マサチューセッツ州司法長官がUber、Lyftらが支持するギグワーカー法案にゴーサイン

マサチューセッツ州のMaura Healey(マウラ・ヒーリー)司法長官は、Uber(ウーバー)、Lyft(リフト)らが率いるアプリ利用サービス提供者の連合が、ドライバーを従業員ではなく個人事業主として分類する投票法案を提出するために必要な署名活動を開始することを了承した。

マサチューセッツ州版Proposition 22ともいうべき法案の支持者らは、2022年11月の投票に法案を提出するために万単位の署名を集める必要がある。ヒーリー氏は2020年、ドライバーは個人事業主であり、病気休暇や時間外手当、最低賃金などの対象にならないとするUberとLyftの主張に異を唱える訴訟を提起したにもかかわらず、米国時間9月1日、司法長官として同法案が憲法の要求を満たしていることを認定した。

このニュースの2週間ほど前、最高裁判所は2020年に採択されたカリフォルニア州のProposion 22を違憲とする裁定を下した。労働組合が支持しているCoalition to Protect Workers’ Rights(労働者の権利保護連盟)は、同じ理由で同法案に反対する訴訟を検討しているとReuters(ロイター)に伝えた。

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Uber、Lyft,DoorDash(ドアダッシュ)、Instacart(インスタカート)らが所属する団体、Massachusetts Coalition for Independent Work(マサチューセッツ州独立労働連合)は、2021年8月この住民投票を申請した。Uber CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はこれを「正しい行動」であると主張している。この提案では、2023年にドライバーの最低時給を18ドル(チップを含まない)とし、週15時間以上働いた人には健康保険を提供する。さらにドライバーは車両の維持と燃料のために1マイル当たり26セント(約29円)以上の経費が保証される。

連合は12月1日までに有権者から8万239名分の署名を集める必要がある。期日に間に合わなかった場合は、2022年7月6日までにさらに1万3374名の署名を集めることができる。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ギグカンパニーが労働者の身分をめぐりマサチューセッツ州でも住民投票を画策

LyftやUber、Doordash、Instacartなど、アプリによるライドシェアやデリバリーのサービスを提供している企業の連合が、住民投票でギグエコノミーの労働者を独立の契約業者と認めるよう、マサチューセッツ州に請願を提出した。これまで同業界は、カリフォルニア州で同様の住民投票を主導して、勝った経験がある。

その連合の正式名であるMassachusetts Coalition for Independent Work(マサチューセッツ州独立労働連合)が今回住民投票を提案したその約1年前には、労働者の権利を擁護する団体とギグエコノミーの企業が対立し、業界側が数百万ドル(数億円)を投じた高価な宣伝活動により、カリフォルニアの有権者は、Proposition 22と呼ばれる同様の住民投票により、業界の主張を認めた

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LyftやUberなどからなるこの連合のメンバーには、地元各地の商工会議所も含まれ、彼らは米国時間8月3日に、2022年11月に行われる州政府選挙に住民投票の可否が含まれることを要求した。投票にかけられる質問は司法の審査を要し、また住民投票が政府選挙に含めること自体も、有権者の十分な数の賛成票を要する。

8月3日に行われたLyftの決算報告で、共同創業者のJohn Zimmer(ジョン・ジマー)氏は次のように述べている。「私たちの第1目標は、マサチューセッツ州で合法的な解決を見出すことです。私たちが一貫して主張してきたことは、圧倒的多数のドライバーが求めていることでもあり、それは私たちのプラットフォームが提供してきた柔軟性のある所得機会、それ加えて福利厚生です。また私たちは住民投票という方法を求めるだけでなく、マサチューセッツ州議会と緊密に協力して、法律に基づく解決も求めていきたい」。

同連合によると、提案されている住民投票の質問は、アプリを用いるライドシェアやデリバリーのワーカーを独立の契約労働者としながらも、健康保険料の給付など、新たな福利厚生を提供するものになっている。

連合の提案の中には、ドライバーやデリバリー労働者の最低賃金をマサチューセッツ州の最低賃金(同種のアプリベースの労働に対し2023年に、チップを除き時給18ドル、約1960円)の120%であったり、週の労働時間が15時間以上のドライバーへの健康保険料給付などがある。これらの計算にチップは含まれず、チップは全額ドライバーのものになる。また車の維持費や燃料費として走行距離1マイルにつき0.26ドル(約28.35円)以上が保証される。

