[コンラッド・エグサによる寄稿]
まずは、この記事を寄稿する機会を与えて頂いた、スコット・モンティに感謝の意を伝えたい。
現在、企業のPRは、今まで以上に重要度を増している。この記事では、皆さんの企業のPRをさらに改善してもらうことを願って、PRのプロセスを分解して説明していく。
今回の投稿は、VentureBeatのライターとしての経験、 南米で2番目に大きな英語のニュースメディア「Colombia Reports」の共同オーナーとしての経験、そして、マーケティング代理店のBrownstein & Egusaの創設者としての経験を基に綴っている。 質問がある方は、コメント欄で尋ねてもらいたい。喜んで答えさせてもらう。
PRのプロセスの概要
企業は、待望の発表を行う際、プレスリリースを介して、メディアに伝える取り組みを行う。ジャーナリストのeメールアドレスにプレスリリースを送る企業もあれば、techcrunch.comのように一般的なメディアに接触する企業もある。
企業にとって難しいのは、ジャーナリストには、同じように大勢の消費者に知ってもらいたい企業から、多くの依頼が舞い込んでいる点である。
そのため、ターゲットのオーディエンスに接触する前に、狙いがはっきりしない、あるいは、適切ではないeメールを読むことに飽きた、疲れ気味のレポーターに注目してもらわなければならない。
この記事では、メディアで会社の特集を組んでもらう方法を説明していく。PRのプロセスでは、以下の構造が適用されることになる:
- ジャーナリストに接触するべきストーリーを認識する。
- 説得力のあるプレスリリースを作成する(冒頭から)。
- 知名度の高いメディアでの独占記事を確保する。
- さらに取り上げてもらうために多くのメディアにeメールを送信する。
- 3-4ヶ月おきに、このプロセスを新たな告知で繰り返す。
全てのニュースが取り上げる価値を持つわけではない
PRに初めてアプローチする際は、ジャーナリストに接触するべきストーリーを特定する必要がある。
残念ながら、ジャーナリストは、会社のニュースに興味を持っていない。例外はあるものの、例えば、ホームページのデザインを変更したニュースは、TechChrunchで取り上げてもらえないはずだ。
メディアに、常に登場することは重要だが、取り上げもらえる可能性が低いストーリーをジャーナリストに宣伝していると、信用を失ってしまう。
取り上げてもらえることが多い告知のタイプを以下に挙げていく。実際に該当する告知を用意しているなら、PRを行うために活用してもらいたい:
- 会社の創設
- 資金調達
- 製品の立ち上げ
- 買収
- 販売の目標達成(モバイルデバイスによる250,000回のダウンロード等)
冒頭から全力を出す
ストーリーを特定したら、次に、プレスリリース、つまり、ストーリーをジャーナリストに説明するためのメディアの作成に取り掛かる。
取り上げてもらいたいなら、ジャーナリストがオーディエンスに向けて記事を書くことが出来るように、ストーリーを受け入れてもらえるeメールとプレスリリースを作成することを肝に銘じておくべきである。
現実の世界では、どれだけ第一印象が重要であっても、後で挽回する機会が与えられる。しかし、プレスリリースには、このルールは適用されない。
1行目で、後続の文章を要約する必要がある。なぜなら、1行目で要約に失敗し、説得することが出来ない場合、残りの文章を読んでもらえる可能性は事実上ゼロになるためだ。
プレスリリースの1行目では — なぜ注目する必要があるのか?と言う疑問に答えなければならない。これが「ストーリーライン」と呼ばれるものだ — 業界にとって、そして、読者にとって、会社、または、製品の何が、そして、なぜ重要なのかを説明することになる。
ストーリーラインの例を紹介しよう:
スタンフォード大学の博士号取得者 & パートナーは、言語のオンライン学習に革命を起こすことを目指し、2年の開発期間を経て、Lingua.lyに対して500,000万ドルの資金を調達することに成功した。
大胆に、そして、興味を引くことが重要である — 曖昧になり過ぎるのは良くないが、かと言って、過度に具体的な情報を提供するのも良くない。説得力のあるストーリーを求めて、大量のeメールに目を通すことに疲れて切っている人物に注目してもらう必要がある点を忘れないでもらいたい。
1行で、書き手/読み手は、書く価値のあるものが存在するかどうか、そして、読む価値のある良質なストーリーがあるかどうかを判断する必要がある。
社会的証明
プレスリリースで社会的証明を提供するスキルが、成功を左右する。ジャーナリストは、自分、もしくは、会社のことを何も知らないと仮定しなければならない。
有名な大学を卒業したなら(スタンフォードやハーバード)、知名度の高い会社に勤務したことがあるなら(Facebook、Twitter)、何らかの賞をもらったことがあるなら、あるいは、経歴で何かしら特筆すべきことがあるなら、早い段階で紹介しておこう。
上のストーリーラインでは、この会社の創設者がスタンフォードの博士号を持っていることが分かる。ジャーナリストの注目を出来るだけ早く掴むことが肝要である。
最終的に多くの情報を伝える
質の高いストーリーを作るために必要な情報を全て手に入れた(そして、その他のデータを得るために、調査する必要がない)と自信を持って言える状態が理想的だ。
強調するべきポイントの概要を提供したら、次に情報を与える必要がある。出来るだけ多くの情報を与えよう。公平な視点で、この作業を行えば、ジャーナリストに、情報をより信頼してもらえるようになる。ここに具体的なプレスリリースの例を用意しているので、興味があるなら、是非チェックしてもらいたい。
独占記事を使ってPRにアプローチする
現代のニュースは、熾烈な競争を繰り広げる、多忙な業界であり、最新のストーリーを伝えるためにあらゆるメディアがしのぎを削っている。
プレスリリースを配信したいなら、特に人気の高いメディアに告知への独占的なアクセス権を与えることを薦める。
疲れ切った、過労気味のライターは、その他の大勢の疲労困憊のライターに売り込まれていることを感じると、そのストーリーに飛び付かなくなる。一方、オリジナルのコンテンツを伝える唯一のチャンスを与えると、注目してもらえる確率は高くなる。
大半の企業は、独占によって、注目度を高め、適切なソースに取り上げてもらえるようになる。
PRをドミノのようなイメージでとらえてもらいたい。 間違った駒を倒しても、何も起こらない。しかし、正しいメディアでストーリーを配信すると、規模の小さなメディアが後を追うようになる。運が良ければ、大手メディアが、探りとして利用している業界固有のソースからストーリーを取り上げる可能性がある。
さらにメディアへの露出を要請する
独占記事を確保して、記事がオンラインで配信されたら、その他の多くのメディアにeメールを送信し、掲載を要請すると良いだろう。 無料のテクノロジー分野のライターのリスト(eメールアドレスとTwitterのハンドル名付き)を時間をかけて集めたので、活用してもらいたい。
3-4ヶ月おきに報道する価値のある重要なストーリーを用意することが、PRの目標である。これを実現することが出来れば、トップ 10%どころから、1%に食い込むことが可能になるはずだ。
最後になるが、今一度、この投稿の機会を与えて頂いたスコット・モンティに感謝の意を伝えたい。私が答えることが出来る質問をお持ちなら、コメント欄で問い掛けるか、あるいは、conrad (at) brownsteinegusa.comにeメールを送り、尋ねてもらいたい。
この記事は、Scott Montyに掲載された「PR Advice from Former VentureBeat Writer」を翻訳した内容です。