【いよいよ明日開幕!】TC Tokyo 2019のDay1の見どころ

TechCrunch Japanは、11月14日、15日に国内最大級のスタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2019」を東京・渋谷ヒカリエで開催する。すでに全プログラムが確定しているが、ここではDay1である11月14日の見どころを紹介したい。ハッキリ言ってすべて見どころだなのだが。

チケット購入はこちらから

b8ta

オープニングを飾るのはb8ta。同社は、米国でGoogleやMacy’sなどとの提携を行ってきたリテール・アズ・ア・サービスのスタートアップ企業。7月には、Toys “R” Us(トイザらス)を所有するTru Kids Brandsとの合弁事業の一環として、体験型小売の専門店の開発を進めていることが発表されたばかりだ。両社が開発する新店舗は、映画館、子どもたちが遊べるビデオゲームやツリーハウス、STEAM(科学、技術、工学、アート、数学)教育のワークショップなどが展開される。11月にヒューストンとニュージャージーにおよそ180坪の広さの店舗を2店舗オープンする予定だ。さまざまな最新プロダクトが集まるショールームのような場所になる。いまいちピンとこない読者は、b8taのコンセプトを取り入れた、TSUTAYAが運営している「蔦屋家電+」を思い浮かべてほしい。モデレーターは、Engadget中文版の編集長でありエース記者、そしてナイスガイのリチャード・ライが担当する。

関連記事:トイザらスが技術系スタートアップと共同で未来のオモチャ屋さんをオープン

ティアフォー

b8taのあとはティアフォーだ。同社は、7月にシリーズAラウンドの資金調達額が累計113億円となったことを発表した、自動運転技術を開発するスタートアップ。セッションに登壇する加藤真平氏は同社の取締役会長兼CTOを務める人物で、オープンソースの自動運転OS「Autoware」の開発者でもある。同社は、自社の拠点である愛知県で同社開発の完全自動運転EV「Milee」(マイリー)を使った実証実験を進めるなど最先端を行くスタートアップだ。14日のセッションでは、自動運転の最新テクノロジーや自動運転の未来について詳しく聞く。来場者からの質問に答えるQ&Aセッションもあるので楽しみにしてほしい。

関連記事:自動運転技術開発のティアフォーが累計113億円の資金調達、本格的な商用化目指す

Allbirds

スタートアップバトルやランチタイムを挟んで、午後1時10分から始めるAllbirdsのセッションももちろん注目だ。同社は、シリコンバレー発祥のスニーカーブランドで、素材や履き心地こだわったスニーカーをD2Cで販売している。具体的にはスニーカーの素材にニュージーランドのメリノウールやペットボトル、ユーカリの繊維を使っているのが特徴。通気性に優れており、洗濯機で丸ごと洗えるのも人気の秘密。さらに今年8月には、同社が木とウールを組み合わせて作り出したTrino(トリノ)という新しい糸を使ったソックスも販売している。日本未上陸ブランドであるAllbirdsが東京で何を語るのか、それを聞くだけでも価値がある。

関連記事:シリコンバレーで人気の靴ブランド「Allbirds」が靴下を販売

Betaworks Ventures

休憩を挟んで、Betaworks Venturesがシンセティックリアリティーについて語るセッションとなる。同社は、米国ニューヨークとサンフランシスコに拠点を持つ、シード投資を中心に事業を展開しているベンチャーキャピタル。シンセティックリアリティーとは、デジタルの世界と現実の境界線が曖昧になった第3の世界。ブログを使い、誰でも「簡単かつ低コスト」で記事を投稿できるようになったのと同じように、現在では、リアルなCGI(コンピューター生成画像)の制作を「簡単かつ低コスト」で実現可能だ。著名人本人があたかも話しているようなフェイク動画もすぐに作れてしまう。シンセティックリアリティー、ディープフェイクと呼ばれるこれらの分野が、今後どのように発展していくのか、その脅威と可能性をじっくり語り合う予定だ。

