Evincedはウェブのアクセシビリティー検査の迅速化に18億ドルを調達

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ウェブのアクセシビリティーを確立し維持するのはフルタイムの仕事だ。他のあらゆる開発作業がそうであるように、アクセシビリティーのためのツールも時代に合わせて常に進化させなければならない。ウェブサイトのアクセシビリティー検査を、開発、発展の段階を問わず深く高速に行うことを約束するスタートアップEvinced(エビンスト)は、このほど、そのツールを次のレベルに引き上げるための資金1700万ドル(約18億円)を調達した。

アクセシビリティーの問題はさまざまな形で現れるため、手作業のコードレビューでエラーを探し出さなければならないこともしばしばだ。自社のサイトは、最初からアクセシビリティーが完ぺきに保たれた状態でなければなければいけないと考えていたEnvinceですら(どのサイトもそうあるべきなのだが)、このメニューを開いている間はこのスクリプトの変数が正しくフックされない、などといった事態が起こり得る。

コードレビューを自動で行う方法もあるが、遅かったり、システムが大きすぎたりする。Evincedは、ウェブサイトを使っている間でも数分の1秒で検査が行えるパワフルで洗練されたツールを作っている。発見された問題点は、開発者に便利な方法で、共有や対応が可能だ。今や無数の人たちが使っている、お洒落でJavaScript満載のウェブアプリにも物怖じしない。

ここに、現代的なウェブサイトの例がある。見た目はいいが、明らかにアクセシビリティーの問題を大量にはらんでいる(あくまでデモ用のもの)。下の動画では、Evincedの製品が何をしてくれるか、その一部がわかりやすく解説されている。

正直言って、とくに驚くような内容には見えないが、既存の法人向けツールはこれほど効率的ではない。ご覧のとおり、ユーザーが(と言うか開発者だが)このサイトに備わった機能を端から試してゆくにつれて、ツールはその場で処理を行っている。フォームの記入やプルダウンメニューを開くといった動作を実際に使ってもらう前に検査しても、紛らわしい部分を見落とす恐れがある、ということだ。

この検査ツールには、Smart Rulesやコンピュータービジョンなどの形でAIを少しだけ採り入れているため、ある要素がメニューやボタンに見えるのに正しくラベリングされていないといった問題も的確に見抜ける。こうした要素には、特有のスタイルや役割がある。何かをクリックすると選択項目のリストが現れる場合は、呼び方はどうあれ、プルダウンメニューと見なされる。

画像クレジット:Evinced

当然のことながら、応急処置方法を提案してくれたり、上司による正式な検査のために問題点を簡単に書き出せる他、ウェブ開発ツールに期待される機能もいくつか備わっている。これはChromeの拡張機能として、またはAPIやその他の分析やコミットアクションの自動化パーツとしても利用でき、それ以外の形式と同様に、エラーのリストを出力できる。

同社は、2018年、システムの開発開始と同時に創立された。翌年、大手企業数社と連携してそのエコシステム内での統合と検査の検証を行った。Capitol One(キャピタル・ワン)は、彼らの最大の顧客となり、今は投資者になっている。

「以来、私たちは開発した製品をCapital Oneなどの企業で展開してきました(つまり毎日利用していただき、エンドツーエンドのアクセシビリティー運用に役立っています。Capital Oneのブログをご覧いただきたい)。それらの企業は法人ライセンス契約の有償顧客です」と、創設者でCEOのNavin Thadani(ナビン・サダニ)氏は言う。

事実、Capital Oneもこう話している。

Capital Oneは早くからEvincedと提携し、その開発事業に特別な関心を持って指導してきました。それは、構築・展開のライフサイクルを通じて複数の自動検査工程を統合し、ウェブ資産全体(ログインから内部レポジトリを含む)にわたるアクセシビリティーのための自動スキャンを可能にする製品の開発とその高速化により、アクセシビリティーが確立されたコードをリリースできるよう開発者を支援するというものです。

私たちは、それまで自動検査のみで発見できた数の10倍もの致命的なアクセスビリティー上の問題を検出するEvincedを見てきました。サイトのインタラクティブ性が増すにつれ、キーボードや画面読み上げ機能の使い勝手など、さらに多くの問題が見つかりました。

大企業規模での自動検査は、きわめて複雑で時間のかかる作業になりがちです。Evincedは実行速度が40倍と高速で信頼性も高く、4〜5日間をかけていたものが3時間以内にまで処理時間を短縮できた例もありました(さらに最適化は進んでいます)。

投資者(正確にはCapital One Venturesだが)からのものだとしても、素晴らしい賞賛の言葉だ。

今回の18億円のシリーズA投資は、M12、BGV、Capital One Venturesが共同で主導し、以前からの投資者である Engineering Capitalも参加している。

デビュー記念のプレゼントとしてEvincedは、サービスの無料プランを発表した。これにはiOSアプリのアクセシビリティー・デバッガーも含まれる。WCAGガイドラインやARIAの役割を知らないすべてのアプリ開発者の助けになるはずだ。またサイト管理者が登録すると認証が受けられる無料のコミュニティー・エディションのサイトスキャナー、ちょっと試してみたい法人向けの無料試用プランもある。

画像クレジット:smartboy10 / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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