手数料ゼロの株取引アプリRobinhoodがNEAから5000万ドルを調達し、グローバル展開へ

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アメリカでの株取引の取引手数料は7ドルから10ドルでそれでも高いと感じているなら、オーストラリアは更に高い65ドルだ。アメリカで何十万人規模が利用する人気の手数料無料の取引アプリRobinhoodは、海外展開を目指す。最初の目的地はオーストラリアだ。

「歴史上最大のベンチャーキャピタル企業がラウンドに参加したことは、カスタマーにとって安心できる材料となるでしょう」と共同ファウンダーのVlad Tenevは私に話した。ユーザーの25%は、初めて取引をするトレーダーで、Robinhoodのユーザーはこれまで、このアプリで5億ドル相当の取引を行い、1200万ドル分の手数料を節約した。

全ての人に株取引を

Robinhoodは、裕福な人はオンライン株取引会社に手数料を支払わなくてもすむように、そして貧しい人でも株取引ができるようにするというミッションを着々と遂行している。このスタートアップは、スタンフォード大学を卒業したTenevとBaiju Bhatt (開示情報:TenevもBhattも大学からの私の友人だ)が2013年に立ちあげた。その前に、トレーディングアルゴリズムと投資銀行ソフトウェアのスタートアップで実力を試していた。

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二人は協力してRobinhoodのiOSアプリを開発した。このアプリでは、株の動向を確認したり、手数料無料で取引を行ったりすることができる。 E*Trade や Scottradeといったオンライン取引サービスは取引毎に7ドルから10ドル程度かかる。何十万、何百万、何千万ドルもの大金を投資しているような裕福な人にとって、そのような手数料分は問題にはならないだろう。しかし、少額しか投資していないのなら、株価が上がったとしても手数料が利益を上回ることもあり、取引で利益を得るのが難しくなる。手数料を省くことで、今まで株取引を行わなかった若い人や大金を持っていない人でも、取引を始めるハードルを下げることができる。

Robinhoodは、2013年の暮れのシードラウンドでIndex VenturesとAndreessen Horowitzから300万ドルの資金調達を行った。SECから承認され、セキュリティも万全に整えた上で、Robinhoodは2014年2月に、サービス開始までの予約表を公開 した。9月にIndexが牽引したシリーズAで1300万ドルを調達したころには、予約表には50万人もの人が登録し、サービスの開始を待ち望んでいた。12月にはアプリのベータ版の提供が開始され、3月に正式にローンチし、既にApple Watch対応も行っている。

これはRobinhoodのデモ動画だ。

資金を動かすための資金調達

NEAが牽引し、新たにVaizra Investments、そして既存の投資家であるIndex Ventures、 Social Leverage、 Ribbit Capitalが参加したラウンドで得た5000万ドルでRobinhoodは海外市場に進出する予定だ。Robinhoodは累計で6600万ドルの資金を調達したことになり、NEAのKittu KolluriとIndexのJan HammerがBhattとTenevと共に役員として参加する。それだけの資金が口座にあれば、Robinhoodは消えてなくなったりしないと安心感につながるだろう。

この資金は、エンジニアとデザイナーで構成された30名のRobinhoodのチームにとってAndroid版の開発と、海外展開を進める元手となる。Tenevは、「私たちの最も重要なミッションは、世界中で使える、最高の投資サービスを提供することです。国際的にみると、投資環境は良いとは言えません」と話した。手数料がアメリカよりも高いことが主な理由だ。

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本日からRobinhoodは、オーストラリア国民に向けたサービスの予約表を公開した。この国を選んだのは、手数料が高いが、英語を話し、法制度のフレームワークが比較的シンプルだからだ。アプリに認証されれば、オーストラリア国民は、国内サービスだと通常65ドルかかるアメリカの株式やETFの取引が無料になる。

カナダとイギリスは次にRobinhoodの需要が高い国だ。Tenevは、一カ国ずつ進出してグローバル化を進める予定だと話した。Tenevは今後「その国の株式市場の中心地や銀行と協力できないか、調査していく予定です」と言い、ユーザーが自国の株取引も行えるようにしたいと話した。

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ソフトウェアが地元の商店に取って代わる

昔ながらの形態の競合とは異なり、Robinhoodは実店舗を持たないために急速にスケールすることができた。実店舗はコストがかかるので、E*TradeやScottradeの手数料も高くなるのだ。

代わりに、Robinhoodはアプリで行われている大量の取引から、そして頻繁に取引を行う投資家に対して追加機能を提供することで利益を得ようと考えている。現在、マージン取引を検討している。ユーザーは売却した株で得た利益が口座に反映されるのは通常数日かかるが、マージン取引では、得た利益で次の株をすぐに買うことができる。Robinhoodはマージン取引の機能をプライベートベータ版で試していて、取引の3.5%を得ようと考えている。ただ、その比率は全ユーザーに公開される時に変更される場合もある。

Robinhood founders Baiju Bhatt (left) and Vlad Tenev (right)

RobinhoodのファウンダーBaiju Bhatt (左)と Vlad Tenev (右)

 

Robinhoodは二年弱で6600万ドルの資金を調達した。この驚異的な早さは、コンシューマー向けソフトウェアが昔ながらの商店のビジネスを飲み込むポテンシャルを表すものだ。物理的な資産、公共設備、人員、店舗の出店にお金をかけずとも、数人のモバイルエンジニアで、同様のプロダクトを低価格で提供することができる。スーパーボウルの広告宣伝ではなく、バイラルトラフィックを活用し、全員から料金を徴収する代わりに、主要顧客に対してだけプレミアム機能を提供することができる。

もし私が、古いオンライン株取引企業に投資していたのなら、今すぐにでもブローカーに電話して、それらの株を全部売却してほしいと伝える。誰も株取引に手数料を支払ったりしなくなるだろう。アプリで無料でできるのだから。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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