失敗への恐怖がスタートアップの失敗を招く

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編集部記Ben Narasinは、Crunch Networkのコントリビューターである。Ben Narasinは25年間起業家として活躍し、その後8年間を投資家として活動し、現在はCanvas Venturesのジェネラルー・パートナーを務めるベンチャーキャピタリストだ。

私はウェブが台頭し始めた時代に、最初のEコマースサイトとなる一つのサイトをローンチした。半年間を市場調査とサイトの作り込み作業に費やし、完璧に仕上げようと努力した。しかし、準備に費やした半年間より、ローンチしてからの最初の6時間の方が、人々の行動や反応を得ることができて学ぶことが多かった。そして、半年という時間を無駄に費やしてしまったことを悔やんだのだ。現在、私は投資家として活動する中で、同じような行動を取る人を見かける。そしてその行動を引き起こしている要因の一つをようやく理解することができた。

時折、これまで失敗したことのないファウンダーを見つけて投資することがある。その人が若く、初めてファウンダーとなるのなら、たいていその人はこれまで知力で負けたことが無いような人だ。つまり、クラスで一番の成績だったり、数学大会の地区代表であったり、所属していた団体や地域で何かしら知力に関連した分野で突出していたということだ。しかし、そのようなファウンダーが最も失敗しやすいということが分かってきた。

彼らが失敗しやすいのは、失敗を恐れているからだ。彼らは勝利することに慣れ過ぎている。構造化し、法則に従うような達成可能な目標(数学、コード、チェスなど)という、知力と努力だけで攻略できるものに慣れ過ぎているため、起業という全く異なる混沌とした現実に対してはあまりにも無防備なのだ。
起業家にとって失敗すること(それも素早く頻繁に)は起業の旅路においてとても重要な要素だ。大きな成功を得るための旅路には小さな失敗が付き物だ。それが、起業家が考えた仮説がそうでないと学ぶ方法だからだ。

学ぶためにはローンチしなければならず、早くローンチするほど早く改善できる。私の友人のReid Hoffmanはこれについて「MVPの称号が恥ずかしくないのなら、停滞している時間が長過ぎるのだ」と表現した。

大きな成功を得るための旅路には小さな失敗が付き物だ。

起業というのは、解のある方程式ではない。サイトやアプリは暗く湿った部屋にコーダーが突き詰めて仕事をして完璧に仕上がるものではない。確かに、デジタルの領域で成功を得るには、世界でトップレベルのコードやサービスを分かりやすく伝える比喩表現も必要なものではあるが、製品に磨きをかけて学ぶには、製作した美しく輝く製品を世界中の何百万、何千万という一般の人に公開し、彼らがどのように製品を使うかを知るというプロセスが必要不可欠なのだ。

起業とは、スプリントのような集中的な開発と失敗の混乱の多い循環を繰り返し、障害や中断を乗り越え、成功に続いているかどうか分からない永遠に続くように思われるマラソンの道中を、全力を振り絞って消耗するような耐久レースだ。そして、ローンチして学び続けなければならない。大事な製品を世界と共有し、世界がどう思うかを知らなければならない。

賢いファウンダー、時に賢すぎるファウンダーは、この旅路を方程式に変えることができる信じこみ、その方程式を彼らの知力とコードで「解く」ことができると考える。彼らは製品を外に出した時に十分に輝かないことを恐れ、自社のチームと選抜した友人にだけ大事な製品を見せ、内部で改善を繰り返し行う。

しかし、この行動は彼らがこれまで経験したことがない「失敗」のリスクを高める。彼らは挑戦しないから失敗するのではなく、取り組み過ぎて失敗するのだ。「十分に良い製品」を犠牲にした「さらに良い製品」を追求する冒険は、道中で時間と資金を消耗する。彼らは、成功するのに十分な機会と時間を製品に与えることができず、製品が失敗することを恐れるがあまりに失敗するのだ。

大成功を収めたいのなら、リスクを受け止め、失敗という小さな現実を受け入れることだ。ファウンダーにはローンチから学んでほしいと思う。ローンチして学ぶ、その繰り返しだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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