T-MobileとSprintの合併が正式完了、レジャー氏はCEO退任

数カ月にわたる当局の調査をへて、T-Mobile(Tモバイル)とSprint(スプリント)は4月1日、260億ドル(約2兆7900億円)もの合併を正式に完了させた。新たに発足した親会社の名称は「T-Mobile」で、 NasdaqではティッカーシンボルTMUSで取引される。SprintのNYSE上場は廃止となる。

消費者からすると、この合併の効果を実感するようになるまではしばらく時間がかかりそうだ。T-Mobileは本日4月1日の発表の中でSprintブランドの今後については言及しなかった。しかしこれまでに、合併の一環として購読者は「これまでと同じ、あるいはより良いレートのプラン」に3年間アクセスできることが約束されている。

合併完了のニュースに伴い、T-Mobileは同社のCEO交代も早く行われることを明らかにした。John Legere(ジョン・レジャー)氏が4月末までCEO職を続けるはずだったが、Mike Sievert(マイク・シーベルト)氏が1カ月早くCEOに指名され、ただちに発効した。シーベルト氏はT-MobileのCOOを務めていた。

レジャー氏は2012年からT-Mobileを率い、AT&TとVerizon(ベライゾン)による複占に対抗する低コストの選択肢としてのサービスという位置付けを確立させた(情報公開:TechCrunchはVerizon Mediaが所有しているが、この記事には影響はない)。T-Mobileの年間を通して展開された「Un-carrier」マーケティングキャンペーンでは、しばしばレジャー氏や彼のふざけを扱ってきた。

レジャー氏はまだ同社の役員会に残っているが、任期が終わる6月に社を去る。

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(翻訳:Mizoguchi

米通信キャリアは新型コロナを考慮し契約者のつなぎ止めプランを次々に導入 

米連邦通信委員会(FCC)は2020年3月、COVID-19こと新型コロナウイルス感染症が生活のあらゆる側面に深刻な影響を与え続けていることから、消費者の負担の一部を軽減することを目的とした新たな措置を発表した。

米国のほとんど、またはすべての主要なインターネット/ワイヤレスプロバイダーがこの誓約に署名し、延滞料の免除やサービスの解約を行わないなどの措置を取ることに同意した。そして現在、このパンデミックが収束するまでの間、資金不足の消費者を支援することを目的とした具体的な計画が、通信キャリアから出始めている。

T-Mobile(Tモバイル)は米国時間3月23日の朝、月額15ドル(約1670円)のMetroプランを発表した。これは、現在の最低価格プランの半額となる。この価格は60日間有効で、無制限の通話と2GBのデータ通信が利用できる。T-Mobileはまた、無料の8インチタブレット(リベートや細かい規約付き)を投入し、今後2カ月の間で他のデータプランも調整する予定だ。

Verizon(ベライゾン)は、必要に応じて携帯電話をモバイルホットスポットとして使用できるように、現在の消費者向けおよび中小企業向けのプランの15GBに4GBのデータ通信を追加すると発表した。また、同社は選択したFiOSプランから20ドル(約2230円)を割り引き、ルーターのレンタル料金も60日間免除する。

さらにAT&TはTechCrunchにあてたメッセージで、支払いができないことを理由に契約を解除することはないと伝えている。また3月13日までさかのぼってデータと通話、テキストの国内超過料金と遅延料金を免除する。

一方、Sprint(スプリント)は、3月18日から従量制プランの顧客に60日間無制限のデータ通信と、20GBのモバイルホットスポットデータを無料で提供する。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:塚本直樹Twitter

SprintとT-Mobileの合併を連邦地裁も承認、反対州は敗訴

アメリカのモバイル事業に地殻変動が起きる。T-MobileSprint260億ドルの合併には激しい反対者が存在しているが、このほど連邦地裁から合併を承認する判決が出た。この合併により、アメリカ3位と4位のキャリヤが合併する。アメリカのモバイル・キャリヤの数は4から3となる。

この合併の反対して訴訟を起こしていた14州の司法長官らは「競争者の数が減ることはカルテルを結ぶことを容易にさせるものであり消費者の利益を損なう」と主張してきた。T-MobileSprint「事実はその逆であり、合併によって両社の立場を強化することは巨額の投資を必要とする5Gネットワーク建設にあたってVerizonTechCrunchの親会社)と ATTという1位、2位の会社との競争を可能にし、消費者の利益になる」と主張していた。

連邦地裁のVictor Marrero判事は後者の主張を認め、T-Mobileの事業について「同社はこの10年間に(旧AT&Tグループの)2社と競争できる企業に成長し、消費者に利益をもたらす無数の変化を生じさせた」と評価した。

この合併は司法省による反トラスト法の審査でも承認を受けている。しかし反対州はこの判決に強い不満を抱いており控訴する可能性がある。

画像:TechchCrunch

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滑川海彦@Facebook

T-MobileとSprintの合併阻止を求める訴訟がニューヨークで審理開始

約2兆8000億円の巨大企業を誕生させるT-Mobile(Tモバイル)とSprint(スプリント)の合併を阻止しようとする訴訟がら米国時間12月9日、マンハッタンの連邦地裁で審理される。原告は13州とコロンビア特別区の司法長官14名で、このグループは当初から合併に反対しており、数カ月前から訴訟を予告していた。

