Excelを誰でもアクセスできる水平的なプロダクトにするCausalが4.5億円調達

Causalの創業者たち

ExcelやGoogleスプレッドシートにできるのは、限られた方法で行う純粋な数値演算だけだ。英国の新進スタートアップCausalはこの制約を取り除きたいと一念発起し、ついに高名なVCであるAccelからの420万ドル(約4億5000万円)のシードラウンドを調達した。これまでの投資家であるCoatueとPassion Capital、Verissimo Ventures、Naval Ravikant、そしてVaradh Jain(バラド・ジャイン)氏らも参加した。これでCausalの資金調達総額は550万ドル(約5億9000万円)になり、同社はその資金で技術者を増員し、2021年5月にProduct Huntでローンチしたいと考えている。

スプレッドシートは企業の日常に欠かせないものになっているが、その使われ方は営業、財務など部署によって大きく違う。Causalは基本的な使い方を統一することによって、データドリブンでコラボレーションも可能な使い方を導入しようとしている。

2019年にTaimur Abdaal(タイムール・アブダール)氏とLukas Köbis(ルーカス・ケービス)氏が創業したCausalは、Excelを超えるものを志向し、手始めにスプレッドシートの基本である「式」に手をつけた。Causalによると、同社の式は「Profit = Revenue – Costs(利益=売り上げー原価)」のように「やさしい英文」のように読むことができる。さらに同社は、Excelと同じモデルを作るために必要な式の数が、CausalではExcelの100分の1で済むと主張している。

CEOで共同創業者のタイムール・アブダール氏は声明で次のように述べている。「事業計画や予測は企業のすべてのチームが関与すべきですが、スプレッドシートが複雑すぎるため財務だけの仕事になっていることが多い。私たちはそのプロセスを、すべてのナレッジワーカーが使える真に水平的な全員参加型のプロダクトでできるようにしたいと考えています。私たちの旅路の次の段階にAccelが参加してくれたことは、とてもうれしい」。

さらにアブダール氏は電話インタビューで次のように語っている。「Causalを始めたのは、スプレッドシートで数を扱うことが非常に難しいことを、いろんなところで見てきたからです。理解困難な難解な式がたくさんあるため、スプレッドシートの80%にエラーがあります。また実のところ、スプレッドシートは企業が使っている他のツールとまったく接続していません。多くの場合、財務チームは社内のあちこちで数日手作業してからやっと会計システムからデータを取り出せるようになります。これが、私たちが解決しようとしている問題の一部です。現在はわずか5名の、技術者ばかりの小さなチームですが、注力しているのは、企業のすべてのチームが数値演算に利用できる極めて水平的なプロダクトです。シード資金はとてもありがたいものであり、これまでやってきたことにさらに傾注できるようになります」。

一方、AccelのパートナーであるSeth Pierrepont(セス・ピエールポン)氏は次のような見解だ。「複数のチームと複数の一次データソースにまたがるような巨大なスプレッドシートは、作るのも管理するのも大変です。タイムール(・アブダール)とルーカス(・ケービス)には才能があり、プロダクトにフォーカスした創業者で、彼らは誰もがよく知っているExcelのような直感的なインタフェイスをデータの統合とコラボレーションの機能および高品質な視覚化でパワーアップしました。さらに、彼らはデータサイエンスと数学の能力を生かして、ユーザーがさまざまな高度なモデルを最初から利用できるようにしています。そのため、すべてのユーザーが、強力な予測能力を装備し利用することができるのです」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Causal資金調達スプレッドシート

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

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