ドローンを使ってスプレーで巨大な壁画を描いてみよう

何の変哲もないドローンが、大きな落書きを描くところを見てみよう。イタリアのとあるデザイン会社が、ちょっとした楽しいショーを企画した。アートコミュニティからスケッチを募集し、それらをまとめて巨大な壁画にしようというもの。ドローンのチームによって12時間かけて描かれた。

塗料のスプレーによって何かを描くドローンは見たことがあるかもしれない。しかし、ファッション広告看板の下品な破壊行為は言うに及ばず、ディズニーの構造的な壁画よりも、これははるかに優れている。こちらのドローンは、実際に見る価値のあるものを描き上げたのだ!

このUrban Flying Opera(UFO)プロジェクトは、Carlo Ratti Associati(CRA)によって監修されたもの。まずアプリを使って1200点ほどの小さなイラストを集め、そこから100点を選んで1枚の壁画としてまとめた。こうして線画で構成された壁画は、1台の集中制御用コンピューターにロードされ、そこからスプレー缶を装備した4台のドローンに描画の指示が分配された。そして、それらのドローンが、12時間かけて巨大な壁に全体を描き切ったのだ。

プロジェクトに使われたドローンは、Tsuru Roboticsが提供した。この会社にとっては広報活動の一環でもあった。各ドローンが、それぞれ描画全体の一部を分担した。複数のドローンの位置を監視するシステムによって、ドローン同士が衝突したりしないよう注意が払われた。白い壁にスプレーしていくのだから、やり直しは効かない。

壁画は幅46フィート(約14メートル)、高さ39フィート(約12メートル)で、それぞれ独立してペイントされた各色のレイヤーによって、このプロジェクトがハイライトを当てようとしたコミュニティの、いろいろな特徴を表現している。

「街というものはオープンキャンバスであり、人々はさまざまな方法で各自のストーリーを刻む込むことができます。そうしたプロセスは、常に発生しているのです。しかしUFOでは、それを加速させてみました。ドローン技術を使って、表現の手段として新しい描画の使い方を可能にしたのです」と、CRAの創立者、Carlo Ratti氏はNew Atlasに語った

忠実度としては、本格的なグラフィティやストリートアートのベレルには、まだまだ遠く及ばない。しかし、ドローンを使ったスプレー描画が、単なる悪ふざけではなく、実用的な手法の1つになろうとしているのは確かだ。おそらく将来は、ドローンを使った破壊行為でさえ、もっと高品質なものになるだろう!

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(翻訳:Fumihiko Shibata)