TikTok(ティックトック)は米国時間5月20日、クリエーターがオンライン上の誹謗中傷に対処しやすくするための機能を導入した。新しいツールは、コメントの削除とユーザーのブロックを一括で行えるもので、1件ずつコメントに対応する必要がない。ただしこのアップデートには賛否両論がある、なぜなら、実際には多くの反論や訂正がTikTokコミュニティから寄せられている自分の投稿を、あたかも好評であるかのようにクリエーターが印象づけることができるからだ。
Twitter(ツイッター)も過去に同様の問題に直面したことがあり、最終的には、投稿主に会話の管理権を与えることと、その判断をTwitterユーザー全体に委ねることの間をとった。Twitterの「Hidden Replies(返信を非表示)」機能では、投稿者は役に立たない失礼なコメントをクリックの背後に隠すことができる。つまり、コメント自体は削除されないが会話を妨害することは許さない。
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それに対してTikTokは、クリエイターに全権を委任する。これはFacebook(フェイスブック)近いアプローチで、Facebookでは自分のプロフィールに現れたものは何でも削除できる。自分の投稿につけられた気に入らないコメントも。
TikTokの選択はおそらく正しい。なぜなら、このソーシャルネットワークは主に動画を通じて会話するように作られているからだ。デュエットやスティッチなどのビデオフォーマットによって、TikTokユーザーはサイト上の別のコンテンツにリアクションしたり返信したりするだけでなく、クリエイターのプロフィールを褒め称える新たなコンテンツを作ることもできる。中にはこれを使って自分を有利にしようとするクリエイターもいる。彼らはまず自分と相容れないコンテンツを見つける。多くの場合「悪い意見」と誤情報に関するルール違反の間にあるものだ。つぎに、デュエットまたはスティッチ(あるいはグリーンスクリーン・デュエット)を使ってそのコンテンツの主題に対する自らの意見をシェアする。
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ただし、この方法は怒ったファンの軍団を他のビデオに送り込み、そこで元の投稿者に対する荒らしや嫌がらせを進行させる恐れがある(そういうリアクションが起きる可能性は、投稿に対する本人のスタンスと主題の政治的内容による)。
TikTokはそういう使い方を「遺憾である」と述べている。TikTokで一躍スターダムへと上りつめたティーンエージャー少女でフォロワー1億1600万人のCharli D’Amelio(チャーリー・ダメリオ)氏をはじめとする早くからのスターにとって、そういう面はたしかにある。ダメリオ氏は自らのオンライン人気の影の部分について話し始めていて、増え続ける批判にさらされてもはやTikTokで喜びを見いだすことは難しいと言っている。悪質な嫌がらせコメントやボディシェイミング(体形をけなす行為)、さらにはインフルエンサーらの本質的に競争的で不誠実な行動への対応などだ。
新たな一括削除機能はこうした問題を解決するわけではないが、クリエイターはコメントセクションを一掃し、荒らしをすばやくブロックできるようになることで、自分のプロフィールの外見をある程度復旧できる。
新機能を使うには、コメントを長押しするか右上隅の鉛筆アイコンをタップしてオプションウィンドウを開く。そこで最大100件のコメントまたはアカウントを選択して、複数のコメントを削除または報告したり、ユーザーまとめてブロックすることができる。
TikTokは、新機能はまず英国、韓国、スペイン、アラブ首長国連邦、ベトナムおよびタイで公開し、数週間のうちに米国を含む全世界に展開する、と言っている。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTok、誹謗中傷、SNS
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook )