リモートワークがこれまで以上に一般的になって来ているので、リモート面接もそれに応じて必要になって来ている。しかし、そのような手段を通したときに、どのように相手を真に評価することができるのだろうか?また、単純に全ての候補者に面接を行う時間がないために、素晴らしい候補者を見逃してしまうことはよくあることだ。
これまでも、この問題に挑み解決しようとする多くのスタートアップが登場してきた。9300万ドルを調達したHireVueは、AI駆動式の「雇用インテリジェンス」プラットフォームで、問題に対処しようとしている。1900万ドルを調達したAllyOは、採用につながっていなかったこれまでの貧弱な候補者とのやり取りアプローチすることで、採用をより効率的なものにしようとしている。そしてAryaは、成功した採用パターンを識別するために機械学習を使用し、オンラインプロファイルから可能性のある候補者を選び出すことを狙う、シードステージのスタートアップだ。
そしてさらに他のプレイヤーは、採用プロセスにアルゴリズムを適用している。
顔認識と音声認識を使用して、求職者を自動的にスクリーニングするVCV.AIは、このたび170万ドルを調達したばかりだ。そう、それはまるでディストピアSFであるブラック・ミラーの新しいエピソードがやって来たかのように見える。
この投資は、日本のVCであるWill Group、Talent Equity Ventures、500 Starups、そしてIndeedの竹嶋正洋氏を含むエンジェル投資家たちから行われた。今回の資金によって、VCVはさらなる技術開発を行い、その地位を強化する。さらに東京にオフィスをオープンすることも予定されている。
VCVによれば、候補者の事前スクリーニング、自動スクリーニングコール、音声認識とビデオ録画によるロボットビデオインタビューを実施することで、採用プロセスから人間によるバイアスを取り除くことができるようになると言う。
VCVを通じて、潜在的な候補者たちは、コンピューターまたはスマートフォン(iOSまたはAndroid)を使用してビデオを録画することができる。受験者は事前に質問に備えることができないため、これは実際の面接のように機能する。さらに、顔認識および音声認識を使って、候補者の緊張度、雰囲気、そして振舞いのパターンを特定することで、採用者側はその人物が企業の文化になじめるかどうかを判断することができる。
VCVは、これは採用担当者の仕事に取って代わるものではなく、手持ちのツールを強化して、担当者がより効率的に多数の候補者を見つけて選別できるようにするものだと言う。スタートアップによれば、この休むことなく潜在的な候補者を探し、チャットし、インタビューする採用ロボットを使うことで、これまで平均21時間かかっていたスクリーニング作業が45分で済むようになるという。
既にPWC、L’Oreal、Danone、Mars、Schlumberger、そしてCitibankが、同社のシステムを顧客として利用している。
VCV.AIの創業者でCEOのアリク・アクバーディアン(Arik Akverdian)氏は「AIを使うことで採用プロセスを改善し合理化することができます。同時に全ての人間が持っている避けることのできないバイアスを取り除くことも支援できます。特に人間の才能が、組織の最も重要な資産であることを考えると、技術革新がこの分野のビジネスを変革してはならない理由はありません」と語る。
採用のすべてがAIを通して行われるようになったとき、私たちはそのバイアスがどのように影響していたのかを知ることになるだろう…。
画像クレジット:GrafVishenka
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(翻訳:sako)