Appleは、密かにキーボードアプリを開発するスタートアップのDryftを買収していた。TechCrunchでは買収は昨年の終わり頃に行われたという情報を得た。
Randy MarsdenのLinkedInのプロフィールから、買収時期を推測できる。彼は昨年の9月にAppleに入社したと記されている。MarsdenはDryftのChief Technology Officerを務めていた。また彼はSwypeの共同ファウンダーでもあり、今はApple内のキーボード開発を牽引している。AppleがDryftの資産、それともMarsdenを含めたメンバーの才能のどちらに重きを置いて、買収に至ったのは定かではない。最終的な契約金額といった内容も開示されていない。
AppleはTechCrunchに対し、Appleは小さめのテック系企業を随時買収していると認め、その目的や計画について開示する予定はないと伝えた。この文言は、今回の買収が事実であることを示唆している。
Dryftは2013年に開催されたTechCrunch Disrupt startup battlefieldのファイナリストであった。
Dryftのキーボードは、ユーザーがディスプレイに指を置いた時にだけ画面に表示される。スクリーン上のキーボードとしてはユニークな手法だ。このキーボードは指の動きを感知できるタブレット用に開発された。iOS 8のリリースから、Appleは開発者が自由に端末のキーボードを変えることを可能にした。これによりSwypeやSwiftKeyのようなスタートアップが、iPhoneのキーボードをカスタマイズできるサービスを制作してユーザーに提供できるようになった。
この動きはAppleにとって重要な意味がある。キーボードのカスタマイズアプリは、Google Playで最も人気があり、利潤の高いアプリだったからだ。キーボードは自由にカスタマイズできることが、AndroidをAppleと差別化し、魅力的なポイントでもあった。今までAppleはAPIやその他の機能の公開に対し、慎重な姿勢を取っていた。
しかしそれはAppleのiOS 8のリリースから一変した。ユーザーはこぞってキーボードアプリをダウンロードし、早くもそれらのアプリがApp Storeの上位に登場するようになった。
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