FCC(米連邦通信委員会)は、「国家安全の脅威」と考えている企業の機器に流れる資金を断つ計画を最終的に承認した。対象となる企業はHuawei(ファーウェイ)とZTEだ。
通信インフラ展開のための購入代金を助成するのに使われるFCCのユニバーサルサービス基金の85億ドル(約9200億円)は、この2社の機器に一切当てられなくなる。
「我々は記録にある証拠と、行政ならびに立法府の長年の懸念に基づき、今回の措置をとる」とFCCのAjit Pai(アジート・パイ)議長は声明文で述べた。「2社とも中国の共産主義政権、そして軍事品と深く結びついている。そして両社とも、中国の情報部からの要求に協力し、そうした要求を秘密にする義務があるという中国の法律を守らなければならない。2社はこれまで知的財産の侵害、贈賄、汚職を行なってきた」。
この2社は数年間にわたって米国の綿密な調査の対象となってきたが、疑わしいハードウェアの販売にかかる容疑は漠然としたものだった。しかし2019年初めの物議を醸したファーウェイのCFOである孟 晩舟氏の逮捕によってヒートアップし始めた。言うまでもないが、2社はすべての容疑を断固として否定してきた。
中国と米国の関係がいっそう複雑になるにつれ、ZTEとファーウェイが米国で事業を展開し、米国企業と取引をするのはさらに難しいものになった。FCCの新しいルールは、実際には物事がエスカレートする前に委員会のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンワーセル)委員が提案していたものだ。
「これは難しいことではない」と今回の新ルールに伴う声明文でローゼンワーセル氏は述べている。「国の基金が国家の安全を脅かす機器の購入に使われるべきではないという結論に至るのに18カ月もかかったのはおかしい」。
しかし、政府が広く混乱している現状を考えると、細部を理解するのは難しいかもしれない。例えば、今年の夏、米企業がプロダクトをファーウェイに販売するのは違法になりそうだった。だがそうはならなかった。ちょうど昨日、何人かの上院議員は商務省がファーウェイと取引をしている企業にライセンスを発行したことに抗議した。
本日協議され、まだ承認されていない別の提案では、ユニバーサルサービス基金を受け取っている通信事業者に対し、すでに設置したファーウェイとZTEの機器を撤去することを求めている。
明らかに、小規模の通信事業者がこうしたルールに従うのは経済的にかなりの負担になる。ただ、これに対してはパイ議長が言うように策がある。それは「こうした要件による影響、特に小規模で地方の事業者への経済的負担を和らげるために、より信頼できるベンダーの機器に交換するコストの相殺を支援する払い戻しプログラムの導入を提案する」というものだ。
画像クレジット: Bryce Durbin / TechCrunch
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(翻訳:Mizoguchi)