コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツ発信を通じてサービスや企業の認知拡大・理解促進などを行い、売上の向上を狙う一連のマーケティング手法のことです。
ここでは、近年注目度が上がっている「コンテンツマーケティング」について、背景や概念から実際の手法までをまとめてご紹介します。長い記事ですが、Web上で簡易的に参照できる教科書のようなものとして、ブックマークなどしつつ活用していただければと思います。
目次
なぜ、コンテンツマーケティングが注目されているのか?
なぜ今、コンテンツマーケティングが注目されているのでしょうか。それは、ユーザーの情報への接し方が変わり、マーケティング環境が変化したことが一つの大きな要因だと言えます。
ソーシャルメディアとスマートフォンの普及により、人が日常的に接する情報の量は以前とは比較にならない程に増加しており、人間の処理可能なレベルを遥かに上回るようになりました。
(引用:http://www.nii.ac.jp/userimg/MS_NII_infoplosion.pdf)
そんな中で多くの人は欲しい情報は「自ら探す」または「知人・友人に聞く」という選択を取るようになり、広告は不要なノイズとして見られるようになってきました。
その代わり、ユーザーは自分が求める情報を自ら検索して発見したり、友人知人にシェアしたりするようになりました。
そうした時代の中で、企業を知ってもらう、サービスを知ってもらう、本当の価値を知ってもらう、購入してもらうといったマーケティングのためのコミュニケーションは、広告ではなくユーザーが求めるコンテンツを通じて実現した方が良いのではないか、というのがコンテンツマーケティングの発想です。
コンテンツマーケティングって何がいいの?
コンテンツマーケティングを実施することで、主に次の3つのことを実現できます。
- 見込み顧客と接触し、自社サービスを知ってもらえる
- 「そのうち客」を「今すぐ客」に育てられる
- ブランドイメージを構築できる
※他にも、既存ユーザーをサポートする役割やファンとのコミュニケーションなど、様々な目的がありますが、ここでは大きな3つの目的をご紹介します。
見込み顧客と接触し、自社サービスを知ってもらえる
コンテンツマーケティングの一つの大きな役割は、見込み顧客と接触することです。ユーザーは自ら欲しい情報を検索し、ソーシャルメディアで友人から興味深い情報を得るようになっています。良質なコンテンツを上手く発信することができれば、そうしたユーザーに自ら発見してもらうことが可能です。
まずとにかく接触し・自社サービスのことを知ってもらうことで、その後の購買行動の可能性を高めることができます。
また、特にBtoB領域などの購買の意思決定までの時間がかかる商材のマーケティングにおいては、見込み顧客のメールアドレスなどの顧客データを獲得すること=「リードジェネレーション」が大切とされています。得られた顧客接点をもとに、その後のコミュニケーションで見込み客に育てて行くのです。
リードジェネレーションにおいてはまず興味を持ってくれているユーザーの情報を獲得する必要があります。例えば役立つノウハウをまとめて「メールアドレスを入力すれば無料でダウンロード可能」とするなどの手段も有効です。
接触・リードジェネレーションのフェーズで必要となるコンテンツ例
- ソーシャル拡散力のある面白い/興味深いコンテンツ
- よく検索される業界ノウハウの解説記事
- 話題のプレイヤーへのインタビュー記事、対談記事
- 話題性のあるニュースの取材記事・解説記事
- 賛否両論分かれる話題への意見表明
- すぐに役立つノウハウを集めた冊子の無料ダウンロード(メールアドレスを獲得)
- 独自の調査結果をまとめたホワイトペーパーの無料ダウンロード(メールアドレスを獲得)
etc…
「そのうち客」を「今すぐ客」に育てられる
一度接触したユーザーにアプローチし、次第に自社サービスの購買確度をあげていくことを「リードナーチャリング」と言います。
リードナーチャリングのフェーズでは、買う可能性はあるものの積極的に買うつもりはない「そのうち客」に対し、継続的に情報を発信する中で潜在的なニーズを刺激し、自社商品の魅力を知ってもらいます。
コンテンツによる接触を通じて、実際に顧客になりうる「今すぐ客」の状態まで見込み顧客の心理状態を引き上げるというのがリードナーチャリングの役割です。メルマガを購読してもらったり、ソーシャルメディアのアカウントをフォローしてもらったりすることで継続的な接触を図ります。
リードナーチャリングのフェーズで必要となるコンテンツ例
- その分野についてユーザーの理解を深める学習コンテンツ
- ユーザーの現状課題を放置しておいた場合のリスクを伝えるコンテンツ
- 自社サービスの成功事例やお客様の声などのイメージを沸かせるコンテンツ
- 自社サービスと他社サービス(または自社の他商品)との比較コンテンツ
etc…
ブランドの構築
見込み顧客との接触や育成と並行して発生するコンテンツマーケティングの重要な側面として、「ブランドの構築」があります。多くの商品がコモディティ化し、明確な差別性が見えにくくなっている今、何か困ったときに「あのサービスがあった!」というという第一想起が得られることは非常に重要です。
また、他社サービスとの比較となった際も、「このサービスは信頼できそう」という意識があることにより、最終決定の際に自社商品を選んでくれる可能性が高まります。
ブランドの構築のためには、企業やサービスごとに統一されたブランド思想と、それを可視化するコンテンツが必要になります。コンテンツによる接触を通じて、ブランドイメージをユーザーに伝えることが可能になります。
その際、発信されるコンテンツは企業のブランドを伝えるものでなければいけませんから、「そのサービス・企業の特徴や思想を色濃く反映したコンテンツ」「社員の顔が見えるコンテンツ」「その企業にしか出せないコンテンツ」である必要があります。
「なんとなくこのサイトのコンテンツをよく見るな」という程度では、ブランドを構築することはできません。当然ですが、Web上で拾った情報の寄せ集めのような薄いコンテンツでは、ユーザーの心を動かすことはできません。
例えばエナジードリンクのRedBullは、自らが協賛しているエクストリームスポーツの様子をYouTubeや自社メディア上に展開し、「翼をさずける」というブランドイメージを強く印象づけています。
RedBullほどのことはできなくとも、自社の独自の取り組みや人的資産、思想にもとづいたコンテンツ作りは何かしらできるはずです。「どこにでもあるもの」ではなく、独自のこだわりや価値を丁寧に反映させることが重要です。
ブランド構築で必要となるコンテンツ例
- 企業のブランドイメージと深く結びつき、ユーザーの心を動かすコンテンツ
- 他のサービスにない、独自の強みや特徴を反映させたコンテンツ
- 企業とユーザーの絆やつながりを見せるコンテンツ
- CSRやCSV(Creating Shared Value)の活動を伝えるコンテンツ
etc…
コンテンツマーケティングを実行する5つのステップ
日本でもコンテンツマーケティングが流行し、数多くのオウンドメディアが作られましたが、「とりあえず作ってみよう」といった形で始まり、中途半端に実施しているがために上手くいかないケースがあとをたちません。
次のステップに示すように、しっかりと戦略をたて、それを形に落とし込み、継続することが重要です。
1.体制を作る
2.戦略を立てる
3.戦略を戦術に落とし込む
4.魅力的なコンテンツを継続的に作る
5.効果測定と改善を繰り返す
1.体制をつくる:小さく始めて大きく育てる
コンテンツマーケティングは、長期的なマーケティング施策です。広告のように、実施して即効果が出るようなものではありません。ある程度長く続け、効果の判断ができるくらいにまでは続ける必要があります。
予算と体制をバッチリ整えて、◯年は必ずやる、といったようにコミットする企業もあるでしょう。しかし、成果の読めない施策に膨大な予算をポンと出せる企業はほとんどありませんし、大仰にやりすぎて現場がついていけなくなるというパターンもあります。そんなときは、「小さく始めて大きく育てる」体制づくりがおすすめです。
はじめの段階で、「いつまでにどのくらいの成果が出れば良しとするか」を考えましょう。あとで触れるようなKPIを、できるだけシンプルに設定し、予算や更新数が大きくなりすぎずにコンセプトの検証ができることを目指します。小さな会社であれば、プロジェクトリーダーが自分で何記事か書いてみて、その反応を見る、といった形でも構いません。ただこのときも、中途半端な記事をなんとなくアップしただけでは検証にもならないので、後で述べるような配信経路などの考慮は必要になります。
このあたりも意識しながら、実際の立ち上げステップを見ていきましょう。
2.戦略を立てる
コンテンツマーケティングに取り組む際、サイトコンセプトは苦心して考えるものの、ユーザーの訪問後の態度変容などの戦略まで考えきれているメディアはまだ少ないように感じます。
