英国のチャレンジャーバンク(新興のインターネットバンク)であるMonzo(モンゾ)は、新型コロナウイルス危機による経済低迷を受け、苦しい決断を迫られ続けている。
ラスベガスのカスタマーサポート部門の閉鎖(未訳記事)と、英国内で300名のスタッフを在宅待機としたのに続き、同社は最大120名の英国スタッフが余剰人員となることを社内で発表(Reuters記事)。筆者も独自の情報筋を通じて確認した。
6月3日午後に新CEOであるTS Anil(TS・アニル)氏とMonzoの共同創業者でプレジデントのTom Blomfield(トム・ブロムフィールド)氏が開催した全社会議のあとにアニル氏が書いた社内メモによると「同社は最大120名の余剰人員が発生する。会社は自宅待機と賃金カットがすでに行われたことでそれ以上の解雇は回避できる可能性がある(未訳記事)」と語っていた。それはもはやありえないことのようで、アニル氏は現在の経済状況がすぐに平常状態に戻ることはないと説明している。
私の理解によれば、英国雇用法により、影響を受ける可能性のある社員には十分な相談期間が適用される。さらに同氏は社員に対して、これまでの貢献を認め、解雇によって株式の受給に影響がないように配慮することも伝えた。
解雇予定の発表は、最近続いているMonzoの混乱に続くものだ。他の多くのフィンテック企業と同様、新型コロナによる経済低迷から身を守るべく手を打ってきた。
去る4月に私は、Monzoがラスベガスのカスタマーサポート部門を閉鎖し、 165名の米国スタッフが職を失う(未訳記事)ことを報じた。そのわずか数週間前にも、英国のコロナウイルス雇用維持スキームによって、最大295名の社員を自宅待機にしたこと(未訳記事)をTechCrunchで報じた。さらに、経営チームと取締役会は、25%の自発的減給を行い、プロムフィールド氏は、今後1年間報酬を受け取らないことを決めた。
ほかの銀行やフィンテックと同じく、Monzoは顧客のカード利用が国内も(もちろん)国外も低迷し、交換手数料による売上は著しく減少した。同社は数少ない収益源のひとつである消費者向けプレミアム有料口座の導入も延期した。ほかの収入源はもちろん融資だ。
そして先週、Monzoは7000万~8000万ポンド(約95億6300万〜10億9300万円)の追加資金調達を完了し新型コロナ危機下の延命を図った(Sifted記事)ことが報じられた。しかし、新規投資家や一部の既存投資家の対応は強硬で、同社は前回昨年6月のラウンドで20億ポンド(約2730億円)だった会社評価額を40%減額されることを受け入れざるを得ず、新たな評価額は12.5億ポンドとなった。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )