コインロッカー代替サービスが続々、monooQは個人でもクロークになれるC2Cプラットフォーム

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旅行先でチャックアウトしてから帰りの電車までの時間、あるいは観光している最中、短時間でも手荷物を預けられる場所があると便利だろう。そのニーズに応えるシェアリングサービスがまた1つ誕生したようだ。Libtownは本日、荷物を預かるC2CのシェアリングサービスmonooQ(モノオク)をローンチした。

monooQの使い方は、他のシェアリングサービスと似ている。荷物を預かるホストは預かれる時間帯と場所を掲載し、荷物を預けたいユーザーはその枠を予約することができる。ホストが予約を承認したら、サービス内で事前に決裁し、あとは荷物を預けにいく流れだ。

先日、荷物の預かりのシェアリングサービスのecbo cloakを紹介したが、荷物を預かるという点では彼らのコンセプトと似ている。ただ、ecbo cloakではカフェや観光客向けの施設が中心に荷物を預かるのに対し、monooQは個人がホストとなるC2Cサービスだ。ホストは預かる量や大きさ、利用料金を設定することが可能だ。

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また、ホストは追加サービスとして、荷物の受取場所や引き渡し場所の変更するプランなどを設定することができる。例えば、最寄りの駅で待ち合わせて荷物を預かったり、預かった荷物を別の場所に届けたりすることを想定している。ホストがユーザーの預かり予約を承認すると、チャット画面が開き、そこでユーザーとホストは受取場所などの詳細を連絡できる仕組みだ。monooQはC2Cサービスなので、利用する側としては荷物の紛失や損害が心配になるところだが、そうした場合にでも対応できるよう保険の対応とヘルプデスクを常設しているという。

Libtownのファウンダーで代表を務める阿部祐一氏は大学卒業後、スタートアップと大企業をつなぐオープンイノベーションのプラットフォームCrewwに務めた後、2015年4月にLibtownを起業するに至った。monooQを開発したのは、友人に冷蔵庫を短期間預かってもらえないかという相談を受けたことがきっかけだったと話す。トランクルームは価格が高い上に、空いていないことが多いと友人の話を聞き、机の下でも部屋の一角でも個人が貸し出せる仕組みはないかと考えたという。

2015年12月からmonooQのベータ版を開発していたが、くしくも1月下旬には競合となるecbo cloackがローンチしている。それについて阿部氏は「複雑な心境」と明かした。ecbo cloackが先にローンチして、注目を浴びたことに悔しいという思いがある一方で、彼らに寄せられる反響から、荷物を預かるシェアリングサービスの可能性を再確認することができたことは嬉しくもあったと言う。どちらを使うかは最終的にユーザーが決めることであり、自社サービスの使い勝手を磨いていきたいと阿部氏は話す。

monooQはローンチ当初は12箇所でサービスを利用することができ、訪日外国人旅行客の多い浅草を中心に空きスペースを確保していく計画だと阿部氏は話す。現状ではウェブサービスのみだが、アプリ開発も進める予定だそうだ。現在はエンジェル投資家の出資を受け、運営しているという。

ユーザーにとってもホストにとっても、荷物の受け渡しに互いに連絡しなければならないステップが入るのは手間のようにも思う。ただ、こうして様々な形のシェアリングサービスが出てくるほど、ユーザーにとっては便利で質の高いサービスが利用できるになり、ホストにとっても持っている資産を有効活用する方法が増えることにつながるかもしれない。

50年ぶりのコインロッカー革命、渋谷のカフェを荷物預かり所にするecbo cloakスタート

手ぶらで観光を

せっかくの旅行なのだから、身軽に観光したい。しかし、旅行には手荷物がつきものだ。ホテルのチェックインまでの時間や観光の合間、荷物を預けておくことができればもっと満喫できるのに。確かに、駅にはコインロッカーがあるが、都合よくコインロッカーが空いているとも限らない。本日ローンチしたecbo cloakはこうした手荷物の問題を解消する。ecbo cloakは店舗の空きスペースを可視化し、ユーザーが荷物を預けられるようにするサービスだ。

ecbo cloakにはカフェやレンタサイクルといった店舗が空きスペースを登録している。ユーザーはエリア別に空きスペースが検索可能だ。店舗までのアクセス、店舗で預かれる荷物の個数や営業時間など詳細情報を確認し、必要事項を入力して空きスペースが予約できる。

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お店に着いたら、店舗側は預る時に荷物をスマホで撮影して「預かり証明」を発行し、ユーザーと共有する。写真を撮るのは、荷物の引き渡し時に荷物を間違えないためでもある。用事や観光が終わってユーザーが荷物を受け取ったら、承認ボタンを押して、引き渡しが完了だ。

このサービスを利用するにあたり、ユーザーは氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカードの決済情報を予め登録しておく。荷物の引き渡しが完了した時点で、決済が自動で行われる。ユーザー登録があれば、ユーザーが荷物を預けっぱなしで取りに来ないといった問題も減りそうだ。預かり料金は一律でバッグサイズが1日300円、スーツケースが1日600円だ。

サービスのローンチ時点で、すでに渋谷のカフェを中心に100店舗以上がecbo cloakに登録しているという。ただ、登録店舗は運営の様子を見ながら順次公開していく予定だとecboは説明している。現時点ではウェブブラウザでのみサービスを展開しているが、今後iOSとAndroidアプリもリリースする計画だ。

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店舗がecbo cloakに登録するメリットとしては空きスペースの活用で副収入を得られることと観光客へのPR効果とecboの代表取締役社長の工藤慎一氏は説明する。ユーザーは荷物を預ける時と引き取る時に必ずその店舗を訪れることになり、その店のサービスにも興味を持つきっかけになるだろう。ecbo cloakではカフェやレンタサイクル店の他に、レンタル着物といった観光客向けにサービスを提供する店舗の登録も進めていく計画だという。

50年ぶりのコインロッカー革命

工藤氏はUber Japanにインターンとして立ち上げ初期から関わり、2015年6月に自分でもシェアリングサービスの立ち上げを考えecboを創業したという。当初は、オンデマンドの収納サービスを手がけていたが、渋谷駅で訪日外国人旅行客のコインロッカー探しを手伝ったのがecbo cloackを開発するきっかけになったと工藤氏は話す。その旅行客はスーツケースを預けられる場所を探していたが、渋谷にはそのような場所が少なく困っていたそうだ。工藤氏がその後調べたところ、渋谷駅のコインロッカーの数は1400個程度で、そのうちキャリーケースも収まるサイズのものはたった80個程しかなかったという。

2016年は訪日外国人旅行客が2000万人を突破し、政府は2020年には4000万人に伸ばす計画でいる。2020年には東京五輪も控えている。「初めて日本を訪れる旅行客にとって、どこにあるか分からないコインロッカーを探すのも手間ですし、行ってみるまで空いているか分からないのも問題です」と工藤氏は指摘する。訪日旅行客が荷物に煩わされず、旅行や観光を存分に楽しんでもらうためにも、ecbo cloakは店舗の空スペースのシェアリングでこの手荷物の課題を解消したい考えだ。

日本でコインロッカーが普及したのは、1964年の東京五輪の時なのだと工藤氏は話す。観光客の増加を見込み、荷物預かりの体制を整えるために駅などでコインロッカーの導入が進んだ。ただ、それ以降50年間、コインロッカーはさほど進化していない。2020年には再び東京五輪が開催されるが、今回はこのシェアリングで荷物の預かりに革新的な変化を起こしたいと工藤氏は話している。