何年か前のこと、しばらく会っていない友人が取り乱して電話をかけてきた。インターネットがダウンして、明日までに終らせなくてはいけない〈大きな〉プロジェクトがあるという。プロバイダーに電話してもだめで、彼いわく「コンピュータを知っている」(*) 唯一の知り合いである私に助けを求めてきた。
「モデムはリセットしたよね?」
「うん、Comcastにそうしろって言われた」
「ルーターもリセットしたよね?」
「ああ、それでもダメだった」
「わかった、今から行くから待ってろ」
彼の家に着くと、ネットワーク関連の機械はリビングルームのテレビの後ろにあった。壁から同軸ケーブルが出てきているのはここだけだそうだ。
私はもう一度モデムをリセットするように言った。友人は手を伸ばしてモデムのプラグを抜いた。ここまではよし。
今度はルーターをリセットするように言った。彼は手を伸ばしてルームメイトのAppleTVの電源を抜いた。
やっちまった。
どこのギークにもこんな経験の1回(や10回)はあるだろう。この “Amazing Jellybean” は進行中のKickstarterプロジェクトで、こういう出来事を減らそうとしている。
Amazing Jellybeanは、一言でいうなら電源スイッチだ。ただし頭がいい。
ご存じの通りモデムとルーターのリセットダンスは、必要以上に込み入っている。両方の電源を抜く。60秒待つ。モデムの電源を入れる。60秒待つ。ルーターの電源を入れる。60秒待つ。これで合計180秒。ニコラス・ケージならその間に車を3回は盗める。
このAmazing Jellybean(いい加減タイプするのがバカバカしくなる名前だ)は、ボタン1つでまとめて面倒を見てくれる。ボタンを押したら、放っておくだけ。あとはこいつがモテムとルーターを両方切った後、正しい順番に正しい間隔をおいて電源を再投入してくれる。
これだけでも、そう、例えば君のママにとってはちょっとしたキラープロダクトだ。おじさんにも。あるいは、妙にベトベトしたDellでブラウズした〈完全に〉まともなサイトからどうしてスパイウェアが侵入したのか〈見当がつかない〉と言っていたあの友達にも。
もちろん〈きみ〉にはこれは必要ない、よね? テクノロジーの神であるきみには。モデムをリブートしてくれるヘンテコな箱なんか欲しくないだろう。そうだ言い忘れていたけど、これにはBlootoothもついているので、通信が途絶えた時に椅子から降りてホコリと戦う必要もない。そう、そこに私もやられた。
これは大きな問題に対する完治法ではなくバンドエイドなのではないかって? その通り、しかし、これは消費者規格のネットワーク機器に〈何十年〉来潜んでいる問題だ。おそらく当分なくならないだろう。
なぜこれがジェリービーンの形をしているか? 私には皆目見当かつかない。
[* プロのためのヒント:会話が「パソコン詳しいよね?」で始まった時、〈唯一〉の正しい対応は、真顔でこう答えること「パソコンって?」]
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(翻訳:Nob Takahashi)