ソニーのコーポレートベンチャーキャピタルであるSony Innovation Fundは11月6日、地球上を57兆分割し3単語で表現する英国のスタートアップ「what3words」に出資したと発表しました。
金額は非公開。この出資により「what3words」は創業した2013年からの累計で約62億円(4350万スターリング・ポンド)を調達したことになります。
3つの単語が住所を置き換える
「what3words」は、地球上を57兆個のマスに分割し、普段慣れ親しんだ3つの単語で表現するサービスです。例えば東京・南青山にある特定の地点は「じりき・やぶん・まだまだ」と表現できます。
マスの大きさは3 x 3mで、既存の住所では指定できない『エントランスの前』『建物の端』といった細かな位置も表せます。
位置は日本語・英語・スペイン語・アラビア語など複数言語で表現可能。グローバルでの利用が前提で、日本語で表した位置は英語でも表現できます。
what3wordsのメリットは、住所の曖昧さを解消できる点。これにより「自動車・モビリティ・ナビゲーション」「配送・物流・Eコマース」「郵便サービス」「国家インフラ」「無人航空機」などの分野で効率化が期待できます。
例えば島国のツバルは、郵便の公式な住所にwaht3wordを採用。スイス鉄道では、バス停の位置を見つけやすくする目的でwhat3wordsを活用しています。
声で住所を指定できるメリットも
声で位置を指定できるメリットもあります。Sony Innovation Fundは今回の出資の理由について「what3wordsが機械に正確な位置情報を音声で入力するという大きな課題を解決してくれました」と語ります。
またメルセデス・ベンツは、次世代の車載インフォテイメントシステムにwhat3wordsを組み込み、ドライバーが3つの単語を口にするだけで詳細な目的地を設定できる機能を提供します。
what3wordsは法人向けのソリューションとして展開していますが、Android /iOSアプリやWEB版サービスは日本語化済み。ランドマークに頼らない待ち合わせ場所の指定にも便利そうです。
郵便番号に都道府県、市区町村に番地と、何かと扱いにくい「住所」の面倒がいずれ解消されるかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。