米国カリフォルニア州司法長官のXavier Becerra氏は次のようなコメントをTechchCrunchに寄せた。

「本日、我々は実質的競争と低価格を消費者にもたらすために立ち上がった。我々の電波帯域は公共のものであり、競争者の数を減らすのは間違いだ。この合併はもっとも弱い立場にある関係者、すなわち消費者の利益を損ねるものだ。競争者が減ることは高価格を意味する。われわれ14州の連合は法廷で消費者、米国人全員のために戦う。法は我々の味方であると確信している」。

司法長官グループの主張は「このような合併は米国における当該分野の競争者の数を3社に減らし、これは消費者の利益を損ねる」というものだ。他方、T-MobileとSprint側は「事実はその正反対であり、Verizon(ベライゾン)とAT&Tが5Gネットワーク建設に巨額の費用を投じている現在、合併することで両者と競争する体力が得られる」としている。

この夏、FCC(連邦通信委員会)は合併を承認し、アジット・パイ(Ajit Pai)委員長は8月に「提示された証拠はこの合併が5Gネットワークの構築を加速し、アメリカ人、ことにデジタル・デバイドと呼ばれるハンディキャップに苦しむ遠隔地の人々を助けることを明らかに示している」と述べた。

Wall Street Journalによれば、本日裁判の冒頭陳述があり、3週間程度続くという。SprintのMarcelo Claure(マルセロ・クラレ)会長と、近く退任が予定されているT-MobileのJohn Legere(ジョン・レジェール)CEOが司法長官連合に反駁する証言を行う予定だ。

【編集部注】TechCrunchはVerizonに属するメディアだと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

TモバイルのCEOが退任、WeWorkのトップに移籍か

John Legere(ジョン・レジャー)氏がWeWorkを引き受けるかどうか不明だが、T-Mobile(Tモバイル)のCEOを退任することは間違いないことが判明した。TモバイルはソフトバンクグループのキャリアであるSprint(スプリント)との合併を進めているところだ。

米国時間11月17日、Tモバイルレジャー氏は後任CEOが同社の現COO(最高業務責任者)、Mike Sievert(マイク・シーバート)氏となることを確認した。CEOの交代は2020年5月1日の予定で、レジャー氏は取締役には留まる。

Tモバイルもレジャー氏自身も今後の計画についてはコメントしていない。しかしTモバイルを離れることでWeWorkのトップになる道が開かれたことは確かだ。 レジャー氏はある意味、企業再建の専門家であり、大きな問題を抱えたオフィス賃貸ビジネスを引き受けるのではないかという観測が出ていた。われわれも報じてきたとおり、WeWorkは株式上場を申請したものの、財務状況の悪化と経営上の問題が明らかとなり、一転して申請を取り下げた。ファウンダーのアダム・ニューマン氏がCEOを辞任し、同社の評価額は暴落した。これにより同社に対する大口投資家であるソフトバンクが事態の収拾を図らざるを得なくなっている。

レジャー氏がWeWorkのトップになるという噂は即刻否定されたが、その情報源は「レジャー氏はTモバイルを離れるつもりはないからだ」と断言していた。その前提が覆った以上、WeWork移籍を含めてソフトバンクとレジャー氏の関係は新たな見地から見る必要がある。TechCrunchはレジャー氏に直接取材を試みている。結果が得られ次第お知らせする。

レジャー氏は2012年からTモバイルのトップを務めているが、長い業界経験と大胆不敵な性格を生かし、AT&TとVerizon(TechCrunchの親会社)という巨大キャリアの圧迫の下で苦闘していたTモバイルの活性化を図ってきた。特に「脱キャリア化」というマーケティング戦略は功を奏し、レジャー氏の在任中に株価はアップし、今や時価総額は650億ドルに達している(退任の報が流れた後1.5%下がった)。

シーバート氏はレジャー氏が敷いた戦略を続行するものと見られる。Tモバイルは「我々は消費者の利益を守るため米国のワイヤレス業界のディスラプト要素であり続ける」と述べた。

【略】

別の声明でシーバート氏は、「我々は今後も脱キャリア文化を追求していく。Tモバイルは(レジャー氏という)個人のものではない。経営陣には極めて優れた人材が揃っているし、カスタマーのために全力を挙げる才能ある社員を何千人も擁している。今後の私の使命はTモバイルを市場をリードする存在に成長させ、カスタマー・エクスペリエンスでも傑出した成果を挙げるよう導くことだ」と述べた。

レジャー氏の退任がWeWorkを始めとするソフトバンク傘下企業のトップ人事と関連があるのかどうは今のところ不明だが、TモバイルのCEO交代自体は理にかなっている。Sprintとの合併は「新会社は誰が指揮するのか?」という大きなクエスチョンマークを残していた。合併に伴って新たな人事構想があることは今年に入って発表されていたが、まだ実現していない。合併手続きは来年早々にも完了するものと見られている。

画像:T-Mobile

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米FCCがT-Mobile/Sprint合併を承認

米国時間10月16日、米国連邦通信委員会(FCC)はT-Mobile(Tモバイル)とSprint(スプリント)の合併について投票し3対2で正式に承認した。The Vergeによれば、承認が共和党3、反対が民主党2と政党の方針どおりに賛否が分かれた。

