一部で人気だった、400ドルのジュース・マシンが姿を消すこととなった。
「これまでに100万以上のジュースパックを販売してきましたが、Juicero本体およびパックの販売を停止することをご報告いたします」と、公式ブログ上にアナウンスが掲載されたのだ。
商品の返金にも応じるとのこと。「これから90日間、本体の返金に応じます」と記されている。
Juiceroを創立したのはDoug Evansで、サンフランシスコに拠点をおきつつ、Google Ventures、Kleiner Perkinsなど著名VCから11800万ドル以上の資金を調達していた。Melo7 Tech Partners経由でカーメロ・アンソニー(Carmelo Anthony)も出資していた。テック系以外からも、たとえばキャンベル・スープ・カンパニーも資金を提供している。Juiceroの資金調達は2013年に始まり、実際のプロダクト提供は16ヶ月前から行われていた。
Bloombergがプロダクトの有用性に対する疑義を記事にしてから、消費者の間からも疑いの声が上がっていたことも、販売停止に影響しているのかもしれない。
Juicero側は低価格プロダクトの提供などをアナウンスしていたが、それもかなわぬこととなった。現在は会社の買い手を探しているとのこと。
「プロダクトの有用性は伝えられたのではないかと思っています。このプロダクトによるサービスを継続して提供するためには、サービスの買い手を見つけるのが一番良いだろうという考えにいたったのです」と、ブログには記されている。
Keurigのコーヒーメーカーの大成功以来、いくつかのベンチャーがキッチン系プロダクトの開発を行なってきた。熱狂的な「ジュース信者」もいる中、家庭で簡単に本格的ジュースを提供するプロダクトが登場するのは当然のことといえただろう。しかしBloombergの記事がなくとも、本体価格は高価で、さらに専用のリフィル購入が必須である点で、魅力を感じなくなった人も多かったと思われる。
価格は一時700ドルとなっており、当初よりコストパフォーマンスに疑問を感じる人もいた。「シリコンバレー・エリート」専用のプロダクトだと揶揄するむきもあった。
ちなみに筆者もJuiceroのジュースを試してみたことがある。味については文句なくおいしかったと思う。RIP。
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(翻訳:Maeda, H)