“特許調査”の負担をAI判定システムで削減、ゴールドアイピーが阪大VCから1.4億円を調達

AIを活用した特許審査シミュレーションシステム「IP Samurai」を開発するゴールドアイピーは10月30日、大阪大学ベンチャーキャピタルから1.4億円を調達したことを明らかにした。

同社は2017年3月にシリーズAで未来創生ファンド、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三生キャピタルから1.28億円を調達していて、今回の資金調達はそれに続くシリーズBの一環だ。シリーズBでは阪大VCを含む7社から合計で3.5億円を調達。これまでの累計調達額は4.78億円になる。

以下はシリーズBの投資家陣だ。

  • 大阪大学ベンチャーキャピタル
  • クレスコ
  • 西武しんきんキャピタル
  • 日本技術貿易
  • コア
  • Kips
  • エリートネットワーク

ゴールドアイピーが開発するIP Samuraiは、発明内容をテキストボックスに入力するだけで使える特許審査シミュレーションシステムだ。入力した内容を基に特許分類付与、先行技術調査、発明の内容理解・認定、特許登録可能性のランク付けまでを実行。ユーザーの特許調査業務をサポートする。

2018年4月に提供を始めた米国特許に対応したα版は、トヨタ自動車の子会社であるTTDC(トヨタテクニカルディベロップメント)を含む9社と契約済み。また特許庁の知的財産インテリジェンスサービス内でもIP Samuraiの無料版が開放されていて、現在約250人がサービスを利用しているという。

なお無料版は米国特許商標庁の2005~2009年および2016年発行の特許公報を対象にしたもので、全ての米国特許商標庁のデータを母集団とはしていない。特許性に関する評価は、ワンランク程度低い評価可能性であり、引例の根拠や番号は不記載となっている。

ゴールドアイピーでは11月にIP Samuraiの日本公報版、来年4月にはパーソナライズ機能やレポート機能を備えた正規版をリリースする計画。今回調達した資金を活用してプロダクトの開発、機能改善を進める。

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TechCrunch Japan

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