従来の音楽エージェンシーモデルを破壊するEncore

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英国のスタートアップでありEntrepreneur First卒業生のEncore(アンコール)は、伝統的なエージェントモデルを破壊しようとしている、また別の例だ。それは予約エージェント業務を対象に、あなたのイベントためにミュージシャンやバンドをオンラインで見付け、出演予約を取り付けることができる。このマーケットプレイスは既に1万8000人以上のミュージシャンを引き付けていて、毎月その3割が実稼働していると聞いている。

さらに会社を成長させるために、Encoreは56万ポンド以上の資金をシードファンディングで調達したことを発表した。計画では、その資金をチームの拡大と、マーケットの買い手側の要求に応えるための有償マーケティングの立ち上げのために利用する予定である。

注目すべきは、Entrepreneur First自身がラウンドに参加したことだ。この投資は、同社が新たに用意した4000万ポンドの「Next Stage Fund」から、初めて提供されるものである。Next Stage Fundは追加ファンディングによって卒業生の企業を支援するために用意されたものだ。

blogviolinapp 「あなたの会場やイベントのために、偉大なミュージシャンを探すことは悪夢です」と、Encoreの共同創業者であるJames McAulayは語る。「予約プロセスは面倒で遅く、しばしば何週間もかかり、そしてやっと良いグループやミュージシャンを発見しても、その先の予約の完遂には、契約や、請求書、そして古臭い決済方法に関する交渉といった地雷原が待ち構えています。そしてその後、電話とテキストメッセージのやりとりが始まります。会場の搬入搬出、そしてデポジットの手配…リストは無限大です」。

McAulayによれば、ミュージシャンとバンドの予約を簡単にするだけではなく、Encoreは支払い方法やミュージシャン自身にとっての条件も、従来のエージェントを取り除く(そして置き換える)ことによって改善することを狙っている。「ミュージシャンたちは、多くの割り前をハネていき、そのくせ多くはミュージシャンたち自身には関心のない、旧来のエージェントたちに搾取されることに、我慢ならなくなって来ています」と彼は語った。「Encoreは、業界に心底求められている透明性を提供するのです」。

サイトは以下のような流れで使うことができる:イベントを登録する人は、単に使いたいミュージシャンやバンドのタイプを登録する、同時に楽器、ジャンル、そして時間と場所といった詳細も入力する。Encoreはその情報を基に、条件に合う登録済みのミュージシャンやバンドのモバイルアプリに対してアラートを送信する。

対応可能で興味を持ったミュージシャンは、見積額と共に返事を送ることができ、予約を求めている側はそれを受けてミュージシャンのプロフィールやSoundcloudなどのリンクを確認することができる。そして実際の予約を行う前に追加の質問を行うことも可能だ。支払いはその後Encoreによって処理される。予約処理手数料は15パーセントである。

「顧客に、対応可能ではないかもしれないミュージシャンの一覧を閲覧させる代わりに、顧客には1件の問い合わせだけをお願いし、それを近隣のパフォーマーたちに送信するのです」と、McAulayは説明した。「出演可能な演者たちは、平均20分位で対象イベント用にカスタマイズした見積と共に返信してきます。これによって顧客はそこから選択可能な短いリストを得ることができるのです。迅速で、簡単で、効率的ですよ」。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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