2015年に創業したAlgoluxは、既に多くのプレイヤーがいる自動車用コンピュータービジョンの世界では、あまり知られた名前ではない。だがケベックを拠点とするこのスタートアップに、関心を示す投資家が増えている。例えば、昨年5月にはゼネラルモーターズベンチャーズが率いる1000万ドル(約11億円)のシリーズAの調達に成功し、現段階での調達額は1340万ドル(約15億円)に達している。ここまで同社がほぼ無名だったことを考えると悪くない数字だ。
米国時間3月11日にAlgoluxはIonを発表した。これは企業が自力で認識システムを開発する際に用いることのできる、一連のツールならびに組込みソフトウェア一式である。これは本質的にプラグアンドプレイのソリューションを提供する。現在よく見られるような、利用する企業が他のシステムと容易に統合できないような場所に閉じ込められてしまうようなアプローチとは反対のアプローチだ。
Algoluxは、政府機関からのさまざまな規制や、複雑な環境でのシステム運用を行うために設計された安全機能を組み込んで、エンドツーエンドのソリューションを構築しようとするユーザーに、同社の機械学習およびコンピュータビジョン技術を提供する。
Algoluxは、Ionは従来型のシステムに使うこともできるが「根本的に新しいデザイン」に用いることも可能だと言う。この機能は、あらゆる種類のセンサー、プロセッサ、そして認識タスクに適用することができる。Ionは、カメラのチューニング用に設計されたたくさんのモジュールの集合体のディープニューラルネットワークのEosと、ツール群のAtlasに依存している。それは開発者たちに、彼らの個別のニーズに基づいた取捨選択アプローチを提供する。
TechCrunchへの手紙の中で、VPのデイブ・トキック氏は、同社と競合相手たちとの間の根本的な差別化要因は、 各企業が異なるニーズに対応して異なるプロダクトを利用しコストをカットすることを可能にする、一種のブランド非依存主義だと述べている。
「当社のIonプラットフォームは、ツール(Atlas)と組み込みソフトウェアスタック(Eos)で構成されています。これらを使うことで認識システムを開発しようとする開発チームに対してユニークなエンドツーエンドアプローチを提供します」と彼は言う。「これにより、開発チームはセンシングと知覚の両方にまたがって(さらに計画と制御までも含み)最適化と深層学習を行い、より良い性能を実現することが可能になります。また現状の閉鎖的なデザインプロセスをよりオープンなものにすることができます。この機能は、あらゆる種類のセンサー、プロセッサ、そして認識タスクに適用することができます」。
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(翻訳:sako)