SpaceXは今週の打ち上げで「ロケット再利用6回」の記録更新を狙う

米国時間8月18日、SpaceX(スペースX)はStarlink(スターリンク)衛星の新たな打ち上げを行う。この通信衛星の量産バージョンにとって10回目の打ち上げだ。今回、Falcon 9(ファルコン9)のミッションには、58基のStarlink衛星に加え、地球観測衛星Planet(プラネット)3基を搭載する。これはこのブースターロケット自身6回目の飛行であり、SpaceXにとって従来の記録を破る歴史的な出来事だ。

今回のミッションに使用される第1段ブースターは、これまでにSpaceX Starlinkミッションを3回、およびSpaceXの顧客であるTelstar(テルスター)とIridioum(イリジウム)の衛星を運ぶ2回のミッションに使用された。さらにSpaceXは、今回もブースターを回収するために軟着陸させる予定であり、成功すればこれも同社にとって新記録となる実績だ。

SpaceXの目まぐるしいほどのStarlinkの打ち上げは、ロケット再利用を推進する素晴らしい機会を同社に与え、打ち上げコスト削減に役立つことが期待されている。StarlinkはSpaceX自身のプロジェクトであり、通信衛星の「星座」を作るための運用コストを下げるためにもコスト削減は特に重要だ。Starlinkが提供するブロードバンドインターネットサービスはベータテストが始まろうとしている段階であり、会社に収益をもたらすまでにはまだかなりの時間がかかる。

もう1つ、SpaceXが再利用の限界に挑戦しているのが「フェアリング」と呼ばれるロケット部品の回収だ。ロケットが搭載する貨物を保護する役目を果たすフェアリングの、2つに分裂した両方を船の甲板から伸びたネットを使って回収する。そして7月のStarlinkの打ち上げでは、初めて2つのフェアリングの回収に成功した。フェアリングを再利用することで、1回の打ち上げ当たり最大600万ドル(約6億3000万円)のコストを削減できる可能性がある。

このミッションでは、顧客であるPlanet社との貨物ライドシェアリングも行っており、これも自社衛星の打ち上げにかかる出費を軽減する手段の1つだ。Planetなどの顧客が、Starlink打ち上げの相乗りにどれだけの費用を負担しているのかSpaceXは明らかにしていないが、打ち上げにかかる費用全体のかなりの部分を削減できるに違いない。

今回のミッションは、SpaceXがStarlinkインターネットサービス開業というゴールに一歩近づき、ロケット再利用プログラムの新境地の開拓を継続するものであることに加え、同社にとって100回目の打ち上げ(Falcon 9は92回目)になる。これはそれ自体大きな節目であり、新記録ずくめで記念すべきSpaceXの1年を象徴している。

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カテゴリー:宇宙

タグ:SpaceX Starlink Falcon 9

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook