日本の未公開ベンチャー企業による資金調達の総額が、2016年の1年間で2000億円を突破し、2006年以降で最高額となったことが、ジャパンベンチャーリサーチ(JVR)による集計で明らかとなった。
2006年から2013年まで下降・低迷していた未公開企業の資金調達総額だが、2014年以降は増加に転向。2014年は1390億円、2015年は1716億円となり、2016年にはさらに増加の勢いが加速し、2006年の集計開始以降で最高額の2099億円に到達した。これは対2015年比で22%以上の伸びとなる。
一方、資金調達を行った企業数は2015年の1192社に対し、2016年は979社。集計は2017年4月28日時点のデータをもとに行われているため、今後増加は見込まれるが、2015年に比べると減少傾向にあるとJVCは報告している。
1社当たりの資金調達額がより大型化
総額の上昇と社数の減少から推測できるのが、1社当たりの資金調達金額の大型化。これを裏付けるのが、1社当たりの資金調達額の中央値と平均値の集計値だ。
2015年、2016年は過去と比べて特に大型化が顕著だ。2016年の1社当たりの資金調達額の中央値は1億円、平均値は2億9610万円と3億円に迫る金額で、いずれも2006年以降で最高額を記録している(下記グラフ)。
実は、こうした資金調達の活発化、大型化は資金を投資する側にも見られる。2017年3月にJVRから発表されたレポートによれば、2016年のファンド総額は2763億円と2008年以来最高を更新している。