アプリ市場のデータを提供するApp Annieが広告分析ツールのAscendを公開

App Annie2019年に分析会社のLibringを買収し(未訳記事)、Libringの新バージョンをApp Annie Ascendとリブランドして公開した。

CEOのTed Krantz(テッド・クランツ)氏は筆者に対し、AscendはApp Annieの既存の顧客に対して販売するものの、実は「まったく異なる市場」にリーチしたいと述べた。これまでApp Annieはアプリ市場のデータを提供してきたが、特にゲームパブリッシャーなど広告を出す側に対して広告の分析を提供する企業へと踏み出したい考えだ。

モバイルプラットフォームやブラウザに対してユーザーのトラッキングがさらに制限され(最近ではアップルがアプリの広告トラッキングをユーザーが拒否できるようにすると発表した)、広告主にとって「状況はさらに暗くなっている」とクランツ氏はいう。App Annieは市場に関する幅広いデータとパブリッシャー自身のデータを組み合わせるアプローチでチャンスを作ろうとしている。

これを実現するために、Ascendはクランツ氏が「数百のコネクタ」と説明するものを提供しAdColony、Unity、Chartboostなどさまざまなプラットフォームからデータを取得する。顧客はそのデータセットを「並べて」見ることができる。クランツ氏は、少なくとも当初はこのデータは顧客自身が使用するためのものであり、App Annieの大規模な市場のデータからは「隔離される」と強調する。

クランツ氏は「時間をかけて、我々はベンチマークのデータを公開できるようになった」と述べ、このアプローチがAscendのユニークな点の一部であると補足した。「比較対象となる企業のベンチマークデータを知ることが必要だ。市場のデータを知らなければ正しい判断はできない」。

AscendはすでにRedditやJam Cityなどの企業で使われている。

Redditのマーケティング担当ディレクターであるSpiros Christakopoulos(スピロス・クリスタコプロス)氏は発表の中で次のように述べている。「Ascendがあれば、複数のAPIを統合したり、メンテナンスしたり、常に更新したりする手間が省け、KPIの達成とキャンペーンの改善という重要なことに集中できるようになります。そのため、Ascendは当社のマーケティング分析インフラの重要な一部となっています」。

画像クレジット:App Annie

原文へ
(翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。