データセキュリティ問題をめぐって米中の緊張が高まる中、「データセキュリティのグローバルスタンダード」として中国政府が役割を果たすことができると考える「データセキュリティイニシアチブ」を大々的に公表した。
中国の王毅外相は、9月8日に北京で開かれた非公開会議にビデオ出演し、中国政府のユーザーデータの取り扱いなどの論争の的となるトピックを含む、8つの部分からなるフレームワークを発表した。
中国政府は、この構想で定められた規則に従い、他国の法律に違反して海外のデータを政府に転送するよう中国企業に求めない。中国はまた、国家に対して他国に対する大規模な監視に反対するよう求め、企業に対して違法なデータ収集のために製品やサービスにバックドアを設けることを控えるよう求めている。
米国でのTikTok事業の売却期限の数日前に発表されたタイミングは興味深い。TikTokは否定しているが、米国政府は米国のユーザーのTikTok上の行動履歴などのデータを中国政府に提出できる可能性があるため、米国にとって国家安全保障上の脅威になると主張している。先週中国は、TikTokの売却を複雑にする可能性のある輸出法を改正した。
米国当局はまた、ファーウェイが自社の通信機器にスパイウェアを入れているという懸念ついて何年も粘ってきたが、米政府はその主張を裏付ける公的で直接的な証拠を提示していない。
中国政府の新しいデータセキュリティ基準のコンセプトに異論を唱える人もいるかもしれないが、1つだけ確かなことがある。中国はサイバー主権の概念(Council on Foreign Relationsリリース)を押し進めており、それはグレート・ファイアウォールやデータのローカライズルール(未訳記事)にも表れている。
9月8日の会議には、中国と外国の関係者だけでなく、シンクタンクや企業の代表者も出席しており、「この構想について提案する予定だ」と中国共産党の機関紙であるグローバル・タイムズ(環球時報)は報じている。
王氏はスピーチの中で、トランプ政権の「クリーンネットワーク」プログラムを、一連の中国テック企業を米国から追放したり、米国企業との取引を妨害したりする可能性があると攻撃した。「ある国は、『クリーン』ネットワークの名の下に、他国に対して根拠のない非難を続け、セキュリティを口実に、競争力のある他国の企業を食い物にしている。いじめのこのような露骨な行為については反対し、拒否しなればならない」と名指しは国は避けたが明らかに米国を非難した。
画像クレジット:IvancoVlad/ Getty Images
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(翻訳:TechCrunch Japan)