TechCrunchではFCCにコメントを求めている。

今年4月8日、T-MobileとSprintは260億ドル(約2兆8267億円)の大型合併で合意したが、当然ながら反トラスト法に違反するのではないかという議論を呼び起こした。当事者企業はAT&TとVerizon(TechCrunchの親会社)というモンスター企業と競争するうえで合併は必須だと主張した。かなりのやり取りの後、7月に入って合併は司法省の承認を受けた。FCCの承認を受けたことにより、残るハードルは他国籍の訴訟だが、両社とも合併手続き完了以前に解決することを約束している。

The Vergeの記事によれば、民主党側のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォルセル)委員とGeoffrey Starks(ジェフリー・スタークス)委員は反対票、共和党側のAjit Pai(アジット・パイ)委員長、Brendan Carr(ブレンダン・カー)委員、Michael O’Rielly(マイケル、オリリー)委員は賛成票を投じたという。

民主党側のローゼンウォルセル委員はこの決定に反対票を投じたとして、次のような声明を発表している。

このような合併によりマーケットが寡占的になれば何が起きるか我々はよく知っている。航空業界でも荷物の料金はアップしシートは狭くなった。製薬業界では数少ない巨大企業が生命に関係する薬剤を高価なままにしている。携帯電話企業が例外であると考えるべき理由はない。T-MobileとSprintの合併は競争を阻害し、料金を高騰させ、品質を下げ、イノベーションを妨害すると考えるべき証拠が圧倒的だ。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

T-MobileとSprintの合併を司法省が承認、衛星放送のDishが携帯事業に参入へ

米国時間7月26日、米司法省はT-Mobile(Tモバイル)とSprint(スプリント)の超大型合併を承認した。この合併により加入者数で米国で第3位と第4位のモバイルキャリアが単一の会社となる。T-Mobileは260億ドル(約2兆8255億円)をSprintに支払う。

反トラスト法をクリアするため、SprintがBoost Mobileなどのプリペイド携帯事業をDish Networkに売却することが合併の条件となる。この条件に基づき、900万人のプリペイド携帯のユーザーはDishに移るが、向こう7年間はT-Mobile、Sprintの携帯網にアクセスできる。

TechCrunchはこの4月にT-MobileとSprintが合併で最終合意したが、米政府の承認が課題と報じている。T-MobileはドイツのDeutsche Telekom(ドイツテレコム)、Sprintは日本のソフトバンクのそれぞれ子会社だ。

この合併は両社間で合意をみていたが、規制当局による審査に時間がかかっていた。これはAT&T、Verizon(ベライゾン)と合併後の3社が米国の携帯電話加入者の95%を占めることになるからだ。先月、ニューヨーク州、カリフォルニア州の司法長官を代表としていくつかの州の司法省が合併を承認しないうよう求めて訴訟を起こしていた。訴状によれば、この合併は競争を制限することにより料金の上昇を招き、長期的にみて消費者の利益を脅かすからだという。ニューヨーク州司法長官のLetitia James(レティーシャ・ジェームス)氏はTechCrunchに対して次のよう述べた。

合併の条件としてT-Mobileが約束する(プリペイド携帯などの事業をDishに移管するという)措置は、そもそも市場に健全な競争がなければ無意味となる。競争を促進するという口実のもとに政府が恣意的に第4位のキャリアを創設しようとすることに我々は深刻な懸念を抱いている。これは消費者にもテクノロジーのイノベーションにとっても有害な結果をもたらす。

カリフォルニア州司法長官の広報担当者はTechCrunchに対して「我々は引き続き合併条件を検討している」と述べた。州司法省による訴訟は以前として合併を妨げるハードルになり得る。Consumer Reportsの上級政策担当弁護士であるGeorge Slover(ジョージ・スローバー)氏は次のように批判した。

報じられている合併は実績ある競争者であるSprintを消滅させ、携帯事業者としてまったく実績のない新参のDishを4位の事業者にしようとするものだ。Dishは衛星放送事業者であり、独自に携帯を構築、運用した経験はまったくないため、ゼロからのスタートなる。携帯電話事業が寡占とならないことを保証するためにDishの参入が必要とされたわけだが、同社が携帯電話事業で現在Sprintが占めている地位に到達するまでには(到達できるとしても)何年もかかるだろう。

一方、合併推進派は現在の米国の携帯電話事業はVerizon and AT&Tが圧倒的に優勢であり、合併はT-Mobile、Sprinがこれら上位2社との競争を助けるものだとしている。合併が実施されればT-Mobile(合併後はT-Mobileが存続会社)は米国において8000万人のユーザーを持つことなり、それぞれ1億人以上の契約者をもつVerizon、AT&Tに迫るサイズとなる。T-MobileとSprintはそれぞれAT&T、Verizonに対する競争力の強化と巨大な建設費を要する5Gネットワークの実現には両社の合併が必要であると主張していた。司法省はこの主張を認めたかたちだ。

司法省反トラスト法部門のトップであるMakan Delrahim(マカン・デラヒム)氏はWall Street Journalに対し次のように述べた

この合併とこれに付随する取り決めにより、現在利用されていないか、利用が著しく不十分である電波帯域を米国の消費者が必要とする高品位な5Gネットワーク建設のために活用することできるようになる。