何を実現するために、誰に・何を・どう届け、どうフォローしていくのか。次のステップに沿って、検討してみましょう。
①ターゲットの思考・行動を把握する(ペルソナ/カスタマージャーニー)
ターゲットユーザーが誰で、何を考えているのか。それを正しく把握することからマーケティングは始まります。ユーザーが興味を持っているものは何か/課題を持っているものは何か/何をされると喜ぶのか、など。
方法としては、「ペルソナ」と「カスタマージャーニーマップ」を作成する手法が一般的です。ペルソナは「F1層」「30代サラリーマン男性」のようなざっくりとした切り分けではなく、具体的な人物のプロフィールや思考・行動特性を書き出すことで、リアルにターゲットイメージを持てるようにする方法です。
カスタマージャーニーマップは、ペルソナがそのサービスに関連する領域でどのような経験をするか、ということを図式化したものです。どちらも、リアルな思考や行動の仕方を洗い出すことで、実際のユーザーに即したコンテンツ作りに繋げられるというメリットがあります。
これらをいかに実態に即した形で作成することができるかがその後の成否を分けます。
この際、可能であれば実際のユーザーにグループインタビューをしたり、実際のユーザーに触れ合う機会の多い現場の営業メンバーを交えてワークショップ的に作ったりすることをお勧めします。思い込みで作ってみたら実際のユーザーとは全然違っていた、ということもよくあります。
②競合状況を把握する
よくある失敗として、明らかに競合性が高く、今から中途半端に実施しても勝ち目が薄い分野でオウンドメディアを立ち上げてしまうといったことがあります。
コンテンツマーケティングの実施にあたっては、事前に競合がどういった情報発信をしており、ユーザーにどのように受け入れられているのかということを十分に調査する必要があるでしょう。
競合が強い分野の場合、それぞれの競合がどんな分野でどのようなポジショニングを確立しているのかを明確にし、自社がどこを取りにいけるのか、どうすれば差別化可能なのかを考える必要があります。この際、ポジショニングマップなどを使って確認してみると良いでしょう。もちろん、自社がどういった強みを持っているかということも客観的に把握しましょう。
ここで注意しなければならないのは、競合はビジネス上のダイレクトな競合に限らないということです。
例えば化粧品メーカーなどであれば別の化粧品メーカーばかりを気にする、ということになりがちですが、実際にはアフィリエイトサイトや比較サイトなどが検索上位にいることもあり、そうしたサイトが情報発信を十分にしているためにユーザーは既に満足している、ということもあります。
③戦略を立て、勝ち筋を見つける
ユーザー、競合、自社という三者(いわゆる3C)が理解できたら、それをもとに戦略を立てます。ひとくちにコンテンツと言っても、読者とサービスの関係性によって、アプローチを変える必要があります。
ここで、コンテンツ展開の方針として考えられる軸をご紹介します。「理性的⇔感情的」「潜在的⇔顕在的」という軸です。
「理性的⇔感情的」の軸はユーザーへの情報の出し方の差です。コンテンツの接触を通じてユーザーのリテラシーが上がり、徐々にサービスの魅力に気づくというシナリオです。
「潜在的⇔顕在的」の軸はすでにサービスが認知されているかどうか。潜在的な状態であればまず知ってもらうところから始まり、顕在的であれば複数の候補の中からどう選んでもらうかを考えねばなりません。
①理性的×潜在的
ユーザーの悩みが明示的であり、そのジャンルでの検索が多数なされている。さらに当該サービスがその悩みを解決できる場合。わかりやすい機能を持ったtoC向けの商品や、ターゲットが幅広いSaaS型のBtoBサービスもここにあたります。オウンドメディア上でユーザーの悩みを解決するコンテンツを展開し、動線の工夫によって自然にサービス理解につなげていきます。主要集客手段はSEO。
②理性的×顕在的
①または③の検討が進み、比較検討段階に入ったフェーズ。サービス理解を深め、自社を選ばない理由をなくしていくためのコンテンツを拡充します。「コンテンツマーケティング」とくくることに違和感がある方もいらっしゃるかと思いますが、私はこれも立派なコンテンツマーケティングだと考えます。練り込まれた事例コンテンツは、100のノウハウ記事の成果を軽く上回ります。顕在化したユーザーにターゲットを絞り、ABテストなども含めて磨き上げて行く必要があります。
③感情的×潜在的