労働運動家たちは、早くも反発している。NAACPニューイングランド支部やマイノリティ近隣社会組合、マサチューセッツ州移民難民連合など、さまざまな団体からなるCoalition to Protect Workers’ Rights(労働者の権利保護連盟)は8月3日に、住民投票方式には労働者を傷つける問題の文言があると反論した。

同団体によると、それらの文言には抜け穴が多いため実質賃金が最低賃金を下回ることが可能であり、また健康保険の内容が極めて貧弱である。さらにまた、反差別主義者に対する保護が取り去られたり、労働者の補償規則が排除されたり、また企業が何億項にものぼる州の失業対策をごまかすこともありうるという。

UberやLyftを軸とするこの幅広い連合は、労働者の独立契約業者化に関して、住民投票や法制化をロビー活動しているが、同時にまた、2020年提出された訴訟にも直面している。その原告であるマサチューセッツ州司法長官Maura Healey(マウラ・ヒーリー)氏は、賃金と労働時間に関する複数の州法に基づき、UberとLyftのドライバーは会社の従業員(被雇用者)である、と主張した。

州の司法長官事務所によると、UberとLyftは、ドライバーを独立の契約業者と認めるために必要な、州法が定める3つの要件を満たしていない。1つは、独立の契約事業者であるためには労働者は会社の指示やコントロールから自由でなければならない。ビジネスの通常のコースから外れたサービスでも実行できる。そして、同様の仕事を自分自身でやっていてもよい。

Uberは2020年以来、カリフォルニア州のProposition 22に似た州法をマサチューセッツ州でも成立させたい、と匂わせていた。UberのCEO、Dara Khosrowshahi氏は2020年の11月の決算報告で、アナリストたちとともに、同社は「Prop22のような法律を強力に推していく」と言明した。その後彼は「米国と世界のすべての政府と協力してこれを実現したい」と付言した。

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タグ:マサチューセッツギグワーカーギグエコノミー労働LyftUberDoordashInstacartProposition 22

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マサチューセッツ州知事は顔認識利用を禁止する警察改革法案に署名せず

マサチューセッツ州のChalie Baker(チャーリー・ベーカー)知事は、警察改革法案(未訳記事)を州議会に差し戻し、いくつかの条項の削除を議員らに依頼した。警察および公的機関による顔認識技術の利用を州全体で禁止する、というこの種の規制として米国で初めての条項も含まれている。

同法案は、警察によるゴム弾と催涙ガスの使用も禁止しており、数カ月におよぶ膠着状態を幹部議員が取りまとめ、米国時間12月1日に州の下院と上院を通過した。州議会に法案が提出されたのは、武器を持たない黒人男性ジョージ・フロイド氏が殺された事件を受けたものだ。殺害したミネアポリスの警察官は後に殺人罪で告訴された。

ベーカー知事は議会宛の書簡で、禁止措置に反対であることを訴え、顔認識の利用は児童性犯罪者や二重殺人者を含むいくつかの犯罪者の有罪判決に役立ったと語った。

The Boston Globe紙のインタビューでベーカー知事は、「顔認識を禁止するものに署名するつもりはない」と語っている。

同法案の下では、州全体の警察および公共機関は顔認識の使用を禁止(未訳記事)され、唯一の例外として令状があれば州の運転免許証データベースに対して顔認識検索をかけることができるとしている。

法案はマサチューセッツ州下院議会を92対67で通過、上院を28対12で通過した。いずれも拒否権に対抗できる大多数ではなかった。

Boston Globeは、ベーカー知事は同法案を直ちに拒否するつもりはないと語ったと伝えている。議会が修正(あるいは同じ)法案を知事に提出した後、署名するか拒否権を行使するかはベーカー知事次第だ。マサチューセッツ州法では、知事は10日間署名しないことによって、法案を成立させることができる。

「警察による歯止めのない監視技術の利用は全員の匿名性、プライバシー、および言論の自由に害を及ぼすものでもあります。私たちは議会に対し、ベーカー知事の修正を却下し、政府の顔認識利用に関する常識的な規制案の通過を確実にするよう強く要請します」と、米国自由人権協会(ACLU)マサチューセッツ州支部長のCarl Rose(カール・ローズ)氏は述べている。

ベーカー知事室はコメント要求に直ちに返答はしなかった。

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