud Foundryプラットホームを商用化したサービスで最もよく知られている。買収の提案ではVMwareがPivotalの既発行クラスA株式のすべてを1株あたり15ドルで取得するとなっており、Pivotalの現在の株価よりも相当大きな上げ幅となる(この発表で株価は上がったが)。

Pivotalの株価は、2018年4月のIPO以来低迷している。同社はの起源はEMC Corporation(今のDellEMC)とVMwareからの2012年のスピンアウトで、Cloud Foundryにフォーカスしたサービスを提供することが目的だった。Cloud Foundryはオープンソースのソフトウェア開発プラットホームで、今やFortune 500社の多くが採用している。そしてこれらの企業の多くが、PivotalにCloud Foundryのサポートを任せている。Dell自身もVMwareとPivotalの大株主であり、またVMwareにもこれまですでにPivotalの所有権があって、Pivotalのサービスを顧客に売っている。というわけで今回の買収劇には、ウロボロスのような趣きがある。

Pivotalのメインプロダクトは一貫してCloud Foundryサービスだが、関連するコンサルティングサービスも提供している。上場以来業績はやや回復したが、Pivotalはこの前の四半期でも3170万ドルの損失を計上した。株価はIPO時の半分近くに下がっているが、VMwareが申し出た1株15ドルは、同社のIPO価格と同額だ。

VMwareの買収でPivotalの旅は終わるが、それはPivotal自身が期待した旅ではない。しかしVMwareはPivotalやDellEMC、IBM、SAP、SuseなどとともにCloud Foundry Foundationのプラチナ会員なので、Pivotalのプラットホームの背後にあるオープンソースのエコシステムに対するVMwareのサポートに大きな変化はないだろう。

しかし、この買収が実際に実現するのかという疑問もある。VMwareは両社が話し合いに入っていることは認めるが、同時にこうも言っている。「話し合いが合意に達する保証はない。また最終的な合意に達するまではVMwareはこの件に関してこれ以上情報を提供する意思がない」。これはいかにも弁護士が書いた文章だが、ここまで来たら買収が成立しない方がむしろ意外だ。

最近のVMwareは買収を熱心に進めているが、その全体的な構図の中にPivotalはうまく収まる。今年初めにはアプリケーションパッケージャーのBitnamiを買収し、昨年はHeptioを買収した。後者は、Kubernetesを作った3人のうち2人が立ち上げたスタートアップで、Kubernetesは今やエンタープライズのクラウドデプロイメントの新たな基盤だ。そういう積み上げの上に今回のPivotal Cloud Foundryの買収案件がある。

画像クレジット: Pivotal

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

巨額買収を完了したIBMはRed Hatの翼で飛翔する

IBMの340億ドル(約3.6兆円)という巨額なRed Hatの買収は数週間前に完了し、米国時間8月1日に両社はその最初の成果を発表した。今日の発表の大部分は、あらゆるパブリックおよびプライベートクラウドにプロダクトを持ち込みたいとするIBMの野心の拡大の表れだ。そもそもIBMがRed Hatを買った理由がそれだから何も意外ではないが、多くの業界ウォッチャーにとって意外だったのはその実現の早さだ。

具体的には、IBMはそのソフトウェアポートフォリオをRed Hat OpenShiftに持ち込む。それはRed HatのKubernetesをベースとするコンテナプラットホームで、顧客がRed Hat Enterprise Linuxを使用するかぎりどんなクラウドでもそれを使える。

IBMはすでに100製品を超えるプロダクトをOpenShift向けに最適化し、それらを同社がCloud Paksと呼んでいるものにバンドルした。そのPaksなるものは現在5つあり、それらはCloud Pak for Data、Cloud Pak for Application、Cloud Pak for Integration、Cloud Pak for Automation、そしてCloud Pak for Multicloud Managerだ。これらの技術をIBMの顧客は、AWS、Azure、Google Cloud Platform、そしてほかでもないIBM自身のクラウドで利用でき、そこにはDB2やWebSphere、API Connect、Watson Studio、 Cognos Analyticsなどが含まれている。

今日の発表声明でRed HatのCEO Jim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏は「Red HatはコンテナやKubernetesなども含むLinuxベースの技術でイノベーションを駆動しており、それはハイブリッドクラウド環境の基盤的ビルディングブロックになっている。ハイブリッドクラウドのためのこのオープンな基盤により、「any app, anywhere, anytime」(どのアプリケーションもどこでもいつでも動く)というビジョンが実現可能になる。それがIBMの強力な専門的能力と結びつき、意欲的なデベロッパーやパートナーから成る巨大なエコシステムにサポートされれば、顧客は自ら選んだ技術で現代的なアプリケーションを作り、オンプレミスでも複数のパブリッククラウドにまたがるものでも、そのアプリケーションにとって最良の環境でデプロイする柔軟性を持つことができる」と述べている。

IBMは、クラウド上の初期のイノベーションの多くは現代的で顧客志向のアプリケーションを市場化することにあり、主にベーシックなクラウドインフラストラクチャにフォーカスしていた、と主張している。しかしながら今日では、エンタープライズは自分たちのミッションクリティカルなアプリケーションをクラウドで動かすことにも関心がある。そのために彼らは、複数のクラウドにまたがって使えるオープンなスタックを求めているのだ。

さらにIBMは今日、完全な管理を伴うマネージドなRed Hat OpenShiftサービスを自身のパブリッククラウド上でローンチする、と発表した。そのほかに同時に、IBM ZやLinuxONEメインフレームなどIBM Systems上のOpenShiftと、Red Hatに関するコンサルティングおよび技術的サービスの立ち上げも発表された。

関連記事: With $34B Red Hat deal closed, IBM needs to execute now(IBMが340億ドルのRed Hat買収を完了し次は執行だ、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonがフラッシュメモリーを使用するクラウドストレージ企業E8 Storageを買収

AmazonがイスラエルのストレージスタートアップE8 Storageを買収した。このニュースは最初ReutersCNBCGlobes が報じ、TechCrunchが確認した。これらの記事によるとE8のチームと技術は、テルアビブにあるAmazon Web Servicesセンターへ引っ越しする。

E8 Storage自身の言葉によると、同社はフラッシュメモリーを使ったストレージハードウェアの製造にフォーカスし、競合製品よりも高速なパフォーマンスを提供する。同社の人材と知財等をAWSがどのように利用する気か、それはまだ分からないが、同社のメインの事業の一環になることはほぼ確実だ。

AWSが今年行った買収には、データセンターのワークロードを最適化してそのオペレーションを効率化するバンクーバーのTSO Logicと、災害時にデータのリカバリを助けるイスラエルのCloudEndureが含まれる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google CloudがVMwareのレガシーアプリケーションをクラウド上に共存させるツールを発表

Googleが米国時間7月29日に発表したVMwareとの新たなパートナーシップにより、VMwareのワークロードをGoogle Cloud上で容易に動かせるようになる。具体的には、ハイブリッドクラウドをデプロイし動かすためのシステムVMware Cloud FoundationをGoogle Cloudがサポートする。Googleはこのソリューションを開発したCloudSimpleと組んで、高品質なサービスを提供していく。

Googleにとっては、すべてのエンタープライズがコンテナに移行し、同社のAnthosハイブリッドクラウドサービスを使ってくれると好都合だが、多くの大企業は現在VMwareを使っている。そういうワークロードをパブリッククラウドに移したい意思はあっても、長年使い慣れたツールを手放す気はない。今度VMwareと提携したことによって、Googleは新しいものや革新的なものを何も提供しないが、Googleとしてはこれによって企業顧客が他のクラウドに移る理由がなくなれば万々歳だ。

Googleは発表声明で「顧客はVMwareの広範なサポートをかねてから求めていたが、今回CloudSimpleのGoogle Cloud VMware Solutionを使って、顧客はVMwareのvSphereベースのワークロードをGCPで動かせるようになった。これにより顧客には、VMwareのワークロードをハイブリッドのデプロイメントで動かすための選択肢が広がり、Anthosによる現代的なコンテナ化アプリケーションとVMwareによるVMベースアプリケーションのどちらでも、GCPで動かせるようになる」とコメントしている。

この新しいソリューションは、vCenter、vSAN、NSX-Tなどを含むVMwareのスタックのすべてをサポートする。VMwareのCOOでカスタマーオペレーション担当のSanjay Poonen(サンジェイ・プーネン)氏は、次のように語っている。「弊社とGoogle Cloudのパートナーシップは常に顧客のニーズに応えることが目的であり、今回はそのパートナーシップをさらに拡張して、お互いの顧客がVMwareのワークロードをVMware Cloud Foundationを使ってGoogle Cloud Platformで動かせるようになる。Google Cloud PlatformでVMwareが使えれば、顧客はクラウドに移行しても従来から使い慣れているVMwareのツールや教育訓練の結果をそのまま生かせるので、これまでの投資を無駄にすることがない。新しいサービスを市場に出す場合にも、それらをハイブリッドクラウド環境でシームレスに、より安全に運用できるようになる」。

Googleの発表はVMwareとの長い縁を強調しているが、今回の技術的な主人公はむしろCloudSimpleだ。しかもVMwareとの長いご縁といえば、GCPのコンペティターAWSやMicrosoft Azure負けてはいない。どちらも、VMwareのワークロードをそのクラウドで動かすためのツールを提供している。

関連記事:Googleクラウドの年間予測売上が80億ドルを突破

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSがEC2のリソースの無駄遣い指摘ツールを立ち上げ

AWSのEC2のユーザーに、ちょっと便利なアップデートが登場した。米国時間7月24日、AWSはEC2 Resource Optimization Recommendations(EC2のリソース最適化の推奨)と呼ばれる新しい機能を立ち上げた。その名のとおり、ユーザーにリソースの最適利用に関する推奨を行う。派手に目立つような機能ではないが、ユーザーのお金を相当節約してくれるだろう。ついでに、担当者であるあなたの昇進もあるかもしれない。

このリソース最適化ツールはユーザーのEC2の使い方を見て無駄な部分を見つけ、その状況に合った推奨をする。そのためにユーザーのリソース使用履歴やCloudWatchの測定値、そしてユーザーの現在の予約量などを調べる。

Screen Shot 2019 07 10 at 11.20.43 AM 1024x426

そして遊んでいるインスタンス(CPUの利用率1%未満)を見つけたら、ユーザーにシャットダウンを推奨する。それは、まあ当たり前だ。利用率の低いインスタンスに関しては、3つの新しいサイズを提案し、その中から利用目的にいちばん合ったものを選ばせる。

なお、この機能が提供されるのは標準的なEC2インスタンスのみで、GPUインスタンスには適用されない。

この新しい機能はAWSの全ユーザーが利用できる。窓口はAWSのコスト管理スイートで、そこで既存の予算管理ツールの仲間入りをする。AWSの料金体系を単純明快と褒める人は一人もいないから、一見小さな機能でも相当大きな節約効果を生むこともある。

Screen Shot 2019 07 10 at 11.27.06 AM 1 1024x701

画像クレジット: Ron Miller/TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Cloudが継続的デリバリサービスSpinnakerを正式にサポート

Google Cloudは米国時間7月21日、Spinnaker for Google Cloud Platform発表した。その名のとおり、継続的デリバリ(Continuous Delivery、CD)サービスSpinnakerをGoogleのクラウド上で容易に使えるようになる。

Spinnakerは最初Netflixが社内用に作り、それを今ではNetflixとGoogleが共同開発している。Netflixはそれを2015年にオープンソースにし、その後はオープンソースのCDプラットホームとしていちばん多く使われるようになった。今では、AdobeやBox、Cisco、Daimler、Samsung(サムスン)などもSpinnakeを使って開発工程を高速化している。

Spinnaker for Google Cloud Platformは、GoogleのKubernetes Engine上で動き、サービスのインストールはほんの数クリックで済む。インストールされたSpinnakerには、必要なツールすべてと、サービスのユーザーインタフェイスDeckが含まれている。ユーザーはGoogle Kubernetes EngineやCloud Memorystore for Redis、Google Cloud Load BalancingなどがGoogle Cloud上で使用するリソースの料金を払うことになる。

could spinnker.max 1100x1100

同社はGoogle Kubernetes EngineやCompute Engine、App EngineなどでコードのテストやデプロイができるようSpinnakerを事前に構成しているが、そのほかのどんなパブリッククラウドやオンプレミスクラウド上でも使用できる。Googleが最近ローンチした継続的インテグレーション(CI)サービスCloud Buildを統合し、バックアップの自動化や監査の統合、GoogleのStackdriverによるモニタリングなどもサポートしている。

GoogleでSpinnakerの開発を指揮しているMatt Duftler(マット・ダフトラー)氏が本日の発表声明で「このソリューションはデベロッパーだけでなくDevOpsやSREの人たちにも役に立つようにしたい。デベロッパーは最小のオーバヘッドで速く仕事がしたいと願っている。プラットホームのチームは、彼らが推奨するやり方をSpinnakernの中へエンコードして、それらを安全に使用できるようにする。Spinnaker for Google Cloud Platformを最初から使っていくと、社内の開発チームによるプロジェクトの着手と進行がより速くなるだろう」と述べている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

エンタープライズセキュリティサービスのChronicleがGoogle Cloudに統合へ

米国時間6月27日のGoogle Cloudの発表によると、Googleの親会社Alphabetがそのムーンショットファクトリー(MoonshotFactory、未来的なプロジェクトのインキュベーター)Xで育成したエンタープライズセキュリティ企業であるChronicleがGoogle Cloudへ移行し、Googleのセキュリティ関連プロダクトの仲間に加わる。

Chronicleは2018年1月にXから正式にローンチし、Alphabet傘下の独立企業になった。それまでセキュリティ企業SymantecのCOOだったStephen Gillett氏が同社のCEOになった。

ChronicleをGoogle Cloudに置かずにスピンアウトさせたことは、いつも謎だ。おそらく同社のプロダクト、マルウェアとウィルスをスキャンするVirusTotalや、エンタープライズ向けセキュリティインテリジェンスとアナリティクスのプラットホームが独立企業に向いている、と判断されたのだろう。その時点でChronicleがマーケットでどうだったか、それはよく分からないが、Googleはクラウド事業の成長にフォーカスしているから、ChronicleのGoogle Cloudへの統合も論理的な流れかもしれない。

Google CloudのCEO Thomas Kurian氏はこう書いている。「Chronicleのプロダクトと技術チームはGoogle Cloudの提供物を補完する。ChronicleのマルウェアインテリジェンスサービスVirusTotalは、Google Cloudの提供物に通知される脅威データのプールをより強力に充実する。それにより、われわれのプラットホーム上で動くアプリケーションのサポートを、継続することになるだろう」。

彼によると、ChronicleとGoogle Cloudはすでに両者が同じ種類のソリューションへと収束していく過程にあった、という。ChronicleのセキュリティツールがGoogle Cloudに完全に統合されるのは、今年の秋の予定だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatanI、(a.k.a. hiwa

アップルがオープンソース団体Cloud Native Computing Foundationに参加

KubernetesなどのオープンソースプロジェクトのホームであるCloud Native Computing Foundation(CNCF)が今日(米国時間6/11)、Apple(アップル)がトップレベルの会員資格であるプラチナ会員(Platinum End User Member)として参加することを発表した。CNCFのエンドユーザー会員はAdidas、Atlassian、Box、GitHub、The New York Times、Reddit、Spotify、Walmartなど89社いる。

Appleは例によってこの発表に何のコメントもしないが、しかしCNCFによると、エンドユーザー会員とは「オープンソースのクラウドネイティブ技術のヘビーユーザー」である企業や団体であり、コミュニティに対し何らかの還元意思のある者たちだ。CNCFのエンドユーザー会員になると、自動的に上位組織であるLinux Foundationの会員にもなる。

会員になったことによってAppleは、CNCFの統治委員会(Governing Board)にも加わる。具体的に委員として加わるのは、AppleのシニアエンジニアリングマネージャーTomer Doron氏だ。

Cloud Native Computing FoundationのCTO Chris Aniszczyk氏は、こう語っている。「経験豊富な大企業であるAppleがエンドユーザー会員として仲間になったことは、インフラストラクチャとアプリケーション開発の未来にとってクラウドネイティブコンピューティングが持つ生きた力の大きな証(あかし)である。Appleが本会をサポートすることは、たいへんすばらしいし、今ますます大きくなりつつあるクラウドネイティブプロジェクトのコミュニティに今後得られるコントリビューションに、大いに期待したい」。

