Eight Roads Ventures Europeの「新星」ルシール・コルネ氏が女性初のパートナーに就任

ヨーロッパとイスラエルのスタートアップ企業に焦点を当てたVCのEight Roads Ventures Europeは、Lucile Cornet(ルシール・コルネ)氏をパートナーに任命した。コルネ氏は同社初の女性パートナーとなる。Eight RoadsはFidelityの支援を受けており、世界で60億ドル(約6228億円)以上の資産を運用している。

コルネ氏はソフトウェアとフィンテック分野に注力する予定で、以前から同社の数多くの投資を主導しており、 5年以下でアソシエイトからパートナーになった。パートナーが効果的にファンドに投資しない限り、ベンチャーキャピタルは「後継者を出さない(養成しない)」文化を持っていることで知られるため、普通では考えられないようなキャリアの軌跡といえる。

コルネ氏は次のようにコメントしている。「私は、ヨーロッパのテクノロジー起業家の将来を、非常に楽観的に考えています。欧州地域全体で、世界のチャンピオンになるという野心と能力を持ったすばらしい創業者や革新的なビジネスが増えてきています。彼らのスケールアップを支援するのが楽しみです」。

TechCrunchのインタビューに対し、同氏はこう付け加えた。「私はとても幸運だと感じています、なぜなら、私たちは技術全般とヨーロッパにおいて、一生に一度の変革期に生きているからです。これらの企業をいくつか設立し、エコシステムの一部になることができたのはすばらしい経験でした。これからの数年間で、どれだけもっとエキサイティングなことが起こるか、私は理解しています」。

コルネ氏はこれまで、パリに拠点を置く支出管理プラットフォームSpendesk、フランクフルトに拠点を置くB2B保険会社Thinksurance、2017年にBNP Paribasによる買収に成功したヨーロッパ初のネオバンクの1つであるCompte-Nickelへの投資を主導してきた。また、VIU Eyewear、OTA Insight、Fuse Universalの取締役も務めている。

フランス生まれのコルネ氏は、投資銀行やSummit Partnersを経て2015年にEight Roads Venturesに入社した。彼女はまた、英GP Bullhoundのインベスター・オブ・ザ・イヤー・アワード2020で「ライジングスター」に選ばれている。

Eight Roads Ventures EuropeのマネージングパートナーであるDavor Hebel(ダヴォル・ヘーベル)氏は、次のようにコメントしている。「Eight Roadsにおける、これまでのルシールの成功をとても喜ばしく思っています。彼女は入社以来、ヨーロッパのみならず世界に大きな影響を与えてきました。彼女はすばらしい仕事に対する倫理観と意欲を持っており、ヨーロッパで最も優れた企業を見極め、世界的な勝者への成長を支援してきています。彼女の昇進は、今後も最高の投資人材を育成し、内部からの昇進を目指したいという私たちの思いの表れでもあります」。

ヘーベル氏はインタビューの中でこう語った。「当社は常に少し違ったアプローチを信じていて、人を採用するときには、最初からでもいいから、判断力を持ってほしい、起業家に会うときにはその存在感を持ってほしいといっています。ですから、多くの人間を採用することはないかもしれませんが、彼らが私たちと長く一緒にいて成長すること、そうする道筋と可能性を持ってもらいたいというのは、いつも当社のモデルの一部でした」。

2020年、Eight Roads Ventures EuropeはCazoo、Otrium、Spendesk、Odaseva、そしてごく最近ではTibberに投資し、8つのフォローアップ投資を完了し、Rimiliaを売却した。また、同社の投資先であるAppsFlyerの評価額は20億ドル(約2076億円)に達している。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Eight Roads Ventures Europe

画像クレジット:Eight Roads Ventures Europe

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(翻訳:Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

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