市場が飽和して商品のコモディティ化が進み、機能面での訴求が難しくなっている商品。また悩みが明示的でなく、検索されるキーワードが少ないケース。市場が確立していない商品や中身の見えづらいBtoB商品などもここにあたります。コンテンツを通じたブランドイメージの構築を行い、新たに「〇〇といえばここ!」という立ち位置を確立することが目的です。主要集客手段はSNSおよびリアルなクチコミ。
④感情的×顕在的
すでにサービスを使っているユーザーや、使おうと検討しているユーザーが対象です。商品カテゴリとしては③の検討フェーズが進んだ状態。比較検討軸が曖昧なため、企業やサービスへの信頼感などが判断基準で大きなファクターとなります。ここではWebコンテンツだけでなく、リアルな接触やイベントなど、様々な形で強いファン層を形成していくというアクションが必要になります。
コンテンツマーケティング戦略の好例
例えば町田美容院の知恵袋は、町田の美容院monohairの宇野氏が運営するオウンドメディアです。
一般的な美容院のサイトと違うのは、LINE@やFacebookで個別に髪に関する質問を募集しその回答をメディア上に掲載することによって集客・美容院の来店につなげている点です。ヘアスタイルを掲載しているサイトは数多くありますが、細かい質問に回答し、それがそのまま来店につながっているというメディアはかなり珍しいです。
上記の戦略で言えば、それぞれの髪の悩みに答えるという点で「①理性的×潜在的」でありつつ、実際の美容師が回答するという手触り感が「③感情的×潜在的」。そして実際に来店したユーザーの様子もよくわかり、オフラインでの直接的なコミュニケーションもよく行っているという点で「④感情的×顕在的」という要素もあります。こういった戦略が見事にハマったメディアだと言えるでしょう。
多くの美容院が大手ポータルサイトに広告を出す中で、丁寧なコミュニケーションと地道な更新作業によって差別化を図ったというすばらしい好例です。今はまったく広告費を掛けることなく、安定した集客ができているとのことです。
3.戦略を戦術に落とし込む
戦っていく方向が決まったら、それを実現し、成果を出していくための具体的なステップを考えましょう。
①KGI、KPIを適切に設定する
戦っていく方向が決まったら、それを適切に評価する指標を定めましょう。失敗するコンテンツマーケティングの取り組みでは、適切なKGIやKPIが設定されていないケースが多いです。
オプトグループのグルーバーとデジタルインファクトによる「コンテンツマーケティングの実施動向に関する調査」によると、実に50%以上の企業がコンテンツマーケティング施策の課題として「効果を測る指標がない」と回答しています。
目標はできるだけシンプルで、業績に直結しやすい指標を立てるようにすると良いでしょう。例えばリードジェネレーションを目的とするのであればリード獲得数。リードナーチャリングを目的とするのであれば重要な教育コンテンツの閲覧数、資料ダウンロード数など。
トータルのPV数などを指標にするのもよいですが、ソーシャルの反応や検索順位ばかりを重視してしまい、目的から外れたコンテンツを作ってしまうというようなことが起こりやすくなります。
②コンテンツごとに適切な集客導線を考える
コンテンツは作って掲載して終わり、ということにはなりません。せっかく良いコンテンツを作っても見てもらえなければ存在しないのと同じです。コンテンツを作成する際は、そのコンテンツをどうやって流通させ、ユーザーに見てもらうかを考える必要があります。
など、様々な手段での露出手段が存在します。
多くのユーザーが検索するキーワードがはっきりしているテーマであれば、SEOが重要になります。記事を書く際に、どんなキーワードで検索されるのか、ということを考えながら執筆すると良いでしょう。
ソーシャルメディアは記事公開時の最初の流入源になります。公式アカウントや運用関係者のアカウントを育て、フォロワーを増やしておくことで拡散力を増やすことができます。
また第三者のメディアに掲載されれば、自力では届かない範囲にまでコンテンツを届けることができるようになります。Yahoo!ニュースやSmartNewsを始めとするキュレーションメディアなどに掲載されるようにアクションしていくことも必要です。
また特にソーシャルメディアの広告において、コンテンツそのものを広告として出す手段も増えてきています。力を入れて制作したコンテンツは、そのまま広告枠に配信するという手段も検討可能です。
③サイト流入後の内部導線を考える
サイトに流入した後のユーザーの動きもしっかりと考えましょう。コンテンツは見られるようになったが、その後ユーザーが何のアクションもしないまま、ということでは意味がありません。流入後に期待するユーザーの行動に合わせて、サイトのインターフェースや構造も最適化する必要があります。
リードジェネレーションを目的とし、メールアドレスの獲得を目標とするのであれば、メールアドレスを獲得できるコンテンツへの誘導が必要になります。メールマガジンの登録導線をわかりやすい位置に示したり、メールアドレス入力で無料ダウンロードできるコンテンツへのバナーリンクを記事の下に置いてみたり、そうした導線上の工夫が必要になります。
例えば上述した町田美容院の例では、記事の末尾にLINEやFacebookでの質問の導線が置かれています。気になったユーザーがすぐにメッセージできるユーザーインターフェースです。
(引用:http://kazuhirouno.jp/archives/3445)
ユーザーが期待通りのアクションをしてくれるように、UI面での試行錯誤も必要です。
4.質の高いコンテンツを作る
当然といえば当然ですが、コンテンツマーケティングの中核を担うのはコンテンツづくりです。いくら戦略を練り込んでも、質の高いコンテンツが作れなければ絵に描いた餅です。
質の高いコンテンツと一口に言っても、その種類は様々です。ここでも、いくつかの型にわけて理解しましょう。
①適切なタイプのコンテンツを作る
②独自性の高いコンテンツを作る
③誘導力の高いコンテンツを作る
④継続的にコンテンツを作る
①適切なタイプのコンテンツを作る
コンテンツというと記事コンテンツをイメージしがちですが、実際には様々な形のコンテンツがありえます。戦略の部分で見たように、アプローチが変わればそれを届けるコンテンツ自体も工夫する必要があります。
次の図は借り物ですが、訴求したい方向性によってこのような種類があるよ、という例示になります。クイズやフォーラム、レビュー評価など、コンテンツの型にも色々あるということが見て取れます。下記にはないですが、漫画コンテンツなんかも効果的です。
(引用:https://www.hallaminternet.com/b2b-content-marketing-10-best-examples/)
ただ同じパターンの記事を作り続けるのではなく、狙いによって違う形のコンテンツを試し、反響を見てみるというのもアリです。戦略に基づきつつ、色んなチャレンジをしてみるのが良いでしょう。
②独自性の高いコンテンツを作る
コンテンツマーケティングが流行し、誰も彼もがコンテンツSEOでの集客を考え出すことで、クラウドソーシングに依頼した、検索上位記事の中身を引っ張ってきただけのコンテンツであふれかえるようになってしまいました。
本当にユーザーの心にとどまり、購買意欲につながるものを作ろうと思うのであれば、「どこかで見たことのあるコンテンツ」「どこにでもありそうなコンテンツ」ではいけません。短期的にユーザーを集められたとしても、それがマーケティング上いい効果を出すことは稀でしょう。このメディアだから・この企業だから実現できるコンテンツを増やしていきましょう。
Googleの品質評価ガイドラインでも、年々「独自性」や「専門性」が非常に重視されるようになっています。今後SEOで上位を取っていく上でも、独自の価値を確保することはきわめて重要です。
独自性担保のカギは、「企画」と「取材」です。企画といっても突飛なものでバズを狙う必要はありません。ユーザーのニーズに合わせるとテーマが似るのは仕方ないですが、他の記事にはないオリジナルの要素をどうすればプラスオンできるかを考えましょう。
独自要素を獲得するには、有識者に対する取材が最も効果的です。ネットに載っている二次情報だと内容が被りますが、取材という行為は一回きり。そこをうまくコンテンツ化できれば、ここでしか得られない情報を掲載することができます。
③誘導力の高いコンテンツを作る
読者に喜ばれるコンテンツが用意できたら、さらにもう一歩踏み込んで「誘導力の高いコンテンツ」を意識しましょう。コンテンツマーケティングですから、最終的に売上につながってナンボです。もちろん商売っ気ゴリゴリのサイトは嫌われますが、発見を与え、適切に誘導するコンテンツはユーザーにも喜ばれます。
まだまだサービスを検討するような段階ではないユーザーを無理やり誘導することはできませんが、サービスの検討に近づけていくために気づきを与えることは可能です。
徐々に専門分野の知識を提供したうえで、「そのなかで今の悩みを解決するならこのサービスだ」というストーリーができ上がることが理想です。
④継続的にコンテンツを作る
つまずきがちなのが、「継続的に作り続ける」ということ。関係者を巻き込み、モチベーションを維持して更新頻度を保つのはなかなか難しいものです。特に内製していて担当者が兼任で受け持っている場合、優先度が下がって更新が滞りがちです。内製する場合の更新の工夫は各社さまざまですが、「自分で記事を書きたい気持ちを醸成する」「執筆のハードルを下げる」といったところがポイントになりそうです。
また予算があれば、やはり外部の編集のプロに頼むのが一番です。最近ははじめからプロに外注するというパターンも多くなっていますね。この際、すべての記事を全力の取材記事ばかりにしてしまうと、スケジュールもコントロールしづらく、費用もかさんでしまうので、比較的簡単に書ける二次情報の記事を織り交ぜていくというのも一つの手段です。
5.効果測定と改善を繰り返す
①PDCAを回す
作成したコンテンツがどの程度の効果を発揮しているか、ということを定期的に確かめ、方向修正をしていく必要があります。「KGI、KPIを適切に設定する」で設定したKPIをベースに、全体及び記事ごとのパフォーマンスを測定しましょう。
良いパフォーマンスが出ているコンテンツ、そうでないコンテンツを切り分け、それぞれの傾向を見てみましょう。効果の出ているコンテンツの傾向を次の制作に反映させることで、より効果的なコンテンツ制作が可能になります。
また、「サイト流入後の内部導線を考える」で見たインターフェースの部分も、定期的に見直すと良いでしょう。記事のパフォーマンスの測定方法おいては、Googleアナリティクスでの数値測定の他にも、ヒートマップで確認するという手段もあります。
ヒートマップでユーザーが離脱しているポイントやクリックしている場所を見ることで、意図したとおりにユーザーが動いてくれているのかどうかが分かります。
②持続可能な社内体制を構築する
コンテンツマーケティングは、継続的な取り組みの中でユーザーに自社やそのサービス・商品を信頼してもらうというところが一つのゴールとなります。短期的なスパンで投資対効果を見てしまうと、適切な投資と取り組みができません。
長期的な投資を確実に行うためには、上司やセールス担当など、周囲のメンバーが取り組みの意義を理解し、協力してくれるかどうかというところが非常に重要になってきます。
コンテンツマーケティングに取り組む意義、期待できる成果、成功例、通常かかる期間などをきちんと説明し、コンテンツマーケティングの取り組みに理解を示してくれる環境づくりを行いましょう。
目標を設定するのであれば必ず1年以上のスパンで設定し、長く取り組めば取り組むほど投資対効果がよくなることを説明しましょう。
また、はじめから周囲の賛同を100%得るのは大変難しいので、取り組みの中でユーザーからのリアクションがあれば積極的に周囲にアピールしましょう。少しずつ周りを巻き込み、信頼を獲得していくのが良いでしょう。
③愛と情熱を持つ
コンテンツマーケティングに成功している人々は口を揃えてこう言います。「コンテンツマーケティングは愛だ」と。
人の心を動かすコンテンツを作るには、その作り手自身がそのテーマについて強い熱意を抱いていなければなりません。
またコンテンツマーケティングは、短期的な成果の見えない、根気のいる心細い仕事です。自分の手掛けるコンテンツが世の中に影響を与えるという確信と愛情、熱意がなければ、継続して良いコンテンツを作ることは難しいでしょう。
これからコンテンツマーケティングに関わる方、今コンテンツマーケティングに関わっている方は、並々ならぬ覚悟を持って取り組んでいきましょう。しかし、その覚悟を持てるのであれば、この仕事をきっと楽しむことができるでしょう。
まとめ:コンテンツマーケティングでは、ユーザーへ価値提供することがそのままマーケティングになる
コンテンツマーケティング実践のためには様々な注意が必要で、どれも一朝一夕でマスターできるようなものではありません。さらに、短期的に成果も見えず、心細い思いもするでしょう。
ではコンテンツマーケティングの担当者が損な役回りかというと、私はそうは思いません。
ユーザーが喜ぶコンテンツを作れば、それがそのままマーケティング活動となり、自社の成績向上に繋がる。こんなに明確でやりがいのあるマーケティング手法は他にないのではないかと思います。
ぜひ、コンテンツマーケティングに取り組む皆さんは、実施のプロセス自体を楽しんでください。案外それが一番の近道かもしれません。
コンテンツマーケティングヒアリングシートをご用意しております
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