国家安全保障局(NSA)は、Verizonの携帯電話ネットワーク全通話の利用情報を秘かに収集している。「包括的指示に基づき、両通話者の電話番号、位置情報、通話時間、個別識別子、時刻等が引き渡されている」とThe Guardianが報じている。同紙は、Verizonに情報提出を要求する裁判所命令の記録を入手した後、この極秘プロジェクトの記事を特報した。
通話内容は記録されておらず、この大規模なスパイプロジェクトに協力している携帯電話会社がVerizon一社だけなのかどうかも不明だ。
このいわゆる「メタデータ」によって、政府は「ある人物と電子的に連絡を取った人全員の個人識別、通話時間、通話した場所と時刻」を知ることができるとGuardianは説明している。
テクノロジーに精通している上院メンバーであるRon Wyden議員(CrunchGov Grade:A)は、この種の内密に行われる政府プロジェクトについて、以前から国民に注意を喚起していた。「大多数のアメリカ人が法律上許されると考えていることと、政府が秘かに法が許していると主張していることの間には、著しい隔りがある」とWydenおよびMark Udall上院議員は、渦中のエリック・ホルダー司法長官に向けて書いている。
命令は、2001年ブッシュ政権時代の愛国者法(50 USC section 1861)の条項に基づいて発せられたものと思われる。今回の記事は、過去の大がかりな政府スパイプロジェクトに関する類似の暴露記事とも符合する。その中には国のデータベースを突き合わせて、テロに関係する可能性のあるパターンをすべて洗い出すプロジェクトもあった。
昨年の終り、私はこの種のビッグデータによるスパイプロジェクトに関して、国民が真剣に憂慮すべきいくつかの実害について書いた。政府に批判的な国民への脅迫など大胆な空想に思われたが、それも国税庁がティーパーティーのグループを監視し、ジャーナリストが盗聴されていたことを知るまでのことだった。政府内部の非道な連中は、国家安全プログラムを政治的に乱用することを好むため、われわれが(なおのこと)政府のスパイ行為を疑う結果につながっている。
国家安全のため、政府には一定の秘密性が必要だ。しかし、それは情報が注意深く用いられるという国民の信頼に基づいてこそ正当化される。スキャンダルが報じられるたびに、この種のプログラムの正当性に対する疑問は増すばかりだ。
いずれにせよ、これはVerizonにとって膨大な広報災害だ。AT&Tにもかつてスパイ疑惑はあったが、不幸は未だに企業を愛しているようだ。Verizonとしては、何とかして他のキャリアーも関与していることを示唆したいところだろう。もし、関わったのが実際にVerizonだけでないとしたら、近い将来われわれの知るところとなるだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi)