AIをがんの病理診断に活用するPaigeが約5億4000万円調達

Sloan-Kettering(スローン・ケタリング記念がんセンター)からスピンアウトしたPaige(ペイジ)は、腫瘍病理学の進歩に役立つ人工知能プラットフォームを開発している。プラットフォームから得られる知見をより良い治療薬の開発に利用する。同社は新たに500万ドル(約5億4000万円)の資金を調達し、プラットフォームの商業化と研究範囲の拡大を続ける。また、北米と欧州の病院での利用に向けFDA(米食品医薬品局)の認可取得を目指している。

Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)、具体的にはその商業銀行部門が出資した。これはPaigeが2019年12月に発表したシリーズBの延長だ。Breyer Capital(ブレイヤーキャピタル)がリードしたシリーズBで、Paigeは4500万ドル(約49億円)を調達した。バリュエーションは PitchBook(ピッチブック)によると約2億800万ドル(約230億円)だった。

PaigeのCEOであるLeo Grady(レオ・グレイディ)氏は「当社は新型コロナウィルスに関わる仕事はしていない。今のところはがんの研究に重点を置いている。ただ、パンデミックが医学の世界に存在する欠陥に光を当てた。それは当社がまさに取り組んでいる分野だ」と語った。

「当社は新型コロナ関連の研究に取り組んではいないが、新型コロナが病理学コミュニティに強い影響を与えていることはわかった」とグレイディ氏は言う。「病理学コミュニティがリモートで作業できないことが浮き彫りになった。当社が構築するテクノロジーは、病理学コミュニティを安全にリモートで作業する能力をサポートする。AIテクノロジーを利用して作業スピードをさらに速くすることもできる。病理医がリモートで作業できないことが明らかになりつつあり、デジタル化が急ぐ必要性が生じている」

確かに、進行中のコロナウイルスのパンデミックは、ヘルスクライシスでテクノロジーが果たす役割の可能性に焦点を当てることになった。その答えは明らかになりつつある。研究活動におけるAIの利用、健康のリモートモニタリングや遠隔医療、そしてもっと基本的なこととして、テクノロジー企業の資金調達能力や消費者のリーチを利用して重要な物資や情報を必要とする人々に提供することがその答えだ。

Paigeはこれらのうち概ね1つ目のカテゴリーに分類される。「ゴールドマンサックス投資をがん研究にまで広げていること踏まえると、新しい資金は特に戦略的だと言える」とグレイディ氏は述べた。

Paigeは、がんの病院および研究センターとして名高いスローン・ケタリング記念がんセンター(MSK)と非常に密接な関係にある。これはPaigeが、MSKの2500万件の病理スライドと、AIベースの計算病理に関する知的財産に独占的にアクセスできることを意味する。この2つは財産だ。スライドの数はこの種のリポジトリーの中では最大級であり、機械学習プラットフォームは入力されるデータと同じくらい優れている。また最近、コニカミノルタの子会社であるInvicro LLC(インビクロLLC)との提携を発表した。治療薬の探索・開発に取り組む製薬会社やバイオテクノロジー会社に病理学の統合ソリューションを提供する狙いだ。

「ゴールドマンサックスは当社に大きな可能性があることを理解している。臨床グレードのAIだけでなく、病理医のリモート作業を可能にする機能を持つプラットフォームとビューアーもそうだ」とグレイディ氏は述べた。Paigeはすでに十分な資金を有しているが、「高まる病理医のリモート作業の必要性に応えるべく、500万ドル(約5億4000万円)の新しい資金でさらにプロダクトの開発を進める。ゴールドマンサックスが投資してきたがんネットワークと、世界中のがんネットワークをサポートする当社のテクノロジーが、両社の関係を素晴らしいものにするはずだ」。

グレイディ氏によれば、シリーズBの発表以来、Paigeはいくつかのベータ版サイトを追加し、完了した多数の研究が間もなく公開されるという。「これらのベータ版研究は当社の価値を証明する基盤となる。当社のテクノロジーが腫瘍病理学のワークフローに価値をもたらすことを証明できる。当社のテクノロジーの商品化にも役立つ」と同氏は説明した。

次のラウンドの計画は今のところない、と同氏は付け加えた。

投資銀行のマネージングディレクターであるDavid Castelblanco(デイビッド・カステルブランコ)氏がこのラウンドで取締役会に加わった。「Paigeは、がん分野の病理学とトランスレーショナルリサーチを変革し、バイオ製​​薬会社と緊密に協力して、患者のケアを改善するカスタム診断ソリューションと創薬技術を開発している」と同氏は声明で述べた。「我々は、AIテクノロジーを通じてがん治療を改善するという会社の重要な使命をサポートできることを楽しみにしている」

「Paigeの経営陣は優れたチームを構築し、このエキサイティングな市場でチャンスをつかむために素晴らしい仕事をしている」とBreyer Capitalの創業者兼CEOであるJim Breyer(ジム・ブレイヤー)氏は声明で付け加えた。

画像クレジット: Busakorn Pongparnit / Getty Images

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ゴールドマン・サックスが悲惨な第二四半期を予測、米国失業者数は200万突破

トランプ政権は、3月の失業データを公表するなと州に要請しているが、米国時間3月19日にGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は労働市場に関する独自の予測を、そして翌3月20日に米国の経済全般に関する見通しを発表した。

この金融サービス大手は、各州がCOVID-19拡大への対応で忙しく、産業振興や雇用対策が後手になった結果、失業者数は200万人の大台を超えると予測している。ゴールドマン・サックスはそれを、失業保険受給申請の初期の増加率としては過去最大、絶対量としても記録的高水準、だと表現している。

米国時間3月20日に同社は、米国経済全般の今後の見通しを発表した。それによると「4月までに製造業の生産高はピーク時の20%減になると想定している。原因は食料品以外に対する国内需要の減少と、米国製品に対する外国の需要と輸出の減少、サプライチェーンの破壊、および工場の閉鎖だ」としている。

早期からウイルスの被害を受けていたアジア諸国に関しては、同社の予測では、4月までにはブローカー手数料と住宅改修費が50%減になり、住宅建設と事業支出が25%減少する。

ゴールドマン・サックスは、全体として「サービスの消費額と製造業の稼働率、および建設投資の額の減少により、4月のFDPのレベルは10%下がる」と予想している。

同社によると、この惨憺たる経済予測の明るい面は、4月が底であるという点だ。「この停滞はその後、各月10%ずつ徐々に解消すると仮定される。正確な時期は極めて不確かであり、逆行もありえるが、徐々に回復するという仮定の根拠はウイルスの効果的な鎮静や、検査の普及、天候と気候の効果、医療の劇的な進歩、状況に対する企業や消費者の適応といった諸要素だ」という。

画像クレジット: Richard Drew/AP

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Apple Cardの3月分支払いを無利息で先送りできると利用者へ通達

AppleとGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は、Apple Cardの所有者に対して、Customer Assistance Program(顧客支援措置)に登録することで2020年3月分の支払いを無利息で先送りにできると通達した。現在、Apple Cardを所有している人たちへは、先週末にこのオプションが電子メールで伝えられている。そこでは、COVID-19により引き起こされた困難な状況に際して、通常の支払いができなくなる利用者もいるからだと説明されている。

「Apple Cardは、あなたが経済的に健全な生活が送れるようにお手伝いすることを確約します」とメールには書かれている。

顧客支援措置に登録するには、Apple Card利用者は電子メールのリンク(こちら)をクリックするか、Apple WalletアプリからAppleのサポート係に直接メッセージまたは電話をする。

「メッセージ」で手続きするのがいちばん簡単だ。リンクをクリックすると自動的に次のメッセージが表示される。「あなたのご苦労をお察しし、お手伝いいたしたく存じます」

そして、ゴールドマン・サックスへ転送されて手続きを進めることになる。

送られてきたリンクをクリックすると、2つめの自動応答メッセージが届く。これは顧客支援措置が提供する内容の説明だが、特に重要なのは、無利息で支払いを遅らせる件だ。その後、登録するか否かをたずねられる。

登録を申請すると、数日内に確認書類が電子メールで送られ、そこで登録が完了する、とAppleから伝えられる。これで終了だ。

登録手続きはわかりやすく、電話を掛けるよりもメッセージを使えばさらに楽に行える。だが、メッセージでこの措置に関する質問をして答えを得るのは、少し難しい。実験として、私たちはAppleのチャットボットに質問してみたが、「Appleのスペシャリストとゴールドマン・サックスにおつなぎします」と返ってきた。それが1時間前だが、今これを書いている時点ではまだサポート係からの応答はない。

提示されている電話番号(1-877-255-5923)での人によるサポートのほうが簡単だったが、あるサポート担当者によると電話の量が「激増」しているとのことだった。電話の自動応答システムで登録に関する説明を聞かされた後、2を押すとサポート担当者と直接話せるようになる。その日の午後は、意外に早くつながり、担当者がすぐに出てくれた。

支払いの先延ばしを申請した時点におけるカード口座の残高で、何らかの制限を受けることはないと私たちは知った。だが、この申請が自分の信用情報や信用スコアに影響するかについては、担当者は答えられなかった。自然災害の場合は、被災した利用者を特定して、支払いが滞っても信用情報に不利な影響がないように貸し手側が配慮する制度がある(Appleは利用者の口座は流動負債として報告されると認めている)。