T-Mobileは合併の意思を固めた後、実現に向けて何年も非常にアグレッシブなロビー活動を行ってきた。特にCEOのJohn Legere(ジョン・レジャー)氏を始めとする経営陣は4月以降、ワシントンDCのトランプ・インターナショナル・ホテルで滞在費など19万5000ドルを使っている。

【Japan編集部注】TechCrunchは、Verizonに属するウェブメディアだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

2019年に注目すべきスマートフォンのトップトレンド

今年は、スマートフォンにとって良い年ではなかった。なにしろ、とどまるところを知らないと見られていた成長に、初めて陰りが見られたのだ。

まず2月には、Gartnerの調査がこのカテゴリを扱うようになってから初めて、前年比での減少を記録するという、幸先の悪いスタートとなった。強大なAppleでさえ、そのトレンドから逃れられなかった。そして先週には、影響力の強いアナリストMing-Chi Kuoが2019年の売上予想を引き下げたため、株価も打撃を受けた。

人々は、以前ほど頻繁には買い替えたがらなくなっただけだ。これは、フラグシップモデルのできが、どのメーカーのものを見ても、かなり良くなっていることと無関係ではない。多くのメーカーがしのぎを削って戦い続けてきた結果、自分で自分の首を締めることになったとも言える。継続的に買い換えなければならないような差し迫った理由は、もはやなくなってしまった。

もちろん、だからと言って、メーカーは戦いを止めるわけにはいかない。来年には、カメラのような、いわば通常のアップグレードに加えて、スマートフォンの「形状」に対する根本的な発想の転換、さらには5Gへの最初の試みも、いくらかは期待できそうだ。

もし運が良ければ、さらにいくつかの驚きもあるかもしれないが、以下に挙げるトレンドは、2019年の既定路線と考えていいだろう。

5G

中国広州−12月6日:2018年12月6日に、中国は広東省広州のPoly Worldトレードセンター展示ホールで開催されたChina Mobile Global Partner Conference 2018のQualcommのブースで、5G携帯電話を注視する参加者。3日間のカンファレンスは、5Gネットワークをテーマにして、木曜日に始まった。(写真は、Getty Images上のVCG/VCGによるもの)

これについては、しばらく放って置く方がいいかもしれない。ちょっと変な話ではあるが、多くの出版物が、2019年は「5Gの年」であると言いたがっている。しかしそれらはみんなフライングだ。とはいえ、来年には5G携帯電話の最初の波を見ることになるのは確かだ。

OnePlusとLGは、5G携帯電話を約束した。Samsungは、やはりSamsungらしく、その後その2社に追従することを発表した。さらにVerizonも5GのMiFiを確約し、HTCとSprintも、何だこれは、というものを発表した。

他社は、特に目立つのはAppleだが、それらの列に加わっていない。この会社は、2020年までに5G携帯電話を発売することはないと見られている。それでは、進化から取り残されてしまうと思われるかもしれないが、実は5Gというのは、マーケティング上の戦略としてこの世に登場したのだ。5Gが完全に機能するようになれば、スマートフォンや、それに続くものに対して、革新的な素晴らしい技術となる潜在能力を持っている。そして、いくつかのキャリアは、来年初めにも米国内で5Gのサービスを開始すると発表しているものの(AT&Tでさえ、フライングしている)、実際にユーザーが使う携帯電話は、より多くの時間、4Gで接続されることになりそうだ。

つまり、5Gのカバーエリアが広がるまでは、ほとんど利用しない機能ために、高額の利用料金を支払うことになる。もちろん、だからといって、ハードウェアメーカー、コンポーネントの製造会社、それと手を組むキャリアが、そうしたデバイスをできるだけ早く市場に投入するのを止めようとするはずはない。余計な出費をする前に、自分のキャリアのカバーエリアの地図を確認した方がいいだろう。

折りたたみ式


これまでに、2機種が発表された。しかし実際には1つ半といったところだろう。スマートフォンメーカーは、次の目玉を見つけ出そうと躍起になっているので、さらに何機種かを見ることになるのは間違いない。何年も待たされたあげく、これまでに登場した折りたたみ式の携帯電話は、がっかりさせられるようなものだった。

Royoleは魅力的だが、その実用化にはまだ足りないものがある。Samsungのプロトタイプは、当分の間、やはりプロトタイプに過ぎない。同社は、それを最近の開発者会議の中心に据えていたが、具体的な製品化を明らかにすることはできなかった。なぜなら、まだ完成した製品を発表するための準備ができていないからだ。

長年期待を集めてきた技術が、ようやく消費者向けとしての準備を整えた今、いくつかの会社が、さまざまな形状の製品を模索していることに期待してもいいだろう。状況から考えて、GoogleがSamsungと協力して、その形状に合わせたAndroidのバージョンを開発したことは間違いない。ちょうどAndroid Pieがディスプレイ上部のノッチに対応したのと同様だ。

もちろん、5Gと同じように、こうした折りたたみ式の製品にも特別高い価格が付けられるだろう。しかし初期の目新しさがなくなったとき、そうした製品が人生に不可欠であると消費者に納得させることは、かなり難しい課題となる。

ピンホール


ベゼルは忌み嫌われている。良かれ悪しかれ、ノッチはフラグシップのスマートフォンの主流となっている。実際に誰もが(Samsungを除いて)、エッジ・トゥ・エッジを実現するために、その切り欠きを採用している。Googleでさえ、それをAndroidに取り込んだ(世の中にノッチを普及させておきながら、Pixel 3 XLは一段と高いところから見下ろしているようだが)。

