Apple(アップル)はデベロッパーに対して、子ども向けのアプリにサードパーティ製のトラッカーを埋め込むことをやめるように通達した。従わなければ、そのデベロッパーのアプリはApp Storeから削除される。
Appleは、米国時間6月3日に開催されたWWDCの基調講演の後、App Storeの「子ども向け」カテゴリとして提供されるアプリのガイドラインを、こっそりと改定した。
「子ども向けカテゴリのアプリには、サードパーティの広告や、分析ツールを含めることはできない」と新しいガイドラインは示している。以前のガイドラインは、広告に対するユーザーの行動を追跡することのみを規制していた。
Appleは現在、子ども向けカテゴリのアプリに、アプリの外部に向けたリンクや、アプリ内購入の機能を含めることも禁止している。
Appleは、最近のマーケティングキャンペーンで、「iPhone内で起こることはiPhone内にとどまる」と主張した。それについて批評家は、正確ではないと指摘している。多くの場合、アプリには広告やトラッキングコードが含まれていて、アプリのメーカーは各デバイスの情報を収集できる。その中には、位置情報やその他のデータが含まれていて、サーバーに転送するようになっている。そうした情報から、アプリ会社はユーザーに合った広告を流したり、アプリがどのように使われているかを学習したりすることができるのだ。
先週、ワシントンポストは、1週間の間に5400本を超えるアプリのトラッカーが、iPhoneからデータをアップロードしていることを発見しました。iPhoneの利用者が眠っている夜中の時間帯にもだ。
今年の初めのTechCrunchの調査によると、いくつかのアプリは、いわゆるセッションリプレイ技術を利用していた。それは分析ツールの一種で、アプリが動作中の画面を録画するものだ。Expedia、Hollister、Hotels.comの各社によって開発されたアプリは、Appleが定めた規則に違反していることが判明した。そうしたデベロッパーは、該当するコードを削除するよう指示された。
これに関してAppleは、Googleの後を追ったかたちだ。先週Googleは、Google Playから入手できるAndroidの子ども向けアプリに関する新しいポリシーを設定したこの動きは、FTC(米連邦取引委員会)からの告発に対応するものだった。それは、20を超える消費者擁護団体が、Googleはアプリが、子供のプライバシーを保護する連邦法を確実に遵守するための対策を怠っている、と告発したことに端を発するもの。
Appleの新しい規制のおかげで、少なくとも子供たちは、iPhoneデータのプライバシーを守るために戦うチャンスをようやく手にしたことになる。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)