BtoBとBtoCでは、マーケティングで意識すべきことは異なります。BtoBマーケティングで成果を出すためには、その特徴をよく理解しておくことが重要です。そこで本記事では、「BtoBマーケティング」と「BtoCマーケティング」の定義や、両者の7つの違いを解説します。
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BtoBマーケティングとは?
BtoBマーケティングとは、「企業向けの商品・サービスを販売するための活動」のことを指します。BtoBは「Business to Business」を略した言葉で、「企業が企業に向けて商品・サービスを提供する」という意味です。具体的な例としては、「企業向けコンサルティング」「ITツールの販売」「食材の卸売り」「製品部品の製造」などが挙げられます。
企業が他社の商品・サービスを購入する目的は、基本的に「利益を上げるため」です。利益を生み出すために、他社にコンサルを申し込んだり、他社のツールを使って業務効率を上げたりしています。BtoBマーケティングを成功させるためには、自社の商品・サービスがいかに相手の利益を生むのかを合理的に訴えることが効果的です。
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BtoCマーケティングとは?
BtoCマーケティングとは、「一般消費者向けの商品・サービスを販売するための活動」のことを指します。BtoCは「Business to Customer」の略で、「企業が一般消費者に向けて商品・サービスを提供する」という意味です。具体的なビジネスの例としては、「コンビニ・デパート」「飲食店」「保険会社」「ネット販売」など膨大な数の業態があります。
一般消費者が商品・サービスを購入する目的は「自分の生活の質を向上させて満足度を高めるため」であることが多いでしょう。このため、BtoCでマーケティングをする際には「満足感」や「幸福感」といった感情面に訴えかけることが効果的です。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの7つの違い
BtoBにしてもBtoCにしても、マーケティングを成功させるにはそれぞれの特徴を深く理解して、適切な手法を取ることが大切です。ここからは、BtoBとBtoCの違いを見ながら両者の特徴を深掘りしていきます。
BtoBとBtoCの違いをまとめると、下表のとおりです。
BtoB
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BtoC
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取り扱う商品・サービス
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完成品以外も取り扱う
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基本的には完成品
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価格
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高め
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低め
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販売方法
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作った企業が直接販売することが多い
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小売店・ECサイトを通じて販売することが多い
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決裁権者
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複数の担当者が承認
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消費者ひとりで判断
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検討期間
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長め
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短め
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ブランドスイッチ (他社製品への乗り換え)
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起きやすい
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起きにくい
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顧客との関係
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継続的にコミュニケーションを取る
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購入後はあまりコミュニケーショを取らない
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それでは、それぞれの項目の詳細を見ていきましょう。
違い1 取り扱う商品・サービス
1つ目の違いは、取り扱う商品・サービスです。BtoCでは基本的には完成品を取り扱うことが多い一方で、BtoBでは完成品以外もよく取り扱います。
BtoCで取り扱われるのは、日用品など一般消費者をターゲットとした商品・サービスです。一般消費者が商品・サービスを購入する目的は、自分の生活の質を向上させることにあります。そのためユーザーは商品を購入後すぐに使って、満足感が得られる完成品を好む傾向が高いでしょう。
BtoBでは、企業対企業の取引になります。企業が他社製品を購入する目的は収益を得るためです。利益を上げるために、他社から部品を購入して製造した商品を販売したり、他社のサービスを活用してコストを削減したりといったことが行われています。このようにBtoBでは完成品以外の「部品・原料」や「企業活動の一部をサポートするサービス」も取り扱われます。
違い2 価格
BtoBとBtoCでは、扱う商品・サービスの価格も異なります。BtoBは単価が高くBtoCは低い傾向にあり、このような価格の差が生じるのはターゲットに違いがあるからです。BtoBでは「企業」がターゲットになるのに対し、BtoCは「一般消費者」がターゲットになります。したがって企業と個人では、必然的に商品・サービスを購入する予算の桁が違ってくるのです。
それに伴い、BtoBとBtoCでは価格の決め方も異なります。BtoCでは販売店によって若干の価格差はあるものの、同じ商品であれば全国どこでも同じような価格で購入が可能です。しかし、BtoBでは同じ商品・サービスでも取引先ごとに価格が変動する場合があります。これは案件ごとに見積もりを出して価格を決めることが一般的だからです。
違い3 販売方法
販売方法もBtoBとBtoCでは異なります。BtoBでは、商品・サービスを作った企業が直接取引先へ販売することが主流です。そのためマーケティング戦略を練る上では、顧客を集める方法を含めて考える必要があります。
一方でBtoCは小売店やECサイトを通じて販売することが一般的なため、集客は販売する店舗やサイトに委託する場合が多いでしょう。ただし、自社の店舗やECサイトで販売する際にはBtoBと同様に集客の戦略を練る必要があります。
違い4 決裁権者
4つ目の違いは、商品・サービスを購入する決裁権を持つ人です。BtoCでは決裁権者と利用者が同一人物なのに対して、BtoBでは決裁権者と利用者が基本的に異なります。
まずBtoCの場面では、商品・サービスを利用する人が店舗やサイトに訪れ、1人で購入するかどうかを決めることが多いでしょう。マーケティング戦略を練る上では、「商品を使う人」の購買意欲を掻き立てる戦略が必要です。
一方でBtoBでは商品・サービスを購入する際に、社内の複数の担当者がチェックします。これは会社の予算が適正に使われるよう、慎重に判断するためです。社内審査の中では、購入する商品・サービスを直接使用しない上長の決裁まで得る必要があります。実務担当者と管理職の両方が納得し、購入してもらえるようなマーケティング戦略を取ることが大切です。
違い5 検討期間
BtoBとBtoCでは決裁権者が異なることに関連して、購入に至るまでの検討期間にも差があります。一般的にBtoBでは購入までの検討期間が長く、反対にBtoCでは短い傾向になるでしょう。
理由は、BtoBでは商品・サービスの購入までに複数の担当者の承認が必要であることです。複数人がそれぞれ購入の必要性を判断するため、その分時間がかかります。大きな企業になればなるほど、1つの事業に関わる担当者が多く決裁者も増えるため、検討期間が長くなる可能性があるでしょう。
一方でBtoCでは、決裁権者が1人の場合が多いです。例えば主婦の方がスーパーで買い物をするとき、自分だけの判断で1つ1つの商品を非常に短い時間で「買う」「買わない」の選別をしていきます。このように、BtoBと比べて検討期間は圧倒的に短いといえるでしょう。ただし、住宅や自動車など高額の商品を購入する場合には家族で時間をかけて話し合うことが一般的です。「BtoCだから一概に検討期間が短い」というわけではない点に注意してください。
違い6 ブランドスイッチの起きやすさ
BtoBではブランドスイッチは起きにくく、BtoCではブランドスイッチが起きやすい傾向です。ブランドスイッチとは、ある商品・サービスを使っていた人や企業が、同じような別ブランドの製品に切り替えてしまうことを指します。
BtoBでブランドスイッチが起きにくい理由は、1つの商品・サービスを変えると複数の部署に影響が出る場合があるためです。例えば今までWindowsのパソコンを使っていた企業が、社内の全てのパソコンをMacに切り替えるとなると、大変な労力がかかります。このように商品・サービスを切り替えること自体がコストに大きく影響するため、ブランドスイッチは起きにくいといえるでしょう。
一方でBtoCでは個人ユーザーが品定めをしやすい状況にあるため、ブランドスイッチが起きやすいといえます。例えば食パンにしても衣料用洗剤にしても、新商品が出たりセールになっていたりするたびに別ブランドのものを試す人が多いのではないでしょうか。BtoCの商品・サービスの多くは代替可能でトレンドの移り変わりも早いことから、ブランドスイッチが起きやすいとされています。
違い7 顧客との関係
最後の違いは「顧客との関係」です。BtoBでは購入してもらった企業と継続的にコミュニケーションを取ることが多い一方、BtoCの大体の分野では購入後にユーザーとコミュニケーションを取ることはあまりありません。
BtoBでは「定期的なミーティングを実施する」「納入している部品の改良をお願いする」「ツールの仕様の変更を共有する」などの機会はよくあります。このように、商品・サービスを購入した後も引き続き企業間でコミュニケーションを取る機会が多くなります。
一方でBtoCでは、一部の分野を除いて商品・サービスを提供する企業と消費者がコミュニケーションを取る機会はあまりありません。例えば、コンビニでお菓子を買ったときに客と製造メーカーがやりとりをすることは基本的にないでしょう。ただし、自動車など購入後もメンテナンスが必要な商品の場合には、オーナーと企業が継続的にコミュニケーションを取ることがあります。
BtoBの特徴を理解してマーケティングを行う
マーケティング戦略を練る上では、BtoBでもBtoCでも自社のベクトルを定めて適切な手段を取る必要があります。そのためには、BtoBとBtoCの違いは押さえておくべきポイントです。マーケティングで成果を上げるためにも、ぜひ本記事で紹介した7つの違いを参考にしてマーケティング戦略に役立ててください。
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