Oppoのポップアップカメラのような、巧妙な代替策も登場しているし、さらにいくつかが続くだろう。Huawei Nova 4のように、ディスプレイにピンホールを開けたデザインは、大多数のカメラメーカーにとって、より合理的な選択肢のように見える。

埋め込み指紋認証


全面ディスプレイへの競争の側面には、指紋認証をどうするかという問題もある。いくつかの会社は、それを背面に移動した。また別の会社、たとえばAppleは、顔認証を採用することで、指紋認証は廃止した。もちろん、そうした技術は、顔の完全な3Dデータを登録できない限り、かなり簡単にごまかすことができる。そのため、指紋認識がすぐに廃れてしまうことはない。

OnePlusの6Tは、ディスプレイ内蔵の指紋認証を市場に投入した最初の製品となった。それは非常にうまく機能している。その技術の仕組みは以下の通りだ(数ヶ月前の私自身の記事から引用)。

画面がロックされると、どこを押すべきかを示す指紋アイコンがポップアップ表示される。指が正しい位置に置かれると、AMOLEDディスプレイが強く発光し、指の表面からの反射光によってスキャンする。メーカーは、0.3秒ほどでスキャンが完了するとしているが、私自身のテストでは1秒近くかかった。親指を適切な位置まで動かす時間を含めれば、もっとかかることもあった。

2月ごろに発売される予定のSamsungのS10も、その技術を採用すると言われている。そして、他の多くのメーカーがそれに追従したとしても、まったく驚くには値しない。

カメラ、カメラ、カメラ(そして、カメラ)


背面カメラの合理的な最大数はいくつだろうか? 2つ? 3つ? 数ヶ月前にリークされたNokiaのモデルが搭載する5台のカメラというのはどうだろう? 電話機が脇役になって、カメラが主役になるのはいつなのだろうか? このまま多くのメーカーが写真で差別化しようとし続ければ、やがて存続の危機に対処しなければならないような事態にもなりかねない。

最近のスマートフォンのカメラは、どこを見渡しても非常に優れているので、シンプルな解決策は、単純に数を増やす、ということになる。LGの最新モデルは、数を増やすことがどれだけ効果的であるかを示す、好例となっている。そのV40 ThinQは、前面カメラを2つ、背面カメラを3つ備えている。背面の3つは、標準、超広角、そして2倍の光学ズームレンズとなっている。スマートフォンは薄いので、1種類のカメラでは十分な光学ズーム性能を実現し難いが、3種類用意して、それぞれ異なるなるタイプの画像を撮影しようというわけだ。

それとは反対に、既存の部品を使いながら、よりよい写真が撮れるようなソフトウェアの開発に、それなりの投資をしている会社もある。AppleとGoogleは、ちょっとしたAIと機械学習の採用でも、写真撮影をどれほど向上させられるかを、いずれも最新のモデルで実証した。そうした技術は、特に非常に暗い場所での撮影と、ズーム機能に大きな効果を発揮する。

画像クレジット:Otto Steininger/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

若手VC3人がインキュベーションコミュニティ「Sprint」を始動、11月には合宿型イベントも開催

先日TechCrunchではインキュベイトファンドが主催する合宿型のシードアクセラレーションプログラムである「Incubate Camp 10th」の様子を紹介したが、近年VCや事業会社が主催するインキュベーションプログラムやピッチコンテストが日本でも盛んになってきている。

プログラムごとに期間や内容は異なるが、上手く活用すれば起業家にとっては投資家との出会いの場、事業をブラッシュアップする場にもなるだろう。今回新たに始動した「Sprint」も3人のベンチャーキャピタリストが立ち上げた、起業家向けのインキュベーションコミュニティだ。

Sprintを主催するのはプライマルキャピタルの佐々木浩史氏、TLMの木暮圭佑氏、IF Angelの笠井レオ氏。いずれも20代から30代前半のベンチャーキャピタリストだ。冒頭に書いた通りすでにさまざまな起業家向けのプログラムがあるが、事業を立ち上げたばかりの若手起業家や、起業を視野に入れビジネスプランを考えている起業家予備軍に特化して、早い段階で気軽にVCやエンジェル投資家と接点を作れる場を作るべく、この取り組みをスタートしたという。

この「気軽に」というのがSprintのポイントだ。世にある多くの起業家支援プログラムでは、主催サイドとのパートナーシップを前提としていたり、主催者サイドが参加者に投資を行う、もしくは優先交渉権を持つといったケースが少なくない。もちろんプログラムを通してスタートアップのプロダクトをブラッシュアップしていくという意味ではエコシステムにおいて重要な役割を果たしているが、そういった座組みにチャレンジできるのはあくまで成長ステージのスタートアップに限られる。Sprintでは特にそういった条件は設定せず、同世代もしくはそれに近い駆け出しの起業家と投資家を結び付けるコミュニティとしての活動を重視するという。

