今回の記事はまったくSEOに役に立たないので、ノウハウを読みたい方は離脱することをおすすめするのである。
さて、私はこのブログでは極力特定の立場から離れ、これが正しいのではないか、と思う意見をそのまま書いているつもりである。
そのような目で見ると多くのSEO人は自分の立場、つまりポジションを擁護、あるいは正当化するための発言を多くしていることに気がつく。
このような発言をポジショントークと言うのだが、ブラックハットであっても、ホワイトハットであってもこの呪縛から逃れる事が難しい。
ブラックハットの人の方がポジショントークからの発言が多いと思われがちだが、ホワイトハットも例外ではない。
ホワイトハットがブラックハットを批判することもポジショントークかも知れないのだ。
私は基本的にこう思っている。
倫理的な観点において批判することはほぼナンセンスである
「罪なき者まづ石を擲て」
新約聖書の中の有名な言葉だ。
口語訳を引用してみよう。
「先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。
モーセは律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか」
彼らが問い続けるので、イエスは身を起して彼らに言われた、
「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」
これを聞くと、彼らは年寄から始めて、ひとりびとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。
SEO人の中で、SEOスパムを行ったことがない人がどれだけいるだろうか?
ほとんどいないはずである。
※たまにはいるかもしれないがあまりいないと思う。ずっとホワイトハットでやってきたという方、気を悪くされたのであれば大変申し訳ございません。
スパムに手を染めたならスパムを断罪する資格はないはずだ。
と常々思うのだ。
SEO人であれば少なくともGRCぐらい使っているはずだ。
GRCのような自動化された検索を実行することはGoogleのガイドライン違反である。
石を投げる資格のある者がどれだけいるのだろうか?
と不思議に思う。
私がSEOを始めたばかりの頃のことを書いておこう。
その特定の分野で検索エンジンから集客したくて、他のWebサイトから情報を取ってくるのではなく自分で全て調べて、全部体験して記事を大量に書いた。
この時に書いた記事の質は圧倒的にナンバーワンであったと思っている。
実際に自分で体験して書いた記事はほとんどなく、そのような一次情報を大量に集積したサイトは存在しなかったのだ。
それでも全然上位表示しなかった。
その分野は検索上位がペラサイト(ほとんど中身の無い1ページしかないサイト)みたいなものが占めていて、
上位表示するためには人工リンクしかない。
と思ったのだ。
太平洋戦争直後、日本全土は深刻な食糧不足に見舞われた。
政府は食料が国民に行き渡るようにするため、食料統制法という法律を作り食料を配給制にする統制を行った。
しかし、配給は滞り正規の配給だけでは生きていくことはできなかった。
だから、ほとんどの国民は法で禁止された闇取引で食料を手に入れた。
そんな頃、東京地方裁判所の裁判官、山口良忠氏は法の番人が法を破るわけにはいかないとして、闇取引で食料を入手することをよしとせず餓死したのである。
これが美談だとされたのは、誰もが法を守っていなかったからだ。
SEOもこれと同じだと私は思う。
もし、Webサイトのキーワードでの上位表示が死活的に重要であり、ガイドライン違反を行うのが当たり前であれば、ガイドライン違反をするしかないのだ。
ガイドライン違反を行って、大きな収益をあげるWebサイトがある。
それを知りつつガイドライン違反をおかさないという運営を行うという考え方は美しいかもしれないが、Webサイトの収益に責任を負う者の態度としてはどうなのか?
という問題。
それでもあえてガイドライン違反を全くしてこなかったのか?
ということを問うべきなのではないか?
さて、前置きが長くなった。
やっと本題だ。
ホワイトハットとブラックハットのポジショントークである。
- ホワイトハット
基本的な主張はガイドラインを順守すべきというものだ。しかし、これはあくまで建前の可能性がある。
・清廉さというイメージを世間に与えたいから。
・SEOの実績、実力がないことを隠したいがブランディングはしたい。というポジショントークなのかもしれない。
このポジショントークはあまり害はないのだが、後者の実績・実力のない人・会社のSEOノウハウは中身が空疎な可能性がある。 - ブラックハット
ガイドラインなんてものはしょせんはGoogleという一企業が定めたものであって、それを順守する義務などない。
Googleにガイドライン違反がばれないように、うまく上位表示させるのがSEOだ。という考え方。大体はホワイトハットのポジショントークは空疎なだけで、読んで時間を損するぐらいしか実害がない。
これに対してブラックハットのポジショントークは有害な可能性がある。ブラックハットは誰を騙そうとしているのか?
それが問題なのだ。
検索エンジンを騙して儲けようとしているのであればまだいい。
人間をだまして儲けようとしていることがある可能性がある。そんなノウハウが無効であることを知りつつ、他人に高額で売りつけようとする輩が非常に多いのだ。
それは情報商材であったり、腐った被リンクの販売であったりする。
さて、私はどっちなのだろうか?
ということを最後に述べておこうと思う。
私は基本的にはホワイトハットの立場に立つのだが、これを倫理的な観点において推奨するつもりはない。
重視するのは実利である。
ブラックハットの様々な手法はいつか滅びるから、自サイトが使っていた手法が滅びた時に修正をしなくてはならなくなる。
また、Googleが進化した現在ではそのリスクに見合う程、ブラックハットの手法から利益は得られない。
リスクとメリットを天秤にかけたら、ブラックハットは損だと思うし、今後ますますブラックハットは損になるはずだ。
だから絶対ホワイトハットがいい、って言いたいだけのである。
できる限りポジショントークから離れて、私なりの実利重視の中立的な視点から好き勝手にSEOを語っていきたいと思っている次第だ。
今後共よろしくお願いいたしますなのである。