1977年に打ち上げられた多惑星探査機Voyager 2が、ついに恒星間宇宙(interstellar space)に到達した。その双子であるVoyager 1が到達してから、6年が経過している。現在地球から約110億マイル(177億キロ)の場所にいるが、これは人類が作ったものが到達した2番目に遠い位置だ。
恒星間宇宙は、私たちの太陽の「太陽圏(heliosphere)」が終わるところから始まっている。太陽圏は巨大な放射線とプラズマの球体で、その中に惑星が包まれつつ守られている。2機のVoyagerにはこうしたものを観測できる機器が搭載されていて、どちらも大幅な電気的そしてプラズマ的なアクテビティの低下を示している。これが示唆するのは、彼らが太陽圏を離れたということだ。
恒星間宇宙の正確な境界は論議の的だ。Voyager 1がその端にいた時、大いなる論争が巻き起こり、科学者たちはそれが恒星間宇宙に出たのか否かについて議論を行っていた。しかし合意は形成されて、今では多くの科学者たちが、両機が既に太陽圏を去ったことに同意している。
とはいえ両機は、多かれ少なかれオールトの雲によって定義される太陽系はまだ立ち去ってはいない(オールトの雲とは太陽の重力 ―― といっても本当に僅かなものだが ―― によって捕えられた、塵と小さな物体で構成された巨大な外殻である)。2機のVoyagerがそこを通り過ぎるまでは(おそらくあと3万年程かかる)、両機は定義的な意味ではまだ太陽系の中にいるのだ。
興味深いことに、Voyager 2が恒星間宇宙に入ったのは2番目だったが、打ち上げは先に行われていた。これらの複雑で野心的な探査機の失敗のリスクはとても高かったため、NASAは2機を建造し、連続して打ち上げるべきだと考えたのだ。このためVoyager 2はVoyager 1に16日先立って打ち上げられた。しかし後者はその軌道のために、黄道面(太陽系の天体の大部分が周回している平面)をより早く違う角度で脱出したのだ。
こうしてVoyager 2はNASAのもっとも長期的に継続しているミッションとなった(ただし宇宙空間に最も長く存在しているというわけではない ―― もっと初期の衛星が宇宙には漂っているからだ)。それに携わる人たちはこれ以上ない喜びを感じている。
「2つのVoyager探査機が、どちらも長い歳月を経てこのマイルストーンを達成できたということを、私たち全員が喜ぶと共にほっとしていると思っています」と、NASAのニュースリリースの中で語るのは、VoyagerプロジェクトのマネージャーであるSuzanne Dodd(JPL所属)である。「これこそ私たち全員が待ち続けていたものです。この先私たちが、恒星間宇宙に出た2機の探査機から、何を学ぶことができるかを楽しみにしています」。
両方のVoyagerは少なくともあと数年間は運用が続くだろう。彼らの電力が尽きるのは2025年ごろの予定だ。その時点で彼らは、宇宙から50年近くにわたってデータを送り続けていることになる。驚くべきことを成し遂げてくれたチームに、そして人類に、心から祝福を送りたい。
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(翻訳:sako)