Airbnbを仕事にするのには大変な作業を伴う。鍵の受け渡し、清掃、緊急事態への対応などなど。部屋を貸し出すことは単なる受け身の収入源ではないのだ。だがVacasaがオーナーたちに、別荘管理のフルサービスを提供してくれる。例えばAirbnbやHomeAwayのようなトップレンタルプラットフォーム上で、上位にリスティングすることや、ゲストとゲストの間に地元の清掃御者を入れることなどが、そうしたサービスには含まれている。現在16カ国以上で、1万600件のレンタル別荘物件を管理している。
ピアツーピア住宅市場が成熟し、Airbnbが公開を目指す中で、未公開株式投資企業たちは、 Vacasaのように不動産のオーナーたちと直接の関係を保ってくれる企業の可能性を模索している。ということで本日(米国時間10月18日)Vacasaは、Riverwoodが主導するシリーズBブリッジラウンドで6400万ドルを調達したことを発表した。ラウンドには他にLevel Equity、Assurant、そしてNewspringが参加している。得られた資金はVacasaの不動産取引への拡大に使われる。同社は現在別荘を所有してそれを賃貸したいと考えるオーナーたちへの、物件販売を考えているからだ。
Vacasaは2009年から2015年にかけて、自己資金での印象的な成長を遂げた。「私はずっとレンタル別荘のファンです。友人たちや家族と一緒に旅行するときは、一緒に過ごせる共通のスペースを持つことが大好きなのです」とCEOのEric Breonは語る。彼はワシントン海岸にリゾートキャビンを購入した後に会社を設立した。彼はある春の週末をその場所の修繕に費やし、夏の間は手付かずのまま放置し、さらにもう1週間かけて修繕を完了させた。貸出に際して、彼は地元の不動産管理者を検討したが、彼らはそれを貸し出して得られる金額に関して、極めて少額の見積もりを返してきた。そこでBreonは、オーナーたちが手間をかけずに最大の収入を得られるように、Vacassを創業したのだ。
何年もの間ビジネスを有機的に成長させた後、Vacasaは2016年にLevel EquityからシリーズAで3500万ドルを調達し、その後Assurantから500万ドルを調達した。その後、2017年の秋には、シリーズBで1億350万ドルを調達した。今年は過去一年の成長によって裏付けられた新しい評価額の下に、新たに6400万ドルが上乗せされる。これにより、Vacasaの資金調達額は総額で2億750万ドルになる。
これはAirbnbが調達した44億ドルに比べれば、わずかな金額に過ぎない。しかしVacasaは、プロパティを自分自身で管理したくない層を相手にした、より成長の見込める市場に対応している。人気のリスティングサイトがたくさんあるため、Vacasaは簡単に宣伝することができる。しかし、この分野の他の大手企業も公開企業になるにつれ、より大きな利益を追求することを強いられて、長年に渡るVacasaとのパートナーシップを経て、最終的には競合相手に変わって行くことだろう。
だがBreonは自信を持っている。私が彼に、ビジネスに対する最大の既存の脅威は何かと尋ねたところ、彼は以下のように答えた。「おそらくもう失敗することはない地点まで到達できました。私たちはオーナーの方々からの高い信頼と、強い収益力を維持しています。ここでの課題は、私たちが相手にしている巨大な320億ドルの市場に、いかに素早く拡大していけるかなのです」。エグジットを実現することは、それほど単純ではないかもしれないが、年ごとに生活のストレスが増加する世の中の様子を考慮するならば、休暇を求める人びとが不足することはないだろう。
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(翻訳:sako)