この措置が4月まで続くかどうかについては、未確定事項のため、担当者は明言できなかった。

支払いの先延ばしを決めたカードはApple Cardだけではない。

Citi(シティ)は、3月早々に利用者のための支援措置を講じた。これには、信用枠の引き上げと支払猶予が含まれる。最近では、PNC Bank(PNCバンク)、Capital One(キャピタル・ワン)、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、Chase(チェイス)、Discover(ディスカバー)、U.S. Bank(USバンク)、Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)、Fifth Third(フィフス・サード)他のカードも、新型コロナウイルスが流行している間、それぞれの支援措置を提供する旨を利用者に伝えている。

American Express(アメリカン・エキスプレス)も、利用者からの要請があれば対応するとTechCrunchに語っている。

「アメリカン・エキスプレスは、COVID-19の影響で経済的な困難に陥っている利用者を救済する準備ができています。カードの裏面に記されているカスタマー・ケア・プロフェッショナルに電話をするか、デジタル・サービス・チャンネル(オンライン・チャットまたはAmexアプリ)を通じていつでも対応します」と広報担当者は話している。支払いの先延ばし、戻り小切手手数料、利子などについて、利用者との個別の相談に応じるとのことだ。

「私たちには、経済的困難に対処する短期から長期にわたる数々の支援措置があります」と彼らは話す。

新型コロナウイルス流行時に家計を守るためのNerdWalletのガイドには、金融業者やクレジットカード発行会社は、その他の問題についても個人ベースで対応してもらえるケースがあると書かれている。

「利用者と1対1で対応する他に、銀行の中には一部の手数料を一律に変更するところもあります。たとえばシティカードは、3月9日から(30日間)数々の手数料を免除します。銀行口座の月間利用料や現金自動支払機での期限前払い戻しの違反金などです」とNerdWalletの広報担当者は言う。「助けが必要なときは、こうした提案を利用してください。あなたの負担が軽くなり、態勢を立て直して、先へ進むための計画を立てる時間が得られます」と彼らは話している。

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(翻訳:金井哲夫)

Teslaは新株を767ドルで発行と発表

Tesla(テスラ)は、第二次普通株の価格を767ドル(約8万4210円)にした。米国時間2月14日にSECに提出された文書によると、それは前日の終値より4.6%安い。

Teslaは文書の中で、そのディスカウント価格で265万株を売り、20億ドル(約2196億円)あまりを調達する、と述べている。引受をリードするGoldman SachsとMorgan Stanleyには、追加で39万7500株を買えるオプションがある。

2月13日にTeslaの株は804ドル(約8万8272円)で終わった。2月14日はその価格で始まり、812.97ドル(約8万9257円)まで上がったが、その後802ドル(約8万8052円)前後に安定した。

新たな普通株の発行で20億(約2196億円)ドルあまりを調達するという同社の計画は、ウォール街を驚かせた。2週間前には、キャッシュはこれ以上調達しない、と言っていたためだ。

SECの文書によると、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は最大1000万ドル(約10億9800万円)までの株を購入し、Oracleの共同創業者でTeslaの取締役Larry Ellison(ラリー・エリソン)氏は100万ドル(約1億1000万円)相当までのTesla株を購入する。

Teslaによると、新たな資金の用途はバランスシートの強化と一般的な企業目的だ。2月13日の株の提供とは別の文書で、2020年の資本支出が35億ドル(約3843億円)とTeslaは言っている。

1月の第四四半期決算報告でマスク氏とCFOのZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏は、Teslaは資金を賢く使っていて、無理やり節約をしているわけではないから増資の必要性はない、と某機関投資家からの質問に答えていた。今回の新株発行はそれと矛盾している。

2月13日の発表でTeslaの株は1月29日の決算報告時より35%以上も上がった。投資家にとって無視できないほど、魅力的な機会だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「スタートアップ上場支援は取締役会の多様性が条件」とゴールドマンサックスが表明

米国の大手銀行は、世界で最も強力な組織の1つだ。だが、すべての現役企業と同様に社会的意義を保つにはまだまだ努力の余地がある。例えばMorgan Stanley(モルガンスタンレー)は、もっと多くの直接上場が見たいと言う投資家を支援する機会が増えた。大きな影響力を持つ投資家もいるから、彼らに勝てないなら(そして競争で先頭を走りたいなら)協力したほうがいい。

さて、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)は自社に関して現代を象徴する発表を行った。CEOのDavid Solomon(デービッド・ソロモン)氏は1月23日、CNBCに対して今年からゴールドマンサックスは企業の取締役会に少なくとも1名、多様性(ダイバーシティ)をもたらす人物がいなければ、その企業の上場を支援しないと述べた。

「米国と欧州で7月1日から、少なくとも1人の多様性をもたらす取締役候補がいない限り、企業の上場を支援しない。特に女性を念頭に置いている」と、ソロモン氏はCNBCの番組「Squawk Box」で具体的に述べた。

当然のことながら、この発表をマーケティングにすぎないと見なす向きもあるだろう。取締役会に女性が1人もいない企業の公開は当然受け入れられないし、今やさらに「多様性」に富んでいることが望まれるというのが大方の見方になっている。例えばWeWork(ウィーワーク)は昨年、取締役会全員が男性のまま公開しようとしたが、その後すぐに上場前に「混合」の取締役会にすべきと認識した。ただご存知のとおり、同社がS-1を修正してハーバード大学の教授であるFrances Frei(フランシス・フレイ)氏を最初の取締役会女性メンバーに指名するまでに、上場の見込みはすでに崩れ始めた。

上場前に最初の女性取締役を加えることは、最近ではお決まりになっている。もっと興味深い点は、その発表の時期が上場申請ぎりぎりになって行われるかということだ。

2008年創業のAirbnb(エアビーアンドビー)は、2018年に最初の女性取締役を迎えた。IPOが2020年と仮定すると2年前だ。10年というのは取締役会にダイバーシティを欠いた期間としては長いが、異例ではない。Slack(スラック)の最初の女性取締役であるSarah Friar(サラ・フライヤー)氏は、2017年3月に入社した。昨年の直接上場のおよそ2年前ということになる(2年前の時点で創業8年だった)。同様に、現在創業8年のフィットネス会社Peloton(ペロトン)は、2018年春に初の女性取締役としてPamela Thomas-Graham(パメラ・トーマスグラハム)氏を迎えた。同社は昨年の9月に公開した。

その3社について注意する必要があるのは、従業員レベルで起こっていることだ。Slackは何年もの間、事業の中核に多様性を掲げてきた。Airbnbも、より多様な従業員を雇用するという点で成果を上げている。Pelotonは、最近の「性差別主義者」「ディストピア」広告で物議を醸したが、多様性に富む経営陣を擁している。

ソロモン氏を批判しているわけではない。多様性に関しては、わずかなことの積み重ねが大事だ。だが、もしゴールドマンサックスが銀行のヒエラルキーで本当にその地位を維持したいなら、IPO準備の一環で取締役会に女性や有色人種を加えるよりもはるかに大胆な施策は、従業員に多様性が見られる企業の上場のみを支援することになると思われる。

ここでもっと本質的なことに目を向けてみたい。公開会社の取締役が集まって四半期の数字を確認するのは通常年4回だけだ。確かに重要だし必要なことだ。ただ、戦略的目標が確実に達成され、企業に有益な紹介を行うことを保証するという本来の役割を超えて、業界の取り巻きは取締役に重きを置きすぎている(与えられた仕事からすればあり得ない金額がしばしば支払われる)。

1つのアイデアとして、将来の利益の1%をNAACP(全米有色人種地位向上協会)へ還元する企業のみゴールドマンサックスはその上場を支援すると宣言してはどうか。それだけでゴールドマンサックスは、真に進歩的であることを望んでいる創業者や投資家が見ている中でポールポジションを取ることができる。しばらくの間ゴールドマンサックスは多くのビジネスチャンスを逃すかもしれないが、時間が経てば報われるギャンブルになると推測する。

すでに顕在化しているが現実世界に十分な影響を与えていないプロセスを制度化することは、制度化しないよりは多少なりとも良い。ソロモン氏によれば、驚くべきことだが、米国と欧州で最近上場した約60社の取締役会の全員が白人男性だった。

TechCrunchは1月23日、大手銀行がIPO前の企業に関して独自の公約を行うかどうか確認するため、モルガンスタンレー、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、JPMorgan(JPモルガン)に問い合わせた。いずれも多様性にコミットしていると公言しているが、問い合わせに対するコメントは避けた。

ソロモン氏は以前CNBCに対しこう述べた。「小さな一歩だと思うが、この一歩の方向性を言い換えればこういうことだ。『我々はこれが正しいと思うし、正しいアドバイスだと思っている。また我々は、クライアントが取締役会に女性を迎えるにあたり助けを求めてきたら、我々のネットワークのおかげで、支援できる立場にある』。これは我々がこう自問する1つの例だ。『どうすれば正しいと思うことを実行して、マーケットの進歩に貢献できるのか』」

画像クレジット:Denis Balibouse / Reuters

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(翻訳:Mizoguchi

AI利用のハードルを下げるH2O.aiがゴールドマンサックスのリードで約77億円調達

H2O.aiのミッションは、AIを誰でも使えるようにすることだ。そのために同社は企業に一連のツールを提供して、データサイエンティストのチームが要らないようにする。同社は米国時間8月20日、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とPing An Global Voyager FundがリードするシリーズDのラウンドで7250万ドル(約77億円)を調達したことを発表した。

これまでの投資家Wells FargoとNvidia、およびNexus Venture Partnersも参加した。Goldman SachsからはJade Mandel(ジェイド・マンデル)氏がH2O.aiの取締役会に加わる。これで同社の調達総額は1億4700万ドル(約157億円)になる。

なお、Goldman Sachsは投資家であるだけでなく同社の顧客だ。H2O.aiのCEOで共同創業者のSri Ambati(スリ・アンバティ)氏によると、顧客であるWells FargoとGoldman Sachsが前2回のラウンドをリードしたことは、彼とその企業に対する信任の証だ。彼は曰く、「二度の連続的なラウンドでは顧客が投資家になっている。前回のシリーズCはWells Fargoがリードしたが、彼らは弊社を選んで使っていた。今日のラウンドはGoldman Sachsがリードし、彼らは前からうちの強力な顧客であり強力なサポーターだ」。

同社のメインのプロダクトであるH2O Driverless AIは2017年に登場し、Driverless、つまり運転手がいないという名前は、AIのエキスパートでない人たちでも、データサイエンティストのチームなしでAIを利用できる、という意味で命名された。アンバティ氏は「Driverless AIは機械学習の自動化だ。これによってワールドクラスのデータサイエンティストたちの能力を万人が手にする。ありとあらゆる機械学習のアルゴリズムを使って、モデルを自動的に作る」と説明する。

同社は同日に、レシピと呼ばれる新しいコンセプトも導入した。それは、ビジネスの多様な要件に合わせてモデルを構築するための、AIのあらゆる原料とインストラクションの組み合わせレシピ集だ。同社のデータサイエンティストたちのチームは、約100種のレシピを作ってそれらをオープンソース化。具体的には、クレジットリスクの評価、異常事態検出、資産額の査定などのためのレシピがある。

H2O.aiは2017年のシリーズCのころに比べると大きく成長した。今同社の社員は175名だが、それはシリーズCのときのほぼ3倍だ。同社はオープンソースがルーツなので、今でも2万名のユーザーが同社のオープンソースプロダクトを使っている。

アンバティ氏は会社の評価額や上場については話を避けようとするが、今はAIの初期の時代であり、長期的な視野に立って会社を育てていきたい、と言った。

関連記事:H2O.AI snares $40M Series C investment led by Wells Fargo and Nvidia(H2O.aiがNvidiaとWells FargoからシリーズCを調達、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ビデオ会議サービスで黒字を達成したユニコーンのZoomがナスダック上場を申請

ビデオ会議サービスのZoomは2017年に10億ドル(約1100億円)の評価額になり、来月早々にナスダックに上場することを申請した

2019年に上場を目指すテクノロジー系ユニコーンは徐々に増えてきているが、その一員であるZoomの重要な特徴は、黒字企業であることだ。

Zoomは、2011年にEric Yuan氏が創業した。彼はWebExの初期のエンジニアだったが、それは2007年にCiscoが32億ドルで買収した。Zoomを立ち上げるまでの4年間、彼はCiscoのエンジニアリング担当バイスプレジデント(VP)だった。彼が先月、本誌に語ったところによると「もう二度と会社を売るようなことはしない」と言う。どうやら、WebExの買収後の待遇に不満だったことが、今回会社を売るよりも上場を選んだ動機のようだ。

Zoomは、これまで累計で1億4500万ドルを調達し、2019年1月31日で終わる2019会計年度では売上が前年比倍増の3億3000万ドル、粗利益は2億6950万ドルだった。その前の2017年と2018年の対比でも売上は倍増以上を記録し、2017会計年度の6080万ドルに対し2018会計年度は1億5150万ドルだった。

損失は縮小しており、2017年の1400万ドルが2018年には820万ドル、2019年1月に終わる会計年度では750万ドルだった。

IPOの申請書類によると、Zoomを支えているEmergence Capitalが、IPO前の株式の12.5%を保有する。そのほかの投資家とそのIPO前株式保有率は、Sequoia Capital(11.4%)、元Zoomの取締役Samuel Chen氏が関わるファンドDigital Mobile Venture(9.8%)、そして中国人億万長者で世界最高のお金持ちの一人とされるLi Ka-shing氏が保有するファンドBucantini Enterprises Limited(6.1%)だ。

Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)

とJP Morgan(JPモルガン)、そしてGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が上場のリード役を任されている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

3月25日開催のアップル発表会、ストリーミングサービスのほかApple News購読やAppleクレカにも期待

長らく噂されているアップルのビデオストリーミングサービスについて、ブルームバーグが報じている。アップルは米国時間3月25日にクパティーノで開催する記者発表会で、このサービスについて明らかにすると見られている。

