LINE側サーバーに相談情報が残らない、内閣サイバーセキュリティセンターのLINE利用ガイドライン対応SNS相談システム

LINEを活用したシステムを開発するタビィコムは6月28日、官公庁・自治体・団体が実施するSNS相談(いじめ・税務・法律・妊婦相談、窓口・問い合わせ業務など)事業向けの同社SNS相談システム「e 相談」において、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)のLINE利用ガイドラインに対応させたことを発表した。

内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は2021年4月、「政府機関・地方公共団体等における業務でのLINE利用状況調査を踏まえた今後のLINEサービス等の利用の際の考え方(ガイドライン)」を発表しており、政府機関・地方公共団体などはこれに準拠したLINEサービスの利用システムが求められている。

内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)のLINE利用ガイドライン(抜粋)

  • 「相談業務等のコンタクトポイントの一つとしてLINEサービスを利用する場合は、相談内容等の機密性を要する情報等がLINE社側に残らず、これらの情報は委託先等のデータベースに直接格納・保管されるシステム構成とすること」
  • 「各行政主体は、これらの措置を委託先に担保させるため、委託先に対して、事前にこれらの事項を確認したうえで各主体にLINEサービス利用の承認を求めるとともに、定期的に利用状況を報告することを委託先への仕様内容に含める、また、各行政主体は本ガイドラインに則って、委託先によるLINEサービス利用の可否を判断する。ただし、身体人命に危険が及ぶ可能性の高い相談事業(いじめ、虐待相談等)において、緊急性を要する相談(画像含む)がLINEサービス上で寄せられ、例外的にLINEサービス上で要機密情報を含む緊急対応をすることは排除されない。」

ガイドライン準拠システムについて自治体・団体から問い合わせがあったことから、タビィコムは、官公庁・自治体・団体ごとの運営ポリシーによって「従来型のLINE相談」と「NISCのLINE利用ガイドラインに対応したLINE相談」のどちらでも選択できるよう、e 相談の新機能としてリリースしたという。この仕組みは、企業・大学・医療機関など様々なLINE相談のニーズにも対応可能としている。

同機能では、LINE公式アカウントをコンタクトポイントとして利用し、LINEの中でウェブブラウザーを立ち上げ、ウェブチャットにより相談を行える。同チャットは、LINEが提供するウェブアプリのプラットフォーム「LIFF」を利用しており、相談内容は暗号化して通信を行うほか、LINE公式アカウントと友だちになった相談者のみが閲覧・利用できる。

またこれらはLINEのサーバーにはデータが残らない仕様となっており、すべてのデータは日本国内に設置されたサーバーにデータが暗号化されて保管される。利用者のプライバシーに関するアンケートや質問内容を行った際も、質問内容と回答結果が、LINEのサーバーにデータは残らない仕様を採用している。

このほか、e 相談は以下機能を備えているという。

  • LINEからの相談はウェブブラウザーベースの有人対応画面で相談員が応答
  • 定型文、スタンプ、画像などを送信できる
  • 相談を他の相談員に引き継げる
  • 過去の相談履歴を確認しながら相談員が対応できる
  • 相談受付時間、曜日が設定可能
  • 相談員が同時に対応できる相談数を設定可能
  • 相談先の部署ごとに相談内容の閲覧制限がかけられる
  • 警察などの関係機関と連携するために必要な情報を提供できる
  • ウェブチャットを利用した相談機能

また相談員に相談する前にAIなどによる自動応答メッセージやボット(Bot)を設定することで、相談員の業務負担軽減を図ることも可能だ。

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カテゴリー:GovTech
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