【無料テンプレート付き】SEOの目標設定の方法をやさしく解説!

目標設定の仕方_アイキャッチ

「今度からキミ、SEOやってね」と言われ、初めてSEO担当になったけど、SEOのことはまだまだ勉強中。でも、さっそく来期の目標を作らなくちゃいけない…ど、どうすれば…!――そんな新任SEO担当者の方はいませんか?

そこで今回は、SEOの目標設定の方法を準備から実践方法まで解説!
パパッと数字を作ることができるテンプレートもご用意しています。記事を読んだ上で、ぜひダウンロードしてお使いください!

なお、ナイルではSEOの基礎知識をまとめた資料をご用意しています。
こちらも無料でダウンロードできますので、SEOでお困りでしたらお気軽にご活用ください。

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<この記事を読んでほしい人>

  • 新任SEO担当者
  • 与えられた数値目標がなく、ただ目標設定をしなければならない人

目標設定は目標数値が与えられていないほうが難しい

目標設定にあたっては、2通りのパターンがあると思います。

1 「来年はSEOで1.5倍、2倍にしよう」と目標がすでにある場合

SEOで前年の1.5倍やら2倍やらにしよう、というのがあらかじめ決まっているパターンに関しては、そこから逆算すればいいだけなので簡単です。

追っていく数値がSEOの流入数なのか、SEO経由のコンバージョンなのか、そこはメディアの目的によって変わりますが、それを1.5倍、2倍にするにはどうすればいいかをシンプルに因数分解していけばいいでしょう。

ほとんどの事業はこちらのパターンかもしれません。

ただ「目標を作れ」といわれている場合

目標とする数値がなく、ただ目標を作って上長に持っていかなくちゃいけない場合は、新任の方だと途方に暮れてしまいますよね。

まったくSEOをやってこなかったサイトであれば、流入目標を300%増とすることもできそうですが、そうじゃない場合は、前年までの数値を元に数字を作っていくことになります。

この記事では、こちらのパターンでお悩みの方向けにやり方を解説していきますね!

目的のないサイトの目標は立てられない

目標設定の方法を紹介する前に、確認しておきたいことがあります。
それは、売上や商談数のアップなど、目的が定まっていないサイトの目標は立てられないということです。

目的のないサイトなんてあるわけないじゃん!と思う方がいるかもしれないのですが、実はそういうサイトは少なくないんです。

私がこれまでご支援してきた企業の中には、目的がなくサイト運営をしていたケースが結構あります。
「オウンドメディアが流行ってるから、ウチも作っちゃおうよ!」と、とりあえず作り始めてしまった…というのが実際のところなのでしょう。

目標設定は、その名の通り目標があって初めて設定できるものです。
何のために、何に向かってメディアを運営しているのかを、まずはしっかり定めてください。

それを踏まえて、次のような順序で目標設定をしていきましょう!

1 サイトの目的と主要KPI(必要に応じてKPI)を設定する

サイトの目的を達成するためにユーザーに期待する行動を、KPIとして設定しましょう。

次のようなロジックツリーを作り、サイトの目的をトップにして、目的を達成するために見ていく指標を逆算して分解していくと、自分たちがやるべきことがわかりやすくなります。

サイトの目的を達成するのに直接影響する指標を「主要KPI」とし、主要KPIにつなげるために必要な指標(サイトの目的に間接的に影響する指標)を「補助KPI」として細分化するのがおすすめです。

<KPIの考え方例>

KPIロジックツリー

サイトのKPIはサイトの種類によって異なる

主にSEOを実施することが多いサイトには、次のような種類があります。

<SEOを実施することが多いサイトの種類>

サイトの種類 特徴 サイトのKPI例
サービスサイト 商品やサービスなど、自社の事業を理解し、購買につなげるためのサイト セッション数、問い合わせ数、資料ダウンロード数、会員登録数など
オウンドメディア 主に商品やサービスなどの認知、興味関心につなげるためにさまざまな情報を発信するためのサイト セッション数、ページビュー数、サービスサイトへの遷移数など
ECサイト Web上で商品を販売するためのサイト セッション数、ユーザー数、会員登録数、購入数・購入額、リピート率など
データベース型サイト 保有する大量のデータにもとづいてページが自動生成されるサイト

求人サイトや不動産情報サイトが代表的

セッション数、ユーザー数、会員登録数、サービス申込数など
アフィリエイトサイト 特定の商品やサービスを紹介することでユーザーの購買を促し、運営者が報酬を得る広告手法のひとつ セッション数、広告主ページへの遷移数など

 

サービスサイトはユーザーの検討段階から購買行動までが主な役割になりますので、問い合わせ数や資料ダウンロード数といったものがKPIになります。

一方、オウンドメディアの場合は自社の商品・サービスの購買を検討する前段階の、認知度アップや興味を喚起することが主な役割。
サービスサイトほど目的の達成までの距離が近くないことから、セッション数やページビュー数、サービスサイト(サービスページ)や商品詳細ページ、問い合わせページへの遷移数といったものがKPIになるでしょう。

購買検討フェーズごとに対応するサイト

2 主要KPIのシミュレーションを作る

では、続いてサイト全体のシミュレーションを作っていきます。
そもそも与えられている数値目標がない場合、まずはメディアの現状把握から始めましょう。

主要KPIの過去実績と予測した成長率を入力すれば自動でシミュレーションが完成する、次のようなテンプレートを用意しましたので、こちらをもとに解説していきます。

<目標設定シミュレーション テンプレート>

目標設定シミュレーションテンプレート

まずはこちらをダウンロードしてお手元にご用意ください。

\ 目標設定シミュレーションテンプレートのダウンロードはこちら/

サイトの現状把握をしよう

GA4を使って、次のようにSEO経由の流入数と、主要KPIとして設定した項目の数値を直近の2年間分、月間で出してください
上記でダウンロードいただける目標設定シミュレーションテンプレート【簡易版】のAG列以降(【通常版】ではAH列以降)が、過去実績を入力する欄になっています。

シミュレーションに過去実績を記入

黄色の部分に主要KPI、過去実績の数値を記入!

なぜ直近2年間かというと、メディアの成長率を見るのであれば最低2年は必要だから。
できればもうちょっとさかのぼって見られるといいですが、2年分は最低でもあったほうがいいでしょう。

例えば、季節性のあるジャンルの場合は月によって数値に変動があるものがあり、前年は大きなぶれはなかったけど、前々年はすごくぶれていた、といったこともあります。
そのため、できるだけ長い期間の数値を見て傾向を把握したほうがいいですね。

来期のシミュレーションをしよう

前年までの数値を把握したら、サイト全体のシミュレーションをします。
前年の成長率と、施策を実施することによって期待できる成長率を踏まえて作っていきましょう

前年までの成長率が120%であれば、前年と同じことをしたら同様に120%成長することを前提とし、そこにこれから実施する施策によって期待できる成長率を足して、トータルで「前年比(例えば)150%成長」と設定し、各月に数字を入れていくようなイメージです。

上記の目標設定シミュレーションテンプレートを使用すると、次のように成長率を入力すれば自動的に各月の目標数値が生成されますので、ぜひご活用ください!

各月の目標数値を生成

まず①の欄に目標の成長率を記入すると、自動的に②の欄に目標数値が生成されます。

なお、時期によって数値に波があるサイトの場合は、それも踏まえて各月のシミュレーションを作りましょう。

また、ダウンロードいただける上記の目標設定シミュレーションテンプレートには、KPI管理表もセットになっています!
KPI管理表のシートにシミュレーションで出した予測値を入力し、予実管理を行っていきましょう。

<KPI管理表 テンプレート>

KPI管理表テンプレート

\ 目標設定シミュレーション&KPI管理表シートのダウンロードはこちら/

 

施策を実施することで期待できる成長率はどうすべき?

今後行う施策を踏まえた成長率については、期待値が一定推測できるものと、未知数のものがあります。

多くは過去のデータから推測することになりますが、目標設定を立てる時点でどんな施策を行うかがわからない状態であれば、あくまでも感覚値で入れるしかないでしょう。

ただ、まったく現実的ではない高すぎる数値を目標にしても、前年から大して変わらないような数値にしても、目標に掲げる意味がなくなってしまうので、チャレンジできそうなところを見つけていただきたいです。

それまでSEOをまったく実施していない場合はどうする?

それまでSEOを実施していたサイトであれば、やること一つひとつのインパクトはわからなくても、一定の傾向は見えるはず。
しかし、それまでまったくSEOをやってきていないサイトの場合は、何をすればどのぐらいのインパクトを生むのかが完全に未知数ですよね。

SEOを実施したことがないサイトの初年度は、一旦感覚値で決めた目標に対して実際どのぐらいのパフォーマンスが出せるサイトなのかを把握する1年と割りきったほうがいいです。
上長にもその旨を伝え、理解してもらってください。

そのため、最初の1年は非常に大事な期間となりますので、何をしたら数値的にどんなインパクトが出たのかをできる限り記録し、次年度の目標設定に役立てられるようにしましょう。

3 必要に応じて補助KPIの目標数値を落とし込む

サイト全体のシミュレーションができたら、補助KPIの目標数値も落とし込んでいきましょう。

こちらも前年までの実績を踏まえ、上で出した主要KPIの数値に合わせて数字を作っていくのがおすすめです。

目標設定をする上で気をつけたほうがいいこと

最後に、目標設定をする上で注意したいことがいくつかありますので、紹介します!

サイトの目的と関係ないKPIを設定しない

サイトの目的と関係ないKPIを設定してしまうと、当たり前ですが目的を果たすことができないので注意してください。

例えば、コンバージョンを目的としたサイトなのに、流入数を目標にしてしまうと、コンバージョンはしなくても、とにかく流入数を稼げるだけのコンテンツを作る…といったことが起きてしまいます。

予測できない変数は考えない

シミュレーションをする上で、季節や特定の時期に数値が変動するケースは、ほぼ確実に起こることとして目標設定に組み込むべきですが、それ以外の予測できない変数はシミュレーションの精度が下がるので組み込まないほうがいいでしょう。

予測できない変数とは、例えばGoogleのアルゴリズムアップデートや、広告を回してブランドの知名度が上がって伸びるだろう、みたいなことです。

目標数値の根拠を残す

目標設定をするということは、追ってその目標に対してどうだったかの振り返りをすることになります。
そのときに目標と実際の数値に差があった場合、なぜそういう目標にしたのかの根拠が明確になっていると、翌年以降の目標設定の精度に活かすことができるでしょう。

また、私のように企業のSEOを支援しているコンサルタントの立場だと、実際の数値が自分で立てた目標設定の半分しかいかなかった場合、クライアントからその差分について説明を求められます。
そのときに「何となく…」と言うことはできません。

目標と実際の数値に差分があることが悪いかどうかの話ではなく、根拠のある目標数値であれば、次に向けて建設的な議論ができます

理想が高すぎず現実的すぎない目標を設定して、SEOをがんばろう!

新任SEO担当の方へ向けて、最低限押さえておいたほうがいい目標設定の方法を解説しました。

ごくシンプルな方法をお伝えしているので、コンテンツ制作が絡む話になる場合は、コンテンツの制作本数なども踏まえた目標設定をする必要があります。
もし、やはり目標設定するのが難しいようでしたら、ぜひナイルにご相談ください。

ナイルでは、SEOの目標設定はもちろん、SEO施策のご提案から分析・改善提案まで、トータルでご支援しております。

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