具体的な取り組みとして、11月3〜4日にかけて、35歳以下の若手起業家(起業準備中の人を含む)を対象とした投資家との合宿型イベントを神奈川県・湯河原のThe Ryokan Tokyoで開催する。メンターには、主催者である3人に加えて、BEENEXTの前田ヒロ氏、GLOBIS CAPITAL PARTNERSの湯浅エムレ秀和氏、East Venturesの金子剛士氏の計6人の投資家が参加。期間中にメンタリングを行うほか、起業家とペアを組んで事業案のブラッシュアップも行う。参加社数は6社を予定しており、こちらのフォームから応募可能だ。募集期間は10月13日までとなっている。

A・ルービンのEssentialがスマートフォン発売へ――3億ドル調達、Amazon、Best Buyに近く登場

Androidの生みの親の一人、アンディー・ルービンの新しいスマートフォン・メーカー、Essentialは3億ドルの資金調達ラウンドを公式に完了した。TechCrunchが6月に報じたとおりこれはEssentialとして最初の資金調達ラウンドだった。投資家にはTencent、AmazonのAlexa Fundなどが含まれる。今回Essentialは製品の販売計画についても新しい情報を公開した。これによれば、AmazonとBest Buyがアメリカにおける販売チャンネルとなる。

製品がリリースされる日時は明かされなかったが、水曜日にEssentialのプレジデント、Niccolo De MasiがWall Street Journalに語ったところによれば、発売は「数週間後に迫っている」という。正確な日付は「1週間以内に発表される」ということだ。 アメリカのキャリヤではSprintと独占契約を結んでおり、またカナダではTelusと契約していることも発表されている。De MasiはWSJに対し、「アメリカ以外の国でのキャリヤについては今年の後半に明らかする予定だ」と述べた。

このスマートフォン・スタートアップはデザインや機能からしてAppleを始めとするプレミアム・ブランドに属する製品となるが、当面、販売台数でトップメーカーと競争するような存在になることは考えていない。De Masiは「われわれはスタートアップなので1年目に数百万台を販売できれば大成功」と考えているという。

同社の資金調達総額は3億3000万ドルとなった。非公開企業の株式のマーケットプレイス、Equidateの推定では会社評価額は10億ドルだ。ただしEssential自身は会社評価額を公表していない。同社のスマートフォンはアンロック可能でAmazon、Best Buy、Essential.comおよびキャリヤのSprintとTelusから購入できる。

EssentialはAndroidの生みの親、アンディー・ルービンのスタートアップであること、スクリーンのサイズが最大限に取られているユニークなデザインであることなどから大きな関心を集めてきた。リーク情報によれば、来るべきiPhone 8が似たデザインになるらしい。 またこれに刺激されて他のAndroidデバイスのメーカーもベゼルの幅を最小限に抑えスクリーンのサイズを拡張したプロトタイプを開発している。スマートフォン市場におけるこうした動きの中でEssentialがどのような地位を占めることになるかが注目される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

広告効果の測定やターゲティングの正しさを位置データから評価するPlacecastのLocation Verification

モバイルマーケティングのPlacecastのCEO Alistair Goodmanによると、これからは、広告効果の計測や検証では、位置データが鍵になる、という。

Goodmanが例として挙げるFactualとMobile Marketing Associationの研究では、マーケターたちの40%が位置データの品質を気にしている。彼によると、位置データを集めて利用する過程にはさまざまな“限界点”があるが、しかし最終的には、既存のデータセットは信頼性が完全ではなく、広告のターゲティングの不適正の原因となり、損失が生じている。

これを変えようとしているのが、PlacecastのLocation Verificationプロダクトだ。Goodmanの説明ではそれは、“データの精度を評価するための業界初の真理集合”だ。実際にこのプロダクトの初期のテストでは、Placecast以外の広告のインプレッションの25%は正しくターゲティングされていないことが見つかった。

Goodmanによると重要な違いは、Placecastがモバイルのキャリアからのデータに頼っていることだ。それは、Sprint傘下のPinsight Mediaなどだ。(本誌TechCrunch isはSprintと競合しているVerizonがオーナーだ。)

なぜ、そのデータの方が信頼性が高いのか? Goodman曰く、それらのデータは“アドッテックのために作られていない”。むしろそれは、キャリアにとっても重要なデータであり、たとえばあるセルタワーから別のタワーへ通話が渡されるときに、通話が落ちないことをそれらのデータで確認する。

Location VerificationはPlacecast内部の別の事業部が管理し、独立性と客観性を維持する、とGoodmanは語る。プライバシーに関しては、データはすべて“集積され匿名化され、またキャリア自身のプライバシーポリシーの監督下にある”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソフトバンク、T-Mobile買収のためにトランプの(やってない)雇用創出のホラを容認

STERLING HEIGHTS, MI - NOVEMBER 06: Republican presidential nominee Donald Trump holds a campaign rally at the Freedom Hill Amphitheater November 6, 2016 in Sterling Heights, Michigan. With less than 48 hours until Election Day in the United States, Trump and his opponent, Democratic presidential nominee Hillary Clinton, are campaigning in key battleground states that each must win to take the White House. (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

そう、トランプは〈いまだに〉自分と何の関係もない ソフトバンクのファンドの話を持ち出している。

わかりにくい自己宣伝活動を続ける次期大統領は、今月始めのあまり控え目とは言えない発言を繰り返し、SoftBankのVisionファンドを自分の手柄のように語った。Visionファンドはソフトハンクとサウジアラビア政府による新興企業に投資する1000億ドルの共同事業だ。同ファンドは10月に発表され、今後5年間にSoftbankが250億ドル、サウジアラビア政府が450億ドルそれぞれ出資する計画だ。

シリコンバレーが世界の技術イノベーションの中心であることを踏まえれば、資金の多くが米国企業に流れることは、トランプが後から手柄を横取りしようがしまいがわかりきっていたことだ。それでもトランプは、Sprint、OneWebおよびVisionファンドへの投資を通じて米国に5万人分の職を生みだすという、SoftBankの計画は、自分が選挙に勝ったおかげだと言い続けている。

「つい先ほどSprintから連絡があり、5000人分の職を米国に取り戻す計画だと話していた」とトランプは記者団に話した。「仕事は海外から持ってくる。アメリカに戻す・・・さらにOneWebという新会社を作って3000人を雇用する」。

Softbankは ― 代理人を通じてSprintも ― トランプの創造的な誇大広報を喜んでいるようだが、それには相応の理由がある。トランプ政権と親密になることで、噂されているT-Mobileの買収がスムーズになり、米国で3位と4位のキャリアを合体できるかもしれない。

[Masaは、われわれ(トランプ)が選挙に勝たなければこれをすることはなかったと言った]

[日本のMasa(Softbank)米国企業に500億ドル投資して5万人の新しい職を生み出すことに同意した]

12月、Softbank CEO兼Sprint会長の孫正義氏は、トランプ氏との関係について、トランプタワーを訪れ「大統領当選を祝福し協力を約束した。トランプ氏が多くの規制緩和を行う計画だからだ」と語った

SoftbankがT-Mobile買収に関心を持っていることは周知の事実だ。2014年にBloombergのインタビューで孫氏は、Sprintの過半数を買うことは、同社の規摸が拡大して競争力を持たなければ意味がない」と語った。

「米国市場は2社による寡占状態にある。われわれが米国に来たときにゲームはもう終っていた、といつも感じていた。上位2社はそれほど強力なブランドと、強力なネットワークと、強力なユーザー基盤を持っている。しかし、ここは世界一裕福な市場であり、インターネットのイノベーションの中心だ。モバイルサービスは音声中心のサービスからデータ中心へと変わりつつある。これは最後のチャンスかもしれない。もしわれわれに意味のある競合を作る機会があるとすれば、当社のインターネット経験が少しは役立つかもしれない。しかし、そのためには規模が必要だ」。

2014年のその後、Softbankは買収計画を断念したと伝えられた。米国の反トラスト規制に妨げられたからだ。そこでトランプ政権の出番だ。孫氏のT-Mobile買収への関心はおさまっていたのかもしれないが、噂によると2016年末に向けて息を吹き返しているようだ。

トランプ政権になることは、Sofotbankが待ち望んだT-Mobile買収を可能にする規制緩和の期待が再燃することを意味している。通信規制緩和の推進者として知られているBrandt HershmanがFCC長官候補として噂され、トランプ政権移行チームメンバーのMark JamisonにいたってはFCCの存在自体に疑問を投げかけている。

「FCCは当初の設立意義をほとんど失っている。通信ネットワークプロバイダーやインターネットプロバイダーが独占状態になったことはほとんどない。仮に独占があるとしても、連邦政府機関が総出で事前規制に専念するのはやりすぎだろう」。

Softbankによる米国の雇用創出はトランプの手柄だと嘘を言わせておくことは、同社の壮大な300年計画への道を開くためと考えれば小さな代償と言えるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Niantic、「新しいポケモンがやって来る」と確認―週明けに新キャラ多数追加へ

Pokemon figures are seen at the International Tokyo Toy Show 2016 in Tokyo, Japan June 10, 2016. (Photo by Hitoshi Yamada/NurPhoto via Getty Images)

膨大なユーザーを抱えるスマートフォン・ゲーム、ポケモンGOを開発したNianticは来週月曜日に新しいゲーム・キャラクターが登場することを明らかにした。

「12月12日にはソーシャルメディアのニュースに注意を払うことをお勧めする。われわれはポケモンGOの新キャラクターを紹介することを予定している」と Nianticは声明に書いていてる

この拡張現実ゲームではユーザーは現実世界に隠れているポケモン・キャラを発見し、捕獲することがでる。7月に登場すると即座にiTunesで1位のアプリとなった。 その後、同じキャラばかり捕まえるのに少々飽きたかしてユーザー数は下降ぎみになっていた。新しいキャラクターのリリースはファンを喜ばせ、ゲームを再活性化させそうだ.

アメリカのキャリヤ、Sprintは水曜日に同社の1万500箇所のショップ等をポケストップとポケジムにするとを発表している。これによって多くのユーザーがSprintの店先に足を止めてくれることを狙っているようだ。このニュースを受けてSprintの株価は7%アップした。

カフェのStarbucksもポケモンと同様の提携を結ぶのではないかと話題になっっている。Starbucksはすでにポケモン提携のドリンクを販売している。

Nianticはハロウィンと感謝祭にもこうした休日にふさわしいテーマをあしらったプロモーションを大々的に展開した。われわれは新キャラのDitto〔メタモン〕の追加を紹介している。

ポケモンGOは今年のTechCrunchのCrunchies賞のファイナリストにも選ばれた。

情報開示:TechCrunchの親会社はVerizonでSprintとは競争関係にある。

画像: Hitoshi Yamada/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

9ヵ月を経て、ソフトバンクのスプリント買収は7月10日に完了へ

SoftbankがSprintの過半数を206億ドルで買収するという噂を本誌がキャッチしてから9ヵ月後、物語はいよいよ結末を迎える。

日本のモバイル通信会社、Softbankは、今日(米国時間7/8)、9ヵ月にわたり様々な障壁を越え、7月10日水曜日に契約を完了する予定であることを発表した。FCC(連邦通信委員会)は7月5日に買収を承認した。

正式な声明は以下の通り。

SoftBank Corp.は、Sprint Nextel Corporationに約216億米ドル(約1兆8000億円)を投資し、2013年7月10日に契約を締結する予定である。

これ以前、最近のDishによる255億ドルという驚きの金額提示があり、契約目前のSoftbankからSprintを横取りしようとした。Dishは4月に名乗りを上げた時、SoftbankとSprintの婚約が整ってから長い時間がたっており、両ネットワークは様々な面で統合を進めていた。

当時Dishは、T-Mobileにも興味を持っていたと言われていたが、T-MobileもMetroPCSと買収交渉の最中だった。

米国第3位のキャリアで、5500万人のユーザーを持つSprintは、Dishの提案を評価するための委員会を設置したと公表した。Dishは携帯電話ユーザーのモバイルビデオ利用に明確な関心を持ち、マスコミ、アナリスト、および投資家に向けてアイデアを提示していた。

検討はしたものの、SprintはFCCに対してSoftbankとの契約審査を継続するよう依頼した。その日は、Dishが買収を提案しFCCに依頼した手続き停止期間180日の140日目だった。契約にこぎつけるまでに、両者は多大な作業が必要だった。

この数ヵ月前の12月、Softbank-Sprintの取引は、SprintとClearwireの二次的契約に関わるささいな問題を経験した。Softbankの買収条件の一つに、SprintがClearwireを1株当たり2.97ドル、計22億ドル以上で買収しないという条項があった。当初Sprintは、Clearwireの100%を1株当たり2.90ドルで購入する提案をしていた。

12月中頃Clearwireはロイターに、提示額が低すぎる、1株5ドル程度は見込んでいたと語った。しかしその3日後、Sprintはちょうど2.97ドル/株で契約を結ぶことを発表した。Softbankとの契約で許されていた最高額だった。

そして今日、SprintのClearwire買収から7ヵ月後、Dishがsprintを横取りしようとしてから3ヵ月後、そしてFCCが契約にゴーサインを出した3日後、Softbankはゴールが近付いていることを確信している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


衛星放送のDishがSprint買収でソフトバンクに対抗―50億ドル上乗せの255億ドルで買収を提案

アメリカ第3位のモバイル・キャリヤ、Sprintを巡って劇的な展開があった。大手衛星放送サービスのDish Networkが255億ドルでの買収提案を発表した。内訳は173億ドルがキャッシュ、82億ドルが株式だ。この試みが成功すれば日本の大手キャリヤ、Softbank昨年10月に発表した205億ドルでSprintの株式の70%を買収するという計画は失敗することになる。.

有料衛星放送サービスの巨人hsSprintも1株につき4.76での買収を提案した。4月12日のSprintの終値は6.22ドルだったが、Dishの買収提案のニュースで急騰した。先週の下落の後、場外取引価格は15%もアップした

Dishが今朝(米国時間4/12)SEC(証券取引委員会)に提出した報告によれば、Dishはこの買収によってユーザー・ベースと売上を大きく伸ばす(ただし投資負担も増加する)ことになる。現在Sprintには4750万人の契約ユーザーがいる。これに対してDishの契約者は1420万人にすぎない。自社が流している有料テレビコンテンツをSprintのユーザーにも配信するのがDishの狙いだろう。

スマートフォンとタブレットがますます広く普及し、多くのユーザーにとってモバイルが主要な受信チャンネルとなりつつある現在、有料テレビのプロバイダがこの分野にいっそう深く参入しようと大胆な試みをするのはうなずける。

昨年のSoftbankによる買収提案はSprintの存在価値を高く認めさせるものだった。プレスイベントでSoftbankのファウンダー、CEO、孫正義は両者が同じ周波数のLTEを利用していることを強調し、両者の統合による相乗効果を説明した。同時にSprintのCEO、Dan Hesseも孫に支持を与えた。これに対してDishの提案は敵対的買収に近い雰囲気がある。

SprintがSoftbankによる買収を断った場合、6億ドルの違約金を支払う義務が生じる。このニュースを最初に報じたWSJのErgenに取材したところ、提案にはこの違約金をDish側で負担することも含まれているという。

Dishは最近これ以外にもモバイル・キャリヤの買収に動いている。先週はT-Mobile USAの買収を試みていると報じられた。Dish はまたSprintが株主であるモバイル・キャリヤ、Clearwireにも興味を示している

Dishは40MHz帯と2GHz帯に周波数を所有している。しかしそこでサービスを提供するキャリヤ機能を持っていないので、遅かれ早かれ何らかの行動を起こす必要に迫られていた。しかしこの買収が失敗すれば、Dish自身が買収のターゲットになるかもしれない。ひとつには大手キャリヤにおける周波数帯の不足が深刻化しているからだ。今年に入って、AT&TがDishを買収しようとしているという情報が流れたことがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+