Hyperloop Oneは、ネバダに設置されたDevLoop軌道において、フェーズ2テストを成功させたばかりだが、同社は既に次のステップに進んでいる。
私はCEOのRob Lloydに、Hyperlop OneのXP-1ポッドによる時速約310キロの最高速度記録はどのように達成されたのかについて尋ね、そして現時点における、さらなる技術的試験とビジネスの両方について話を聞いた。
現行の1620フィート(約500メートル)の長さのテストトラック上で達成可能な、最高速度時速250マイル(時速約400キロ)まで段階的に速度を上げていくことは別にするとして、テスト設備の次のステップは、将来のハイパーループのルートに沿った駅で、XP-1ポッドへの乗客と貨物の乗降を可能にするための、エアロックシステムの構築だ。
「私たちは現在、ポッドとの乗降を可能にするために、エアロックシステムのコンセプトを実際に導入し始めている段階です、このことは駅やその他システム全体のデザインに影響を与えます」とLloydは語った。「次の大きなステップは、エアロックといくつかのコア技術のさらなる開発です」。
さらなる技術的試験には、Devloopのテストトラックの拡張も含まれるかもしれないが、Lloyd自身はHyperloop Oneがその拡張を本当に行なうかどうかは、未定だと付け加えた。チームは、実際の商用システムで実現可能な、テストポッドの理論上の最高速度時速700マイル(時速約1126キロ)を達成するためには、さらに2000メートル(約1.2マイル)のトラックを追加する必要があると考えている。「加速の数字は私たちが予測したパターンに正確に従っています」とLloydは付け加えた。そうしたスピードを実世界で達成可能であると彼は確信している。
5月のシステムトライアル以降、今回のテストに向けての準備も含めて、これらのテストのタイミングは、Hyperloop Oneの計画と完全に一致してきたとLloydは言う。その中には磁気浮上トラックの延伸、チューブ全体の減圧、そしてモーターとガイダンスシステムのアップグレードなども含まれ、こうしたことが会社の計画通りに進行していると彼は述べている。Lloydは、これらはすべて、華氏115度(摂氏46度)を超える砂漠の気温の中で行われたということも強調している。
一方、これらのテストは、Hyperloop Oneを、政府機関や交通規制当局を含む潜在的な商用パートナーとのさらなる協議の席に着かせる役に立つと、Lloydは述べている。同社は今、資金調達と必要な承認が確実に行われることを確認することに議論の焦点を当てることができる段階にある。Lloydはこのことにより、最初の完全に具体化されたプロジェクトの発表期日を調整したり、来年初頭までにパートナーの発表を行ったり、2021年までに最初の3つの実用Hyperloopシステム(乗客または貨物のどちらか)を運行させたりすることができると語った。
「現在会社の大きな節目となっているのは、Hyperloopテクノロジーで解決できると考えていたプロジェクトについて、世界中の政府や顧客たちと、商業的に深い話し合いを実際に持てていることです」とLloydは説明する。「私たちの焦点は今や、単なる技術ではなく商業化の段階へとシフトしているのです」。
Lloydは、HyperLop Oneがこれらのテストで達成したことの中で最も意義があったのは、実際に運行可能な速度を示すことができたことだと考えている。300人という比較的小規模のチームで、かつ10ヶ月という期間で、このフル機能でフルスケールのテストトラックとポッドを作成できたということを彼は強調した。彼はこのことが、潜在的なパートナーたちにメッセージを送ってくれることを願っている。具体的に言えば、Hyperloop Oneは話す準備ができているだけではなく、すぐに建設を始めることができるのだということを。
「顧客の皆さまには『カリフォルニアの会社が10ヶ月でこのようなものを作り上げることができているのに、どうして私たちは会議のために10ヶ月もかかっているのだ?』と、仰っていただいています」と彼は言う。「私たちの素早い動きは世界中のお客様にインスピレーションを与えました。既存の輸送会社が通常動く速さは、これとは対照的なのです」。
昨年10月に、Hyperloop Oneはフルサイズのシステムテストを実施するための資金調達を目標として、5000万ドルの資金調達ラウンドを発表した。そして今回その目標が達成されたとLloydは言う。彼は現在ならびに将来の資金調達計画については明言を避けたが、CFOのBrent Callinicosが前職のUber CFO時代に見せた「魔術」に似た能力に対して、Lloydは高い信頼を寄せていると語った。
Hyperloop Oneの本格的な商用化の前には、まだ長い道のりが残されているが、わずかながらでもシステムの実現可能性を示し、フルスケールで動作するHyperloopを建設する能力はあることを示すことができた。規制上の承認は、おそらく技術よりも困難なハードルとなるだろう。しかし彼らはその挑戦に喜んで立ち向かうつもりのようだ。
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(翻訳:Sako)