米国時間4月6日、認証とアイデンティティのプラットフォームとして人気のOktaが、同社のOktane21カンファレンスで無料の新しい開発者エディションを発表した。現在の無料プランに比べて制限が少なく、利用できる月間アクティブユーザー数は大幅に増えている。
現在の無料プランでは月間アクティブユーザー数は最大1000人だが、新しい「Okta Starter Developer Edition」では最大1万5000人まで対応できる。これに加えてOktaは充実したドキュメント、サンプルアプリ、新しいSDKも発表し、Go、Java、JavaScript、Python、Vue.js、React Native、Spring Bootなどの言語やフレームワークにも対応した。
Oktaの最高製品責任者であるDiya Jolly(ディヤ・ジョリー)氏は筆者に対し「我々の全体的な哲学は『単に認証と承認のサービスを提供すること』ではありません。『アプリの開発者さん、アプリの一部として認証と承認を迅速に実装し運用するために必要な基盤を我々はどのように提供すればいいですか』と考えていくことです」と述べた。同氏は、Oktaはそれを実現するための独自のポジションにあると考えている。承認とアクセスを管理するツールだけでなく、マイクロサービスを保護しアプリケーションが特権リソースにアクセスできるようにするシステムも提供しているからだ。
まだ完了はしていないものの、OktaがAuth0を買収し、Auth0の開発者ファーストのアプローチで開発者の戦略を大幅に拡張する意向であることも注目される。
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無料アカウントの拡張に関してジョリー氏は、開発者がプロトタイピングの段階でもっと多くの機能を利用したいと考えていることがわかったと話す。このため、新しい開発者エディションでは多要素認証、機器間トークン、B2Bの統合などに対応する他、ツールチェーンへの統合も拡張される。企業向けツールではよくあるように、無料エディションには通常の企業向けサポートは付属せず、有料プランよりもレート制限が低く設定されている。
とはいえジョリー氏は、中小企業はこの新しい無料プランでアプリケーションを作り本番環境にすることができるだろうと認めた。
「1万5000(の月間アクティブユーザー)は多いですが、我々の顧客ベースからすると実際の中小企業のアプリケーションには適正な数であり、これを目指していました。開発者の動きとしては、まず試してもらってそれからアップグレードして欲しいと思います。私は、このことが鍵であると考えています。無料であれこれ触って試すことができないのにそれを使って構築してみようと思う開発者はいません」とジョリー氏はいう。
ジョリー氏は、アプリケーション開発のライフサイクル全体を通じて開発者をどうサポートしていくかについてOktaは長い時間をかけて検討したと語る。例えばOktaのウェブベースのコンソールをバイパスしたい開発者向けにCLIツールをさらに使いやすくしたり、TerraformやKong、Herokuなどのツールとも統合した。ジョリー氏は「現在、(開発者は)アイデンティティとOktaをエクスペリエンスの中にまとめる必要があり、あるいは他のアイデンティティを使う場合もありますが、我々はこうしたものをすべてあらかじめまとめて提供しています」と述べた。
新しいOkta Starter Developer Editionの他、ドキュメント、サンプルアプリケーション、統合機能は、developer.okta.comから利用できる。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Okta、個人認証
画像クレジット:Kimberly White/Getty Images for TechCrunch / Getty Images
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)