ブルームバーグによれば、アップルは新たに始めるストリーミングサービスのために大量のオリジナルコンテンツの準備に取り組んできたが、その大半は今月の発表には間に合わない見通しだという。おそらく記者発表会で少しは紹介するだろうが、サービス開始時のラインアップの大半は他社のコンテンツになりそうだ。

アップルはあらゆる企業と交渉をしているが、多くの有力なケーブルチャンネルはアップルのストリーミングサービスに対して態度を決めかねている。HBO、Showtime、Starzは、アップルのサービス発表時にその一員となるかどうかを金曜日までに決めなくてはならない。

アップルがパートナーのコンテンツの一部を扱うかすべてを扱うかは不明だ。パートナーの多くはすでに自前のストリーミングサービスを持っている。そして米国の視聴者は、こうしたパートナー企業のライブラリにApple TVやiOSデバイスのTVアプリからすでにアクセスできるようになっている。

アップルが自社のストリーミングサービスを開始すれば、さまざまなコンテンツをまとめて購読し、快適に楽しめるようになると考えられる。AmazonはすでにPrime Videoチャンネルで似たようなことを実現している。NetflixとHuluはアップルが取り組んでいるオリジナルのコンテンツ制作と競合することから、独立した立場をとり続けるだろう。

米国時間3月25日に予想されるアップルの発表としてもうひとつ、Apple Newsの購読がある。アップルは昨年Textureを買収し、デジタル雑誌の購読に取り組んできた。

ウォール・ストリートジャーナルは2月に、アップルがゴールドマンサックスとともにWalletアプリで緊密に統合されるクレジットカードを開発していると報じた。今月のアップルのイベントがサービスに関するものであるとすれば、このクレジットカードのサービスについても言及されるかどうか注目される。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple、ゴールドマン・サックスと組んでクレジットカードを発行か

Wall Stree Journalの最新記事によると、AppleとGoldman Sachsは双方にとって初めてとなる商品で手を組もうとしている。クレジットカードだ。Mastercardをベースにしたこのカードは、Apple PayおよびiOSと強く結びついたなんらかの機能を特徴としている。

このカードは米国で本年中に登場する可能性があり、次のiPhoneと時期が一致することになる。Appleクレジットカードは、Apple Pay使用時の取り分を増やす確実な方法だ。手数料をカード発行者とカードネットワークとAppleの三者で分けるかわりに、Appleはカード発行者の手数料の一部を手にすることができる。

Apple Payの普及にも一役買う。今や米国のカードはほとんどがApple Payに対応しているものの、iPhoneやApple Watchで支払うことを考えない人はまだまだ多い。

そしてこれはGoldman Sachsにとっも未知の領域だ。WSJによると、新しいカードはGoldmanにとって初めてのカードになる。同社はサポートチームの結成と支払いを処理するIT基盤の開発に最大2億ドルを投資する可能性がある。利用者は購入する商品によってキャッシュバックが期待できるかもしれない。

さらに興味深いことに、AppleはこのカードのためにApple Walletを大改訂しているとも言われている。(アクティビティアプリのリングのように)消費金額のゴールを設定したり、お金の使い方の傾向について(スクリーンタイムのように)通知を受けたり、報奨の履歴を見たりできる。Appleがそれらの新機能を他の銀行にも開放するかどうかはわかっていない。

Appleと提携することで、Goldman Sachsは膨大な流通チャネルを手に入れることができる。そしてカードを発行することで、Appleは十分な時間さえ与えられればどんな会社でもいつかは銀行になれることを、再度証明することになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Blockchain―昨年は「幻滅の谷間」に落ちたが2017年の展望は明るい

Bitcoin

編集部:この記事はCrunch Networkのメンバー、Peter Smithの執筆。SmithはBlockchainのCEO、共同ファウンダー。以前の記事は How bitcoin protects against geopolitical risk

2017年のデジタル資産、またそれを支えるブロックチェーン・テクノロジーの展望は?

これは重要な質問だ。ことにフィンテック・ビジネスにとっては最近気がかりなニュースがあった。Goldman SachsとSantanderがR3 CEVを脱退し、 ブロックチェーンををプロトコロルとして採用する唯一の現実的デジタル通貨であるbitcoinは終わったのではないかという観測が流れた。

懐疑論者は正しいのか? われわれが知るようなデジタル通貨は本当に終わりなのか?