関連記事:Betaworks Venturesが感じる「シンセティックリアリティー」の可能性と「ディープフェイク」の脅威

SmartHR

SmartHRのセッションでは創業者である宮田氏を招いて、ファウンダーストーリーを詳しく聞く予定だ。同社はTechCrunch Tokyo 2015年のスタートアップバトルの優勝者で、現在はシリーズCの資金調達で60億円以上を集めたHRテックの最先端を行くスタートアップ。2019年に入り、2つの子会社を設立するなど、SaaSの事業領域拡大も狙っている。宮田氏には、起業から現在、そして今後のSmartHRをどう導いていくのかを聞き出したい。

関連記事:TC Tokyo 2015「バトル」勝者はクラウド労務手続き支援のSmart HR

ボイスメディアパネル

ボイスメディアの可能性について語るパネルディスカッションには、Voicy創業者の緒方氏が登壇する。同社は10月にビジネス向けの「VoicyBiz」をローンチ。VoicyBizは、これまでボイスメディア「Voicy」内に開設していた企業チャンネルを発展させたもので、Voicy上で発信できるオープン型と、聞き手を限定した情報発信ができるクローズド型の2種類の運用プランを選べる。社内報としてのクローズド型の活用方法としては、経営トップのビジョンや行動指針の浸透、従業員エンゲージメントの向上、社内の相互理解・心理的安全性の改善などなどが考えられる。経営者本人が口にした言葉や話のテンポ、声の高さや大きさなどを文字で表現するのは難しい。このあたりにボイスメディアの可能性が開けていると感じる。

関連記事:声のブログ「Voicy」が日経新聞社と業務提携、新しいメディアとサービスを共同開発

Uber

初日の大トリには、米シェアリングサービス大手のUberが登壇する。米国ではニューヨーク証券取引所への株式上場後に株価低迷に苦しんでいる同社だが、CEOのダラ・コスロシャヒ氏を中心とした新経営陣がさまざまな新規事業を展開、新しい収益の柱の構築に取り組んでいる。同社には、Uber Eatsなどの好調なデリバリー事業、トヨタが500億円超を出資したことも記憶に新しい自動運転技術の開発状況、そして空と飛ぶクルマなど聞きたいことは山ほどある。モデレーターは、US TechCrunchでハードウェアを担当する名物編集者、ブライアン・ヒーターが務める。彼の切れ味鋭い質問に期待したい。

関連記事:Uberが金融商品・サービスに特化したUber Moneyチームを立ち上げ

TC School Special Edition

そのほかランチタイムにBホールで開催されるTC School Special Editionにも注目だ。昨年のTechCrunch 2018のスタートアップバトルのファイナリストでもある、電脳交通とKURASERUのトップが、東京ではなく地方で起業した理由、地方での事業拡大や人材確保など、それぞれの地域ならではの問題、そして強みを語ってくれるはずだ。

関連記事
電脳交通が兵庫県篠山地区でタクシー乗り放題サービスを実証実験
介護施設マッチングサービス「KURASERU」運営が1.3億円を調達

TechCrunch Tokyo 2019 11月14日(木)

9:00-9:10 TechCrunch Japanご挨拶
9:10-9:40 Fireside Chat
最新ガジェットを試し購入できるリテール・アズ・ア・サービスb8taの戦略
Vibhu Norby氏(b8ta CEO)
9:40-10:10 Fireside Chat

自動運転OS「Autoware」が作り出す未来
加藤真平氏(ティアフォー取締役会長兼CTO)

10:30-11:10 Startup Battleファーストラウンド・グループA(5社)

【審査員】
五嶋一人氏(iSGS Investment Works代表パートナー)
西條晋一氏(XTech代表取締役CEO)
堤達生氏(STRIVE代表パートナー)

11:20-12:00 Startup Battleファーストラウンド・グループB(5社)

【審査員】
有安伸宏氏(起業家・エンジェル投資家)
今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー)
新和博氏(W Ventures共同パートナー)

12:20-13:00 TC School Special Edition(Sponsored by engage)

地方で起業するということ

岡橋寛明氏(みやこキャピタル代表取締役パートナー)
川原大樹氏(KURASERU代表取締役CEO)
近藤洋祐氏(電脳交通代表取締役社長)
寺田輝之氏(エンジャパン執行役員)

13:10-13:40 Fireside Chat

シリコンバレーのD2CスニーカースタートアップAllbirds人気の秘密
Erick Haskell氏(President of International)

14:00-14:30 Fireside Chat

Betaworks Ventureが感じる「シンセティックリアリティー」の可能性
Matthew Hartman氏(Betaworks Venturesパートナー)

