2011年のTechCrunch TokyoのファイナリストだったクラシファイドのWishscopeは現在も成長中で登録会員数が4万人程度まで来ている。会員数としては少ないかもしれないが、その月間のアクティブ率は6割程度とまずまずの数字となっている。そのWishscopeを開発するザワットがカラオケルームを運営する鉄人化計画と組んで新たにカラオケのソーシャル化事業に参入する。
彼らが鉄人化計画と共同でリリースする予定のohaco(オハコ)はカラオケに特化したソーシャルネットワークだ。今日からその事前登録の募集が開始される。ところで、なぜカラオケのソーシャルネットワークなのかのか。その背景について、ザワットの代表取締役CEOの原田大作氏が教えてくれた。
最近は音楽の多様化によってカラオケを歌いにいったとしても歌いたい歌が人々によって異なってきていのだそうだ。それは、共通で楽しめるヒット曲みたいなものがなくなっているからだという。ただ、カラオケ好きというの一定層いて、どうしても自分の歌いたい歌がある場合は、ひとりでカラオケに行くのだそうだ。そういった自分が歌いたい歌の共通の趣味を持つ人たちをマッチングさせようというのがohacoの狙いだそうだ。
アニメソングだけを歌いまくりたいだとか、特定のビジュアル系バンドの曲だけを歌いたいだとか、仕事や学校の友達同士ではなくて、共通の音楽趣味を持つ人同士でのカラオケはこれまでの掲示板などで成立していたが、それを加速させようというわけだ。カラオケは確かに15年前のピークに比べて市場規模は半減しているが、そのニーズがなくなったわけではない。実際、Twitterで「カラオケ行きたい」と検索するだけでも驚くほどの結果が返ってくる。そういったニーズをマッチングさせるだけでもチャンスは大きい。
興味深いのは鉄人化計画が運営するカラオケルームのカラオケの鉄人のほうかもしれない。彼らはドワンゴと提携してボーカロイド系の楽曲をカラオケルームで配信するなど、ほかの大手カラオケルームとは違ってたくさんの楽曲を揃えている。このため、ニッチなファン層を満足させるだけの設備を提供できるわけだ。鉄人会計画の有料の会員制のモバイルサイトも順調に成長していて、ohacoはこのサイトと連携を図っていく。なお、ohacoは当初はiPhoneアプリでの提供になるとのことだった。
ザワットではWishscopeだけでなく、こういったニッチなソーシャルメディアを立ち上げることでWishscopeとの連携を図って相乗効果を高めていこうとしているのだそうだ。実際、ohacoに投稿された「〇〇の歌を一緒に歌ってくれる人募集」といった内容のものをWishscope側にも掲載していくという。今後はカラオケだけではない分野にも参入したいとのことだった。
ザワットはこれまで5,500万円の資金調達をしている。主な投資家はサイバーエージェントベンチャーズ、Net Capital Partners、松山太河氏(個人)、みずほキャピタル、SMBCキャピタルなど。