エコシステムになにがしかの影響はあるだろう。だが答えははっきりとノーだ。

以下のことを考える必要がある。ポンドは安全な決済通貨の一つと思われていたが、今年始めに起きたBrexit(イギリスのEU離脱)は、一夜にしてポンドの下落を招いた。この時期にbitcoinの価値は急増した。アメリカの大統領選直後、株価は一時急落したが、bitcoinはアップした。

これは偶然の一致だろうか? 私にはそうは考えられない。 これらの事象は 安全でボーダーレスで手続きが簡単なデジタル資産への要求が非常に強いことを自ずから物語っている。このようなデジタル資産は国や中央銀行のような中心による統制を受けない。金融政策、資本政策からも自由だ。その結果グローバル・リスクからの避難場所として最適だ。

brexit

さらに重要な点はデジタル資産は現代、つまりデジタル情報が重要となった時代にこの上なく適合する。デジタル資産を可能にすyるブロックチェーン・テクノロジーは現行の金融システムを根底から揺るがす可能性がある。それはもっと透明性を高め、効率化され、誰にも利用できるものにならなければいけない。

この1年を振り返ると、第1四半期はblockchainをベースとするスタートアップへの投資の総額は10億ドルという巨額となった。しかしこの投資の勢いは後退した。

2016年の1月から9月まで、, blockchainスタートアップは4億2900万ドル92回の株式発行によって調達した。これを2015年の同期と比較すると件数で16%、金額で7%、それぞれマイナスとなっている。こうした低調さは、すでに市場に影響を与えている。たとえば、先週、Circleは同社のアプリ内でのbitcoinの売買から撤退した。

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これらはつまり「終わりの始まり」なのだろうか?

そうではない。こういう現象は画期的な新しいテクノロジーでは常に予期される。ことにそのテクノロジーが金融システムのような死活的に重要な分野を根本的に変革する可能性があるならなおさらだ。非常に有名になったGartnerのハイプ・サイクルの図で言えば、bitcoinは昨年「過度な期待」のピーク期を通り過ぎたところだといえる。Gartnerによればこの時期には「多数の成功事例が報じられるが、多くの失敗事例もある。この段階で一部の企業は行動を起こすが、静観している企業も多い」。

こうしてblockchainビジネスは「幻滅の谷間」の時期に入った。この時期は「興味が失われる」ことが特徴だとされる。 実験や導入が結果を出せないことが続くからだ。「この時期にこの段階で、ベンダーの多くは失敗して市場から退出する。生き残ったベンダーが製品を改善し、早期採用企業がそれに満足を示した場合にのみ投資が継続される」とされる。生き残った企業には逆に投資が集中することになり、本格的普及期に向かって進む道が開かれる。

これが私の見ている現状だが、来るべき2017年には市場にも変化が起きると予想している。

Gartnerのハイプ・サイクル理論によれば、一部の企業は段階的な改良を目指すが、一部の企業はすべてを自分でゼロから作らず、パートナーと提携するなどの戦略的な行動に出る。一部の企業は燃え尽きる。

しかしラディカルなイノベーションは現状を段階的な改良することによってもたらされることはない。本当のイノベーションはグローバル化という現代の状況に適合したまったく新しいシステムの構築を必要としている。blockchainに関していえば、2017年、またその後に来るのがこの時期だと私は考えている。

画像: Day Donaldson/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Dockerが早くもシリーズDで$95Mを調達…エンタプライズ需要への対応に備える

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2年前にコンテナ人気に火をつけた張本人であるDockerが今日、シリーズDで9500万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはInsight Venture Partners、新たな投資家としてはCoatue、Goldman Sachs、Northern Trust、既存の投資家ではBenchmark、Greylock Partners、Sequoia Capital、Trinity Ventures、それにAME Cloud Venturesが参加した。

Dockerのエンタプライズマーケティング担当VP David Messinaによると、このラウンドには数社の金融企業が参加しているのが、おもしろい。スタートアップへの投資にはあまりない現象だが、今ではあらゆる種類の企業や団体のデベロッパチームがDockerをサポートするようになり、彼らがDockerを重要なプラットホームと見なしていることの表れだ、とMessinaは言う。

たとえばGoldman Sachsのグローバルなテクノロジ部門を率いるDon Duetは、今日の声明文の中でこう言っている: “弊社の技術者たちがDockerのオープンソースプラットホームを発見して使い始めたとき、彼らはたちまち、それがアプリケーションに提供するポータビリティに感銘した。それに開明されて弊社は、Dockerの技術をベースとするアプリケーションの、パッケージングとシッピングと実行のための標準化されたインフラストラクチャへと向かっていった”。

Messinaは、それほど緊急に資金が必要だったわけではない、と強調した。むしろ彼によると、同社はシリーズBの資金の多くがまだ手つかずだ。しかしDockerのチームは、必要に応じていつでもスケールアップできるために、今の勢いに乗って資金を確保しておこう、という決定をした。

