イタリアのXYZE(サイズ、と発音する)がIndiegogoにて「ウェアラブル巻き尺」をキャンペーン中だ。プロダクトの名前は「On」という。洋服をオンラインで購入する際など、届いてみたらサイズが合わなかったというような悲劇を解決するために生まれたプロダクトだ。
自分のサイズをきちんと把握していても、サイズ違いは起こりえる。同じS、M、Lなどと分類していても、販売店やメーカーによってサイズが異なるからだ。
これに対してXYZEは、簡単な仕組みの巻き尺とアプリケーションを連動させるようにして、自分にぴったりのサイズを簡単に見つけられるようにしているのだ。
「洋服をオンラインでオーダーする際、メーカー毎に異なるサイズを認識して注文するというのはほぼ不可能です。Mと言っても具体的にどのサイズがそこに入るのかはメーカーによって異なります。こうした混乱をなくそうというのが、私たちの目的なのです」と、XYZEのファウンダーであるPaolo SpigaおよびAndrea Mazzonは言っている。
「誰もが簡単に、そして正確にサイズを測ることのできる巻き尺をつくりました。そして、オーダー時に計測したサイズにぴったりの服がオーダーできる仕組みを構築したのです。時間とお金の節約になるだけでなく、どうしても欲しくて買った服が着られないというような悲劇をなくすことができます」。
開発に18ヶ月をかけたという「On」は、基本的にはデジタル巻き尺のようなものだ。但し、Bluetoothでスマートフォンと連携する。最大で160cmまでを測ることができ、3Vのボタン電池を利用している。電池は最長で48ヶ月間もつのだそうだ。
計測部分は輪の形になっていて、両手を使って押さえていなくても身体の各部(ウェスト、ヒップ、等)を測ることができる。測っている部位にぴったりのサイズに輪を縮めれば手を放しても大丈夫で、これがために「ウェアラブル」と呼んでいるようだ。巻き尺を身につけたまま、タブレットやスマートフォンを操作することができるわけだ。
XYZEアプリケーションには、正しく計測するためのハウツーも表示されるようになっていて、計測したデータはXYZE IDと紐付けて保管・管理されるようになっている。そしてこのデータを、XYZE側が入手しておいたさまざまなメーカーやショップ毎のサイズチャートと比較して、購入者に最適なサイズを提示するようになっているわけだ。
確かに理屈としてはうまい考えであるように思える。「バーチャルフィッティングルーム」系のソリューションにも使えるかもしれない。XYZEもそうした動きを視野に入れ、B2Bの展開も考えているようだ。「XYZEのウィジェットをメーカーの直販サイトに埋め込んでおくことで、購入者はただちに最適なサイズをオーダーすることができるようになるのです」とのことだった。
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(翻訳:Maeda, H)