スタティックなWebサイトでよい、という場合がある。HTML5と最新のJavaScript環境(各種の既製ライブラリ、フレームワークなど)があれば、スタティックなサイトからでも相当複雑高度なサービスを提供できる。来週ローンチするが今からでも使えるサービスBraceは、簡単で使いやすいスタティックホスティングサービスには今後の相当大きな市場がある、と考えている。
協同ファウンダのCole Krumbholzによると、このサービスがねらっている主な用途は、Webデザイナーがデベロッパやサーバ技術者抜きで、自分だけで、自分の作品をサイトとしてローンチすること。そのためにセットアップやサーバ管理の知識は何も要らない、というもの。Braceのユーザがやることは、Dropboxの指定されたフォルダにファイルをアップロードするだけだ。するとBraceが、Amazonがホストしているサーバを使って、それらをサイトとしてローンチする。
そのときBraceがなかなかニクいのは、開発サーバ(development server)と本番サーバ(production server)を使い分けることだ。最初のうちは、ファイルはすべて開発サーバへシンクする。そうするとユーザはサイトをどんどん進化させられるし、いろんなことのテストができる…本番サーバをクラッシュさせる心配がない。そして最終的にOKとなったら、BraceのWebインタフェイス上の”ship”ボタン*を押して、サイトが一般社会へデビューする。〔*余計な訳注: “publish”ボタンの方がよいんじゃない?〕
URLはユーザが指定できるが、やや面倒なのはそれだけで、あとは何もかもきわめてシンプルだ。ただしKrumbholzによると、将来的には複数ユーザがコラボレーションできる機能を加えたい。
Dropboxの利用は、KrumbholzがバックエンドサービスのBackliftでもやっているが、デベロッパが特定の開発環境…エディタなど…にまったく縛られないというアドバンテージがある。Braceが提供するのは、彼らが作ったコンテンツをWebサイトとしてホスティングする、それだけだ。何の縛りもない。Krumbholzによれば、ホスティングサービスは歴史の古い単純なサービスのようだけど、実はユーザビリティの改良の余地はきわめて大きい。彼は、ホスティングは“過去に閉じ込められている”、と言う。しかもこれまでは、デザイナー向けツールもその多くがあくまでもデベロッパのワークフローに奉仕していて、デザイナー自身にとって快適に使えるものではなかった。
Braceの料金プランは2種類あり、月額2ドル99セント(年額19ドル99セント)のプロトタイププランは、サイト数やドメインの制限はないが月間ビューが1000までだ(テスト用ないし顧客へのプレゼン用か)。月額12ドル99セント(年額59ドル99セント)のパーソナルプランは、ビューの制限もない。しかもこれらのサイトはAmazonのCDNであるCloudFrontを使うから、デリバリに不安がない。今後ローンチする予定のプロフェッショナルプランとエンタプライズプランについては、Krumbholz曰く、“これらのプランの提供機能は今のところ流動的だ”、とのこと。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))