米FCCがT-Mobile/Sprint合併を承認

米国時間10月16日、米国連邦通信委員会(FCC)はT-Mobile(Tモバイル)とSprint(スプリント)の合併について投票し3対2で正式に承認した。The Vergeによれば、承認が共和党3、反対が民主党2と政党の方針どおりに賛否が分かれた。

TechCrunchではFCCにコメントを求めている。

今年4月8日、T-MobileとSprintは260億ドル(約2兆8267億円)の大型合併で合意したが、当然ながら反トラスト法に違反するのではないかという議論を呼び起こした。当事者企業はAT&TとVerizon(TechCrunchの親会社)というモンスター企業と競争するうえで合併は必須だと主張した。かなりのやり取りの後、7月に入って合併は司法省の承認を受けた。FCCの承認を受けたことにより、残るハードルは他国籍の訴訟だが、両社とも合併手続き完了以前に解決することを約束している。

The Vergeの記事によれば、民主党側のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォルセル)委員とGeoffrey Starks(ジェフリー・スタークス)委員は反対票、共和党側のAjit Pai(アジット・パイ)委員長、Brendan Carr(ブレンダン・カー)委員、Michael O’Rielly(マイケル、オリリー)委員は賛成票を投じたという。

民主党側のローゼンウォルセル委員はこの決定に反対票を投じたとして、次のような声明を発表している。

このような合併によりマーケットが寡占的になれば何が起きるか我々はよく知っている。航空業界でも荷物の料金はアップしシートは狭くなった。製薬業界では数少ない巨大企業が生命に関係する薬剤を高価なままにしている。携帯電話企業が例外であると考えるべき理由はない。T-MobileとSprintの合併は競争を阻害し、料金を高騰させ、品質を下げ、イノベーションを妨害すると考えるべき証拠が圧倒的だ。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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