Appleをメジャーなオープンソース企業と思う人はあまりいないと思うが、実際には同社はDarwinオペレーティングシステムの一部であるXNUカーネルやプログラミング言語のSwiftをオープンソースにしている。オープンソースのクラウドインフラストラクチャコミュニティにはまだ積極的に参加していないが、今日のCNCFへの参加でそれも変わるだろう。当然ながらAppleは、自前のデータセンターを動かしている。しかしそこではきっと、さまざまなオープンソースのインフラストラクチャプロジェクトを多用しているだろう。例によって同社は、それについてもあまり語らないと思うが。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Cloudでリソースの容量能力を予約でき確約利用割引の対象を拡大

Google Cloudが2つの重要な料金改定を行った。ただし残念ながらそれは、よくあるコンピュートとストレージの値下げではなくて、最初のは確約利用割引の拡大だ。GPUsや、Cloud TPU Pods、ローカルSSDなどを一定量、1〜3年契約で利用しているユーザーは、その長期的ロックインの代償として料金がオンデマンド料金の55%引きになる。

もうひとつはCompute Engineの(VMの)容量予約システムで、ユーザーが特定のゾーンにリソースを予約しておくと、あとで本当に必要になったときに確実にそれを使える。

一見すると、容量予約はクラウドらしくないコンセプトだ。なぜならリソースの縮小拡大はランタイムに必要に応じて自動的に為されるはずであり、その可用性をユーザーがいちいち気にするするべきものではない。

では一体、予約システムは何のためにあるのか?Googleの上級プロダクトマネージャーであるManish Dalwadi氏はこう語る。「想定ユースケースは災害復旧やそんなときのための安心感だが、ブラックフライデーやサイバーマンデーのような一時的で特殊な特売イベントのサポートも対象になる」。

つまり、その日には絶対的に必要なリソースが確実に利用できる、ということ。Googleのようなクラウドサービスの大手なら仮想マシンはいくらでもある、と思いがちだが、しかし一部のマシンタイプは特定の可用性ゾーンでないと使えないこともある。仮想マシンというリソースは、その点がその他のリソースとは異なる。

ユーザーは予約をいつでも作ったり取り消したりできるし、既存の割引が自動的に適用される(継続利用割引と確約利用割引)。

確約利用割引に関しては、かなりの柔軟性がある。たとえばユーザーは特定のマシンタイプを3年確約するのではなくて、CPUコアやメモリーなどの数量を確約すればいい。

GoogleのプロダクトディレクターPaul Nash氏は「顧客たちからよく聞くのは、他社の確約モデルには柔軟性がないことと、利用率が60%、70%ととても低いことだ。だからうちの確約割引の設計目標は、自分たちの容量計画を参考にして、ユーザーに十分なお得感があるような割引率にした。気楽に利用できて厳密な管理が要らないことも、目標とした」と説明する。

確約利用割引の拡大と、新たなCompute Engineの容量予約システムは、どちらもGoogle Cloud上ですでに利用できる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

使いやすくて親切なKubernetesサービスを目指すDigital Oceanはユニークな機能を揃える

クラウドインフラの意欲的なプロバイダーの例にもれずDigital Oceanも最近、そのプラットホーム上でKubernetesのクラスターを動かすための同社独自のソリューションを発表した。バルセロナで行われたKubeCon + CloudNativeCon Europeで同社は米国時間5月20日に、そのプラットホームDigital Ocean Kubernetesが一般公開されたことを発表した。

このリリースで同社はKubernetesの最新リリース(1.14)を提供し、このプラットホームのユーザーには自動パッチによるアップグレードもそのスケジュールとともに提供される。

一般公開に伴いDigital Oceanは、そのサービスを同社の世界中のデータセンターに持ち込み、いくつかの新しい機能も導入する。その中にはたとえば、ガイド付きの構成体験がある。それによりユーザーはクラスターのプロビジョニングからデプロイへ移行する。また健康診断(Health Metrics)と呼ばれる機能により、デベロッパーがクラスターの状態をモニタできる。それには、ポッドのデプロイステータスやCPU、メモリの使用、などのデータが含まれる。

また、サードパーティが自分のソリューションにDigital Ocean Kubernetesのサポートを容易に統合できるための、オープンなAPIも提供する。

さらに同社はもうすぐ、Kubernetes用のワンクリックアプリケーションを集めたマーケットプレースを開店する。Kubernetesのクラスターへアプリケーションをデプロイすることが、それらのツール的アプリケーションでより容易になるだろう。この機能は、すでにKubernetes用のパッケージ管理のデファクトスタンダードであるオープンソースのHelmをベースとする。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleのKubernetes Engineが3種のリリースチャネルとWindows Containerをサポート

2年に一度行われるクラウドネイティブのカンファレンスKubeCon+CloudNativeConでGoogle(グーグル)は米国時間5月20日、Google Kuberentes Engine(GKE)の3つのリリースチャネル、RapidとRagularをStableを発表した。

これによりGoogle Cloudのユーザーは、最新のリリースを選ぶか、それともいちばん安定したやつで行くかなどを選択でき、また最新のアップデートを開発環境の中で容易に評価できる。このリリースチャネル機能は、目下アルファテストの段階だ。

Googleのリリースノートには「各チャネルで、成熟度と鮮度が異なる。デベロッパーはリスクの許容度とビジネスの要求のあいだで適正なバランスを取りながらクラスターをアップデートのストリームにサブスクライブできる」と書かれている。

今アルファで提供されているのはRapidチャネルの最初のリリースで、それがデベロッパーにKubernetesの最新バージョンのアーリーアクセスを与える。

Rapidへのリリースとともに、GoogleはまたGKEによるWindows Containersの初期的サポートを提供する。最近の何回かのリリースの過程でKubernetesのコミュニティはWindowsサポートを徐々に改良し、そして今度はGoogleが6月にWindows Server Containersのサポートを提供する。

これらの機能に加えてさらに、同社はKubernetesをモニタリングするStackdriverツールをリリース。このツールでGKEのモニタリングとロギングができ、また他のクラウドやオンプレミスのインフラストラクチャでのKubernetesのデプロイにも対応できる。

画像クレジット: Alija

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MirantisのModel Designerツールでオンプレミスクラウドの構成を楽に

OpenStackの初期を担った主要企業として記憶に残るMirantisは米国時間4月29日、企業がオンプレミスのクラウドの構築とデプロイを容易にできるためのサービスを立ち上げた。

そのMirantis Model Designerと呼ばれるサービスによりITのオペレーターたちは、自分たちのクラウドを容易にカスタマイズできる。来月はOpenStackのクラウド、その後はKubernetesのクラスターに関し、それらのデプロイのための構成の作成を支援する。

従来の構成作業は、大量のYAMLファイルを手書きすることを要し、間違いも起きやすいので、それが好きだというデベロッパーはまずいない。

でもそれがまさに、Infrastructure as Codeモデルの中核だ。しかしModel Designerは、MirantisがOpenStack用の人気の高いインストーラーFuelから学んだことを拡張している。Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiが今日の発表の前にデモしてくれたところによると、Model Designerはユーザーに提示するGUIで構成を一歩々々進めていく。

うまいな、と思ったのは、その各ステップに難度のレベルがあって、設定をどれだけカスタマイズしたいかによってユーザーが選ぶ。レベルはDoomを参考にしたとあって、「I’m too young to die」とか「Ultraviolence」などがあるが、なぜか「Nightmare!」はない(Infrastructure as Code参考記事)。

Model Designerはクセの強いツールだが、ユーザーの自由度もかなりある。構成の段階が終わったらMirantisはその設定を実際にJenkinsのオートメーションサーバーで動かして、その構成を検証する。

Renskiによると、その段階では各プラットホームの特異性に十分対応していないが、ファイルが正しいことは確証される。そのあと、このツールはユーザーに構成ファイルを提供し、OpenStackのクラウドの実際のデプロイは、それらのファイルとMirantisからダウンロードできる中核的なバイナリを一緒にしてオンプレミスのクラウドに持って行き、コマンドラインのスクリプトを実行するだけだ。それが、この工程のすべてである。

そこからはMirantisのDrive Trainツールにバトンが渡ってクラウドをプロビジョニングする。アップグレードは、以上のプロセスを繰り返すだけだ。

Mirantisの収益源はサポートで、それにはベーシックから顧客のクラウドの完全管理まで何段階かある。Model Designerは多くの企業に同社の存在を知ってもらうための方法の一環であり、そうやって同社のツールを使ってもらえるようになれば、次はそのサポートという算段だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ML/AIプラットホームのVizion.aiがマネージドElasticsearchサービスを立ち上げ

オープンソースの分散検索エンジンのElasticsearchは、今や大小さまざまな多くの企業が自社の分散検索とアナリティクスを実装するために利用している。そのセットアップはそれほど困難ではないが、難しいのはリソースの最適プロビジョニングだ。特にユーザーの要求にスパイクがあるアプリケーションでは無駄のないリソース確保が難しい。そこで、Elasticsearchを管理を伴うクラウドサービスElasticsearch Serviceとして提供するVizion.aiは、その心配を解消し、ユーザーが実際に使ったインフラストラクチャにのみ課金する。

Vizion.aiのサービスは、必要に応じて自動的にスケールアップ・ダウンする。そのマネージドサービスとして提供されるSaaSプラットホームはプライベートとパブリック両様のクラウドデプロイをサポートし、Elasticの標準的スタックとの完全なAPI互換性がある。また標準のツールとして、データ視覚化のKibanaや、データをサービスに送るBeats、入力データを変換してデータパイプラインをセットアップするLogstashなど、Elasticsearchの標準のツールも含まれている。例えばーザーは、テスト用や開発用に複数のスタックを容易に作ることができる。

Vizion.aiのGeoff Tudor氏

Vision.aiのバイスプレジデントでゼネラルマネージャーのGeoff Tudor氏は、次のように語る。「AWSのElacticsearchサービスを使おうとすると、選択肢の数が多すぎて途方に暮れてしまう。インスタンスのサイズはどれにするか?、インスタンスはいくつ必要か?、地理的冗長性は必要か?、どんなネットワーキングを使うのか?、セキュリティはどうか?、などなど。選択を間違えると全体的なパフォーマンスに影響が及ぶ。弊社では、インフラストラクチャのレイヤの背後でリソースの均衡化を動的に行う」。

そのためにこのサービスはユーザーの利用パターンを見て、そのユースケースに合った最適なリソース割り当てを行う。実はVizion.aiの親会社Panzuraはエンタープライズ向けのマルチクラウドストレージサービスで、データのキャッシングに関する多くのパテントを持っている。今度の新しいElasticsearchサービスは、それらの技術を利用してリソースの最適割り当てを行う。

