スペースXがStarlink衛星をさらに60機打ち上げ、3月だけで240機も投入

SpaceX(スペースX)は米国時間3月24日の朝、フロリダ州ケープ・カナベラルから60機の衛星を打ち上げ、Starlink衛星を軌道上の既存のコンステレーションにさらに追加した。今回のミッションでは過去5回の打ち上げで使われた飛行証明ブースターを使用したFalcon 9と、過去の飛行で使用された貨物フェアリングカバーを再使用した。

Starlinkは米国時間3月14日、11日、3月4日にそれぞれ60機ずつ打ち上げられており、今回は1カ月以内での4回目の打ち上げとなった。合計すると、約3週間で240機の衛星が打ち上げられたことになる。これは、世界第2位の商業衛星オペレーターであるPlanetが宇宙に保有する衛星の数とほぼ同じだ。

SpaceXの目標は2020年に1500機のStarlink衛星を打ち上げることだが、現在の打ち上げペースは目標達成に向けて順調なもののような。Starlinkは最終的には低軌道上に1万機以上のアクティブな衛星を保有するまでに成長するはずだが、短期的な目標はブロードバンドインターネットサービスの地理的な適用範囲をさらに多くの国や顧客にまで拡大し続けることだ。

関連記事:スペースXが記録となる9回目のFalcon 9打ち上げに成功、2週間で3回Starlink衛星を投入

現在のところ、SpaceXがサービスを提供している地域なら誰にでも予約注文ができることから、ベータ版サービスの展開は地上コンポーネント側のハードウェアに制約があるようだ。Starlinkのアンテナとモデムのキットを申し込んでいる顧客は、サービスが提供されていることが知られている地域や、あるいは既存のベータ版ユーザーがきちんと利用できている地域であっても、2021年末まで配達時間が延長されている。

SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、初期のインフラ投資が完了し収益が安定した段階で、最終的に会社をスピンアウトさせる計画だ述べている。これまでのところ他の地方のブロードバンドソリューションと比較して、顧客は速度と信頼性の面でStarlinkのネットワークを好意的に評価しているようだが、次の大きな試練はネットワークが顧客数の増加により高負荷になったときに訪れるはずだ。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarlink

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。