NHKに”AIアナウンサー”が登場 「ヨミ子さん」がニュース読みます

NHKのニュース番組に、「AIアナウンサー」が登場する。

4月からニュース番組「ニュースチェック11」(平日夜11時10分〜※)の水曜日のコーナーに登場する。NHK放送技術研究所が開発した平昌オリンピックの「ロボット実況」に使われた技術がベースになっており、AIによる音声合成でニュース原稿を読み上げる。

名前は「ニュースのヨミ子」。キャラクター「コップのフチ子さん」を手がけたタナカカツキさんがデザインを担当した。

(※)2018年3月まで放送開始時間は夜11時15分から。4月から放送開始時間が夜11時10分に変更になる。

ニュースのヨミ子さん。(C)NHK

ヨミ子さん、スマートスピーカーでもニュースを読むよ

「ニュースのヨミ子」は、Google Homeなどスマートスピーカーにも対応する。

現状、スマートスピーカーでは収録済みのラジオ放送などを再生しており、視聴者が「聞きたいニュース」を選べるようになっていない。

スピーカーに「ヨミ子につないで」と呼びかけるとヨミ子さんが登場し、ニュースの項目やジャンルを選ぶと、最新のニュースを自動的に読み上げるという。はじめはジャンル別でしかニュースを選べないが、今後は「大雪のニュース」などキーワードでニュースを選べるようになる予定。

また、拡張現実(AR)でヨミ子と一緒に写真撮影ができるサービスなども提供する。

ヨミ子さんがARで出現するカメラアプリ。 KEI YOSHIKAWA / HUFFPOST JAPAN

AIアナウンサーが速報にも対応する?

NHKによると、「ニュースのヨミ子」は「より一層多くの人にニュースに親しんでもらいたい」との思いで企画開発された。

報道局ネットワーク報道部の熊田安伸専任部長は、26日の報道説明会で、「新人のため、まだたどたどしいが、将来的には自由な会話も実現させたい」と説明。

AIアナウンサーが発展して速報に対応できるようになると、NHKスタッフの働き方改革の一環にも繋がると期待を寄せた。

「例えば、真夜中に高速道路で交通事故が起きて通行止めになった時、AIアナウンサーが自動的にラジオを通してニュースを届けるなど、将来的にはそういった使い方も考えている。人間のアナウンサーはよりクリエイティブな仕事に集中できるようになる」

はじめは女性のAIアナウンサーのみでスタートを切るが、ヨミ子の機械学習が進み、基礎的な技術が完成した後は男性のAIアナウンサーを開発することも視野に入れているという。

HuffPost Japanからの転載。

AIアナウンサー「荒木ゆい」が正式サービスイン、月額9800円で20回分の音声をダウンロード可能

写真はゆいプラ公式ページより

SNSにアップされた事件・事故情報やその画像などを報道機関に提供するSNS速報サービスの「Spectee(スペクティ)」。

その運営元であるSpecteeはもう1つ、テレビ局など報道機関での利用を想定したサービスを開発している。人工知能がヒトに近い音声で文字を読み上げる、AIアナウンサーの「荒木ゆい」だ。

報道機関の記者が他の作業をしながらでもニュースを追えるよう、Specteeには事件・事故の概要を端的に伝える「見出し」を自動で生成し、それを音声で読み上げる機能が備わっていた。荒木ゆいは、その読み上げ技術を生かしたサービスだ。

荒木ゆいのベータ版は2017年11月にリリースされていたが、Specteeは3月1日、荒木ゆいの読み上げ音声を自動生成できる商用サービス「AI アナウンサー『荒木ゆい』ボイス・プラットフォーム(略称、ゆいプラ)」をリリースすると発表した。

ベータ版リリース後の反応についてSpectee代表取締役の村上建治郎氏は、「読み上げのクオリティは(他社サービス)よりも高いという評価を頂いた。おかげで、テレビやラジオでも取り上げて頂いたり、実際に30分番組の通しナレーションを荒木ゆいが行うという事例もあった」と話す。

荒木ゆいの読み上げクオリティがどれほどのものか知りたい読者は、以下の動画を観ると分かりやすいと思う。

この荒木ゆいの読み上げ機能をクラウドサービスとして公開したのが、ゆいプラだ。ユーザーが原稿を入力すると、荒木ゆいがそれを自動的に読み上げる。音声ファイルはダウンロードできるほか、音のピッチを変えたり、アクセントの位置を調整したりといったチューニングも可能だ。

ゆいプラの基本料金は月額9800円。これで20回分の音声ファイルをダウンロードすることができる。ダウンロード回数を使い切った場合には、2450円で5回分を追加購入できる。なお、SpecteeはアプリやWebサービスの開発者向けに音声読み上げ機能のAPIも併せて発表している。

Specteeは2014年2月の設立。SNS速報サービスのSpecteeは現在、130社以上のテレビ局や新聞社に導入されているという。最近では、野外イベントの警備などを目的として、警備会社や地方自治体がSpecteeを導入する例も増えているようだ。

村上氏はAIアナウンサー事業の今後の展開として、「荒木ゆい以外の声や、マルチ言語に対応した読み上げサービスの開発も進めている。スマートスピーカー向けのコンテンツ開発会社や、東京オリンピックで来日する外国人向けの多言語による音声案内などがターゲット」と語った。