Tudor氏も認めるように、Elasticsearchの商用サービスはほかにもある。それらと、Vizion.aiの新しいサービスとの差別化要因は、事前にメタデータ用のストレージのサイズを決めなくてもよいこと、そして高価なSSDを大量に使わないことだ。PanzuraのIPを利用できるVision.aiは、最近のデータだけをSSDにキャッシュし、そのほかは安価なオブジェクトストレージのプールに収める。

さらに彼によると、Vizion.aiはAIやMLのワークロードを動かす総合的なサービスであり、Elasticsearchサービスはその構成成分のひとつだ。TensorFlowやPredictionIOのサポートも、目下準備中だ。とくにPredictionIOは、Elasticsearchと併用しやすい。「今後これを、マルチクラウドによる使いやすいサーバーレスのML/AIサービスにしていきたい。しかもうちでは、提供するのはコンピュート(計算処理)だけではなく、レコードのストレージも非常に高いコスパで利用できる」。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトの「Windows Virtual Desktop」は複数のWindows 10セッションを動かせる

昨年マイクロソフトは同社の仮想デスクトップサービスWindows Virtual Desktop発表した。そのときは非公開プレビューだったが、しかし米国時間3月20日からは、エンタープライズユーザーなら誰でも、Azureのクラウドでホストされる仮想のWindows 10デスクトップがどんなものか試すことができる。

ただしこれは、あくまでも企業のためのプロダクトである。クラウドのどこかにある仮想マシンの上でApex Legends(エーペックスレジェンズ)をプレイするために、使うものではない。このようなサービスのねらいは、エンタープライズがマシンやソフトウェアの管理で苦労することなく、サービスに含まれているOffice 365 ProPlusなどを使えることにある。また規制の厳しい業種では、外回りの社員にセキュリティ完備の仮想デスクトップを使わせて、データの安全を保持できる。

ちょっとすごいのは、ひとつの仮想マシン上で複数のWindows 10セッションを動かせることだ。

なお、このサービスの機能の多くは、マイクロソフトが昨年買収したFSLogixの技術に負っている。具体的にはたとえば、これらの技術によって、ちょこっと短時間使うようなユーザーに、OutlookやOneDriveなどのアプリケーションへの比較的速いアクセスを与える。

Microsoft 365のエンタープライズ顧客にとってこのサービスは、すでに料金を払っているサブスクリプションに含まれている場合が多いが、Azureのサブスクリプションは別途必要になり、クラウドで動く仮想マシンにお金を払うことになるだろう。

目下このサービスは、AzureのUS East 2とUS Centraのリージョンでしか利用できない。でもプレビューが終わったら、サービスの利用域は全リージョンに拡大するだろう。

関連記事: Microsoft’s new Windows Virtual Desktop lets you run Windows 10 in the cloud(昨年秋のWindows Virtual Desktopの発表、未訳)

画像クレジット: TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

BetterCloudではどんなSaaSアプリケーションでも単一のダッシュボード上で監視制御できる

BetterCloudは、G Suiteにオペレーションのレイヤを提供するサービスとして始まった。しかし近年のオーバーホールにより、そのほかのSaaSアプリケーションもサポートすることになった。そして今日(米国時間2/5)同社は、どんなSaaSアプリケーションでも同社のオペレーションズダッシュボードに加えることができ、単一のAPIでそれらのアプリケーションの使われ方をモニタできるようになった、と発表した。

ファウンダーでCEOのDavid Politisによると、OktaのようなツールはSaaSアプリケーションの認証の方法を提供するが、社員が実際にそれを使い始めたらBetterCloudが、その使われ方をITから見えるようにする。

Politisはこう説明する: “最上位の問題はアイデンティティとアクセスと接続だ。しかしうちが解決するのは、その次ぐらいに重要な、対話という問題だ”。彼によると、SaaSアプリケーションの上で起こっている対話をモニタし理解する能力を企業は欠いている。人びとは組織の中や外で情報と対話し、情報を共有している。そういう環境で起こっていることをITがコントロールし、より安全にするための手助けをBetterCloudは提供する。

同社は、ITが実施するコントロールの量を、ニーズに応じて加減できる。単一のアプリケーションや、あるいは複数のアプリケーションに共通するコントロールを提供できるが、ユーザー体験は何も変えない。それらをするためのスクリプトのライブラリを、ITに提供する。またそのスクリプトの動作を見るための、ログアクセスも提供する。

関連記事: BetterCloudが2年がかりの大規模改築工事でG Suite管理サービスから汎用SaaS管理へ変身

それらのデータを顧客がもっと有効に利用できるために、集めたデータ間の動的関係を理解するためのGraph APIも提供している。顧客はまた、データにイベントトリガーをセットして、集めたデータの状態に応じてやるべきアクションを指定できる。

昨年同社はそのプラットホームをオーバーホールして、G SuiteだけでなくそのほかのSaaSアプリケーションの使われ方もモニタできるようにした。今日の発表は、その能力の告知だ。BetterCloud自身はコネクターを作らず、顧客がそれを作れるためのAPIを提供している。

同社は2011年に創業され、Crunchbaseによるとこれまで1億600万ドルあまりを調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonがニューヨークの大学とパートナーしてクラウドコンピューティングの技術者を育成

昨日(きのう)(米国時間1/29)、ニューヨークのハイスクールにコンピューターサイエンスのクラスを開設するための出資を発表したばかりのAmazonが、今朝(米国時間1/30)は第二の教育プランとして、ニューヨークの市立と州立の大学を対象とする教育事業を発表した。ニューヨークのクイーンズ区に第二本社を置くことになったAmazonは、将来そこで働く技術者たちも当地区に自力で確保したいのだ。

Amazonが構想している大学対象事業では、LaGuardia Community College(LAGCC)とCity University of New York(CUNY)、およびState University of New York(SUNY, 州立大)の3学で、学生のためのクラウドコンピューティング技術者資格認定事業を展開する。目標は、学生たちがAmazonやそのほかの企業で、初歩的な技術職を担当できるようになることだ。

この事業は今秋始まり、3学合計で数万名の学生を対象とする。またLAGCCは1校以上のハイスクールとパートナーして、15単位時間の認定課程を並行展開する。

ハイスクールの課程がAmazon Future Engineer事業から出資されるのに対して、この大学向け資格認定事業はAmazonのAWS Educate事業が対応する。このEducate事業はをすでに1500あまりの教育機関が利用して、AWSの実習を伴うクラウドコンピューティングの教育訓練を行っている。そのスキルの資格認定は、Amazonやそのほかの企業への求職で利用できる。

この事業には教師向けのカリキュラム開発ワークショップとAWSの教育訓練が含まれ、また学生にはプロジェクトの宿題を実行するためにAWS Promotional Credits(AWS無料利用)が提供される。

また求職部が設けられるので、学生たちはそこに履歴書をアップロードしたり、求人告知をもらったり、企業の求人担当と会話したり、クラウドコンピューティングの求人やインターン募集をAmazonやそのほかのテクノロジー企業で検索したりできる。

クラウドコンピューティングは高給のIT職だ、とAmazonは言っているが、この事業はもちろん慈善事業ではない。これもまたハイスクールののコンピューターサイエンス教育支援と同じく、ニューヨークの新本社をはじめ、同社の事業拡大に伴う人材確保が目的だ。それと共に、地元企業のクラウドコンピューティング人材の確保にも貢献する。ニューヨーク州労働局の予測では、人材需要は2024年に今の17%増加する。

Amazonの労働力開発担当VP Ardine Williamsがこの事業に関する声明文で述べている: “ニューヨークにおける弊社のプレゼンスが拡大を続けている中で、コミュニティと協働してスキル開発の機会増大に貢献できることは、きわめて喜ばしい。ニューヨークは人材が豊富であり、私たちとしては多様なバックグラウンドを持つニューヨーカーたちの心を確実に捉えたい。弊社は現在、当地区で25000名を雇用している。今回のLAGCC、CUNY、およびSUNYとのコラボレーションにより、より多くの学生たちが、Amazonなど多くのテクノロジー系人材を求めている企業で確実に働けるようにしたい。これは、弊社のニューヨークにおける労働力開発努力の第一歩である。今後のさまざまな事業企画により、ニューヨーカーたちがご当地に居ながらにして新たなスキルを求める機会を手にし、より高給な職を得られるよう、努力していきたい”。

画像クレジット: Ron Miller

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleがSony Pictures ImageworksとパートナーしてオープンソースのVFXレンダーマネージャーをローンチ

Googleが今日(米国時間1/24)、Sonyの視覚効果やアニメーションのスタジオSony Pictures Imageworksとの提携により、オープンソースのレンダーマネージャーOpenCueを発表した。OpenCueは実際のレンダリングをせず、そのさまざまなツールでレンダリング工程を各ステップに分解し、スケジューリングと管理を行なう。ローカルとクラウド両様の、大規模なレンダリングファームが使用するツールセットだ。

Googleはもちろん、そんなワークロードをクラウドに持ち込むことに関心があり、ハリウッドのスタジオに同社のCloud Platformを使わせる努力を続けてきた。たとえば昨年はそのためにロサンゼルスにクラウドのリージョンを立ち上げ、また2014年にはクラウド上のレンダラーZync買収した。さらに同社は、Academy Software Foundationの創立メンバーでもある。それは映画産業のためのツールに特化したオープンソースのファウンデーションだ。Sony Pictures Entertainment/Imageworksは創立メンバーではなかったが、創設から数か月後に参加した

Cue 3は元々、Imageworksがおよそ15年前から社内で使っていたキューイングシステム(タスクの待ち行列の作成〜発進〜管理を行なうシステム)だ。Googleは同社と協働して、そのシステムをオープンソースにした。それは両社協働により、最大コア数15万にまでスケールアップした。

今日の発表声明でGoogleのプロダクトマネージャーTodd Privesはこう述べている: “コンテンツのプロダクションが全世界的かつ継続的に加速している中で、視覚効果のスタジオは高品質なコンテンツの需要に対応するためにますますクラウドに目を向けるようになっている。オンプレミスのレンダーファームは今でも重用されているが、クラウドが提供するスケーラビリティとセキュリティはスタジオに、今日のハイペースでグローバルなプロダクションスケジュールに対応できるための、必要なツールを与える”。

なお、Sonyがオープンソースに手を出すのはこれが初めてではない。同社はこれまでにも、OpenColorIOAlembicなどのツールをオープンソースでコントリビュートしている。

画像クレジット: Sony Pictures Imageworks

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MLのモデルをチューニングするオープンソースのツールNeo-AIをAWSがローンチ

AWSはどちらかというとオープンソースとは縁の薄い企業と思われているが、それが変わりそうな兆しもある。この、Amazonのクラウドコンピューティング部門は今日(米国時間1/24)、Neo-AIのローンチを発表したがそれは、Apache Software Licensetheによるオープンソースのプロジェクトだ。この新しいツールは、同社が機械学習サービスSageMaker Neoのために開発して使っている技術の一部を、オープンソースのエコシステムに持参した(お返しした)ものだ。

その主な目的は、機械学習のモデルを複数のプラットホームで使うために行なう最適化を、もっと容易にすることだ。そしてAWSの文脈では、その複数のプラットホームとは多くの場合、これらのモデルをエッジで動かすマシンのことだ。

今日の発表声明でAWSのSukwon KimとVin Sharmaがこう書いている: “通常、機械学習のモデルを複数のハードウェアプラットホームのために最適化することは、プラットホームのハードウェアやソフトウェアの構成に合わせて手作業でモデルを調整しなければならないから難しい。とくに難しいのが、エッジデバイスの場合だ。コンピューターのパワーやストレージが限られていることが多いからだ”。

Neo-AIは、TensorFlowやMXNet、PyTorch、ONNX、XGBoostなどのモデルを最適化できる。AWSによると、Neo-AIがこれらのモデルのスピードを、精度の損失なく最初の倍ぐらいに上げてしまうことも多い。ハードウェアに関しては、IntelとARMとNvidiaのチップをサポートし、Xilinx、Cadence、そしてQualcommにも近く対応する。Nvidiaを除きこれらの企業のすべてが、このプロジェクトに寄与貢献している。

IntelのArtificial Intelligence Products GroupのトップNaveen Raoはこう語る: “AIが価値をもたらすためには、ディープラーニングのモデルがデータセンターでもクラウドでも、そしてエッジのデバイスでも、等しく容易にデプロイできなければならない。IntelがNeo-AIに寄与貢献することによって、nGraphで始めたイニシアチブを拡張できたことは、きわめて喜ばしい。Neoを使えば、デバイスのメーカーとシステムのベンダーが、オールIntelのコンピュートプラットホーム上の、ほとんどどんなフレームワークで開発されたモデルでもパフォーマンスをアップできる”。

このツールはモデルの最適化に加え、それらを新しいフォーマットに変換して、モデルが実際に実行されるデバイス上の互換性と、ローカルなランタイムの問題を防ぐ。

AWSによると、Neo-AIコンパイラーの開発の一部はワシントン大学のTVMTreeliteのプロジェクトで始まった。“本日、AWSのコードをNeo-AIプロジェクトとしてオープンソースにお返しすることにより、だれもがプロダクション級のNeoコンパイラーでイノベーションを追究できる”、とAWSは言っている。AWSはオープンソースのプロジェクトを自分のクラウドサービスに利用するだけ、という世評もあったが、今度からはお返しもするようになったのだから、めでたい。

Amazonのオープンソースへの取り組みとしては、同社のFirecrackerハイパーバイザーを挙げておくべきだ。これは今ではOpenStack FoundationのKata Containersプロジェクトをサポートしている。そのFirecrackerもオープンソースだから、いずれOpenStack Foundationに寄贈されたとしても、意外ではない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MicrosoftがPostgreSQLデータベースを加速するCitus Dataを買収、顧客をAzure化か

Microsoftが今日(米国時間1/24)、Citus Data買収したことを発表した。Citus Dataは、PostgreSQLデータベースのスピードとスケーラビリティの向上をサービスとして提供している。同社のPostgreSQLエクステンションはオープンソースのプロダクトで、PostgreSQLデータベースを分散データベースに変換する。NoSQLやドキュメントストアが騒がれている今日でも、リレーショナルデータベース、とくにPostgreSQLは今だに成長市場であり、その理由の一部は、Citusのような企業が、その限界を克服するツールを提供しているからだ。

当然ながらMicrosoftのねらいは、Citus Dataのチームとの協働により“Azureの重要なエンタープライズ機能のPostgreSQLへのデリバリを加速し、重要なPostgreSQLワークロードが確実にAzure上で動くようにする”ことだ〔PostgreSQLユーザーのAzure化〕。Citusの協同ファウンダーたちも、彼らの声明文で同じようなことを言っている: “Microsoftの一員としてわれわれはこれからもPostgreSQLをベースとする素晴らしいデータベースの構築に力を入れ、ユーザーに画期的なスケーラビリティとパフォーマンスおよび彼らが必要とする障害時自己回復力を提供していく。われわれは、この分野におけるイノベーションの推進を継続する”。

PostgreSQLは言うまでもなくオープンソースのツールで、そしてMicrosoftも今やオープンソースの主要なコントリビューターであることは周知の事実だから当然かもしれないが、同社はPostgreSQLのコミュニティとの協働も強調している。Microsoftのスポークスパーソンの言い方では、“この買収は弊社のオープンソースへのコミットメントの証(あかし)であり、Azure PostgreSQLのパフォーマンスとスケーラビリティの向上が目的である”、となる。

Citusの現在の顧客は、リアルタイムアナリティクスのChartbeatや、メールのセキュリティサービスAgari、そしてPushOwlなどだ。名前は挙げないが、Fortune 100社企業も多いという。同社はクラウドからのDBaaS(database as a service)とオンプレミスのエンタープライズバージョンの両方を提供している。そして無料のオープンソースエディションもある。今後も当分それは変らないが、Microsoftは徐々に、CitusがホストしているサービスをAzureへ移行させていくのではないか。

買収の価額は公表されていない。2010年に創業したCitus DataはY Combinatorのインキュベータ事業を卒業し、これまでKhosla Ventures、SV Angel、Data Collectiveなどから1300万ドルを調達している。

関連記事: CitusDBがPostgreSQL用の列取り出しツールをオープンソースで提供開始, 複雑なクェリの効率をアップ

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa