イスラエル拠点のOurCrowdが新型コロナ対策ソリューション向けファンドを設立

イスラエルのクラウドファンディングベンチャー投資プラットフォームのOurCrowd(アワークラウド)は6月2日、計1億ドル(約108億円)を調達する計画のパンデミック・イノベーションファンド立ち上げを発表した。調達した資金は「グローバルのパンデミックやその他の健康危機による医療、ビジネス、教育、社会の喫緊の需要に応えるテクノロジーソリューション」に投資する。

ワクチンや検査、治療法、リモート監視、デジタルヘルス、個人保護具などの開発を手掛けるスタートアップに資金を注ぐ。加えて、リモートワークや遠隔教育、事業プロセス自動化、在宅エクササイズ、サイバーセキュリティにフォーカスした刷新的なマネジメントに取り組むスタートアップにも目を向けている。ファンドはかなり幅広い対象を抱えるが、これによりパートナーはさまざまな産業に投資することができる。

「新型コロナウイルスの急速な感染拡大は、デジタルでつながった世界がグローバルコミュニケーションと迅速な対応を通じてあらゆる危機を解決するという我々のビジョンが正しかったと証明した」とOurCrowdCEOを務めるJon Medved(ジョン・メドベジ)氏は話した。「世界が元に戻れるようにするために、イノベーションが今すぐ必要だ。今回の危機で生じている問題の多くをテクノロジーを使って解決できる。テックが迅速に対応し物事を直す時だ」

OurCrowdはすでに新規ファンドにうってつけそうな多くの企業に投資してきた。この中には、新型コロナワクチンの開発のために1200万ドル(約13億円)をこのほど調達した(未訳記事)MigVaxやSight Diagnostics、SaNOtizeTytoCareなどが含まれる。

新規ファンドの代表は、ヘルスケアのエグゼクティブとして知られるMorris Laster(モリス・ラスター)博士、OurCrowdベンチャーパートナーで医学顧問委員会の委員長を務めるMorry Blumenfeld(モリー・ブルーメンフェルド)氏、OurCrowdのベンチャーパートナーであるDavid Sokolic(デイビッド・ソコリック)氏だ。

「ともに現在のパンデミックに取り組み、また将来のパンデミックにも備えなければならない。といのも、物語は始まったばかりだからだ。起業家は我々が直面している最も困難な問題に対し、迅速かつ効果的なソリューションを提供するのに比類なく長けている。新規ファンドは我々が必要とするイノベーションと、世界をより良くするのに必要なリソースを提供できる遠くを見据えた投資家の間に橋を渡すことになる」とラスター博士は述べた。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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