現在Dockerは、市場開拓に大きな投資をしているが、それと同時に、プラットホームの能力をネットワーキングやセキュリティ、ストレージツールなどの方面にも拡充するための、技術面への投資も怠ってはいない。その一つの例としてMessinaは、ソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)のSocketPlaneの買収を挙げた。Dockerはまた、社員も急速に増やしている。今現在の約120名は、1年前の4倍近い。

Messinaがもうひとつ強調するのは、このラウンドが今後のエンタプライズ対応のためであることだ。彼が挙げた最近のEnterprise Technology Reportの調査は、685社のCIOを対象とし、彼らのDockerへの投資意思は、6年間続けてきたこの調査の全対象アイテム中でも、記録的に高かった。Messinaはまた、今Docker Hubのベータに参加している企業の約50%がFortune 100企業だ、と述べた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ゴールドマン・サックス、Bitcoin研究レポート発表―「有望なテクノロジーだが、通貨ではない」

ゴールドマン・サックスが発表したレポートは、Bitcoinの信奉者に顔を洗って出直し現実に目覚めよと勧めている。

Mt. Goxの破綻、Bitcoinの発明者と思われる人物の特定資金洗浄容疑での逮捕という波乱の中、ゴールドマンはBitcoinについて詳細な研究を行い、「テクノロジーは有望だが、通貨となるには条件を欠いている」という結論を出した。

核心となる判断はこうだ:Bitcoin取引を支える台帳記入式のテクノロジーはおそらく主張どおりの機能を果たしそうだが、 通貨として機能することはありそうにない。

ゴールドマンは不慣れな読者のために、「Bitcoinとは権威あるサードパーティーなしに、ピア・ツー・ピアネットワークによって電子的取引を記録し、認証するシステムだ。Bitcoinネットワーク上での取引の単位はbitcoinと表示される。」と説明している。

主席マーケット・エコノミストのDominic Wilson、グローバル・エコノミストのJose Ursuaはbitcoinを通貨というより、石油や穀物のようなコモディティだとしてこう書いている。

Bitcoin始めデジタル通貨は、通貨、コモディティ、金融資産の境目に位置しているといってよいだろう。現在のところ、それらは決済手段として用いることができるものの、投機的金融資産として利用されているというのがわれわれの考えだ。通貨として成功するためには現実通貨への安定した交換率が必要だ。資産価値が予期せず大幅に変動することは普及の大きな妨げになる。

ゴールドマンのコモディティ研究部門の責任者Jeff Currieは「Bitcoinがコモディティだとしても、金というコモディティの王者に比較すれば、あらゆる面で問題にならない」という。

Currieはコモディティは新たにより便利なコモディティが出現すれば取って代わられるという。ではBitcoinは金を代替するようなコモディティになる可能性があるだろうか? 

「一言でいえば、ノーだ」とCurrieは書いている。Bitcoinに比べて金の資産価値ははるかに安定している。資産保有手段としてBitcoinは金を代替することはできない。

ただしGoldmanはBitcoinの通貨としての可能性には弱気だが、テクノロジー・プラットフォームには魅力を感じているようだ。他のコモデティ取引業者、GlobalAdvisersなどはすでに独自の技術によるBitcoin取引サービスを開設している。Global Advisersのファウンダー、プリンシパル、DanielMastersはBitcoinの荒い値動きを2005年から2011年にかけての銀市場と比較する。

多くの起業家、ベンチャーキャピタリストがBitcoinの通貨(コモディティ) としてあるいはテクノロジーとしてのBitcoinに大きな将来性を見出しているわれわれも報じてきたように、Bitcoinを巡っては新世代のより信頼性の高いサービスがいくつも創立されている。これらがBitcoinに何より必要とされている安定をもたらすことなるかもしれない。

連続起業家でAccelとGeneral Catalystが出資するBitcoinのスタートアップCircleのファウンダー、Jeremy Allaireは「今は熱狂的なアマチュアが排除されていく時期だ。しかし“Bitcoinは世界的な規模でネットワーク効果を発揮し始めている」と主張する。

Allaireによれば、「Bitcoinの普及のために欠けているもっとも重要な要素は公的規制だ。デジタル通貨の取引とデジタル・ワレットなどの付随サービスについて世界で共通する監督と取引ルールの制定が必要だ。そのためにはゴールドマンのような有力な金融機関が関与しなければならない。実際アメリカのトップ金融機関はすべてBitcoinに強い関心を抱いている」という。

ゴールドマン・サックスはBitcoinについて会社としての見解を明らかにする時期になっていないという立場を崩していない。しかし非公式にいくつかのBitcoin関連がプロジェクトが動いているという情報もある。

下にレポートの全文をエンベッドした。

イラスト:Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+