14:30-15:00 Fireside Chat

シリーズCで60億円超を調達、SmartHRのこれまでとこれから
宮田昇始氏(SmartHR代表取締役社長)

15:10-15:50 Panel Discussion
ボイスメディアの過去、現在、未来
緒方憲太郎氏(Voicy代表取締役CEO)
Matthew Hartman氏(Betaworks Venturesパートナー)
16:00-16:40 Startup Battleファーストラウンド・グループC(5社)

【審査員】
榊原健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)
深澤優壽氏(Eight Roads Ventures Japanプリンシパル)
山岸広太郎氏(慶応イノベーション・イニシアティブ代表取締役社長)

16:50-17:30 Startup Battleファーストラウンド・グループD(5社)

【審査員】
堀新一郎氏(YJ Capital代表取締役社長)
松本真尚氏(WiLジェネラルパートナー)
宮田拓弥氏(Scrum Venturesジェネラルパートナー)

17:30-18:00 Startup Battle

会場投票

18:00-18:40 Fireside Chat
Uberの日本戦略、そして自動運転と空飛ぶタクシーはどうなる?
Émilie Potvin氏(Uber APAC Public Policy & Government Relations担当ディレクター)
18:40-19:00 Startup Battleファイナルラウンド通過発表

TechCrunch Tokyo 2019 11月15日(金)

9:00-9:10 TechCrunch Japanご挨拶
9:10-9:40 Fireside Chat

住宅シェアリング「OYO LIFE」が目指す未来
山本竜馬氏(OYO LIFEグロース統括責任者)

9:40-10:10 Fireside Chat

正確な位置情報を3単語で表現する「住所革命」でできること
Chris Sheldrick氏(what3words CEO)

10:30-11:00 Fireside Chat

5Gがもたらすロボティクス新時代
沢登哲也氏(コネクテッドロボティクス代表取締役/CEO)

11:00-11:30 Fireside Chat

女性起業家が語るリテールテックのいま
Selene Cruz氏(Re:store創業者/CEO)

11:50-12:20 Fireside Chat

為替・送金の手数料無料、英国発フィンテックスタートアップRevolut
Hannes Graah氏(Revolut Growth担当バイスプレジデント)

12:40-13:30 Product Update

山本俊氏(GVA TECH代表取締役)
菱木豊氏(inaho代表取締役CEO)
内山智晴氏(Yper代表取締役社長)
小川嶺氏(タイミー代表取締役)

13:40-14:20 Panel Discussion

2019年のスタートアップを投資を振り返る
村田祐介氏(インキュベイトファンド代表パートナー)
千葉功太郎氏(Drone Fund創業者/代表パートナー、千葉道場ジェネラルパートナー)

14:40-15:10 Fireside Chat

トヨタ自動運転開発子会社が開発する「世界で最も安全な自動運転車」とは?
James Kuffner氏(TRI-AD CEO)

15:10-15:40 Fireside Chat

電動キックボードのLimeが規制大国・日本に上陸する理由
David Richter氏(Lime CBO)

16:00-17:20 Startup Battleファイナルラウンド(6社)

【審査員】
赤坂優氏(エンジェル投資家/エウレカ共同創業者)
千葉功太郎氏(Drone Fund創業者/代表パートナー)
松本大氏(マネックスグループ取締役会長/代表執行社長/CEO)
山本康正氏(DNXベンチャーズインダストリーパートナー)
百合本安彦氏(グローバルブレイン代表取締役社⻑)

17:30-18:00 Product Update

神林隆氏(Eco-Pork代表取締役)
流郷綾乃氏(ムスカ代表取締役CEO)

18:00-18:30 Startup Battle授賞式
18:30-20:00 Meetup

TechCrunch Tokyoでは現在、一般来場者向けの「一般チケット」(4万5000円)、設立3年未満(2016年10月以降に設立)のスタートアップ企業向けの「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けチケット(1万8000円)、5名以上の一括申し込みで購入できる「団体チケット」(2万円/枚)、会場内の指定席と専用の控え室を利用できる「VIPチケット」(10万円)を発売中だ。なお、学生チケットでの入場の際は学生証の提示が必要だ。

チケット購入はこちらから

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。